つらい頭痛や生理痛に!ドラッグストアで販売しているロキソニンにジェネリックはある?ロキソニンに含まれる成分や価格をジェネリックと比較!
更新日:2024年02月26日
プロドラッグ製法により胃痛などの副作用が出にくいように工夫され比較的、安全性が高いといった特徴がある薬で、医療用医薬品として30年近く使用されている薬です。
ロキソニンとは?
ロキソニンは腫れや痛みの症状をやわらげたり、熱を下げる効果のある解熱鎮痛薬に分類される医薬品で、頭痛・月経痛(生理痛)・関節痛、腰痛、手術後の痛み、歯痛(抜歯後の痛み止め)、急性上気道炎など、さまざまな痛みの緩和や発熱時の解熱に使われる医薬品の商品名です。
プロドラッグ製法により胃痛などの副作用が出にくいように工夫され比較的、安全性が高いといった特徴がある薬で、医療用医薬品として30年近く使用されている薬です。
※プロドラッグ製法とは、体内あるいは目標部位に到達してから薬理活性をもつ化合物に変化し、薬理効果を発揮するように化学的に設計された製法の事です。胃腸障害が少なく、長時間作用するというメリットがあります。
病院を受診し、医師の診断のもと、保険薬局で薬剤師に販売してもらう医療用医薬品(処方薬)ですが、市販薬も販売されていますので、商品の特徴などについて比較しながら詳しく解説していきましょう。
ロキソニンにはどんな成分が含まれる?
ロキソニンの主成分は「ロキソプロフェンナトリウム水和物」です。非ステロイド性の消炎鎮痛成分を有効成分とし、炎症にかかわる物質の産生を抑えることにより、解熱、消炎、鎮痛作用をあらわします。
炎症にかかわる物質とは主に「プロスタグランジン」と呼ばれる神経伝達物質で、痛みや炎症の情報を伝える物質です。ケガなどで傷ついた部分では、プロスタグランジンが大量に出ます。
これが「炎症、痛み、発熱」を引き起こし、異常を知らせる役目を持っていて、その痛み物質が脳に届くと、脳は痛みを感じると同時に、発熱や腫れなどを起こし、体温を上昇させます。
ロキソニンは、痛み物質の中の酵素の働きを抑え、痛みの緩和や、抗炎症作用を示す解熱鎮痛薬です。
ロキソニンのジェネリックはある?
ジェネリック医薬品という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。ジェネリックとは、後発医薬品の事で、ロキソニンのジェネリックも製薬メーカー各社から発売されています。
沢井製薬株式会社「ロキソプロフェンNa錠60mg(サワイ)」
東和薬品「ロキソプロフェンNa錠60mg(トーワ)」
上記いずれも「ロキソニン」の後発品(ジェネリック医薬品)となる処方薬で、他にも多数の製薬会社が製造販売しています。
ロキソプロフェンは、一般名を「ロキソプロフェンナトリウム水和物」(以下ロキソプロフェン)と呼びます。ちなみに、医療用医薬品には一般名と商品名があります。
一般名とは薬効成分(有効成分)となる化学物質の名前で、商品名(販売名)とは各製薬会社の独自性を表すためにつけた名前になります。
商品名(販売名)のつけ方について厚生労働省のホームページを参照すると、「後発医薬品の販売名の記載にあたっては、含有する有効成分に係る一般的名称に剤型(錠剤タイプなど)、含量及び会社名(屋号等)を付すこと」と規定されています。つまり「有効成分名+薬の形状(剤型)、含有量(〇〇mgなど)+会社名」ということですね。
ロキソプロフェンを例に取ると、第一三共製薬が製造販売した「ロキソニン」(商品名)は先発医薬品としての商品名で、沢井製薬株式会社が製造販売したロキソニンの後発医薬品の商品名(販売名)は「ロキソプロフェンNa錠60mg(サワイ)」となります。
ロキソプロフェン(錠)は、第一三共製薬が製造販売した「ロキソニン」の後発医薬品ですので、有効成分は「ロキソプロフェンナトリウム水和物」となり、効能効果も同じです。
後発医薬品(ジェネリック医薬品)は、先発医薬品と治療学的に同等であるもの(=効能効果も同じもの)として製造販売が承認されています。つまり、先発医薬品であっても、後発医薬品であってもその効果に違いはないとされています。
近年、患者様の費用負担の軽減や医療保険財政の改善を目的として、後発医薬品の普及が推進されていますので、保険薬局で処方箋を出したときに、「ジェネリックで良いですか?」と薬剤師から聞かれた事がある方も多いと思います。
ジェネリック医薬品は、一般的に先発医薬品に比べて薬価(薬の価格)を安値で提供できるのが大きな特徴です。
理由としては、研究開発に要する費用などが低く抑えられるからです。それでは、ロキソプロフェンを有効成分とする市販薬はどのようなものがあるのでしょうか。
ロキソニンとロキソニンのジェネリックの市販薬は?
