ムコダインのジェネリックはある?使用方法や効果、副作用などの注意点について薬剤師が解説
更新日:2024年02月26日
秋や冬の風邪の時に短期間服用する方から、慢性副鼻腔炎などで長期に服用する方まで、使用する期間も人によって様々です。
処方される患者さんも、小児から成人、高齢者まで幅広く処方され使用されています。
ムコダインとは?
ムコダインとは、L-カルボシステインを含有する医薬品です。主に、気道などにたんが絡まった時の去痰や、慢性副鼻腔炎の排膿を目的に処方されます。
秋や冬の風邪の時に短期間服用する方から、慢性副鼻腔炎などで長期に服用する方まで、使用する期間も人によって様々です。処方される患者さんも、小児から成人、高齢者まで幅広く処方され使用されています。
剤形は、錠剤、散剤、シロップがあり、錠剤を飲めない小児の患者さんや、大きいものが飲み込みにくくなった高齢者まで対応できる医薬品です。後述するように、先発品についても、後発品についても副作用の報告がほとんどなく、安全に服用できると考えられます。
また、妊娠中、授乳中であっても処方されていることがあります。市販薬にもL-カルボシステインが配合されており、「ストナ去痰カプセル」や「クールワン去たんソフトカプセル」などがあります。
ムコダインにジェネリックはある?
ムコダインにはジェネリックの医薬品があり、東和薬品や沢井製薬など、数社の後発品製薬メーカーから発売されています。ジェネリック医薬品とは、先発品で使われる主成分の特許が切れた後に発売される医薬品を指し、後発医薬品、後発品などと呼ばれます。
ジェネリックの医薬品で使用される成分は、先発医薬品の主成分と同じものであり、効能効果は同等とされています。さらに、開発費用が抑えられているため、ジェネリックの医薬品は先発医薬品よりも安くお手頃に購入することができます。
ジェネリック医薬品と聞くと安価で良いイメージを持たれないことがありますが、効能効果は同じですし、国も認めている医薬品が販売されていますので安心してお使いいただけます。
また、ジェネリック医薬品の商品名は、”成分名「メーカー名」”となりますので、例えばABC薬品が作ったジェネリック医薬品の商品名は”オロパタジン塩酸塩「ABC」”となります。
ムコダインの場合だと、「カルボシステイン錠500mg『トーワ』」や「カルボシステイン錠500mg『サワイ』」となります。
薬価(薬の値段)
薬価(薬の値段)について言えば、先発品よりもジェネリックの方が安くなっています。例えば成人によく処方されるムコダイン錠500mgですと、1錠13.00円ですが、カルボシステイン錠500mg「トーワ」ですと1錠7.90円、その差5.1円となっています。
風邪などで一時的に服用する必要がある時は1日3錠7日分として全量21錠ですので、薬価で約107円(負担割合が3割の場合、約30円)の金額差となりますが、慢性副鼻腔炎などで3ヶ月(90日)服用するとなると、1日3錠90日分として全量270錠ですので、薬価で約1,377円(負担割合が3割の場合、約413円)の差額となります。
元々の先発品の薬価が高くないため、ジェネリックに変更しても、そこまでのインパクトのある差額にはなりません。しかし、塵も積もれば山となるように、少額の差でも節約して他のことに使ってはいかがでしょうか。
どんな症状にきくか?(一般的な効果効能)
ムコダインは主に、痰や鼻水を柔らかくサラサラにすることで痰を出しやすくしたり、副鼻腔に詰まった膿を出しやすくしたりします。
痰や鼻水にはムチンいう成分があり、痰や鼻水をネバネバさせる原因となっています。ムコダインはこのムチンの濃度を低下させることによって、ネバネバを減らします。
薬効成分であるL-カルボシステインには気道粘液構成成分調整作用や粘膜正常化作用などによる去痰、また、副鼻腔においては粘液線毛輸送改善作用などによる排膿の作用があります。
ムコダインが処方される疾患としては、去痰目的として、上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)、急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核があり、また排膿目的として慢性副鼻腔炎の排膿に処方されます。
使い方のポイント
ムコダインの使い方のポイントとしては、飲み忘れがないように指示された用法できっちりと継続して服用することです。
なぜなら、ムコダインの効果は、抗アレルギー薬がピタッと鼻水を止めるようにわかりやすい効果ではないからです。
前述のように、ムコダインは痰や鼻水をサラサラにすることで効果を発揮しますが、服用前にできてしまった鼻水や痰にはあまり効果を感じられません。
効果を感じやすいのは、ムコダインの服用開始後に作られる鼻水や痰です。したがって、ドロドロとした鼻水がある時、鼻づまりの時、痰が出る時は、はじめは効果を感じにくいと思いますが、継続して服用すると、効果を実感できるようになります。
使用方法と注意点、副作用はある?
