ユーザー向け

ニキビができたら皮膚科に行くべき?正しいニキビの治し方と予防方法について詳しく紹介

監修医師 松澤 宗範
更新日:2024年12月9日

更新日:2024年12月9日

ニキビができたら皮膚科に行くべき?正しいニキビの治し方と予防方法について詳しく紹介のイメージ
https://wpstatic.sokuyaku.jp/media/verified_FWGY2NZItNIfndPCjBRd-1.png
ニキビは誰にでもできるもので、皮膚科に行かなくても大丈夫と考える方も多いかもしれません。しかし、実際には自己流のケアだけでは完全に治すのは難しく、再発することもあります。今回は、どんなタイプのニキビが皮膚科に行くべき理由、正しいニキビの治し方と予防方法について詳しく紹介します。

ニキビとは

ニキビは、多くの人が経験する肌のトラブルです。特に、額、頬、口の周り、顎などの部分に赤い小さなできものとして現れます。毛穴に皮脂が詰まって炎症を起こすことででき、一部のニキビはすぐに治りますが、ひどくなると跡が残ることもあります。

 

一般的に、若い頃にできるものを「ニキビ」と呼び、大人になってからできるものを「吹き出物」と呼ぶことがありますが、どちらも同じものです。医学的にはこれを「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」と呼びます。

ニキビができる原因

ニキビは、皮膚の油分(皮脂)が多く分泌されることと毛穴の先が詰まることが原因です。毛穴が詰まると皮脂が中にたまり、この状態を「面皰」と呼びます。面皰の中は酸素が少なく皮脂が豊富なため、アクネ菌という細菌が増えやすい環境になります。

 

アクネ菌は、どんな毛穴にも存在する常在菌です。数が増えると炎症を起こし、赤いぶつぶつや膿を持ったニキビを引き起こします。さらに強い炎症が生じた場合、毛穴の周りの皮膚にダメージを与え、ケロイド状に盛り上がったり、凹んだりして瘢痕(はんこん)を残すことがあります。

ニキビの種類

ニキビの種類は、初期段階で毛穴に皮脂が溜まるだけのもの(面ぽう・コメド)から、炎症が起きて赤く腫れ上がる重症のものまであります。

マイクロコメド(微小面ぽう)

マイクロコメド(微小面皰)は、毛穴の詰まりが肌全体に小さな点々として現れる状態のことです。ただし、悪化した場合、通常のニキビに発展してしまうことがあります。

 

マイクロコメドは、主に皮脂や垢が原因です。見た目にはあまり変化がないため、気づきにくいことがあります。また、洗顔料や化粧品が十分に洗い流されずに肌に残ることも、マイクロコメドの原因となることがあります。

コメド(面ぽう)

コメドは、ニキビの初期段階で、毛穴が皮脂や角質で詰まってしまう状態のことです。「面ぽう」「白ニキビ」や「黒ニキビ」とも言われます。この状態では、肌を触るとざらざらした感触があるのが特徴です。

 

最初は小さいため、目立たないかもしれません。ただし、コメドを放っておくと、炎症が進んで赤く腫れた「赤ニキビ」や膿を持った「黄ニキビ」になってしまうことがあります。適切なケアを怠ると、これらのニキビは治った後にも跡が残ってしまうことがあります。

 

白ニキビ

最初にできるのが「白ニキビ」です。毛穴に古い角質や皮脂がたまってしまうことでできるもので、小さな白いブツブツが特徴になります。

この段階では、炎症がまだ起こっていないため、適切な洗顔や保湿を行うことで自宅でも十分にケアが可能です。

 

黒ニキビ

「白ニキビ」が進行してできるのが「黒ニキビ」です。これは毛穴にたまった角栓が酸化して黒くなった状態です。

見た目は黒く見えますが、白ニキビと同じく正しい洗顔や保湿を行うことで改善が期待できます。

赤ニキビ

進行すると「赤ニキビ」になります。これは毛穴にたまった皮脂をエサにアクネ菌が増殖し、炎症を引き起こしている状態です。

この段階では、痛みや腫れが現れることがあります。治療には皮膚科で抗生物質の内服や外用薬が効果的です。

黄ニキビ

「赤ニキビ」がさらに悪化したものが「黄ニキビ」です。これは炎症が進んで膿を持ってしまっている状態で、この段階になるとニキビが治った後でもクレーターのような跡が残ることがほとんどです。そのため、できるだけ早めに皮膚科で診察を受けることが大切です。

ニキビがひどくなるとどうなる?

