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片頭痛には漢方が効果的って本当?効果的な漢方薬を詳しく解説

監修医師 田頭 秀悟
更新日:2024年09月24日

更新日:2024年09月24日

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片頭痛とは、頭の片側または両側のこめかみ付近にズキズキと脈打つような痛みが繰り返し現れる状態です。寝込んでしまったり、仕事に集中できなくなったりするため、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。薬を飲んでも効果が出にくい場合があり、困っている人も多いのではないでしょうか。

漢方薬の中には、片頭痛に効果が期待できるものがあります。しかし、種類が多いため、どの漢方薬が効果的なのか迷うかもしれません。この記事では、片頭痛に効果のある漢方薬について詳しく解説します。普段から片頭痛に悩んでいる方は、参考にしてください。

片頭痛には漢方が効果的って本当?

片頭痛とは、頭の片側または両側のこめかみ付近にズキズキと脈打つような痛みが繰り返し現れる状態です。吐き気を伴うことも多く、月に1〜2回や週に1〜2回の頻度で発生することがあります。一度痛みが始まると、寝込んでしまったり、仕事に集中できなくなったりするため、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。

 

漢方薬は自然治癒力を高めることで、慢性的な頭痛に効果を発揮することがあります。いくつかの漢方薬が慢性的な頭痛に対して特に効果的とされています。

片頭痛の原因

片頭痛の原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が重なることで発生すると考えられています。三叉神経が刺激されると、痛みを引き起こす物質が分泌され、炎症や血管の拡張を引き起こし頭痛が発生します。

 

片頭痛の引き金となる要因は、遺伝的な体質、ストレス、睡眠不足や過剰な睡眠、飲酒、強い光や音、特定のにおい、月経周期、天候の変化などです。これらの要因は人によって異なり、複数の要因が重なることで片頭痛が引き起こされることが一般的です。

前兆のない片頭痛

片頭痛は「前兆のない片頭痛」と「前兆のある片頭痛」の2つに大きく分けられます。「前兆のない片頭痛」は、片側に中等度から重度の拍動性の頭痛が繰り返し発生するのが特徴です。この頭痛は4〜72時間続き、日常的な動作で悪化することがあります。また、悪心や嘔吐、光や音に対する過敏症状も伴うことがあります。

前兆のある片頭痛

「前兆のある片頭痛」は、主として片側に一時的な視覚や感覚、その他の中枢神経症状が前兆として先行した後に頭痛が発生するのが特徴です。これらの前兆は20〜30分程度続き(※診断基準上は5分〜60分程度までの幅があるとされています)、徐々に頭痛へと進展します。前兆は、片頭痛の一部と考えられています。

 

代表的な前兆には、目の前で光がチカチカする「閃輝暗点」や視野の一部が欠ける視野異常、チクチク感や感覚が鈍くなる感覚症状、言葉が出にくくなる言語症状などがあります。

片頭痛に効果的な漢方薬5選

片頭痛に効果的な漢方薬を5つ紹介します。漢方薬は、個々の体質や症状に合わせて、自分に合ったものを選んでください。

呉茱萸湯

呉茱萸湯(ごしゅゆとう)は、頭痛や吐き気に悩む方に効果的な漢方薬です。漢方の考え方では、ズキズキする頭痛は体の「冷え」が原因で、これが体内の巡りを邪魔し、頭への「気」や「血(けつ)」の流れを乱してしまうとされています。

 

呉茱萸湯は、お腹を温めることで体の「冷え」を取り除き、「気」や「血(けつ)」の流れを整えて頭痛を和らげます。また、胃腸の働きを整え、吐き気を抑える効果もあるため、胃腸が弱い方にも適しているお薬です。

 

この漢方薬は、体力が中等度以下で、手足が冷え、肩がこる方や、時々みぞおちが膨満する方に特に適しています。頭痛やそれに伴う吐き気・嘔吐、しゃっくりにも効果があります。

桂枝人参湯

桂枝人参湯(けいしんいんじんとう)は、胃腸の機能を高める漢方薬です。これにより、頭痛を和らげたり、心臓のドキドキ感を落ち着かせる効果が期待できます。特に、冷え症で顔色が悪く、体力があまりない人に適しています。

 

この漢方薬に含まれる5種類の生薬は、全般的に胃腸に良いとされています。たとえば、桂皮には健胃作用があり、頭痛や動悸にも効果があるとされています。また人参には滋養強壮作用があり、甘草は緩和作用を持っています。体力が低下している人で、食欲不振、悪心、嘔吐、胃部の停滞感、下痢などの胃腸症状に加え、頭痛や心悸亢進などの症状がある場合に向いています。

釣藤散

釣藤散(ちょうとうさん)は、高血圧に関連する頭痛に効果的な漢方薬です。

 

ストレスなどで血圧が上がると、東洋医学的には「気」が頭に上昇し、熱を生じさせると考えられています。これは、頭痛や目のくらみを引き起こす原因です。また、「気」の上昇に伴い、「血(けつ)」も上昇するため、顔が赤くなったり、目が血走ったりすることがあります。

 

「釣藤散」は、この「気」の上昇を抑え、「気」や「血(けつ)」の巡りを整えることで、これらの症状を和らげる効果があります。体力が中等度で、慢性的な頭痛やめまい、肩こりなどの症状がある方に特におすすめです。

