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零売で購入できる医薬品の種類|医薬品はどのように分類されているのかを解説

監修薬剤師 佐生佳子
更新日:2024年06月20日

更新日:2024年06月20日

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医療用医薬品を購入するには、医師が診断に基づいて処方箋を発行し、その処方箋に基づいて薬剤師が調剤するのが原則です。

しかし、一部の医療用医薬品については、処方箋がなくても「零売」(れいばい)という方法で購入できます。

今回は、零売で購入することができる医療用医薬品の種類について紹介します。

そもそも零売って?

「零売」はもともと「小売り」「分割販売」という意味があり、一部の医療用医薬品を処方箋なしで購入することができます。

医療用医薬品は、前にも述べたように、高い効果が期待できる反面、使用方法や副作用に注意が必要です。そのため、医師が診察したうえで処方し、薬剤師が調剤するのが原則です。

 

しかし、薬剤師が医師への診察を勧めたうえで、以下の条件を満たせば 、処方箋なしでも一部の医療用医薬品を零売できることが、厚生労働省によって定められました。

必要最低限の数量に限定する

相互作用・重複投薬防止のために薬歴を管理する

薬局において薬剤師が対面により販売をする

参考:厚生労働省「薬局医薬品の取扱いについて」

現在、零売に対応できる薬局は、全国で15店舗ほどといわれています。

零売で購入できる医薬品の種類

病院で出される医療用医薬品は、次の2つに分類されます

処方箋医薬品 医師の処方箋が絶対に必要な医療用医薬品 高血圧・糖尿病の薬、抗生物質、精神安定剤、睡眠薬、抗がん剤など
処方箋医薬品以外の医薬品 医師の処方箋が必ずしも必要としない医療用医薬品 痛み止め、抗アレルギー剤、胃腸薬、かぜ薬、ステロイド軟膏など
※一部要処方箋に分類されてしまう医薬品 もあり

このうち、零売の対象となるのは、下段の「処方箋医薬品以外の医薬品」(非処方箋医薬品)です。零売で販売する医薬品は、病院・調剤薬局で使われているものと同じものです。

 

処方箋医薬品は、次のような基準で選ばれます。

耐性菌が生じやすかったり、重篤な副作用が出やすいため、医師が患者の病状や体質等に応じて適切に選択しなければ安全・有効に使用できない医薬品

定期的な医学的検査をする必要があるなど、患者の状態を把握する必要がある医薬品

依存性があるなど、本来の目的以外の目的に使用されるおそれがある医薬品

下段の非処方箋医薬品は、文字通り「処方箋医薬品以外の医薬品」になります。医療用医薬品が約15,000種類あるなか、約7,000種類を占めるともいわれています。

 

しかし、非処方箋医薬品が処方箋医薬品より効き目が弱めになっているとか、副作用が少ないということでは決してありません。

零売はあくまでも病院に行くことができない時の選択肢のひとつとして

例えば、鎮痛・解熱剤としてよく使用されるロキソニン錠も、胃部不快感、食欲不振、浮腫、発疹、眠気、下痢などの副作用が起きる可能性があります。

 

また、アナフィラキシーなどの重大な副作用が起きることもあり、このため、アスピリン喘息がある方や、過敏症がある方などは禁忌とされています。

 

そのため、なるべくは医師の診察・処方を受けたうえで、お薬を処方してもらうことをすすめています。

 

