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低用量ピル服用中の不正出血はなぜ起こるの?原因と対処法を解説

監修医師 馬場 敦志
更新日:2024年05月22日

更新日:2024年05月22日

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低用量ピルを使用すると、実薬を服用しない7日間(偽薬期間や休薬期間)のうちに月経が始まります。※ このため、本来の7日間以外の時期に出血が起きると、心配になる人もいるでしょう。

しかし、低用量ピルの服用を開始したばかりの頃は特に、副作用として不正出血が発生しやすいことが知られています。そこで、どのような不正出血があり、どの程度の期間にわたって続くのかを説明します。

※ 服用する低用量ピルによっては偽薬部分が4日間のタイプのものなど様々です。

低用量ピル服用中の不正出血の特徴

不正出血の特徴

低用量ピルの副作用による不正出血には、次の2つの特徴があります。

①出血量は少なめ

大抵の場合、低用量ピルの服用期間中に発生する不正出血は、茶色っぽい色で量も少なめです。量の目安として、おりものシートで問題にならない程度であれば、それまで通り低用量ピルを飲み続けて構いません。

②最初の3ヶ月目までが多い

初めて低用量ピルを服用したときや服用をしばらく中断して再開したとき、あるいは種類の異なるピルに変えたときは、直後の1〜3ヶ月に不正出血が発生しやすくなっています。この時期の不正出血については、しばらく様子を見ても差し支えないでしょう。少量の出血であれば低用量ピルの服用を続けるうちに改善される場合が多いです。

低用量ピル服用中の不正出血の原因

ホルモンバランスの変化

初めて低用量ピルを使うときには、低用量ピルによって変化する新たなホルモンバランスに身体が適応するまでに、一定の時間が必要です。このため、服用開始直後には不正出血が発生しやすくなります。

 

低用量ピルの副作用として最も多い症状が不正出血で、低用量ピルを飲んだ女性の約5人に1人の割合で不正出血が発生しています。服用を開始してから3ヶ月が経過する頃から次第に安定していくため、心配しすぎないようにして飲み続けてください。

低用量ピルの服用が初めての場合と同じ理由で、ピルの種類を変更したときにも、お薬の成分が違うと不正出血が発生しやすくなります。

低用量ピル以外の不正出血の原因

卵巣の問題

卵巣の機能不全、卵巣嚢腫、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)など、卵巣に何らかの異常があると、低用量ピルの服用中にも不正出血が発生する可能性があります。

 

卵巣の異常による症状を緩和するために低用量ピルが処方される場合もありますが、誰にでも例外なく適した治療法だというわけではありません。原因がはっきりしない不正出血が持続する場合は、医師による判断を仰ぎ、適切な治療を受けるようにしてください。

性感染症

性感染症への感染が原因で、膣、子宮頸部、子宮内膜、尿道などに炎症が発生し、この炎症が原因で出血が起こる場合があります。女性にとって最も多い性感染症であるクラミジア感染も性器出血の原因となります。

 

低用量ピルは、避妊効果が高いだけで、性感染症を防ぐためのお薬ではありません。性感染症に感染しないようにするには、パートナーに正しくコンドームを装着してもらい、複数の相手とは性行為をせずに、検査も定期的に受けましょう。

低用量ピル服用中に不正出血が起こった場合の対処法

低用量ピルの服用を続ける

服用開始から1〜3ヶ月間は、そのまま飲み続けて経過を観察してみましょう。不正出血の頻度は、ピルを飲み始めて1ヶ月目は35%、2ヶ月目には25%、3ヶ月目になると20%と次第に減少(※)します。

 

他には、低用量ピルを飲む時刻が変わらないようにタイミングを調整してみる方法もあります。服用時刻が一定でないと、身体の中でホルモンの量に波が出ている可能性があるためです。

 

※参考:「日本産婦人科学会:低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン

低用量ピルの種類を変更する

不正出血の頻度は、「エストロゲン(エチニルエストラジオール)」の含有量に反比例することが知られています。超低用量ピル(エストロゲン含有量が0.03mg以下)を服用している場合は低用量ピル(エストロゲン含有量が0.05mg以下)に変更することで不正出血が減少する可能性があるため産婦人科医に相談してみるのもよいかもしれません。

子宮や卵巣の状態をチェックする

普段は低用量ピルをオンラインで購入するため、子宮や卵巣の検査を受けたことがない方もいるでしょう。低用量ピルを飲み始めて数ヶ月経過したにもかかわらず、依然として不正出血が続く場合は、医療機関で健康状態を調べてみましょう。もしかしたら、治療が必要な疾患が見つかるかもしれません。

不正出血で不安な場合は医師に相談を

不正出血が続いて不安な方は、医師への相談がおすすめです。ピルを処方してもらった医療機関を受診して現在の状態や不安点をしっかりと伝えるようにしましょう。

まとめ

以上、低用量ピルの典型的な副作用としての不正出血について、基本的な事項を説明しました。服用開始から3ヶ月目までは、不正出血に対してあまり神経質になりすぎる必要はありません。そのまま飲み続けて、様子を見ましょう。

 

低用量ピルの服用期間が長いにもかかわらず不正出血が治まらない場合は、卵巣や子宮の健康状態を調べてみましょう。

 

SOKUYAKUオンラインクリニックでは、オンラインでのピルの処方に対応しています。

※受付時間:平日10:00~19:00

コメント ピルの服薬はじめは、とくに不正出血が起こりやすいですが、2-3か月内服していくうちに、ホルモンバランスが整って改善することがほとんどです。めげずにピルの服用を継続しましょう。
また、ピルを毎日同じ時間帯で使用しないと不正出血が起こる可能性が高まります。ピルの飲み忘れなく、きちんと用法用量を守ってピルを服薬しましょう。
不正出血が持続して、心配な場合には、医師を相談して診察を受けて、大丈夫な出血なのか確認するようにしましょう。

監修医コメント

医師
馬場 敦志

ピルの服薬はじめは、とくに不正出血が起こりやすいですが、2-3か月内服していくうちに、ホルモンバランスが整って改善することがほとんどです。めげずにピルの服用を継続しましょう。
また、ピルを毎日同じ時間帯で使用しないと不正出血が起こる可能性が高まります。ピルの飲み忘れなく、きちんと用法用量を守ってピルを服薬しましょう。
不正出血が持続して、心配な場合には、医師を相談して診察を受けて、大丈夫な出血なのか確認するようにしましょう。

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監修医師 馬場 敦志
宮の沢スマイルレディースクリニック 専門領域分類は、産婦人科 経歴として、筑波大学医学専門学類卒業後、現在は宮の沢スマイルレディースクリニック(札幌市)院長として勤務 保有免許・資格は、産婦人科専門医
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