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AGA1型と2型はどうやって見分けるの?それぞれの見分け方や特徴、治療方法について詳しく解説

監修医師 坂本 好昭
更新日:2024年05月30日

更新日:2024年05月30日

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5αリダクターゼは薄毛やAGAの発症を引き起こす原因の一種です。
5αリダクターゼは私たちの体内にある酵素の1つですが、5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があります。

いずれも同様の酵素と考えられがちですが、実際はそれぞれに違いがあり、いずれもAGAと関係があります。

このページでは、5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の特徴や見分け方、AGAと5αリダクターゼの関係について丁寧に説明いたします。

5αリダクターゼとは

5αリダクターゼは性別に関係なく私たちの体内にある酵素の1つで、「テストステロン」という男性ホルモンを「ジヒドロテストステロン(以下、DHT)」に変える作用があります。

 

また、DHTによって前立腺肥大症やAGAが起こるため、「悪玉男性ホルモン」とも言われていますが、男性胎児の外性器を作る作用があるなど、男性の身体の成長にも一定関係していると考えられています。

5αリダクターゼの存在する場所

5αリダクターゼはⅠ型とⅡ型に分けられ、体内に存在する場所に違いがあります。

 

Ⅰ型5αリダクターゼは、皮脂腺や毛乳頭細胞をはじめとして全身に存在し、特に後頭部や側頭部に集中しています。毛乳頭細胞は健康なヘアサイクルを維持する働きや育毛促進因子を生成する働きがあるため、髪の毛を作るのに不可欠な細胞です。

 

Ⅱ型5αリダクターゼは、前頭部と頭頂部をはじめ、髭・脇・陰部などの毛乳頭細胞にも存在します。Ⅰ型よりもⅡ型の方がAGAの発症に関係していると言われており、AGAは前頭部や頭頂部で起こりやすいと考えられています。また、Ⅱ型によって頭部で脱毛症状が現れますが、髭や脇などの別の場所では発毛を促進するという特性を持ちます。

5αリダクターゼのAGAや薄毛との関係性

AGAの発症には、5αリダクターゼによってテストステロンから生み出されるDHTが深く関わっています。DHTが毛乳頭内部の男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)と結びつくと、髪の毛を産生する毛母細胞の活動が低下し、ヘアサイクルの成長期が短くなります。

 

髪の毛が長くなる成長期が短くなると髪の毛がしっかりと成長せず、柔らかく細い髪の毛が多くなります。そのため、髪の毛の軟毛化が進行し、AGAが原因の薄毛が進んでしまいます。

 

AGAの発症にはアンドロゲンレセプターのDHT感受性の高さが関係しており、感受性が高ければアンドロゲンレセプターがDHTと結びつきやすくなるため、薄毛が進みやすくなります。アンドロゲンレセプターの感受性の高さは遺伝と関係しているため、感受性が高い遺伝子を持つ方はAGAの発症リスクも高いとされています。

5αリダクターゼI型とII型の見分け方

上述のように、5αリダクターゼはⅠ型とⅡ型で存在する場所や多く集まる場所に違いがあります。

以下では、5αリダクターゼⅠ型・Ⅱ型の見分け方について説明いたします。

5αリダクターゼI型の見分け方

5αリダクターゼⅠ型は全身のほとんどの毛乳頭細胞に分布します。頭皮では後頭部や側頭部に集中している傾向にあります。

 

基本的に皮脂量が多いと5αリダクターゼⅠ型だと考えられがちですが、実際は薄毛と頭皮の皮脂量には相関関係がないと判明しており、皮脂量が多いからといって5αリダクターゼⅠ型とは断言できません。

5αリダクターゼII型の見分け方

5αリダクターゼⅡ型は、頭皮では頭頂部や前頭部に集中しています。

頭皮の他には、髭・脇・陰部などにも集中しますが、5αリダクターゼⅡ型が多量に分泌される方は髪の毛は抜け落ちますが、髭などの髪の毛以外の毛はよく生える傾向にあります。

 

もちろん、上記の特徴だけで5αリダクターゼⅠ型とⅡ型を正確に区別することは難しいです。食生活や生活習慣によって脂性肌になっていることもありますし、生まれつき髭などの体毛が多い体質の方もいらっしゃいます。

5αリダクターゼを抑制する治療薬

5αリダクターゼを阻害する作用があるお薬としては、デュタステリドとフィナステリドがあります。

フィナステリド:II型5αリダクターゼの抑制

フィナステリドは5αリダクターゼⅡ型を抑制するお薬です。AGAの進行を防ぎ、健康なヘアサイクルを取り戻す働きをします。日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」(以下、ガイドライン)によると、男性の脱毛症の改善効果が期待できる「推奨度A」と考えられており、副作用の心配もあまりないとされています。

 

AGA治療はフィナステリドだけで十分?フィナステリドのみで得られる効果について解説

デュタステリド:I型・II型5αリダクターゼの抑制

デュタステリドはフィナステリドと同じく5αリダクターゼを阻害する働きを持つお薬です。しかし、フィナステリドとは違って、Ⅰ型・Ⅱ型いずれも抑制することができます。デュタステリドについても上記ガイドラインで「推奨度A」と考えられており脱毛症の改善効果が期待できます。

