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漢方を飲むと痩せるって本当?ダイエットに効果的な理由や、効果が期待できる漢方薬をご紹介

監修医師 勝木 将人
更新日:2024年09月3日

更新日:2024年09月3日

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「漢方薬でも痩せられる」という話は、聞いたことがあるでしょうか?漢方薬は体質を整えるため、ダイエット効果が期待できます。しかし、具体的にどのようにして効果があるのか、またどの薬が効果を発揮するのか詳しく知っている方は少ないかもしれません。

この記事では、漢方薬がダイエットに効果的な理由と、効果が期待できる漢方薬についてご紹介します。漢方薬で痩せる方法について興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

漢方を飲むと痩せるって本当?

漢方薬は、植物や動物、鉱物などの自然由来の成分を使い、東洋医学の考え方に基づいて体のバランスを整えることを目指しています。漢方ダイエットは単なる減量ではなく、体質を改善するための方法です。具体的には、漢方薬は消化や代謝を助け、脂肪の燃焼を促進し、むくみを解消しストレスを和らげるなどの効果が期待されています。

そもそも漢方とは?

漢方は、古代中国から伝わった伝統医学に基づく治療法で、日本でも長い歴史を持っています。漢方薬は、複数の生薬(植物の葉、茎、根、鉱物、動物の一部など)を組み合わせて作られます。生薬はそれぞれ薬効があり、漢方薬はそれらを組み合わせることで、より効果的な治療を目指す方法です。

 

たとえば、葛根湯(かっこんとう)という漢方薬は、カッコン、タイソウ、マオウ、カンゾウ、ケイヒ、シャクヤク、ショウキョウの7種類の生薬から作られています。これらの生薬が組み合わさることで、風邪の初期症状や肩こりなどに効果を発揮します。漢方薬は、西洋薬と異なり、複数の症状に対応できるのが特徴です。

 

漢方薬は日本独自の発展を遂げており、江戸時代にはオランダ医学と区別するために「漢方」と呼ばれるようになりました。中国では「中薬」と呼ばれ、日本の漢方とは異なる発展をしています。

漢方に副作用はある?

副作用とは、薬を正しく使っても現れる望ましくない反応のことです。適切に使っていても副作用が出ることがあります。

 

漢方薬は一般的に安全だと思われがちですが、甘草による偽アルドステロン症、麻黄による交感神経刺激、附子による神経麻痺、大黄による下痢などの副作用が知られています。

漢方がダイエットにおすすめな理由

漢方薬は使用することで体質を整え、痩せる効果が期待できる治療法です。代謝が悪く、エネルギーをうまく消費できない体質の人は、太りやすい傾向があります。食事や生活習慣に気をつけながら、漢方薬を使って体質を整えることで、エネルギーを消費しやすくなり、体重が減りやすくなると期待されています。

自然由来の成分を使用しているから体に負担がかかりにくい

漢方薬に使われる生薬は、主に植物、鉱物、動物などの自然素材から作られています。これらの薬は、効果が穏やかで副作用が少ないため体に優しいとされています。

根本原因の解決をサポートするからリバウンドしづらい

漢方の基本は「体質改善」です。これは、病気や症状だけでなく、体の状態や生活習慣、食生活などを総合的に見て、バランスを整えることを目指しています。

 

肥満の原因は人それぞれ異なります。たとえば、食べ過ぎや運動不足による脂肪の蓄積、代謝の低下による水分の蓄積などです。漢方では、肥満の原因やタイプを見極め、それに応じた処方を行うことで体質改善を図ります。これにより、太りにくく、リバウンドしにくい体を目指せるのです。

 

一方、西洋医学の薬は特定の症状に対して効果を発揮する単一成分で作られていることが多く、複数の症状を同時に改善するのには向いていないことがあります。「特に暴飲暴食していないのに太る」といった原因不明の肥満には、漢方で体質改善を試みることが有効な場合もあります。

体重以外のお悩み(冷え性やむくみ、疲れやすいなど)も解消

漢方では、体全体がつながっていると考えます。たとえば、ホルモンバランスが崩れていると、冷え性やむくみ、疲れやすさなどの症状が現れます。この状態では、健康的に美しく痩せることは難しいでしょう。

 

漢方は、体全体のバランスを整えることで、体重管理だけでなく、他の気になる症状の改善や予防も期待できます。まずは、自分の生活習慣や自覚症状を確認し、自分の体質を理解することから始めてください。

種類が豊富だから自分の体質にあったものを見つけやすい

漢方は、自分の体質に合ったものを選ぶことがとても重要です。むくみや便秘などの他の症状にも効果が期待できます。

 

2024年3月時点で、厚生労働省で承認されているものは294種類です。痩せる効果があるとされるものには、食欲を調整したり、代謝を促進したり、脂肪の燃焼を助けたり、便秘を解消したりするものがあります。種類が豊富だからこそ、自分の体質に合ったものを見つけやすいでしょう。

