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頭皮アトピーの原因とは?治し方や正しいケア方法をわかりやすく解説

監修医師 田頭 秀悟
更新日:2024年09月1日

更新日:2024年09月1日

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アトピー性皮膚炎の方の中には、頭皮アトピーに悩んでいる方もいるでしょう。頭皮アトピーは、かゆみやフケ、赤みなどの症状を引き起こします。ひどくなると、日常生活への影響も避けられません。
この記事では、頭皮アトピーの原因や治し方、頭皮ケアについてわかりやすく解説します。頭皮アトピーで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

頭皮アトピーとは?

アトピー性皮膚炎は、皮膚に炎症を引き起こす病気で、かゆみや湿疹、赤みが主な症状です。この病気は、症状が良くなったり悪化したりを繰り返すのが特徴になります。

 

頭皮アトピーは、頭皮に現れるアトピー性皮膚炎の一種です。炎症のために皮膚の代謝が乱れ、フケが出やすくなります。

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎は、体質的な要因と環境的な要因が重なって発症する「多因子性」の病気です。体質的な要因には、アトピー素因や皮膚のバリア機能の低下が含まれます。一方、環境的な要因には、アレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)や皮膚への外部刺激などがあります。

 

【体質的要因】

 

皮膚のバリア機能は、外部からの刺激や雑菌が体内に侵入するのを防ぎ、体内の水分が失われないようにする役割です。しかし、アトピー性皮膚炎の方は、このバリア機能が低下しているため、角質細胞間脂質や天然保湿因子が減少し、角層のバランスが崩れやすくなります。その結果、外部からの刺激やアレルゲンが侵入しやすくなるのです。

 

アレルゲンが皮膚に侵入すると、免疫細胞がそれを攻撃しヒスタミンという物質を放出して炎症を引き起こします。また、掻き壊しによってバリア機能がより低下し、かゆみが増して再び掻いてしまうという悪循環に陥りやすくなります。

 

【環境的要因】

 

アトピー性皮膚炎における環境的な要素は、ハウスダスト・細菌・食べ物・薬品といったアレルゲンや、ストレス・汗・ひっかき傷・乾燥といった非アレルゲンなど複数存在しています。また、寝不足や疲労も環境的要因です。

頭皮アトピーの一般的な治し方

頭皮アトピーは、外用薬を使用したり、保湿剤を使用したりして治していきます。間違ったものを使用した場合、悪化する可能性があるため注意してください。

症状を和らげる外用薬を使用する

頭皮にアトピーのような症状が続いている場合、医療機関を受診して外用薬を処方してもらいましょう。アトピー性皮膚炎が発症した際には、まず頭皮の炎症を抑える必要があります。そのため、専門の医師に診てもらうことが重要です。

 

処方される薬には、主にステロイド外用薬という塗り薬があります。これは皮膚の炎症を抑える効果が期待できる薬です。また、症状や体質に応じて、アレルギーによるかゆみを和らげるための外用免疫抑制薬なども処方されます。症状によっては、内服薬や注射薬による治療が行われることがあります。

頭皮に刺激を与えるシャンプーを使用しない

頭皮アトピーは汗や汚れ、乾燥が原因で悪化することがあるため、頭皮に刺激を与えうるシャンプーの使用は避ける方が望ましいです。一つの選択肢として、薬用シャンプーを使ったケアが有効な場合があります。また症状を和らげるためには、日常生活で頭皮を清潔に保つことが重要です。医薬部外品の薬用シャンプーは、頭皮や髪の汚れを落とすだけでなく、かゆみやフケ、乾燥にも効果が期待できます。

 

また、症状によっては、ステロイドが配合されたシャンプーが医師から処方されることもあります。このシャンプーは市販のものとは異なり、医療用医薬品です。皮膚炎や湿疹の治療に適しており、薬剤を浸透させやすいという利点があります。どうしてもシャンプーが合わない場合は、明らかな汚れのある時以外にはシャンプーを使わずにお湯洗いのみにするという選択肢もあります。

予防のために保湿剤を使用する

シャンプーは頭皮を清潔に保つために必要ですが、必要な皮脂まで落としてしまうことがあります。特に頭皮にアトピーの症状がある場合、バリア機能が低下しているため、少しの刺激でも過剰に反応するかもしれません。保湿剤を頭皮に塗ることで、バリア機能を保つための水分を補給できます。

 

保湿剤は、軟膏、クリーム、ローション、フォーム(泡タイプ)の4種類です。処方された薬や保湿剤は、必ず医師の指示に従って使用してください。

頭皮アトピーに対する対策方法

頭皮アトピーに対する対策は、基本的にアトピー性皮膚炎に対する対策になります。症状を悪化させないための対策をみていきましょう。

原因物質を避ける

頭皮アトピーやアトピー性皮膚炎の治療には、医師と相談しながら原因物質を特定し避けることが重要です。原因物質がわかれば、症状の悪化を防げます。頭皮の炎症を防ぐためには、髪を短くしたり、束ねたりすることも効果的です。

