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妊娠中はフケが出やすくなるって本当?頭皮トラブルの原因や対処方法について詳しく解説

監修医師 阿部 一也
更新日:2024年09月3日

更新日:2024年09月3日

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妊娠中は女性の体全体に多くの変化が現れますが、皮膚にもさまざまな変化が見られます。その中には頭皮のトラブルもあり、フケに悩まされる方も少なくないでしょう。妊娠が原因でフケが出やすくなるのは本当でしょうか?

この記事では、妊娠中の頭皮トラブルの原因と対処方法について詳しく解説します。妊娠中の頭のかゆみになやんでいる方は、ぜひ参考にしてください。

妊娠中はフケが出やすくなるって本当?

妊娠をきっかけに、これまでフケに悩んだことがない女性でもフケが増えることがあります。妊娠中は体質や肌質が変わることがあり、頭皮の状態も影響を受けるからです。

 

妊娠中は、女性ホルモンのプロゲステロンが多く分泌されます。このホルモンの影響で皮脂の分泌が増えやすくなり、頭皮の水分と皮脂のバランスが崩れやすくなります。その結果、頭皮トラブルが起こりやすくなるのです。

妊娠中にフケが多くなる原因

妊娠中は、ホルモンバランスの崩れや肌の乾燥、汗などが原因で頭皮がかゆくなることがあります。また、香料や着色料などの刺激にも敏感になっているため、頭皮に刺激になるようなアイテムは避けたほうがよいでしょう。

女性ホルモンの変化による皮脂過多(脂漏性皮膚炎)

妊娠中はホルモンバランスが大きく変わります。妊娠の初期はエストロゲン、プロゲステロンといった女性ホルモンが増えるため、皮脂の分泌が過剰になり新陳代謝が盛んになって汗をかき、かゆみや発疹が出やすくなります。この変化により、皮脂の分泌が増えることがあります。

 

また、妊娠による生活環境の変化や、睡眠不足、偏った食生活、ストレスなども皮脂の分泌を増やす要因となります。皮脂はマラセチア菌という菌のエサになります。皮脂が増えると、この菌が増殖しやすくなり、脂漏性皮膚炎を引き起こすことがあります。

 

さらに、妊娠中は体温が高くなり、汗をかきやすくなります。これにより、頭皮に皮脂が溜まりやすくなり、マラセチア菌が異常に繁殖しやすくなります。その結果、脂漏性湿疹が発生しやすくなります。

 

脂漏性湿疹は、頭皮、耳の後ろ、わきの下、足の付け根、顔(特に鼻の周り)など、皮脂の分泌が多い部位に起こりやすいことが特徴です。症状としては、かゆみ、赤み、皮膚の荒れ、かさつき、鱗のような剥がれなどがあります。頭皮にできた場合、かさぶたが剥がれ落ちることがあり、フケと間違えられることもあります。

 

放置すると、皮脂が酸化して加齢臭のようなニオイを放つ原因になることもあるため注意しましょう。さらに、重度の炎症が起こると脱毛することもあります。

頭皮の乾燥

頭皮が乾燥すると、角質が剥がれやすくなりフケが発生しやすくなります。妊娠中や出産後の女性の体には多くの変化が起こります。その中でも目立つのが肌の乾燥です。妊娠中は羊水が増え脂肪が蓄積されるため、基礎代謝が上がり汗をかきやすくなります。そのため、水分や栄養が不足しがちで、肌が乾燥しやすくなります。

 

また、妊娠中は皮膚の毛細血管が拡張し、水分の蒸発量が増えることも乾燥しやすい要因です。妊婦さんの体は胎児に栄養を送るために血液量を増やし、毛細血管を拡張させます。また、妊娠中期にはエストロゲンが増加し、これが皮脂の分泌を抑制するため肌が乾燥しやすくなります。

 

これらの理由から、妊娠中は皮膚が乾燥しやすいため、頭皮の乾燥につながりフケが発生しやすくなるのです。

ストレスによるかきむしり

妊娠中は、体調や体型の変化、生活の変化、出産に対する不安など、さまざまなストレスが生じやすい時期です。妊娠初期には、つわりなどの体調変化が現れやすく、吐き気や体調不良がストレスの原因となることがあります。お腹が大きくなると、動きづらさや寝づらさ、息苦しさを感じるかもしれません。

