内科系診療科とは?診療科の種類とそれぞれの特徴について解説
更新日:2024年07月26日
内科系診療科とは?
内科系診療科は医療の基礎となる分野で、病気の発見と薬による治療を専門とする医療です。症状や治療が必要な部位に応じて、さまざまな専門領域があります。たとえば、呼吸器や神経、腎臓、血糖、血液、消化器などの各器官に特化した内科が存在します。
診療科の種類
内科系の診療科には総合内科、循環器内科、呼吸器内科など多岐にわたります。その中で代表的なものをみていきましょう。
総合内科
総合内科は、さまざまな症状や健康の悩みに対応する診療科です。具体的な病名がわからない場合や、複数の病気を持っている人の治療、どの科に行けばいいかわからない時に相談できる場所です。全身を診ることができる医師が、適切な診断と治療を行い必要に応じて専門の科へ紹介します。
診察可能な対象疾患
急性疾患
風邪症候群、インフルエンザ、咽頭炎、扁桃炎、気管支炎、肺炎、胃腸炎(腹痛、下痢、吐き気、嘔吐)、尿道・膀胱炎、熱中炎など
慢性疾患
生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症(痛風))、貧血、頭痛、骨粗しょう症、うつ病、不眠症、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、アレルギー疾患(アトピー、花粉症、じんましん)など
急性疾患
風邪症候群、インフルエンザ、咽頭炎、扁桃炎、気管支炎、肺炎、胃腸炎(腹痛、下痢、吐き気、嘔吐)、尿道・膀胱炎、熱中炎など
慢性疾患
生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症(痛風))、貧血、頭痛、骨粗しょう症、うつ病、不眠症、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、アレルギー疾患(アトピー、花粉症、じんましん)など
循環器内科
循環器内科は、心臓や血管の健康を守るための医療分野です。ここでは、胸の痛みや息切れなど、心臓に関するさまざまな問題を扱います。また、心臓だけでなく、体の大きな血管である大動脈や肺動脈、手足への血流を担う末梢動脈なども対応しています。
診察可能な対象疾患
狭心症、高血圧症、心筋梗塞、肺塞栓症、大動脈解離、不整脈など
狭心症、高血圧症、心筋梗塞、肺塞栓症、大動脈解離、不整脈など
呼吸器内科
呼吸器内科とは、咳や息切れなどの呼吸に関する症状に対応する科です。この科では、風邪やインフルエンザのような一般的な病気だけでなく、肺炎や喘息など専門的な治療が必要な病気も扱います。呼吸器内科は気管・気管支・肺など、呼吸に関する部位や臓器を専門に診る診療科です。
診察可能な対象疾患
気管支喘息、咳喘息、肺炎、気管支炎、気管支拡張症、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、肺がん、間質性肺炎、びまん性肺疾患、禁煙外来、非結核性抗酸菌症、新型コロナウイルス感染症など
気管支喘息、咳喘息、肺炎、気管支炎、気管支拡張症、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、肺がん、間質性肺炎、びまん性肺疾患、禁煙外来、非結核性抗酸菌症、新型コロナウイルス感染症など
消化器内科
消化器内科は、消化管全体(食道、胃、小腸、大腸)や肝臓、膵臓、胆のうなどの消化器官の疾患を診断、治療する専門分野です。内視鏡検査や超音波検査などの診断手段を用いて、胃潰瘍、肝炎、膵炎、胆石症などの病気を扱います。また、消化器がんの早期発見や治療にも重点を置いています。
診察可能な対象疾患
胃炎、胃潰瘍、胃がん、十二指腸潰瘍、小腸疾患、食道炎、食道がん、食道静脈瘤、大腸ポリープ、大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病、肝炎、肝硬変、肝がん、転移性肝がん、胆石、胆管結石、胆のう炎、胆管炎、胆のうがん、胆管がん、自己免疫性膵炎、急性・慢性膵炎、膵石、膵がん、閉塞性黄疸など
胃炎、胃潰瘍、胃がん、十二指腸潰瘍、小腸疾患、食道炎、食道がん、食道静脈瘤、大腸ポリープ、大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病、肝炎、肝硬変、肝がん、転移性肝がん、胆石、胆管結石、胆のう炎、胆管炎、胆のうがん、胆管がん、自己免疫性膵炎、急性・慢性膵炎、膵石、膵がん、閉塞性黄疸など
腎臓・内分泌内科
腎臓・内分泌内科は、私たちの体の重要な機能を担う腎臓とホルモン系の健康を守るための医療分野です。腎臓の病気や糖尿病、甲状腺の問題など、さまざまな症状に対応しています。
腎臓の健康については、腎臓がうまく働かないときに起こる病気(の診断から治療までを行います。腎臓の機能が低下した場合には、血液透析や腹膜透析などの代替療法を提供し、必要に応じて腎移植も行います。内分泌系に関しては、ホルモンを分泌する臓器の病気を診断し治療します。
診察可能な対象疾患