葛根湯

葛根湯(かっこんとう)は、風邪のひきはじめに効果的な漢方薬です。この薬は体を温めて発汗を促し、風邪を治す力を高めます。また、筋肉の緊張をほぐし、頭痛や首周りのこわばりを改善するため、風邪以外にも肩こりや頭痛に効果があります。

 

寒気がするけれど汗が出ない、頭痛や首・肩のこわばりがある場合におすすめです。

風邪の初期(汗をかいていない状態)、鼻風邪、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛みにも効果があります。

五苓散

五苓散(ごれいさん)は、むくみや頭痛、二日酔いの症状に効果的な漢方薬です。漢方では、これらの症状は体内の「水(すい)」が滞ることによって引き起こされると考えられています。

 

五苓散は、体の働きを高めて余分な水分を排出することで、むくみや頭痛、めまい、下痢などの症状を和らげます。特に、口が渇いて尿の量が少ない方におすすめです。また、急性胃腸炎や暑気あたり、吐き気などにも効果があります。

 

この漢方薬は、体力に関係なく使用でき、のどの渇きや尿量の減少を伴う症状に対して効果的です。ただし、残便感があり、繰り返し腹痛を伴う便意を催す「しぶり腹」には使用しないでください。

 

五苓散について

自分に合う漢方が分からない場合は医師に相談しましょう

漢方薬は個々の体質や症状に合わせて選んでください。医師に相談することで、具体的な健康状態や体質に基づいた適切な漢方薬を選べます。

自己判断で漢方薬を選ぶと、効果が得られないばかりか、逆に体調を悪化させるかもしれません。医師の指導のもとで漢方薬を使用することで、副作用や相互作用のリスクを最小限に抑えられます。

忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ

片頭痛が辛くても、忙しくて病院を受診する時間がつくれないかもしれません。そんな場合は我慢せず、オンライン診療を利用しましょう。

オンライン診療とは

オンライン診療とは、インターネットを利用して診察や相談を行う医療サービスのことです。スマートフォンやパソコンを使って、自宅や職場などから医師の診察を受けられます。これにより、病院に行く時間や交通費を節約できるだけでなく、待ち時間も短縮することが可能です。予約から受付、診察、処方、会計まで全てオンラインで完了します。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUは、オンライン診療を簡単に行えるサービスです。アプリを使って予約から薬の受け取りまで、すべてのステップをスムーズに進められます。

 

専門スタッフがサポートしてくれるほか、好きなクリニックや薬局を登録する機能もあります。さらに、お薬手帳をデジタル化でき、全国どこでも当日または翌日に薬を受け取ることが可能です。

まとめ

片頭痛に対する漢方薬の効果について説明しました。漢方薬は片頭痛の根本原因に働きかけることで、症状の緩和や予防に役立ちます。自分の体質や症状に合った漢方薬を選ぶことで、片頭痛の改善が期待できます。

 

もし片頭痛が続く場合や、通常の治療で効果が見られない場合は、専門家に相談しながら漢方薬を取り入れた治療を検討してみてください。漢方薬を上手に活用して、片頭痛から解放され快適な日常生活を取り戻しましょう。

コメント 呉茱萸湯と五苓散はどちらかと言えば片頭痛の急性期、すなわち頭痛発作の最中に使うことが多い漢方薬です。呉茱萸湯は苦いことで有名ですが、頭痛発作時に服用し相性が合っていればコーヒーのように美味しく飲めたりすることもあるのが漢方薬の面白いところです。また悪天候や台風の時に頭痛が悪化するという傾向があれば五苓散を選んだ方が効きやすい傾向があります。

桂枝人参湯、釣藤散、葛根湯はどちらかと言えば、長く片頭痛を患っている人、あるいは緊張型頭痛と呼ばれる肩こりやストレスが積み重なって頭痛に発展している人に対して、体質改善的に服用してもらうことが多い漢方薬です。使い分けは難しいことも多いので、悩む場合や今いち効果が得られない場合には、漢方の専門医へ受診し相談してみるのもいいと思います。

監修医コメント

医師
田頭 秀悟

呉茱萸湯と五苓散はどちらかと言えば片頭痛の急性期、すなわち頭痛発作の最中に使うことが多い漢方薬です。呉茱萸湯は苦いことで有名ですが、頭痛発作時に服用し相性が合っていればコーヒーのように美味しく飲めたりすることもあるのが漢方薬の面白いところです。また悪天候や台風の時に頭痛が悪化するという傾向があれば五苓散を選んだ方が効きやすい傾向があります。

桂枝人参湯、釣藤散、葛根湯はどちらかと言えば、長く片頭痛を患っている人、あるいは緊張型頭痛と呼ばれる肩こりやストレスが積み重なって頭痛に発展している人に対して、体質改善的に服用してもらうことが多い漢方薬です。使い分けは難しいことも多いので、悩む場合や今いち効果が得られない場合には、漢方の専門医へ受診し相談してみるのもいいと思います。

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監修医師 田頭 秀悟
経歴:鳥取大学医学部 卒業 / たがしゅうオンラインクリニック院長 / 脳神経内科(認知症、パーキンソン病、ALSなどの神経難病)領域を専門とし、主として糖質制限食やストレスマネジメント指導を中心に内科疾患全般に対しての診療を行うオンライン総合診療医。 また東洋医学会専門医でもあり、問診によって東洋医学的な病態を推察し、患者の状態に合わせた漢方薬をオンライン診療で選択する治療法も得意としている。 所属:たがしゅうオンラインクリニック
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