ダイエット効果が期待できる漢方

ダイエットに効果が期待できる漢方薬についてご紹介します。それぞれ異なる適応症や使用方法がありますので、使用する際は必ず医師や薬剤師に相談してください。また、効果には個人差があります。

加味逍遥散 (かみしょうようさん)

加味逍遥散は、血行を良くし、イライラや不安感を和らげる効果が期待できる薬です。成分としてサイコ、シャクヤク、トウキ、ソウジュツ、ブクリョウ、サンシシ、ボタンピ、カンゾウ、ショウキョウ、ハッカが含まれています。

 

この薬は体力が中程度以下でのぼせや肩こりがある方、イライラしやすい方、便秘気味の方、そして疲れやすい方におすすめです。服用方法としては、食前または食間に1日2〜3回飲んでください。

 

副作用として、かゆみや発疹、吐き気、肝機能障害が現れることがあります。まれに、腸管膜静脈硬化症という大腸の壁や腸間膜の静脈に石灰化が生じる症状が出ることもあるため注意してください。この場合、腹痛や下痢、嘔吐などの症状が現れることがあります。

大柴胡湯 (だいさいことう)

大柴胡湯は、便秘の改善やストレスによる過食状態の緩和、自律神経の調整に効果が期待される薬です。成分にはサイコ、ハンゲ、キジツ、ダイオウ、シャクヤク、オウゴン、タイソウ、ショウキョウが含まれています。

 

この薬は、特に体力の強い方やストレスや加齢によって脂肪の代謝が低下している方、上半身に脂肪がつきやすい方、便秘気味の方におすすめです。服用方法は、食前または食間に1日3回です。

 

ただし、副作用としてかゆみや発疹、腹痛、下痢、まれに発熱や息切れ、呼吸困難、肝機能障害や黄疸が現れることがあります。また、他の便秘薬や防風通聖散と併用すると下痢を引き起こす恐れがあるため、併用は避けてください。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰芍薬散は、体を元気にし、水分の代謝を助ける効果が期待できる薬です。トウキ、シャクヤク、センキュウ、ブクリョウ、ビャクジュツ(ソウジュツ)、タクシャといった成分からできています。

 

冷え性の方、むくみやすい方、体力が低下している方や汗をあまりかかない貧血気味の方、低血圧の方、便通が硬くない方、そしていわゆる「水太り」の方におすすめです。服用方法としては、食前または食間に1日2〜3回飲んでください。

 

むくみの改善を目的とする場合、比較的早く効果が現れることが多く、約2週間後には効果を感じられるでしょう。また、水太りの改善も期待できます。ただし、副作用として、かゆみや発疹、食欲不振、胃の不快感、肝機能障害などが報告されていますので、注意が必要です。

防己黄耆湯 (ぼういおうぎとう)

防已黄耆湯は、胃腸の働きを助け、水分の代謝を促進する薬です。成分にはボウイ、オウギ、ビャクジュツ(ソウジュツ)、タイソウ、カンゾウ、ショウキョウが含まれています。

 

この薬は、汗をかきやすい方や体力があまりなく疲れやすい方におすすめです。また、水太りタイプの方、更年期太りの女性むくみや肥満による関節の痛みや腫れがある方にも効果が期待されます。服用方法は、食前または食間に1日2〜3回です。むくみの改善効果は、約2週間から1ヶ月で現れるとされています。

 

ただし、副作用として、かゆみや発疹、食欲不振、胃の不快感が現れることがあります。まれに、間質性肺炎や偽アルドステロン症(高血圧や低カリウム血症など)、ミオパチー(筋力の低下を伴う筋肉の疾患)、肝機能障害、黄疸などの重篤な副作用が発生することがあるため注意してください。

防風通聖散(ボウフウツウショウサン)

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防風通聖散は、代謝を促進し、利尿作用を高め、便秘を改善する効果が期待できる薬です。18種類の成分を含む漢方薬で、主な成分にはオウゴン、マオウなどがあります。

 

この薬は、血流を良くし、脂肪燃焼を促進することで、高血圧やむくみの改善にも役立ちます。体力があり体つきががっちりしていて汗かきで肌の血色が良い方、お腹に皮下脂肪が多い人や便秘がちな方におすすめです。ダイエットを目的とした方にも使用されています。服用の際は、食前や食間に1日2〜3回を目安にし、飲み忘れたからといって2回分をまとめて飲むのは避けてください。効果が現れるのは、飲み始めてから1ヶ月くらいが目安です。

 

副作用として、かゆみや発疹、吐き気、下痢、腹痛、むくみ、動悸、めまいなどが現れることがあります。

漢方の正しい選び方

漢方を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、選び方を紹介します。

体質や肥満の原因に合わせて選ぶ

漢方薬は、体力や抵抗力を示す「証」と「気・血・水」のバランスを基に処方されます。自分の体質に合ったものを選ばないと、期待する効果が得られないかもしれません。漢方では体力や抵抗力が強い人を「実証」、少し弱い人を「虚証」と呼び、自分に合わないものを飲むと、効果が出ないだけでなく体調を崩す可能性もあります。