急性腎不全、慢性腎不全、糸球体腎炎、IgA腎症。ネフローゼ症候群、常染色体優性多発性嚢胞腎、各種電解質異常、糖尿病、高血圧、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、甲状腺腫瘍、副甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能低下症、尿崩症、不適切抗利尿ホルモン分泌症候群、先端巨大症、クッシング症候群、副腎不全、褐色細胞種、原発性アルドステロン症、性腺機能不全、カルシウム代謝異常症、骨粗鬆症、骨軟化症など
急性腎不全、慢性腎不全、糸球体腎炎、IgA腎症。ネフローゼ症候群、常染色体優性多発性嚢胞腎、各種電解質異常、糖尿病、高血圧、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、甲状腺腫瘍、副甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能低下症、尿崩症、不適切抗利尿ホルモン分泌症候群、先端巨大症、クッシング症候群、副腎不全、褐色細胞種、原発性アルドステロン症、性腺機能不全、カルシウム代謝異常症、骨粗鬆症、骨軟化症など
糖尿病・代謝内科
糖尿病・代謝内科は、内分泌代謝系の疾患に特化した医療分野です。この診療科では、ホルモンのバランスが崩れたことによって生じる病態、特に糖尿病や高脂血症などの代謝疾患の診断、治療、管理を行います。これらの疾患だけでなく、甲状腺機能障害、副腎機能障害、骨粗鬆症など、内分泌臓器に関連する多岐にわたる疾患の診療を提供しています。
診察可能な対象疾患
糖尿病
1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、ステロイド糖尿病、内分泌異常に伴う糖尿病、膵性糖尿病、ミトコンドリア糖尿病など
その他の代謝疾患
高コレステロール血症、高中性脂肪血症、肥満症、低血糖症など
内分泌疾患
副腎皮質機能低下症、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、バセドウ病、橋本病、多発性内分泌腫瘍など
糖尿病
1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病、ステロイド糖尿病、内分泌異常に伴う糖尿病、膵性糖尿病、ミトコンドリア糖尿病など
その他の代謝疾患
高コレステロール血症、高中性脂肪血症、肥満症、低血糖症など
内分泌疾患
副腎皮質機能低下症、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、バセドウ病、橋本病、多発性内分泌腫瘍など
血液・腫瘍内科
血液・腫瘍内科は、血液に関連する病気やがんの治療を専門とする医療分野です。ここでは、白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫といった血液がんの治療を中心に行いますが、他の種類のがんに対する化学療法(薬を使った治療)も提供しています。また、貧血や出血など、血液に関するあらゆる問題に対しての専門的な診断と治療がうけられます。
診察可能な対象疾患
血液がん
急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫など
貧血関連
鉄欠乏性貧血、悪性貧血、溶血性貧血、再生不良性貧血など
その他の血液疾患
骨髄異形成症候群、真性多血症、本態性血小板血症、骨髄線維症、夜間発作性血色素尿症
遺伝性球状赤血球症、特発性血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、播種性血、内凝固症候群、血友病など
血液疾患以外
多くの固形腫瘍に対する専門的化学療法、痛風、高尿酸血症など
血液がん
急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫など
貧血関連
鉄欠乏性貧血、悪性貧血、溶血性貧血、再生不良性貧血など
その他の血液疾患
骨髄異形成症候群、真性多血症、本態性血小板血症、骨髄線維症、夜間発作性血色素尿症
遺伝性球状赤血球症、特発性血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、播種性血、内凝固症候群、血友病など
血液疾患以外
多くの固形腫瘍に対する専門的化学療法、痛風、高尿酸血症など
アレルギー・リウマチ内科
アレルギー・リウマチ内科は、アレルギー疾患と自己免疫疾患を専門とする医療分野です。アレルギーは、本来無害な物質に対して免疫系が過剰反応を示すことにより、くしゃみや発疹、呼吸困難などの症状を引き起こします。一方、自己免疫疾患は、免疫系が誤って自身の体の組織を攻撃することで、膠原病を含む様々な病態を引き起こす病気です。
アレルギー・リウマチ内科では、他の医科で診断が困難な症例や、特定の臓器に限らず全身に影響を及ぼす症状を持つ患者さんの診察を得意としています。関節痛や原因不明の発熱、体調不良などの症状に対して的確な鑑別診断を行い、必要に応じて感染症を含む治療を提供することが特徴です。