使用方法は添付文書より、カルボシステインとして、通常成人1回500mgを1日3回経口投与することとされており、年齢、症状により適宜増減するとなっています。500mg錠が処方された場合は1日3錠、250mgが処方された時は1日6錠服用することになります。
また、小児の場合、体重1kg当たり、1回につき10mg服用することとなっているため、服用するお子様の体重によって処方される散剤やシロップの量が変わります。また、保育園や幼稚園、学校が日中にある場合、服用しやすくするために医師によっては1日2回や3回に調節されることがあります。
副作用の報告は少なく、添付文書によれば、0.91%に副作用が認められ、主な副作用は、食欲不振、下痢、腹痛、発疹があったとのことです。
このような副作用を感じられた時は、医師や薬剤師に相談してみましょう。また、L-カルボシステインに対して過敏症の既往歴がある場合は服用できませんのでご注意ください。
ごくまれに起こる重大な副作用として、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、肝機能障害、黄疸、ショック、アナフィラキシー様症状があります。
万が一、症状に気がついた時は、服用を中止し、すぐに受診してください。その他の注意点としては、重複服用に注意する必要があります。
ムコダインは病院からの処方箋でもよく出されますが、安全であるが故に、多くの市販薬にも含まれています。
例えば、慢性副鼻腔炎でムコダインを常用している方が、風邪を引いた時にL-カルボシステインを含む市販薬を服用した場合はL-カルボシステインが重複服用になるため、思わぬ副作用につながることがあります。
市販薬を購入するとき、処方箋のお薬を受け取る時は、薬剤師に併用薬を必ず伝えるようにしましょう。
どうすれば購入できる?
病院で処方されるムコダイン及び後発品のカルボシステイン錠を薬局で手に入れるためには、病院やクリニックなどの医療機関に受診し、医師の診察後、処方せんを出してもらう必要があります。
カルボシステインが配合されている市販薬はありますがそのほとんどが配合剤であり、他の去痰作用を持つ成分などが配合されていますので、カルボシステインだけを含有している市販薬はありません。
ですので、医療機関の受診が必要になるのですが、忙しくてなかなか受診できないという方は「零売」という方法で購入が可能です。
零売はもともと小売りや分割販売という意味があり、一部の医療用医薬品を処方箋なしで購入することができます。零売は薬剤師によるカウンセリングが必要であり、基本的に自分の症状を把握している場合に必要最低限の量のお薬を購入することが可能になります。
ムコダインを購入するにはどうしたらいい?
ムコダインは「医療用医薬品」に指定されているため、処方箋なしでドラッグストアなどで購入することはできません。
ムコダインを購入するには、医師の診察を受けて処方箋を発行してもらう必要があります。
しかし、薬をもらうためだけに病院に行くのは面倒と感じる方もいるのではないでしょうか。
最近ではオンライン診療を行っている病院も増えており、誰でも気軽に相談できるという状況が生まれています。
オンライン診療は、
・受付や会計の待ち時間が短縮される。
・自宅や外出先で診療が受けられる。
・院内処方の場合くすりが自宅に届く。
・院内感染・二次感染のリスクがない。
などのメリットがあり、非常に便利なサービスです。
SOKUYAKUでは、多数の診療科目や全国から病院を探すことができます。
また、新型コロナウイルス感染症の検査は、医療機関以外の自宅でも実施が可能です。
SOKUYAKUで、ビデオ通話にて診療をご受診頂き、PCR検査をご希望の場合は、SOKUYAKUからご自宅で唾液採取して頂く検査キットをご注文頂けます。
周辺への感染の可能性を配慮して外出を控えたいやその他事情により、病院に行くことが難しい場合は、オンライン診療を検討してみてはいかがでしょうか。
当コラムの掲載記事に関するご注意点
- 当コラムに掲載されている情報については、執筆される方に対し、事実や根拠に基づく執筆をお願いし、当社にて掲載内容に不適切な表記がないか、確認をしておりますが、医療及び健康管理上の事由など、その内容の正確性や有効性などについて何らかの保証をできるものではありません。
- 当コラムにおいて、医療及び健康管理関連の資格を持った方による助言、評価等を掲載する場合がありますが、それらもあくまでその方個人の見解であり、前項同様に内容の正確性や有効性などについて保証できるものではありません。
- 当コラムにおける情報は、執筆時点の情報であり、掲載後の状況により、内容の変更が生じる場合があります。
- 前各項に関する事項により読者の皆様に生じた何らかの損失、損害等について、当社は一切責任を負うものではありません。
いいねしよう!
SOKUYAKUの使い方
-
STEP1
診療予約
-
STEP2
オンライン問診
-
STEP3
オンライン診療
-
STEP4
オンライン服薬指導
-
STEP5
おくすり配達
※お薬の処方は医師の診察により薬が処方された場合に限ります。