 

汗や唾液、毛髪、衣類の摩擦などの刺激も皮膚炎を悪化させることがあります。汗は洗い流すか、濡れた柔らかい布で拭き取りましょう。毛髪は短く切りそろえるか束ねて、刺激の少ない衣類を選ぶと良いでしょう。汗をかいたら柔らかいタオルでよく拭き取ることも大切です。

 

金属アレルギーや特定の薬剤、成分に対してアレルギー反応がある場合は、それらを含む製品を使用しないように注意しましょう。食品では、卵白や牛乳、大豆がよくアレルゲンとなりますが、アレルゲンテストで特定の食べ物がわかっている場合を除き、無闇に食事制限をするのは避けてください。

保湿ケアをする

バリア機能の高い皮膚を保つためには、毎日の保湿ケアが必要です。洗顔や入浴の際は、皮脂分泌を促すガンマーオリザノールなどの保湿成分を含む石けんやシャンプーを使うと良いでしょう。入浴後や洗顔後には、保湿成分を含む軟膏やクリームを使用してください。

 

保湿薬は、入浴後すぐ(5分以内)に塗るのが効果的です。皮膚がまだ水分を保持している間に塗ることで、水分が逃げるのを防ぎます。もし入浴後すぐに塗れなかった場合は、化粧水などで皮膚を湿らせてから保湿薬を塗ると良いでしょう。

 

保湿薬は皮疹のある部分だけでなく、全身に塗りましょう。指先ではなく、手のひらに多めに取って、しわに沿って塗ると広がりやすくなります。季節に関係なく、継続して使用することが大切です。

頭皮を搔き過ぎない

かゆみを感じると、つい掻いてしまうことがあります。掻くと一時的に気持ち良いかもしれませんが、実はかゆみが治まるわけではなく逆に悪化することがあります。これが「かゆみの悪循環」です。

 

掻くことで皮膚が傷つき、さらにかゆみを引き起こす物質が分泌されます。その結果、かゆみが増してしまい、また掻いてしまうという悪循環に陥ります。かゆみを感じたら、掻かずに冷やしたり、保湿を心がけると良いでしょう。

 

頭皮を無意識に掻いてしまう癖がある場合は、その癖を直すように意識することが大切です。また、爪を短く切っておくことで、掻いたときに皮膚を傷つけにくくなります。

ストレスを溜めすぎないようにする

ストレスは多くの病気の症状を悪化させることがあります。たとえば、学校や仕事のストレスでイライラすると、かゆみが強くなり湿疹を掻き壊してしまうことがあります。これにより、アトピー性皮膚炎の症状が悪化することもあります。

 

ストレスが増えると、自律神経のバランスが乱れやすくなります。その結果、皮膚が乾燥したり、かゆみが生じることがあります。しかし、ストレスを完全に避けるのは難しいものです。ストレスを感じたときは、自分を責めず、深刻に考えすぎないようにしましょう。

 

リラックスするためには、深呼吸や瞑想、ヨガ、マッサージなどが効果的です。音楽を聴いたり、好きな趣味に没頭することも良いかもしれません。また、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動もストレス解消に役立ちます。辛いときは、家族や友人、専門家に相談することで、ストレスを軽減するためのアドバイスをもらえます。

頭皮の日焼けを避ける

頭皮アトピーの方は特に紫外線に注意が必要です。炎天下では日焼けがアトピー性皮膚炎の悪化の原因になることがあるため、長時間太陽に当たらないようにしましょう。頭皮の日焼けを避けるためには、UVカット付きの日傘を使うと良いでしょう。これは紫外線を吸収したり反射したりする機能を持つ日傘で、帽子よりも広い範囲をカバーできます。

 

また、日焼け止めスプレーも日焼け対策には効果的です。ただし、日焼け止めスプレーやクリームの成分が頭皮アトピーを引き起こすことがあるため、使用前にパッチテストを行ってください。

ホコリやダニ対策をする

頭皮アトピーが悪化する原因には、ダニやホコリ、花粉、ペットの毛などの環境アレルゲンがあります。

 

室内環境を整えるためには、カビの発生を防ぐために部屋を換気し、湿気がこもらないようにします。ただし、花粉が飛散する時期には窓を開けずに除湿機を活用してください。寝具は太陽の光に当てて干し、表面に掃除機をかけると清潔に保てます。

 

エアコンのフィルターはこまめに水洗いし、カーテンは薄い製品を選んで定期的に洗濯しましょう。家具は壁から少し離して設置し、隙間を掃除機で掃除してください。床はカーペットや畳よりもフローリングが望ましいです。

 

ペットを飼わないようにし、ソファは布製ではなく革や合成皮革製を選びます。観葉植物は置かないようにし、ぬいぐるみは毛羽立った製品を避けて表面がツルツルのものがおすすめです。床はこまめに掃除機をかけて清潔に保ちましょう。

