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低用量ピルに避妊効果はないの?避妊効果を上げる服用方法や失敗の原因について解説

監修医師 阿部 一也
更新日:2024年05月27日

更新日:2024年05月27日

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低用量ピルは、女性ホルモンが含まれている避妊を目的とした薬です。低用量ピルは、コンドームや緊急避妊薬に比べて高い避妊効果を持っています。低用量ピルには、低用量のものだけでなく、中用量や緊急避妊用のものもあり、それぞれのニーズに合わせて選べます。

低用量ピルを服用していて、避妊に失敗する可能性があるのはどのような場合でしょうか?また、生理不順を改善するために低用量ピルを服用している場合、避妊効果はどうなるのでしょうか?

この記事では、低用量ピルの避妊効果について詳しく説明します。また、避妊効果を上げる服用方法や失敗の原因について解説していきます。低用量ピルの服用を検討している方、または既に服用している方も、ぜひ参考にしてください。

低用量ピルには避妊効果はある

低用量ピルには、女性の体内で自然に生成されるホルモンと同じような働きをする成分が含まれています。この低用量ピルを飲むことで、身体はすでに必要なホルモンが十分にあると錯覚し、脳が卵巣に対して排卵を促すホルモンを出すのを止めます。これにより、排卵が起こらなくなるのが避妊効果の仕組みです。

 

また、子宮内膜が薄くなることで、受精卵が着床しにくくなります。さらに、子宮頸頚管の粘液も粘り気が増すため、精子が子宮内に入るのを困難にします。この一連の作用により、低用量ピルは避妊手段として機能するのです。

 

つまり、低用量ピルは排卵を抑制し、子宮内膜を薄くさせることで受精卵の着床を防ぎ、精子の子宮への侵入を難しくする3つの効果で、妊娠を防ぐ効果を発揮します。

避妊効果のない低用量ピルの種類も

低用量ピルは含まれているホルモンの種類や量によって、さまざまな種類があります。また、目的によって避妊用の低用量ピルと治療のための低用量ピルがあります。治療のための低用量ピルは月経困難症、子宮内膜症などの治療を目的とした低用量ピルで、健康保険が使えます。

 

治療目的で使われる超低用量ピルは、低用量ピルよりも含まれているホルモンの量が少ないことが特徴です。一応避妊効果もあるのですが、日本ではその効果についての試験が十分に行われていないため、避妊手段としては推奨されていません。つまり、主に生理の痛みや不調を軽減するために使うもので、避妊を目的とした薬ではないということです。

 

また、診察以外で手に入る低用量ピルにも注意してください。通販や個人輸入で手に入る低用量ピルは、価格が安くて手軽なため魅力的に感じるかもしれません。ただし、中には偽物の低用量ピルや不純物が混ざっていることがあるため、絶対に止めておきましょう。

 

効果の保証されてない低用量ピルや偽物の低用量ピルを飲んでいると、妊娠をしてしまうリスクがあります。

主な避妊方法とそれぞれの避妊効果

避妊方法は低用量ピルだけではありません。コンビニや薬局で買えるものもあれば、病院で医師の診察が必要なものもあります。それぞれに良い点と注意点があるので、状況に合わせて選択しましょう。

低用量ピル

低用量ピルは、女性ホルモンを含む避妊薬です。毎日同じ時間に服用することで、99.7%の避妊効果があります。ただし、医師の処方箋が必要で、正しい服用方法を守ることが重要です。

 

低用量ピルは、毎日の服用がかかせません。飲み忘れた場合、避妊効果が低下するリスクがあるからです。

 

副作用としては、嘔気や嘔吐、不規則な出血、乳房痛、片頭痛の悪化などがあり、特に注意が必要な副作用として深部静脈血栓症があります。副作用には個人差がありますが、気になる場合は我慢せず医師に相談しましょう。

アフターピル

もし避妊が上手くいかなかった場合、避妊せずに性交渉をしてしまった場合の避妊方法です。アフターピルは緊急避妊薬になります。性交渉後72時間以内(種類によっては120時間以内)に飲むと、約80~90%の確率で妊娠を防げるとされています。

 

ただし、この薬を手に入れるには医師の処方箋が必要です。そのため、必要な場合には早めに医療機関に相談してください。

コンドーム

コンドームは、性行為の際に男性が使用する避妊具で、もっともポピュラーなものです。ゴム製のカバーを使って、精子が女性の体内に入るのを防ぎます。手軽に購入でき、副作用も少なく性病の予防にも役立ちます。

 

ただし、使い方を間違えると避妊効果が下がるため、正しい使い方を覚えないといけません。また、破れるリスクもあるため注意しましょう。

子宮内避妊用具

子宮内避妊具には「IUS」と「IUD」という2つのタイプがあります。女性が主体となる避妊方法です。

 

「IUS」は、子宮内に装着することで黄体ホルモンを少しずつ放出し、精子が卵子に到達するのを防ぎます。受精卵が子宮内膜に着床するのを妨げることで避妊効果を発揮します。この方法は一度の装着で3年から5年の長期間にわたって避妊効果が持続するため、日常的に避妊を心配する必要がありません。

 

ただし、装着や取り外しには医師の処置が必要なうえ、装着後は定期的な検診が必要です。特にIUSの場合は生理の量が多い人では装置が抜け落ちるリスクがあるため、注意しましょう。また、若い女性や出産経験のない女性には使用できない場合があります。

低用量ピルで避妊に失敗する原因

低用量ピルを服用しているのに避妊に失敗する場合があります。低用量ピルに避妊効果がない場合は、どんな原因があるでしょうか?

