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胸に湿疹ができるのはなぜ?原因や対処方法について詳しく解説

監修医師 松澤 宗範
更新日:2024年12月9日

更新日:2024年12月9日

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胸に湿疹ができると、かゆみや痛みだけでなく、見た目も気になるかもしれません。胸は皮膚が薄くて汗が溜まりやすいので、湿疹ができやすい部位です。この記事では、胸に湿疹ができる原因や考えられる要因、そして効果的な対処法について、わかりやすく解説します。

胸に湿疹ができるのはなぜ?

湿疹(皮膚炎)は、皮膚の表面に生じるかゆみを伴う炎症です。皮膚が赤くなったり、小さな水ぶくれができたりすることがあり、その症状は多岐にわたります。アレルギー反応、ストレス、皮膚の刺激物、または遺伝的要因など、さまざまな要因によって引き起こされます。

原因

湿疹は多様な要因が複雑に絡み合って湿疹が発生するため、湿疹の原因を一つに特定するのは難しいかもしれません。外部からの刺激や、内部の体質的な要因が組み合わさって発生します。

 

外部からの刺激

 

外部からの刺激で湿疹が起こる要因としては、強い化学物質に触れた場合があります。たとえば、硫酸のような強い酸やアルカリに触れると、誰でも皮膚がかぶれてしまいます。

 

また、特定の方だけが反応するアレルギーによる湿疹も外的要因の一つです。漆や化粧品、金属などにアレルギー反応を起こした場合に湿疹が起こります。アトピー性皮膚炎を持つ方は、ホコリやダニ、花粉などに触れて湿疹を起こす場合があります。

 

内部的な要因

 

内部的な要因としては、年齢が挙げられます。乳幼児や高齢者は皮膚が乾燥しやすいため、外部からの刺激に弱いため湿疹が発生しやすくなります。

 

アレルギー体質の人や、その体質を受け継いだ人も湿疹に注意しないといけません。そのほかでは、全身性の疾患がある場合、たとえば腎臓病や糖尿病などがあると、皮膚の血行不全や代謝不全が原因で湿疹が発生することがあります。

症状

湿疹は「かゆみ」が主な症状で、必ずしも特定の部位に限らず、全身に現れることがあります。かゆみと複数の症状が組み合わさることが多いのが特徴です。かゆみと共に、皮膚が赤く腫れたり、小さなぶつぶつや水ぶくれができることがあり、かさぶたになったり、皮膚が乾燥してカサカサになることもあります。

 

もし皮膚に変化が現れても、かゆみが全くなかったり、症状が一つだけの場合、湿疹ではないかもしれません。

湿疹の種類

湿疹は発生する場所や症状によって、さまざまな種類に分類されます。

胸ニキビ

ニキビは、毛穴に皮脂が詰まって炎症を起こす皮膚の病気です。顔にできるイメージがありますが、胸や背中にもニキビは発生します。

 

胸にニキビができる原因は、皮脂腺の多さです。ホルモンバランスが乱れたり、食生活の偏りなどによって、皮脂が過剰に分泌されるとニキビができやすくなります。また、下着や衣類の摩擦や蒸れもニキビができる原因です。

 

胸元が広く開いた服を着ると、デコルテや胸のニキビが目立ちやすくなります。これらの部位は普段から服や下着と擦れやすいため、一度できてしまうと治りにくく、跡が残りやすいことが特徴です。特に顔に比べて、体の皮膚は新陳代謝の周期が遅いため、ニキビ跡が色素沈着として残ることがあり、改善に時間がかかります。

 

ニキビの対策としては、過剰な皮脂を減らすためにやさしく洗って保湿することが重要です。また、栄養バランスの良い食事や十分な睡眠を心がけましょう。通気性が良く、締め付けの少ない下着を選ぶことで、摩擦や蒸れを防げます。

マラセチア毛包炎

マラセチアというカビは、私たちの体の表面に普通に存在しています。このカビが増えると、毛穴で炎症を起こしてしまうことがあります。これがマラセチア毛包炎です。

 

マラセチア毛包炎は、特に汗をかきやすい夏場や湿気の多い時期にできやすいことが特徴です。普通のニキビと見た目が似ていますが、毛穴の炎症が均一に広がることや、表面がテカテカしていることで区別できます。胸や背中の皮脂が多い部分に特によく見られます。