 

また、妊娠・出産によってキャリアが一時中断するかもしれないという生活の変化に対する不安も、ストレスの一因となるでしょう。出産が近づくにつれて、無事に出産できるか、赤ちゃんを迎えた後の生活がどうなるかといった不安も増してきます。特に、初めての妊娠や不妊治療を経ての妊娠の場合、次のステップに対する不安が大きくなることが多いようです。

 

ストレスがかかると、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が活発になり血管が収縮して血液の流れが悪くなります。血液循環が悪くなると、新陳代謝がうまくいかず、古い皮膚が剥がれ落ちずにフケとして頭皮に残ってしまいます。

 

また、ストレスや不安を感じると、無意識に皮膚をかきむしることが多いです。これが、頭皮のフケが増える要因となります。

頭皮環境を改善するには適切なケアが重要

妊娠中は、フケだけでなく、かゆみや頭皮の赤みが出ることがあります。これらの症状は炎症のサインであり、早めに対策を取ることが大切です。頭皮の環境を整えるため以下の方法を試してみましょう。

過度な頭皮の洗浄を控える

シャンプーのしすぎは、頭皮に悪影響を及ぼすことがあります。たとえば、1日に何度もシャンプーをすると、必要な皮脂まで取り除いてしまい、頭皮が乾燥してしまうことがあります。乾燥した頭皮は、乾性フケやかゆみを引き起こしやすくなり、かきむしることで傷つけてしまうかもしれません。

 

さらに、洗いすぎることで皮脂が不足すると、体がそれを補おうとして過剰に皮脂を分泌し、脂性フケが発生することもあります。そのため、適度なシャンプーが大切です。

正しい方法で洗髪する

シャンプーを使うときは、直接髪にシャンプー液をつけるのではなく、手のひらで泡立ててから使うのがポイントです。シャンプー液をそのまま頭皮につけると、洗浄力が強すぎて頭皮が乾燥してしまうことがあります。

 

シャンプー液を手のひらにとり、少量のぬるま湯を加えると泡立ちやすくなります。シャンプーの量は髪の量や頭皮の広さ、製品によって異なるので、自分に合った適量を見つけましょう。洗うときは、髪ではなく頭皮を指の腹で優しく洗ってください。爪を立てると頭皮が傷つきやすく、トラブルの原因になります。

シャンプー後はドライヤーでしっかり乾かす

髪を乾かす際には、ドライヤーを使ってしっかり乾かすことが大切です。髪が半乾きのままだと、湿気を好む雑菌が増えやすくなり、頭皮のトラブルの原因になります。

 

ドライヤーを使うときは、髪と頭皮にダメージを与えないように、常にドライヤーを動かしながら乾かしましょう。また、ドライヤーは髪から最低20cm離して使うことが重要です。近づけすぎると早く乾きますが、その分熱によるダメージが大きくなります。

肌質にあったヘア用品を使う

肌質に合わないヘアワックスやジェル、育毛剤などを使うと、頭皮が赤くなることがあります。これはアレルギー反応が原因です。自分の肌に合うかどうかは実際に使ってみないとわからないため、まずは少量から試してみましょう。

頭皮の紫外線対策をしっかりする

頭皮を紫外線から守るためには、しっかりと対策を行ってください。頭皮用の日焼け止めスプレーや保湿化粧品を使用することで、紫外線によるダメージを軽減できます。しかし、これだけでは不十分です。UVカットの帽子をかぶったり、日傘を使ったりして紫外線をさらに防ぐことがおすすめです。

規則正しい生活を心がける

頭皮の健康を保つためには、栄養バランスのとれた食事が重要です。タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂ることで、頭皮のターンオーバー(新陳代謝)を整えることが期待できます。肉、魚、卵、野菜、果物などをバランスよく食べるように心がけましょう。特定の食べ物に偏ると、必要な栄養が不足してしまうことがあります。