しこりニキビとは、ニキビの炎症が進行してひどくなり、大きく腫れ上がって固く感じるものです。これらのニキビは、急に現れるのではなく、時間をかけて徐々に形成されます。この状態になると、触るとしこりのように感じることが多く、非常に痛みを伴うことがあります。

 

ニキビがひどくなると、毛穴の出口がふさがってしまい、中の内容物が排出されません。そのため、慢性的な炎症が続き、固いしこり(結節)が形成されます。この結節が化膿し、膿がたまったものが「嚢腫性ざ瘡」です。

 

嚢腫性ざ瘡になると、炎症がひどいために赤みや腫れが強くなり、指で触れると痛みが感じられます。この状態では、炎症が皮膚の深い部分まで広がり、治った後でも色素沈着やケロイド、またはアイスピックで突かれたような深い傷痕が残ることがあります。

正しいニキビの治し方

ニキビには大きく分けて2つのタイプがあります。

 

大人ニキビ

大人ニキビは、肌の新陳代謝のバランスが崩れることが原因です。乾燥や生活習慣の乱れによって、皮脂の排出がうまくいかなくなることがあります。古い角質が溜まった場合、毛穴が詰まりやすくなるため、ニキビができるのです。特に大人ニキビは、睡眠不足や不規則な食生活、ストレスなども大きな原因となります。

 

大人ニキビの治し方は、生活習慣の見直しが大切です。きちんとした洗顔で肌を清潔に保ち、保湿ケアを怠らないようにしましょう。また、ストレスを適度に解消することもかかせません。

 

思春期ニキビ
主にホルモンの影響で、皮脂が過剰に分泌されることが原因です。10代の成長期にはホルモンバランスが変化し、皮脂の分泌が増えるため、毛穴が詰まりやすくなりニキビの原因となります。20代になるとホルモンバランスが安定し、自然と治っていくことがほとんどです。

 

思春期ニキビの治し方は、過剰な皮脂をしっかりと洗い流してください。ニキビ専用の洗顔料を使い、優しく洗うことで肌を清潔に保ちましょう。また、食事にも注意が必要で、油分の多い食事を控え、ビタミンを豊富に含む食品を摂ることがおすすめです。

ニキビを悪化させる間違ったセルフケア

日常生活の中での習慣がニキビを悪化させる原因になることがあります。ここでは、ニキビを悪化させる行動についてご紹介します。

ニキビをつぶして、膿を出す

ニキビを潰したり、無理に膿を出そうとすると、炎症がひどくなり、ニキビ跡や色素沈着が残ることがあります。これは、細菌が広がりやすくなるためです。ニキビができても潰さないようにしましょう。

ニキビを放置する

ニキビを放置するのも避けてください。放置した場合、アクネ菌や皮脂が蓄積し、ニキビが悪化したり、跡が残りやすくなったりします。特に炎症が深部に及ぶと治療が難しくなることもあるため、早めに皮膚科を受診し適切なケアを受けましょう。

肌に刺激を与える

肌に摩擦を与えるケアもニキビには良くありません。たとえば、ふき取りが必要な化粧品やスクラブ入りの洗顔料を使うと、肌を擦ってしまい、角質層が傷ついてバリア機能が低下します。これにより細菌が入りやすくなり、炎症が悪化することがあります。肌に優しい洗顔料を使い、優しく洗うように心がけましょう。

過剰に洗顔する

過剰な洗顔も避けてください。ニキビができると皮脂が原因だと思うかもしれません。ただし、頻繁に洗顔し過ぎると皮脂を取り過ぎてしまい肌が乾燥します。乾燥するとバリア機能が低下し、外的刺激から肌を守れません。その結果、炎症を起こしやすくなりニキビが悪化します。