アクロコルドン・スキンタッグ

首の周りや脇、前胸部などの擦れやすい部位にできやすい、小さくて褐色のイボを「アクロコルドン」や「スキンタッグ」と呼びます。これらのイボは、年を取るにつれて多発しやすく、目立ちやすくなることが特徴です。これらのイボが出現する原因としては、皮膚の老化が関係しています。たとえば、長年にわたる紫外線の影響や、衣服などによる擦れが原因のひとつです。

汗管腫(かんかんしゅ)

汗管腫(かんかんしゅ)は、汗を出す器官の一部が増殖してできる小さな突起物のことです。見た目は3ミリほどの小さなボツボツで、特に上まぶたや下まぶたに多く見られますが、体の他の部分にもできることがあります。

 

汗管腫は良性なため、健康に害はありません。ただ、自然に消えることはないため、見た目を気にする方がほとんどです。特に女性や思春期の時期に目立ちやすくなります。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎について

 

アトピー性皮膚炎は、皮膚にかゆみのある湿疹が繰り返し出る病気です。皮膚の深い部分で炎症が起こり、そのため皮膚のバリア機能が低下し、かゆみが生じます。このかゆみのために皮膚をかきむしってしまい、さらにバリア機能が低下し、炎症が悪化するという悪循環が生まれます。

 

赤いブツブツやジュクジュクとした湿疹が主な症状です。また、時間が経つと皮膚が硬くゴワゴワになっていきます。この湿疹は、顔や首、ひじやひざなど、体の左右対称の部位に現れることがほとんどです。

 

アトピー性皮膚炎は、皮膚の表面がきれいになったように見えても、皮膚の奥にはまだ炎症が残っていることが多く、再発しやすいため注意しましょう。年齢によって症状の現れ方も変わってきます。

胸のぶつぶつを治すためにできること

胸のぶつぶつがかゆくて気になる場合、ついつい手で触ってしまうかもしれません。それが症状を悪化させる原因になることがあります。特に汚れた手で触ると、さらに悪化する可能性があるため注意しましょう。

 

胸のぶつぶつは服の下に隠れているため、かゆみなどの症状が出るまで気づかないかもしれません。対処が遅れがちになり、症状が長引くことがあります。

ニキビの場合

ニキビは、成長の過程でホルモンのバランスが崩れることが原因です。時間が経つとホルモンバランスが整い、皮脂の分泌も抑えられていくため、自然と減っていくことが一般的です。

 

ただし、大人になってからできるニキビは、生活習慣が大きく影響しています。たとえば、胸にできるニキビは、睡眠不足やストレス、食生活などが関係することが多く、治りにくい上に再発しやすいことが特徴です。さらに、ニキビが悪化すると、治った後に肌に色素沈着などの跡が残ることもあります。

 

しっかり泡立てた洗浄剤でやさしく洗い、毛穴を詰まらせないようにすることで、皮膚のバリア機能を保ちましょう。また、適切な保湿も欠かせません。生活習慣の見直しも大切で、バランスの取れた食事や十分な睡眠を心掛けると、ニキビの悪化を防げます。

 

なかなかニキビが治らない場合は、色素沈着などの跡が残る可能性があるため、早めに専門医で治療を受けることをおすすめします。

ニキビ治療をしても治らない場合

ニキビの治療を続けても改善が見られない場合は、マラセチア毛包炎という真菌感染症かもしれません。その場合、自己処置では治らないため、早めに専門医を受診しましょう。検査でマラセチアが確認できた場合、抗真菌薬の治療を行い、症状が長引く場合や広範囲にわたる場合は、内服薬も処方されることがあります。

外からの刺激が原因の場合

肌に刺激を与える物質が付着していると、ぶつぶつやかゆみが生じることがあります。この場合、刺激となる物質を取り除いてください。

 

肌に付着している場合は、やさしく洗い落とし、しっかりと保湿することが大切です。また、下着や衣類などが原因の場合は、刺激の少ない綿やシルク素材のものに替えると良いでしょう。

免疫力が低下して発症している場合

長時間の残業や睡眠不足などの体力を消耗する状態が続くと、免疫力が低下します。その結果、皮膚のバリア機能が弱まってしまい、湿疹やニキビができやすくなります。

 

免疫力が低下してる場合、まずは生活習慣を見直し、免疫力を回復させることが重要です。しっかりと休息を取り、バランスの良い食事を心がけることで、皮膚トラブルの予防や改善が期待できます。

予防方法はある?