 

頭皮のターンオーバーに必要な成長ホルモンは、深い眠りのときに多く分泌されます。深い眠りと浅い眠りを繰り返す「良質な睡眠」をとるために、快適な睡眠環境を整えましょう。また、寝る前にスマホやテレビの画面を見ると、強い光の刺激で寝つきが悪くなることがありますので、控えるようにしましょう。

医師に相談する

軽い赤みだけで他に症状がない場合でも、気になるなら医師に相談しましょう。痛み、かゆみ、出血、膿が出るなどの症状がある場合や、しこりや腫れが見られる場合は、我慢せず皮膚科を受診してください。

頭皮のかゆみがつらい場合は医師に相談しましょう

妊娠中の頭皮のかゆみは、ホルモンバランスの変化や皮膚の乾燥が原因で起こることが一般的です。妊娠による心身へのストレスに、頭皮のトラブルが重なるとゆっくりと休めません。改善しない場合は、医師に相談しましょう。医師は妊娠中でも安全に使用できる薬を処方してくれます。

忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ

妊娠中は体調やスケジュールの都合で、病院に行くことが難しいかもしれません。病院を受診する時間がつくれない場合には、オンライン診療を活用しましょう。

オンライン診療とは

妊娠中は病院への移動や待ち時間も、身体に負担がかかります。それは、オンライン診療によって避けられるかもしれません。オンライン診療とは、インターネットを利用して医師の診察や薬の処方を受けられる医療サービスです。オンライン診療のメリットとしては、待ち時間の短縮や感染リスクの低減です。妊娠している方でも、安全に診察を受けられます。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUは、オンライン診療を簡単に行えるサービスです。予約から薬の受け取りまで、すべての手続きをアプリでスムーズに進められます。

 

専門スタッフのサポートがあり、好みのクリニックや薬局を登録する機能もあります。また、薬手帳をデジタル化でき、全国どこでも当日または翌日に薬を受け取ることが可能です。

まとめ

妊娠中にフケが出やすくなる原因とその対策について詳しく説明しました。妊娠中は、ホルモンバランスの変化や皮膚の乾燥で頭皮のトラブルが起こるかもしれません。適切なケアを行うことで症状を和らげることが期待できます。

 

この記事を参考にして、自分に合った対策を見つけ、快適な妊娠生活を送りましょう。頭皮トラブルが続く場合は、自己判断せず専門医に相談してください。

コメント 妊娠すると女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌が増え、様々な変化が出るようになります。頭皮の変化も例外ではありません。頭皮の皮脂に関連するトラブルは気になると思います。妊娠中ですが、どこに相談すれば良いか悩んでしまうこともあると思います。皮膚科受診も候補ですが、妊娠中では処方薬についての不安もあるかもしれません。妊娠中の様々なトラブルの場合、まずは産婦人科の主治医に相談しましょう。頭皮を含めた皮膚トラブルについて状況を説明し、指示を仰ぐようにすることが重要です。必要があれば紹介状をもらい、皮膚科を受診しましょう。産婦人科と皮膚科の連携が可能となり、治療も円滑になると思います。

監修医コメント

医師
阿部 一也

妊娠すると女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌が増え、様々な変化が出るようになります。頭皮の変化も例外ではありません。頭皮の皮脂に関連するトラブルは気になると思います。妊娠中ですが、どこに相談すれば良いか悩んでしまうこともあると思います。皮膚科受診も候補ですが、妊娠中では処方薬についての不安もあるかもしれません。妊娠中の様々なトラブルの場合、まずは産婦人科の主治医に相談しましょう。頭皮を含めた皮膚トラブルについて状況を説明し、指示を仰ぐようにすることが重要です。必要があれば紹介状をもらい、皮膚科を受診しましょう。産婦人科と皮膚科の連携が可能となり、治療も円滑になると思います。

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監修医師 阿部 一也
板橋中央総合病院 医長 専門領域は、産婦人科 経歴として、東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業、現在は板橋中央総合病院勤務 保有免許・資格は日本産科婦人科学会専門医
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