ニキビを治すための正しいセルフケア

ニキビは前から予防することが大切です。ニキビができるまでには段階があるので、早めの対策が効果的になります。ここで、日常生活で取り入れやすい予防法について紹介します。

肌を清潔に保つ

ニキビの主な原因は皮脂が毛穴を詰まらせることです。このため、毛穴の詰まりを改善し、予防することで、ニキビのない肌を目指しましょう。

 

洗顔で、毛穴に詰まった皮脂や角質などの汚れをしっかりと落とすことが重要です。ただし、洗浄力の強い洗顔料や洗顔のし過ぎは、必要な皮脂まで洗い流してしまい、肌の乾燥を招く原因となるので注意が必要です。乾燥肌は逆に皮脂の過剰分泌を引き起こし、ニキビができやすくなります。

 

ニキビ肌の洗顔には、洗顔料をしっかり泡立てて、キメの細かい泡を肌にのせて洗うことがポイントです。手で直接肌をこすらないように、泡で優しくマッサージするように洗顔を行ってください。洗顔料はぬるま湯でしっかり洗い流し、顔を拭く際は柔らかいタオルで押し当てるようにして、水分を吸収させます。ニキビの痛みや腫れがある場合は、敏感肌用の洗顔料を使うなどして工夫しましょう。

保湿する

保湿も忘れずに行いましょう。肌が乾燥すると、皮脂が過剰に分泌されることがあり、また肌のバリア機能も低下します。これによって、紫外線などの刺激に対して敏感になりやすくなります。肌を守るためには、普段からしっかりと保湿ケアを行い、肌にうるおいを与えることが必要です。

 

基礎化粧品としては、高保湿成分が含まれている商品がおすすめになります。もしニキビの痛みや腫れが気になる場合は、添加物の少ない基礎化粧品や、敏感肌向けの商品を選ぶと良いでしょう。

 

化粧水は肌に水分を与え、うるおいのある肌に導きます。一方、乳液やクリームは肌内部の水分の蒸発を防ぎ、外部の刺激から肌を守る役割を果たします。これらのアイテムをスキンケアに取り入れて、肌の健康を保ちましょう。

生活習慣を見直す

ニキビを防ぐには、生活習慣も見直しましょう。まずは食事のバランスが重要です。脂肪や糖分の多い食事は皮脂の過剰分泌を引き起こし、ニキビの原因となります。お菓子や揚げ物を頻繁に摂取する場合は、控えてください。食事では主食、主菜、副菜をバランスよく取り入れ、栄養が偏らないように心がけましょう。

 

十分な睡眠もニキビの予防にはかかせません。寝不足になると体の修復が十分に行われず、肌のターンオーバーが乱れます。成長ホルモンは睡眠中に分泌され、肌の修復を助けるため、しっかりとした睡眠を取ることが大切です。

 

ストレス管理も大切です。ストレスが溜まると免疫力が低下し、アクネ菌が増殖しやすくなります。また、ストレスは皮脂の分泌を促すこともあります。ストレスを全くなくすことは難しいですが、自分に合ったリフレッシュ方法を見つけて、ストレスをうまく解消しましょう。趣味に没頭する時間を作ったり、リラックスできる入浴時間を楽しんだりすることがおすすめです。

市販の治療薬を使う

白ニキビや黒ニキビなどの初期段階のニキビや、軽い炎症性ニキビに対しては、市販薬で十分な効果が得られることがほとんどです。ニキビを早くきれいに治すためには、適した薬を選ぶことが重要になります。

 

市販薬は薬局で簡単に手に入りますが、効果的な薬を選ぶには注意しましょう。自分だけで選ばず、薬剤師に相談することで、自分の症状に合った薬を見つけられます。また、ニキビ薬に含まれる代表的な成分やその効果について知識を持っておくと、自分に合った市販薬を選びやすくなります。

なかなかニキビが治らない場合は皮膚科に相談しましょう。

ニキビで困っているときには、皮膚科での治療を検討すると良いでしょう。ニキビがまだ軽い段階でも、治療を受けることで症状が悪化するのを防げます。特に、赤みや腫れがひどくなる前に対処するのがおすすめです。

 