胸のぶつぶつを防ぐためには、まずその原因を取り除くことが重要になります。また、生活習慣を見直すことも効果的です。健康な肌を維持するには、日々の生活習慣が大切で、皮膚トラブルの原因がないか確認してみましょう。

湿疹の原因を知る

湿疹が起こる原因を調べてみましょう。特定のものに触れることで生じる場合、その原因となる物質を避けることで予防できます。たとえば、汗が原因で湿疹が現れる場合、空調を適切に調整したり、適した衣服を選ぶことが重要です。また、シャワーで汗を洗い流したり、おしぼりで汗を拭き取ることも対策になります。

生活習慣を見直す

規則正しい生活やバランスの取れた食事、十分な睡眠は、肌だけでなく全身に良い影響を与えます。特に、朝寝坊や夜更かしが習慣になっている人は、毎日同じ時間に寝起きすることを心がけると良いでしょう。朝の光を浴びて朝食を取ることで、体内時計をリセットできます。

 

また、胸のぶつぶつには、免疫力の低下が影響しているかもしれません。免疫力を維持するためには、生活習慣の改善が役立ちます。さらに、適度な運動を行い、栄養バランスの良い食事を摂ることで、肌トラブルを予防しやすくなります。

刺激から肌を守る

冬の乾燥から肌を守るためには、加湿器を使うと効果的です。また、季節を問わず外出時には日焼け止めを塗ることが大事です。紫外線は肌にダメージを与えることがあるため、日焼け止めを使って肌を保護しましょう。

かかずに冷やす

かゆみが出た場合、掻かないように注意し、できるだけ早く冷やすことが大切です。皮膚を冷やすと、かゆみを感じる神経の興奮が収まって、かゆみが和らぎます。冷やす方法としては、冷たい水で濡らしたタオルを使ったり、氷や保冷剤をタオルで包んで患部に当てるとよいでしょう。

 

冷たいシャワーを直接患部に当てるのも効果的です。ただし、冷やし過ぎは逆に皮膚を刺激するので、ほどほどにしてください。

症状が重い場合は医師に相談を

胸にできるぶつぶつが悪化すると、ぶつぶつ以外にも症状が現れたり、跡が残ったりすることがあります。また、ぶつぶつがあること自体がストレスとなることも少なくありません。症状が長引くようであれば、早めに病院を受診し適切な治療を受けましょう。

症状がつらい場合は皮膚科に相談しましょう。

セルフケアで治らない肌トラブルの場合、自己治療が適切でないか、症状が長引いていることが原因かもしれません。別の病気が隠れていることもあるため、皮膚科の診察を受けましょう。放っておくと跡が残ることもあるので、早めに対処することが大切です。

通院が難しい場合はオンライン診療もおすすめ

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オンライン診療とは

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まとめ

胸にできる湿疹は、汗やアレルギー、ホルモンの影響など、さまざまな要因で発症することがあります。適切なスキンケアや生活習慣の見直しで改善が期待できます。ただし、症状が続く場合は皮膚科での診察を受け、適切な治療を受けてください。この記事を参考にして、湿疹の原因を理解し、早めに対処して健康な肌を保ちましょう。

コメント 胸部の肌トラブルは、性別に関係なく誰にでも起こり得ます。皮脂腺や汗腺が多い胸部は、ホルモンバランスや生活習慣の影響を受けやすく、ニキビや湿疹が発生しやすい部位です。また、ストレスや不適切なスキンケアも肌トラブルの原因となります。早めの対策と適切なケアが重要であり、気になる症状が続く場合は専門医に相談することをおすすめします。

監修医コメント

医師
松澤 宗範

胸部の肌トラブルは、性別に関係なく誰にでも起こり得ます。皮脂腺や汗腺が多い胸部は、ホルモンバランスや生活習慣の影響を受けやすく、ニキビや湿疹が発生しやすい部位です。また、ストレスや不適切なスキンケアも肌トラブルの原因となります。早めの対策と適切なケアが重要であり、気になる症状が続く場合は専門医に相談することをおすすめします。

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監修医師 松澤 宗範
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科

皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療

2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科 皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療 2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
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