診察可能な対象疾患
関節リウマチ、難治性膠原病、シェーグレン症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、血管炎症候群、自己炎症症候群、気管支喘息、食物アレルギー、薬物アレルギー、アナフィラキシー、花粉症など
関節リウマチ、難治性膠原病、シェーグレン症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、血管炎症候群、自己炎症症候群、気管支喘息、食物アレルギー、薬物アレルギー、アナフィラキシー、花粉症など
感染症内科
感染症内科は、感染症の予防、診断、治療を専門とする医療部門です。これには、院内感染症、ダニ媒介感染症、HIVや梅毒などの性感染症、結核など、多岐にわたる疾患が含まれます。また、不明熱の原因として感染症が疑われる場合の診断にも対応している内科です。
耐性菌の増加や稀な感染症、標準治療が確立していない疾患へも重要な役割を果たすため重要な部門の一つと言えるでしょう。
診察可能な対象疾患
肺炎、尿路感染、細菌性髄膜炎、感染性心内膜炎、骨髄炎、蜂窩織炎、細菌感染症、ダニ媒介感染症、梅毒、マラリア、デング熱など
肺炎、尿路感染、細菌性髄膜炎、感染性心内膜炎、骨髄炎、蜂窩織炎、細菌感染症、ダニ媒介感染症、梅毒、マラリア、デング熱など
脳神経内科
脳神経内科は、脳や神経が関わる健康問題を専門とする医療の分野です。ここでは、頭痛やめまい、手足の震え、力のなさ、感覚の異常、発音の困難、歩行の不安定さ、記憶の問題、顔や手足の痛み、意識の混濁、失神など、さまざまな症状に対応しています。
これらの症状は、脳、脊髄、末梢神経、筋肉の病気が原因で起こることがあります。脳神経内科は、これらの症状の原因を特定し適切な治療やケアをするための診療科です。
診察可能な対象疾患
脳梗塞、脳出血、パーキンソン病、REM睡眠行動異常症、むずむず脚症候群、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病、多系統萎縮症、脊髄小脳変性症、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、血管性認知症、脳炎、髄膜炎、多発性硬化症、視神経脊髄炎、頚椎症、腰椎症、筋萎縮性側索硬化症、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症、筋ジストロフィー、片頭痛、てんかん、ミオクローヌス、ジストニアなど
脳梗塞、脳出血、パーキンソン病、REM睡眠行動異常症、むずむず脚症候群、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病、多系統萎縮症、脊髄小脳変性症、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、血管性認知症、脳炎、髄膜炎、多発性硬化症、視神経脊髄炎、頚椎症、腰椎症、筋萎縮性側索硬化症、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症、筋ジストロフィー、片頭痛、てんかん、ミオクローヌス、ジストニアなど
心療内科
心療内科は、心の健康が身体に影響を与える場合に対応する医療分野です。日常生活のストレスが原因で、頭痛や吐き気、動悸、下痢、腹痛、高血圧、ぜんそくなど、身体にさまざまな症状が出ることがあります。これらの症状が心理的な問題やストレスに関連していると感じたら、心療内科の専門医に相談すると良いでしょう。
たとえば、体の検査をしても特に異常が見つからないのに身体的な不調を感じる場合、その原因が心にあるかもしれません。このような時、心療内科の医師は、そのつらい症状の背後にある心の問題を理解し適切な治療を提供できます。
診察可能な対象疾患
うつ、てんかん、不眠症、適応障害、発達障害、身体表現性障害、PTSD(外傷後ストレス障害)、強迫性障害、急性ストレス反応、パニック障害、不眠症、心身症、自律神経失調症、社会不安障害、統合失調症、認知症、筋緊張性頭痛、機能性胃腸障害など
うつ、てんかん、不眠症、適応障害、発達障害、身体表現性障害、PTSD(外傷後ストレス障害)、強迫性障害、急性ストレス反応、パニック障害、不眠症、心身症、自律神経失調症、社会不安障害、統合失調症、認知症、筋緊張性頭痛、機能性胃腸障害など
まとめ
内科系診療科は、人間の身体の内部に発生する様々な疾患に対応する医療の専門科です。たとえば、お腹の中の問題を見る消化器内科、心臓の問題を扱う循環器内科、呼吸が苦しい時に診てくれる呼吸器内科などがあります。これらの医者は、それぞれの分野で特別な訓練を受けており、私たちが健康でいられるように最適な治療を提供してくれます。
内科系診療科について知ることで、もし病気になった時に、どの診療科にかかればいいのか迷わずに済むかもしれません。自分の身体の状態に合わせて、適切な科で診察してもらいましょう。
医師
郷 正憲
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