万一、副作用などが起きたり、症状の改善が見られない場合は、すぐに医薬品の使用を中止し、医師の診察を受けるようにしましょう。

零売可能な医薬品の一例

種類 医薬品名(代表例)
かぜ薬 PL配合顆粒
抗アレルギー剤 アゼラスチン塩酸塩錠、アレグラ錠、アレジオン錠アレロック錠、エバスチン錠、エピナスチン塩酸塩錠オロパタジン塩酸塩錠、クラリチン錠、ジルテック錠セチリジン塩酸塩錠、トラニラストカプセルフェキソフェナジン塩酸塩OD錠、プランルカストカプセルロラタジンOD錠、ロラタジン錠
鎮咳剤・去痰剤 アスベリン錠、 アンブロキソール塩酸塩錠カルボシステイン錠、デキストロメトルファン臭化水素酸ブロムヘキシン塩酸塩錠、ムコダイン錠、メジコン錠
鎮痛剤・解熱剤 アセトアミノフェン錠、カロナール錠クリアミン配合錠、トーワチーム配合顆粒トラネキサム酸錠、トランサミンカプセルトランサミン錠、ピーエイ配合錠ロキソニン錠60mg、ロキソプロフェンNa錠
強心剤 ユビデカレノン錠
肝臓病 タウリン散
ビタミン剤 アリナミンF糖衣錠、シーピー配合顆粒、 シナール配合錠シグマビタン配合カプセルB25、シナール配合顆粒トコフェロールニコチン酸エステルカプセルノイロビタン配合錠、フルスルチアミン錠ベンフォチアミン錠、メコバラミン錠、メチコバール錠
胃酸過多 ファモチジンOD錠、ラニチジン錠ラフチジン錠、レバミピド錠
胃もたれ エクセラーゼ配合錠、スクラルファート顆粒テプレノンカプセル 、 モサプリドクエン酸塩錠
おなかの膨満感やゴロゴロ ガスサール錠
胃炎・胃潰瘍 アルジオキサ錠
吐き気 ドンペリドン錠 、プリンペラン錠5
吐き気・食欲不振・胸やけ イトプリド塩酸塩錠
便秘 センノシド錠
便秘・軟便 ビオフェルミン錠剤 、 マグミット錠
点眼薬 クロモグリク酸Na点眼液、ケトチフェン点眼液サンコバ点眼液、パタノール点眼液、リボスチン点眼液レボカバスチン塩酸塩点眼液、 フルメトロン点眼液ヒアルロン酸ナトリウム点眼液 、 ヒアレイン点眼液
点鼻薬 インタール点鼻、クロモグリク酸Na点鼻液ケトチフェン点鼻液、コールタイジン点鼻液フルチカゾン点鼻液、フルナーゼ点鼻液、リボスチン点鼻液
貼り薬 ジクロフェナクNaテープ、ドレニゾンテープ、ボルタレンテープモーラステープ、ロキソニンテープ、ロキソプロフェンNaテープ
塗り薬 アシクロビル軟膏 、ゾビラックス軟膏、ビダラビン軟膏ボルタレンゲル 、 エンペシドクリーム、ゲンタシン軟膏ゼフナートクリーム、ゼフナート外用液ブテナフィン塩酸塩クリーム、ラミシールクリームラミシール外用スプレー、 プロクトセディル軟膏ヒルドイドソフト軟膏、ヒルドイドローションヘパリン類似物質外用スプレー、リンデロンVGローションリンデロンVG軟膏、ルリクールVG軟膏強力レスタミンコーチゾンコーワ軟膏
漢方薬 ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒、 KB1 クラシエ葛根湯エキス細粒クラシエ麻黄湯エキス細粒、クラシエ防風通聖散エキス錠クラシエ五苓散料エキス細粒、クラシエ五苓散料エキス錠クラシエ小青竜湯エキス細粒、クラシエ小青竜湯エキス錠

処方箋が必要な医薬品

処方箋医薬品に定められている医薬品としては、抗高血圧薬・糖尿病薬・抗精神薬・抗生物質・抗がん剤などがあります。

アムロジン錠

ハルナール錠

ダオニール錠

ザファテック錠

ジスマロック錠

クラリス錠

デパス錠

セディール錠

ハルシオン錠

マイスリー錠など

薬局に行くときは、お薬手帳や処方されている医薬品の説明書を持参するとスムーズに受け取りができます。

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オンライン診療は、
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服薬指導の待ち時間を短縮したい方、二次感染リスクを減らしたい方は、ぜひ「SOKUYAKU」をご利用ください。

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