日光に当たるとできる蕁麻疹(じんましん)の原因は?対処方法や治療方法についても解説!
更新日:2025年02月5日
光線過敏症(日光アレルギー)とは
光線過敏症とは、日光を浴びることで症状が現れたり悪化したりする皮膚疾患のことです。「日光アレルギー」や「日光過敏症」とも呼ばれ、特定の病気を指すわけではありません。いくつかの関連疾患をまとめた名称です。
原因によって「内因性」と「外因性」の2つに分けられます。内因性のものは遺伝や代謝の異常が関係しており、外因性のものは薬剤や化粧品といった外部の物質がきっかけとなって症状が引き起こされます。
外因性
薬や化粧品、香水、果物や野菜などに含まれる特定の成分が原因で起こるタイプです。これらの成分が体内に取り込まれ、日光を浴びることで化学反応を引き起こし、皮膚に赤みや腫れ、かゆみなどの症状をもたらします。光アレルギー性と光毒性という2つの仕組みがあります。
光アレルギー性
紫外線と体内に入った原因物質が反応してアレルギーの原因となる物質(抗原)が作られる場合に起こります。一度抗原が作られると、次回その物質を取り込んで紫外線を浴びた際に、免疫が過剰に反応して皮膚に赤みや腫れ、水ぶくれ、かゆみなどが生じます。この反応は、抗原を作った人にのみ起こることが特徴です。
光毒性
紫外線と原因物質が反応して活性酸素が発生し、それが細胞を攻撃することで起こる皮膚炎で、免疫反応ではありません。紫外線と原因物質の量に依存するため、一定の条件が揃えば誰にでも起こる可能性があります。この場合、紫外線を浴びた直後から数時間以内に日焼けに似た赤みや腫れが現れ、その後、皮膚がはがれ落ちたり、色素沈着が残ったりすることがあります。
内因性
遺伝や他の病気が関係していて、紫外線や可視光線を浴びたときに皮膚に症状が現れるタイプです。詳しい原因がわかっていないことが多いですが、いくつかの代表的な病気があります。日光蕁麻疹は、ここに該当します。
多形日光疹
腕など日光が当たる部分に赤い小さなブツブツができるもので、かゆみを伴います。場合によっては水ぶくれになることもあります。春から夏にかけて症状が出やすく、若い女性に多い病気です。
慢性光線性皮膚炎
光が当たる場所に赤くゴツゴツした湿疹ができる病気で、中高年の男性に多く見られます。原因が明らかではなく、治療が難しいとされています。
色素性乾皮症
遺伝性の病気で、日光が当たる部分にシミができたり、皮膚が乾燥したりします。幼少期から症状が現れることがあり、紫外線を浴び続けると10代から20代の若いうちに皮膚がんになるリスクが高まります。
その他
ポルフィリン症(代謝異常の一種)や全身性エリテマトーデス(自己免疫疾患)など、別の病気が原因で引き起こされることもあります。
日光蕁麻疹(じんましん)とは
太陽光やその他の光線への曝露が原因で生じる比較的まれな物理性蕁麻疹です。発症は日照量が暖かくなる時期に増える傾向があります。症状が強い場合や疑いがある場合には、皮膚科で紫外線や可視光線に対する光照射試験を行うことがあります。
症状
光にさらされた直後に皮膚に紅斑や膨疹、かゆみが現れます。症状は一般的に色素沈着を残さず消退しますが、重症の場合、長時間の日光曝露によって呼吸困難や意識消失などのアナフィラキシーショックを引き起こす可能性があります。また、薄い衣類を通過した光線によっても反応が現れることがあり、裸露部以外にも発疹が出る場合があります。
軽症の場合、自然に治まることがほとんどです。ただし、中にはめまいや頭痛といった全身症状が伴うことがあります。また、紫外線だけでなく可視光線に反応して症状が出る方もいます。
治療方法
治療としては、抗アレルギー薬の投与や日光曝露を避けるための遮光対策が基本です。症状が改善しない場合や重度の方には、光線療法を行うこともあります。
抗アレルギー薬
蕁麻疹は、マスト細胞が放出するヒスタミンが血管や神経に作用することで、皮膚の赤みやかゆみといった症状が現れます。そのため、治療にはヒスタミンの働きを抑える抗アレルギー薬が使われます。蕁麻疹の種類にかかわらず効果が期待できるのが特徴です。ただし、通常の蕁麻疹ほどは効果が見込めません。
光線療法
皮膚科光線療法は、紫外線を使った治療方法です。人工光源を用いて症状を引き起こさない程度の紫外線を治療部位に繰り返し照射することで、ヒスタミンが枯渇し症状が抑えられる「ハードニング現象」という効果が期待できます。肌に日光を慣らしていき、皮膚を強くする方法と考えてください。
日光蕁麻疹(じんましん)の対処方法
一番の対処方法は、日光による肌への負担を減らすことです。次に紹介する方法を試してみましょう。
UVインデックスを参考にする