換気、空気清浄機を利用する

日常生活には、さまざまなアレルゲンが存在します。たとえば、ダニやホコリが肌に触れることでアレルギーを引き起こすことがよく知られていますが、他にも花粉、動物の毛、ゴキブリの糞などがアレルゲンとなります。

 

自宅でのこまめな換気は、ホコリやカビ、ダニ対策に有効です。しかし、花粉が多い時期には換気が花粉によるアレルギーの原因になるかもしれません。その場合には、空気清浄機や除湿器を使って室内の空気を清潔に保ち、湿気を取り除きましょう。また、布製のソファーを避けることもホコリ対策になります。

栄養状態を整える

皮膚の主な構成成分であるケラチンとコラーゲンはどちらも繊維状のタンパク質で、肌の若々しさを保つために重要です。したがって良い皮膚の状態を作りやすくするためには、十分にタンパク質を含む食品を摂取することをおすすめします。具体的には肉、魚、豆類、卵などの高タンパク食品を日々の食生活の中で積極的に取り入れるよう心がけましょう。

症状がつらい場合は早めに医師に相談しましょう

症状がつらい場合は、我慢せずに早めに医師に相談することが大切です。専門家のアドバイスを受けることで、適切な治療や対策ができます。

忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ

症状が辛くても、忙しくて病院を受診する時間がつくれないため我慢している方もいるでしょう。時間がとれない場合、オンライン診療がおすすめです。

オンライン診療とは

オンライン診療は、病院に行かなくても、スマートフォンやパソコンを使って医師に診察をしてもらえる方法です。医師は、ビデオ通話を通じて、症状を聞いたり、顔色を見たりして診察を行います。

 

オンライン診療の良いところは、病院に行かなくても診察を受けられるため移動の手間が省けることです。また、予約、診察、処方から会計までオンライン上で行えます。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUは、オンライン診療を簡単に行えるクラウド型サービスです。患者さんはアプリを使って、オンライン診療の予約から決済までを行えます。

 

困った場合には、電話とメールで専門スタッフによるサポートが受けられます。お気に入りのクリニックや薬局を登録する機能も便利です。お薬手帳をデジタル化することもでき、全国どこでも当日または翌日にお薬を受け取れます。

まとめ

この記事では、頭皮アトピーの原因や治療法、そしてケア方法について説明しました。適切なケアと治療を行うことで、かゆみや痛みなどの改善が期待できます。この記事を参考にして、自分に合った対策を見つけてください。

 

症状が治らない場合や悪化した場合には自己判断せず、専門医の指導を受けることも重要です。快適な生活を取り戻すためには、日々のケアを大切にし、症状の軽減に努めましょう。

コメント 同じアトピー性皮膚炎であっても、皮膚全体に症状が出る場合と、頭皮を中心に症状が出る場合と違いがあるのはどうしてでしょうか。一つには体質的に皮膚のトラブルの出やすい場所が人によって違うという個人差の問題があります。しかし、症状が局所にとどまっている場合には体質だけではなく、その局所だけに影響を与える外部要因が関係している可能性を考える必要があります。頭皮の場合は、最も考えやすい外部要因はシャンプーやリンス、整髪料だと思います。シャンプーそのものの刺激性が弱くても、体質的に頭皮の抵抗性が弱くて皮膚のトラブルにつながりやすいということもありえます。そのように体質要因と外部要因の両面から、具体的な対処方法を考えることが大事だと思います。

監修医コメント

医師
田頭 秀悟

同じアトピー性皮膚炎であっても、皮膚全体に症状が出る場合と、頭皮を中心に症状が出る場合と違いがあるのはどうしてでしょうか。一つには体質的に皮膚のトラブルの出やすい場所が人によって違うという個人差の問題があります。しかし、症状が局所にとどまっている場合には体質だけではなく、その局所だけに影響を与える外部要因が関係している可能性を考える必要があります。頭皮の場合は、最も考えやすい外部要因はシャンプーやリンス、整髪料だと思います。シャンプーそのものの刺激性が弱くても、体質的に頭皮の抵抗性が弱くて皮膚のトラブルにつながりやすいということもありえます。そのように体質要因と外部要因の両面から、具体的な対処方法を考えることが大事だと思います。

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監修医師 田頭 秀悟
経歴:鳥取大学医学部 卒業 / たがしゅうオンラインクリニック院長 / 脳神経内科(認知症、パーキンソン病、ALSなどの神経難病)領域を専門とし、主として糖質制限食やストレスマネジメント指導を中心に内科疾患全般に対しての診療を行うオンライン総合診療医。 また東洋医学会専門医でもあり、問診によって東洋医学的な病態を推察し、患者の状態に合わせた漢方薬をオンライン診療で選択する治療法も得意としている。 所属:たがしゅうオンラインクリニック
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