 

低用量ピルを飲み忘れた場合

・低用量ピル服用後に下痢や嘔吐をした場合

・飲み合わせの悪い薬やサプリメントを服用した場合

・低用量ピルの効果が出る前に性交渉をした場合

 

それぞれの原因について、見ていきましょう。

低用量ピルを飲み忘れた場合

低用量ピルは毎日決まった時間に飲むことが重要です。もし1日だけ飲むのを忘れても、すぐに気づき、内服した場合は、避妊効果は大きくは落ちません。しかし、2日以上飲み忘れると、その効果は少しずつ弱くなってしまいます。

 

飲み忘れた場合には、再開した日から7日間以上低用量ピルを飲んでから、性行為をしてください。再開して7日経つ前に性行為をした場合、妊娠の可能性が高まるため注意してください。

 

もし2日以上飲み忘れた場合には、アフターピルが必要になるかもしれません。飲み忘れに気づいた時点で、低用量ピルを処方してもらった病院に相談しましょう。

 

もし低用量ピルを飲み忘れたら?対処方法やその後の服用方法について解説

低用量ピル服用後に下痢や嘔吐をした場合

低用量ピルを飲み始めると、体が慣れるまでに吐き気や下痢などの副作用が出ることがあります。内服後に吐いたり下痢をした場合、低用量ピルの成分が十分に吸収されない可能性があり、避妊効果が低下するかもしれません。特に、低用量ピルを飲んでから2時間以内に嘔吐や下痢があった場合は、その日の低用量ピルが体に吸収されていない可能性があるため、注意してください。

 

2時間以上経過した後の嘔吐や下痢の場合は、翌日決まった時間の服用を続けましょう。副作用は、一定期間内服していると、改善してきますが続く場合は、無理をせずに処方してもらったクリニックに相談してください。

飲み合わせの悪い薬やサプリメントを服用した場合

低用量ピルは、他の薬と一緒に飲むと効果が弱まることがあります。特に、抗生物質のペニシリンや、鎮痛薬によく含まれているアセトアミノフェンとの併用は注意してください。これらの薬を低用量ピルと一緒に飲むと、低用量ピルの避妊効果が下がってしまう可能性があります。

 

低用量ピルを飲んでいる場合には、他の薬を飲む前に医師や薬剤師に相談しておきましょう。

低用量ピルの効果が出る前に性交渉をした場合

低用量ピルを使うときは、きちんと決められた通り飲むことが大切です。通常、21日間毎日低用量ピルを飲んで、その後7日間休むというのが一般的な方法になります。

 

3週目の終わりごろや1週目に低用量ピルを飲むのを忘れてしまうと、避妊効果が落ちます。この状態で性行為を行うと、妊娠するかもしれません。

避妊効果を高めるためには

低用量ピルは、避妊方法の中でも特に効果が高いとされています。正しく使用すれば、その避妊効果は約99.7%にもなります。ただし、毎日同じ時間に飲むことが大切です。

 

忘れずに飲むためには工夫をしましょう。たとえば、歯を磨く前や朝起きたときなど、日常のルーチンに内服のタイミングを組み込むことがおすすめです。また、スマートフォンのアラーム機能を利用するのも良いかもしれません。

 

低用量ピルは便利な避妊方法ですが、医薬品であるため副作用のリスクもあります。使用前には医師の診察を受け、処方を受けることが重要です。最近では、オンラインで診療を受けられるサービスもあるので、活用しましょう。

まとめ

低用量ピルは、正確に服用すれば非常に高い避妊効果を発揮します。ただし、毎日の服用が必要なため、うっかり飲み忘れてしまうかもしれません。飲み忘れた場合、避妊効果が大幅に低下するため注意してください。飲み忘れを防ぐためには、自分の生活リズムに合わせた予防策を立てることが大切です。

 

SOKUYAKUオンラインクリニックは、低用量ピルに関するオンラインでの診療サービスを提供しています。低用量ピルの使用に関する疑問や不安があれば、いつでも相談できます。

コメント 低用量ピルを使用する場合、避妊目的のために内服されている方も多いと思います。低用量ピルを内服していれば、いつでも、どのような状況でも避妊効果があるわけではありません。定時に1週間以上しっかり内服していない、低用量ピルの内服2時間以内に下痢・嘔吐があるなどすると十分な避妊効果が得られないことがあります。そのため日頃から低用量ピルを内服していても、コンドームなどの他の避妊方法も検討すると良いと思います。

監修医コメント

医師
阿部 一也

低用量ピルを使用する場合、避妊目的のために内服されている方も多いと思います。低用量ピルを内服していれば、いつでも、どのような状況でも避妊効果があるわけではありません。定時に1週間以上しっかり内服していない、低用量ピルの内服2時間以内に下痢・嘔吐があるなどすると十分な避妊効果が得られないことがあります。そのため日頃から低用量ピルを内服していても、コンドームなどの他の避妊方法も検討すると良いと思います。

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監修医師 阿部 一也
板橋中央総合病院 医長 専門領域は、産婦人科 経歴として、東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業、現在は板橋中央総合病院勤務 保有免許・資格は日本産科婦人科学会専門医
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