紫外線の強さを数値で表し、その影響が人体にどの程度及ぶかを示す指標のことです。紫外線の強さを数値化し、日常生活における紫外線対策の目安として活用されています。紫外線による皮膚へのダメージを減らすために、活用しましょう。
日光を避ける
日光を避ける方法をいくつか紹介します。
日陰を利用する
外出する際には、できるだけ日陰を選んで歩くようにしましょう。ただし、紫外線は直接降り注ぐだけではなく、空気中で散乱したり、地面や建物から反射することもあります。そのため、日陰にいても紫外線を完全に避けることはできないことを意識しておくことが大切です。
日傘や帽子を使う
外出時に日傘や帽子を使用するのも効果的です。日傘は、紫外線防御率が高い製品を選ぶと良いでしょう。帽子を選ぶ際には、つばの広いものを選ぶことで顔や首元をより効果的に保護できます。
衣服やストールで覆う
肌の露出を抑える衣服を着ることもおすすめです。長袖シャツやストールを使用して肌を覆うことで、紫外線を防ぐ効果が期待できます。UVカット機能のある衣服が市販されていますが、濃い色調で織目の詰まった生地の服も紫外線を遮るのに効果的です。夏場は通気性の良い素材を選ぶことで快適に過ごせます。
日焼け止めを使用する
日焼け止めを効果的に使用するためには、塗る量と塗り直す頻度が重要です。
塗る量
日焼け止めの効果を十分に発揮するためには、思ったより多めに使うことがポイントです。顔全体に塗る場合、液体タイプの日焼け止めであれば500円玉1枚分、クリームタイプであれば真珠2粒分程度が目安になります。少ない量では、製品が持つ本来の紫外線防御効果(SPFやPA)が十分に発揮されないかもしれません。
塗り直す頻度
日焼け止めは汗や水で流れたり、肌に触れることで効果が薄れることがあります。そのため、日中でも2〜3時間おきに塗り直しましょう。特に海やプールなど、水辺で過ごす場合やスポーツなどで汗をかく場合は、さらに頻繁に塗り直すことが大切です。
原因となる物質の使用を避ける
外因性のものは、薬や化粧品に含まれる成分が紫外線と反応して発症するため、使用前に注意事項をよく確認しておきましょう。たとえば、日光にさらされる部分にリスクが高い外用薬や湿布剤を使用しないようにしてください。外用薬を使用した場合は紫外線を避けるため、日焼け止めを使用したり衣類で皮膚を覆うことも効果的です。
日光蕁麻疹(じんましん)は我慢せず医療機関を受診しよう
日光蕁麻疹は一時的な症状と思われがちですが、場合によっては症状が繰り返すこともあります。また、場合によってはめまいや頭痛、吐き気などの全身症状を伴うこともあります。そして、症状が繰り返し起こる場合や日常生活に支障をきたす場合は、放置することで悪化する可能性もあります。
症状がつらくなった場合や繰り返し症状が出る場合には、我慢せずに医療機関を受診しましょう。適切な診断と治療を受けることで、症状を軽減し、快適な生活を取り戻す一歩を踏み出せます。
症状がつらくて通院が難しい場合にはオンライン診療がおすすめ
症状がつらくて通院が難しい場合には、オンライン診療を検討するのも一つの方法です。日光アレルギーが辛くて外出が難しくても、自宅から医師に症状を見てもらいながら適切なアドバイスや治療を受けられます。
オンライン診療とは
オンライン診療とは、自宅にいながらインターネットを通じて医師の診察を受けられる医療サービスのことです。スマートフォン、タブレット、またはパソコンを使用し、ビデオチャットを通じて医師と直接会話をすることで、対面診療と同様の診察を受けられます。診察の予約から問診、診断、薬の処方箋発行、支払いに至るまで、すべてをオンラインで完結できることも特徴です。
SOKUYAKUとは
SOKUYAKUは、オンライン診療を手軽に利用できるサービスです。このサービスでは、診察の予約からお薬の受け取りまで、すべての手続きがアプリ上で完結します。
専門スタッフによるサポートがあるため、操作に困った場合でも心配ありません。また、お気に入りのクリニックや薬局の登録機能があり、お薬手帳をデジタル化もできます。全国どこでもお薬を当日または翌日に受け取ることが可能で、忙しい方や体調が優れない方にも便利です。
まとめ
日光蕁麻疹は、紫外線や光に対する過敏反応によって生じる症状です。日焼け止めを使用したり、直射日光を避けたりすることが予防に効果的です。抗ヒスタミン薬の服用や、症状が重い場合には光線療法などが治療方法になります。我慢せずに早めに皮膚科や医療機関を受診することで、症状を和らげ適切な対策を講じられます。日常生活での工夫を取り入れながら、日光蕁麻疹に上手に対処していきましょう。
医師
五藤 良将
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
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