自宅でのケアがなかなか効果を発揮しない場合や一度治ったニキビが再発する場合には、専門医に相談してください。専門医による正しい治療を受けることで、より早くきれいな肌を取り戻せます。ニキビが気になるときは、自己判断で放置せず、早めに皮膚科を受診することが大切です。

通院が難しい場合はオンライン診療もおすすめ

忙しくて時間がつくれなかったり、近くに病院がなかったりした場合には通院が難しいかもしれません。そんな場合には、オンライン診療がおすすめです。

オンライン診療とは

オンライン診療について

オンライン診療とは、自宅などにいながら、インターネットを使って医師の診察を受けられる医療サービスのことです。たとえば、スマートフォンやパソコンを使ってビデオチャットを通じて医師と直接話ができます。これにより、診察の予約、問診、診断、薬の処方箋の発行、そして支払いまで、すべてをオンラインで行うことが可能です。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKU(ソクヤク)は、オンライン診療をアプリでスムーズに行えるサービスです。予約からお薬の受け取りまでの全てのステップを簡単に行えるのが特徴になります。

専門スタッフによるサポートや、お気に入りのクリニックや薬局の登録機能もあり、お薬手帳をデジタル化することも可能です。また、全国どこでも当日または翌日にお薬を受け取れるため、通院が難しい方にもおすすめのサービスといえるでしょう。

まとめ

ニキビができたときは、自己流のケアよりも皮膚科での治療を受けることが、早く治すための近道です。誤ったケアや放置した場合には、しこりニキビになるかもしれません。

 

専門の治療を受ければ、ニキビの原因に合わせたケアができ、再発を防ぐことにもつながります。この記事を参考にして、正しいニキビケアと予防法を実践し、健康で美しい肌を目指しましょう。

コメント ニキビができやすい人の特徴として、皮脂の分泌が多い脂性肌やホルモンバランスの乱れが挙げられます。特に思春期の方やストレスを多く抱える方は、ホルモンの影響で皮脂が過剰に分泌されやすくなります。また、睡眠不足や不規則な食生活もニキビの原因となります。遺伝的な要因も影響するため、家族にニキビで悩んだ方がいる場合は注意が必要です。

監修医コメント

医師
松澤 宗範

ニキビができやすい人の特徴として、皮脂の分泌が多い脂性肌やホルモンバランスの乱れが挙げられます。特に思春期の方やストレスを多く抱える方は、ホルモンの影響で皮脂が過剰に分泌されやすくなります。また、睡眠不足や不規則な食生活もニキビの原因となります。遺伝的な要因も影響するため、家族にニキビで悩んだ方がいる場合は注意が必要です。

この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。

当コラムの掲載記事に関するご注意点

  • 当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
  • 当コラムにおいて、医療及び健康管理関連の資格を持った方による助言、評価等を掲載する場合がありますが、それらもあくまでその方個人の見解であり、前項同様に内容の正確性や有効性などについて保証できるものではありません。
  • 当コラムにおける情報は、執筆時点の情報であり、掲載後の状況により、内容の変更が生じる場合があります。
  • 前各項に関する事項により読者の皆様に生じた何らかの損失、損害等について、当社は一切責任を負うものではありません。
ニキビができたら皮膚科に行くべき?正しいニキビの治し方と予防方法について詳しく紹介のイメージ
この記事が気に入ったら
いいねしよう!
最新記事をお届けします。
監修医師 松澤 宗範
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科

皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療

2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科 皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療 2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
オンライン診療アプリ
SOKUYAKUの使い方
  • STEP1

    診療予約

    SOKUYAKUの使い方STEP1
  • STEP2

    オンライン問診

    SOKUYAKUの使い方STEP2
  • STEP3

    オンライン診療

    SOKUYAKUの使い方STEP3 SOKUYAKUの使い方STEP3
  • STEP4

    オンライン服薬指導

    SOKUYAKUの使い方STEP4 SOKUYAKUの使い方STEP4
  • STEP5

    おくすり配達

    SOKUYAKUの使い方STEP5

    ※お薬の処方は医師の診察により薬が処方された場合に限ります。

SOKUYAKUメディカルコラム