「ロキソプロフェン」を主成分とする解熱鎮痛薬は、頭痛や歯痛、風邪による発熱など、様々な痛みの症状や熱の症状があるときに病院や診療所で診察を受け、医師の処方箋に基づいて処方されますが、 市販薬としても承認され、販売が可能になりました。
病院を受診する時間がない場合、処方箋を持たずに薬局やドラッグストアで市販薬を購入したい方もいらっしゃるかもしれません。
2010年1月にロキソニンの主成分であるロキソプロフェンをスイッチOTC化する許可が厚労省から出され、2011年1月に第一三共ヘルスケアが「ロキソニンS」を発売しました。
セルフメディケーションの流れもあり、広く認知されるようになった解熱鎮痛薬ですが、ロキソプロフェンを含む医薬品は市販薬としてもリスクの最も高い第1類医薬品に区分されており、薬剤師による対面販売と情報提供が義務付けられています。
「ロキソニンS」シリーズは、3つのラインナップがあり、その他、複数の製薬会社から市販薬が製造販売されているので、見ていきましょう。
ロキソプロフェンを有効成分とする市販薬には、配合されている成分によって期待できる効能効果が変わってきます。選び方の参考に、大まかに分けると、「鎮痛作用」+αになります。
具体的には「鎮痛作用」+「胃への負担を軽減する成分」が入っているものの他、「鎮痛作用」+「鎮静成分」(さらに痛みの感覚を抑える成分)を配合したものなど多岐にわたります。
鎮静成分が入っている商品は、副作用として眠気が現れる事が多いので、車を運転する場合は避ける必要があります。(下記の商品情報は2020年9月現在のものです。)
商品情報
ロキソニンS(第一三共)ロキソプロフェンナトリウム水和物 68.1mg(無水物として60mg)
鎮痛効果をもつロキソプロフェンのみを配合した鎮痛薬です。
用法用量も1回につき1錠の服用でよく、眠くなる成分(鎮静成分など)も含みません。
ロキソニンSプラスロキソプロフェンナトリウム水和物 68.1mg(無水物として60mg)酸化マグネシウム 33.3mg
胃粘膜を保護するはたらきがあります。この商品の特徴は、鎮痛成分ロキソプロフェン+制酸成分である「酸化マグネシウム」を配合しています。こちらを使用することにより胃への負担を軽減することができるので、医薬品による胃腸への影響が気になる方はこちらを選択すると良いでしょう。
ロキソニンSプレミアムナトリウム水和物68.1mg(無水物として60mg)アリルイソプロピルアセチル尿素60mg無水カフェイン50mgメタケイ酸アルミン酸マグネシウム100mg
この商品の特徴は、鎮静成分の「アリルイソプロピルアセチル尿素」と鎮痛補助成分「無水カフェイン」が配合されており、痛みの緩和やその補助をする作用が期待できます。
特に頭痛に効果があります。さらに、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(制酸成分)で胃粘膜を保護し、医薬品による胃への負担を軽減するのが特徴です。
このロキソニンシリーズで、「ロキソニンS、Sプラス」との違いは、服用用量が1回2錠、さらに眠気に関する注意事項があることです。
なお、アリルイソプロピルアセチル尿素(鎮静成分)を含むので、服用後は乗物・機械の運転操作をしないよう注意が必要です。美容師の方や調理場など刃物を扱うお仕事をされている方も注意しましょう。
ロキソプロフェン錠「クニヒロ」(皇漢堂製薬)ロキソプロフェンナトリウム水和物 68.1mg(無水物として60mg)
一般用医薬品なので、厳密なジェネリックの概念とは異なりますが、市販薬のロキソニンSのジェネリック(後発品)という位置づけにあたるお薬です。
小型の錠剤で配合成分もロキソプロフェンのみとなり、ロキソニンSの製剤構成と同じです。ロキソプロフェン錠「クニヒロ」の大きな特徴は、値段の安さです。
メーカーが設定している希望小売価格はロキソニンSとほぼ変わりませんが、ネット販売や店頭販売などの小売価格がかなり安値に設定されている傾向にあります。(「クニヒロ」は皇漢堂製薬が医薬品を区別するために独自につけている商品名称です。)
バファリンEX(ライオン) ロキソプロフェンナトリウム水和物68.1mg(無水物として60mg)乾燥水酸化アルミニウムゲル120mg
市販薬「バファリン」は解熱鎮痛剤としてあまりにも有名な薬ですが、このバファリンシリーズからも、ロキソプロフェンを配合している医薬品が販売されています。
成分は、「ロキソプロフェンナトリウム水和物」と制酸成分の「乾燥水酸化アルミニウムゲル」で痛みの緩和+胃への負担を軽減を期待した処方となっています。
ロキソニンの使用方法。副作用や注意点はある?