 

また、自分に合った漢方だからといって、他の人に譲るのは避けましょう。漢方の処方は個々の体質に合わせて行われるため、他の人には合わないことがあります。ダイエットに関しても同じです。防風通聖散は一般的に肥満に使われますが、脂肪太りと水太りでは適した漢方が異なります。体質だけでなく、肥満のタイプも考慮して選んでください。

日本製のものを選ぶ

日本には多くのメーカーがあり、中国産の原料を使うこともありますが、日本の厳しい品質・衛生基準で製造されているため、安心して使用できます。韓国にも独自の「韓方」があり、日本のクリニックでも取り入れられることが増えています。韓方を希望する場合は、信頼できるクリニックで自分の体質に合った薬があるか相談すると良いでしょう。

 

一方、海外製の薬を通販で購入する「個人輸入」は、品質や真偽に不安があるためおすすめできません。日本には、国内で適正に販売されている医薬品を使用した際に重大な健康被害が生じた場合に適用される「医薬品副作用被害救済制度」がありますが、個人輸入した薬はこの制度の対象外です。そのため、個人輸入は避けた方が良いでしょう。

自分に合う漢方が分からない場合は医師に相談しましょう

市販薬はドラッグストアでも購入できますが、体質に関する詳しい相談は難しいかもしれません。種類も多いため、自分にあった漢方を選べないこともあるでしょう。そんな場合は、医療機関を受診し医師に相談しましょう。医師は個々の体質や症状に基づいて最適な漢方薬を提案してくれます。

忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ

漢方薬に興味があって、医師に相談したいと考えていても、忙しい日々の中では病院を受診する時間がつくれません。その対策として、オンライン診療が良いかもしれません。

オンライン診療とは

オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンなどを使って、自宅や職場などから医師の診察を受けられる医療サービスです。通常の対面診療とは異なり、インターネットを通じてビデオ通話やチャットを利用して診察が行われます。

 

この方法の大きな利点は、病院に行く時間や交通費を節約できることです。また、待ち時間が短縮され、特に忙しい方や移動が難しい方でも医師の診察を受けられます。このサービスでは、診察の予約から始まり、問診、診断、そして薬の処方箋の発行や支払いまでオンライン上で完結することが可能です。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUは、アプリを使ってオンライン診療をスムーズに行えるサービスです。予約からお薬の受け取りまで、すべてのステップを簡単に進められます。

 

専門スタッフのサポートがあり、好きなクリニックや薬局を登録する機能もあります。また、お薬手帳をデジタル化でき、全国どこでも当日または翌日にお薬を受け取ることが可能です。

まとめ

漢方がダイエットに効果的な理由とその漢方薬について説明しました。漢方は体重を減らすだけでなく、体質を整えダイエットをサポートする方法です。自分の体質や悩みに合わせた漢方薬を選ぶことで、より効果が期待できるでしょう。

 

漢方薬を使ったダイエットに興味がある方は、専門家に相談しながら始めてみてください。あなたの健康的な体作りに、この記事が参考になれば幸いです。

コメント 漢方薬によるダイエット効果については、体質改善を通じたサポートが期待できますが、注意が必要です。例えば、加味逍遥散や大柴胡湯は、体質に合わせて適切に使用することで効果を発揮しますが、副作用としてかゆみや胃腸の不快感が報告されています。また、防己黄耆湯や当帰芍薬散も、長期間の使用や過量摂取によっては、アレルギー反応や消化不良を引き起こすことがあります。これらの漢方薬は、体質や症状に合わせて選ぶことが重要です。使用前には、必ず医師や薬剤師に相談し、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。

監修医コメント

医師
勝木 将人

漢方薬によるダイエット効果については、体質改善を通じたサポートが期待できますが、注意が必要です。例えば、加味逍遥散や大柴胡湯は、体質に合わせて適切に使用することで効果を発揮しますが、副作用としてかゆみや胃腸の不快感が報告されています。また、防己黄耆湯や当帰芍薬散も、長期間の使用や過量摂取によっては、アレルギー反応や消化不良を引き起こすことがあります。これらの漢方薬は、体質や症状に合わせて選ぶことが重要です。使用前には、必ず医師や薬剤師に相談し、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。

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監修医師 勝木 将人
所属:燕三条すごろ脳脊髄クリニック/長岡技術科学大学 准教授
専門領域分類:脳神経外科, 神経内科, 麻酔科(ペインクリニック), 医療データ
経歴:2016年東北大学卒業 / 現在は諏訪日赤に脳外科医、頭痛外来で勤務。 / 専門は頭痛、データサイエンス、AI.
所属:燕三条すごろ脳脊髄クリニック/長岡技術科学大学 准教授 専門領域分類:脳神経外科, 神経内科, 麻酔科(ペインクリニック), 医療データ 経歴:2016年東北大学卒業 / 現在は諏訪日赤に脳外科医、頭痛外来で勤務。 / 専門は頭痛、データサイエンス、AI.
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