 

ただし副作用についてはフィナステリドよりデュタステリドのほうが性腺機能低下のリスクは高いと報告されていますので注意が必要です。

5αリダクターゼの抑制効果が期待できる食べ物やサプリメント

ノコギリヤシ

ノコギリヤシはヤシ科のハーブの仲間で、古来から民間薬として用いられてきました。ノコギリヤシの中のノコギリヤシエキスは、前肥線肥大症で見られる排尿障害に有効な成分であり、薬理効果の一種として5αリダクターゼを阻害する効果を持つと考えられています。しかし、ノコギリヤシエキスの薬理効果に関する研究はまだ十分に進んでおらず、ある程度の効果は見込めますが、信頼度はそこまで高くないとされています。

亜鉛

亜鉛は、髪の毛の腫瘍成分であるケラチンの産生を促進する作用を持ちます。5αリダクターゼ自体を阻害する効果は持ちませんが、健康な髪の毛を産生する溜めに欠かせない栄養素ですので、必要十分な量を摂ることをお勧めします。

 

亜鉛は、豚レバーや牡蠣、卵などに豊富に入っています。亜鉛は吸収率が低いため、吸収をサポートするビタミンやクエン酸などの栄養素もあわせて摂ることを推奨します。なお、穀物や食物繊維、豆類に豊富に含まれるフィチン酸などは亜鉛の吸収率を低下させるため、お気を付けください。

イソフラボン

イソフラボンは5αリダクターゼを阻害する効果を持ちます。また、成長因子であるIGF-1の分泌を促進する効果も持つため、髪の毛の成長を促進する働きが見込めます。さらに、イソフラボンの中のエストロゲンは女性ホルモンに近い作用を持つため、薄毛を引き起こす男性ホルモンを阻害する働きも見込めます。

 

「成長ホルモン」は髪の毛の成長に欠かせないホルモンの1つです。ノンレム睡眠(入眠後3〜4時間で起こる)の際に成長ホルモンが多量に分泌されます。睡眠不足が常態化していたり、睡眠の質が低い状況が長引いていたりすると、成長ホルモンの分泌が足りなくなり、健康な髪の毛の成長に悪影響が及ぶと考えられています。そのため、睡眠の質を向上させることが重要です。

AGAは早期治療が肝心!薄毛が気になったら早めに医師に相談しましょう

AGAの症状は時間が経つに連れて進んでいくため、放っておくと益々ひどくなります。しかし、発症初期の症状なら早めに治療を受けることで早期回復が見込めます。また、AGAが進行してから治療を受けると、治療前後の髪の毛の量が変わることを不安に思う方もいらっしゃいます。そのため、こうした事態を防ぐためにも、なるべく早めに治療を受けることが大切です。

 

抜け毛や薄毛に困っていても、多忙でなかなか治療を受けられないという方は、AGAのオンライン診療を受けることをお勧めします。職場やご自宅から予約・診察ができますので、一度ご検討ください。

まとめ

5αリダクターゼとAGAには密接な関連がありますが、お薬によって5αリダクターゼを抑制することが可能です。

AGA治療では、薄毛の進行度合いや種類に応じて適切なお薬を処方することができます。AGAは進行型の脱毛症ですので、さらなる薄毛の進行を防ぐためになるべく早めに治療を受けましょう。

 

SOKUYAKUオンラインクリニックでは、AGA治療のオンライン診療サービスに対応しており、副作用や効果についてのご説明も行っています。

 

受付時間:平日10:00~19:00

コメント フィナステリド、デュタステリドともにAGAに対して治療効果があるということはガイドラインでも推奨されています。しかしこれらのデータは最低6カ月間の継続治療を行ったデータをもとに作成されており、そのことからも継続治療が必要なことを示唆しています。
AGAなのに内服治療をしているのに改善しないという方が散見されますが、そういう方のほとんどは日常生活の改善がおろそかになっていることがほとんどです。禁煙・食生活を含めた日常生活の改善もまた重要な治療の一環となります。

監修医コメント

医師
坂本 好昭

フィナステリド、デュタステリドともにAGAに対して治療効果があるということはガイドラインでも推奨されています。しかしこれらのデータは最低6カ月間の継続治療を行ったデータをもとに作成されており、そのことからも継続治療が必要なことを示唆しています。
AGAなのに内服治療をしているのに改善しないという方が散見されますが、そういう方のほとんどは日常生活の改善がおろそかになっていることがほとんどです。禁煙・食生活を含めた日常生活の改善もまた重要な治療の一環となります。

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監修医師 坂本 好昭
慶應義塾大学医学部 講師/表参道スキンクリニック

専門:形成外科, 美容皮膚科, 美容外科

経歴:慶應義塾大学医学部 卒業、同形成外科 入局。 フランス ネッカー小児病院留学を経て2016年より慶應義塾大学医学部 形成外科 講師
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