痛みの原因はさまざまですが、市販の鎮痛剤は、長い期間、継続服用を前提としているものでないという事を知っておいてください。
3~5日間服用しても痛みなどの症状が繰り返される場合には、服用を中止し、医師の診療を受ける事が添付文書にも記載されています。
なるべく空腹時をさけて水又はお湯で服用すること、また、用法用量は添付文書に記載されている以外の増量や減量はしないことが大切です。
医療用は「1回1錠 1日3回、頓服の場合は1回1~2錠」とありますが、市販用では「1回1錠 1日2回まで、ただし、再度症状があらわれた場合には3回目を服用できる」となっています。
これは、症状や痛みの度合いによって、服用回数や服用間隔、服用量の増減に関しての診断や指導に関しては臨床経験の豊富な医師が行う必要があることからこのような文言が記載されています。
よって、ロキソプロフェンを含有する市販のお薬においても、薬の専門家である薬剤師の説明に基づき正しく服用しましょう。 また、次のような方は服用できないとされています。
解熱鎮痛剤、かぜ薬で喘息の症状が出た方
胃・十二指腸潰瘍、肝臓病、腎臓病、心臓病、血液異常などの症状が出たことがある人
出産予定日12週以内の妊婦の方の服用(胎児の肺に循環器系の病気を引き起こす危険性がある)
15歳未満の小児
妊娠中、または妊娠していると思われる人
授乳中、高齢者、気管支喘息をお持ちの人
潰瘍性大腸炎、クローン病、SLEの方
医師の治療を受けている人
極めてまれですが、全身の倦怠感や筋肉痛、息切れや吐き気、皮膚のただれが出た例も報告されています。このような場合は、早急に病院などの医療機関を受診しましょう。
また、ロキソプロフェンを含む医薬品は市販薬としてもリスクの最も高い第1類医薬品に区分されており、薬剤師による対面販売が義務付けられています。
購入に際して制限があるという事は副作用などのリスクも高いという事になります。OTC薬として広く使用される商品が増えた分、副作用などの好ましくない作用の報告情報なども随時更新されていきます。
実際、2016年3月厚生労働省が、「重大な副作用」として「小腸・大腸の狭さく・閉塞」を追加するように指示を出しました。
たかが痛み止め、と思わず、医薬品である以上は危険な一面を持っている薬であるという事も認識したうえで用法用量を守って使用するという医薬品の適正使用を常に心がけて頂きたいと思います。
どうすれば購入できる?
街のドラッグストア店、薬店、薬局、また医療用医薬品を購入できる零売薬局等で購入することができます。
第1類医薬品は、商品の購入にあたり、薬剤師が文書を用いて説明することが義務付けられている医薬品ですので、薬剤師が常駐している薬店、ドラッグストア、零売薬局等でお買い求め下さい。
また、第1類、第2類、第3類のすべての一般用医薬品は、一定の条件の下、インターネットや電話などで販売できるようになりました。
※購入時に薬剤師などの専門家からの情報提供を受ける必要があります。(ただし、使用に特に注意が必要な「要指導医薬品」は対面販売に限ります。)
最近ではオンライン診療を行っている病院も増えており、誰でも気軽に相談できるという状況が生まれています。
オンライン診療は、
・受付や会計の待ち時間が短縮される。
・自宅や外出先で診療が受けられる。
・院内処方の場合くすりが自宅に届く。
・院内感染・二次感染のリスクがない。
などのメリットがあり、非常に便利なサービスです。
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※お薬の処方は医師の診察により薬が処方された場合に限ります。