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ピルを飲むと経血量はどうなるの?ピル服用による生理の変化について解説

監修医師 馬場 敦志
更新日:2024年05月23日

更新日:2024年05月23日

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毎月の生理の経血量が多いと、生理のたび不安になります。服が汚れないか…貧血症状が強くならないか…そんな時には、ピルが解決策になるかもしれません。

ピルは女性の生理周期に大きく関わるお薬です。具体的には、排卵を抑制したり、子宮内膜の状態を整えたりすることで、生理の流れを調節します。これにより、生理の周期を安定させたり、生理痛を軽減したりする効果が期待できます。

この記事ではピルが生理に与える影響について、わかりやすく説明していきますので、ぜひお読みください。生理の経血量で悩んでいる方に、この記事が参考になると幸いです。

ピルが生理に与える影響は大きく4つ

ピルは女性の生理に関連する様々な面で影響を与えることが知られています。具体的には、以下の4つの主要な効果があります。

 

生理周期が整う

・月経血の量が減る

・生理の日を移動できる

・生理痛などの症状が改善される

 

これらの効果は、ピルの種類や個人の体質によって異なるため、効果が感じられない場合や、疑問がある場合は医療機関に相談してください。

生理周期が整う

一般的に21日間連続で服用し、その後7日間休薬するか偽薬を服用することで、生理周期を一定のリズムに整える効果があります。ピルを内服していない期間に、子宮内膜が剥がれ落ちることで消退出血(生理)が起こります。

 

ただし、これは一般的なケースなため、重度の生理不順、子宮や卵巣の病気が原因である場合には、ピルを服用しても生理不順が改善されないかもしれません。そのため、ピルを服用しても生理周期が整わない場合は、医師に相談しましょう。

月経血の量が減る

通常、女性の体はエストロゲンというホルモンによって子宮内膜を厚くします。妊娠しない場合、この内膜は剥がれ落ちて経血となります。

 

ピルにはエストロゲンが含まれています。このホルモンが子宮内膜の増殖を抑制することで、子宮内膜が薄く保たれるため、生理時に排出される血の量が少なくなります。1991年に海外で行われた研究で、月経過多症の女性がピルを2周期を超えて使用することで月経血量が平均43%減少したと報告(※)されました。

 

※参考:「日本産婦人科学会:低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン

生理の日を移動できる

ピルを服用することで、生理の開始日を前後に調整できます。これは、ピルの服用日数を調整することで可能です。

 

たとえば、スポーツの試合の日と生理が重ならないようにしたり、受験生が試験日と生理が重ならないようにするなどで活用できます。旅行予定がある場合にもおすすめです。

生理痛などの症状が改善される

生理痛は、月経中に子宮から特定のホルモンが出ることで、子宮がギュッと縮み痛みを感じることが原因です。ピルは、子宮内膜からそのホルモンの分泌を減らすことで、生理痛を軽減します。

 

また、ピルには、PMS(月経前症候群)の症状を緩和する効果も期待できます。PMSは、生理前に胸の痛みや張り、頭痛、イライラなどのさまざまな症状が現れる病気です。ピルでホルモン分泌の変動を抑えることで、生理前の不快な症状を和らげます。

 

低用量ピルが生理痛に効くって本当?効果や副作用、服用方法について解説します。

ピルを飲んでいるのに症状が改善されないことも

ピルを飲んでいても、生理痛が辛かったり、期待していたほど経血量が減らなかったり、PMSの症状が改善されないことがあります。そういう時、どう対応すればいいのかを、紹介します。

1~3シート目の場合

ピルを飲み始めたばかりの時は、身体が慣れるまでに時間がかかることがあります。最初の1~3シートでは、症状がすぐに軽減されないこともあります。この期間は、少し様子を見て、ピルの効果が現れるのを待つことが大切です。

 

しかし、3シート飲んだ後も症状が改善されない場合は、医師に相談するようにしましょう。

 

ピルを飲むと、副作用が出ることがあります。これは、ピルが体内のホルモンバランスを変えるために起こるためです。多くの場合、副作用は一時的なものですが、ひどい頭痛や手足のしびれなどの症状がある場合は、血栓症のような重大な副作用の可能性があるので、すぐに医師に相談してください。

 

不正出血は、1~3シート飲むうちにホルモンバランスが整ってくると自然に治まることが一般的です。ただし、副作用が日常生活に影響を与えるほどつらい場合や、大量の出血が続く場合は、我慢せず医師に相談してください。

4シート以上服用を続けた場合

4シート以上ピルを服用しても症状が改善されない場合、医師に相談しましょう。ピルの種類を変えるか、他の治療法を試すことになります。また、効果がない理由が子宮内膜症や子宮筋腫など、他の病気が原因かもしれません。その場合は、検査を受けることが重要です。

 

出血量が多い場合や生理痛が改善されない場合は、医師に具体的な症状を伝え必要な対応を相談しましょう。ただし、経血量の変化は個人差があるため、希望通りに減らないこともあります。ナプキンの交換頻度など、量の変化が客観的にわかるものを伝えましょう。

 

生理前に起きる抑うつ気分が続く場合は、生活に支障をきたすかもしれません。月経前不快気分障害の診断を受けた場合は、カウンセリングや抗うつ薬で症状が改善することがあります。

 

にきびが改善されない場合は、少し待ってみましょう。ゆっくり表れるため時間がかかるかもしれません。3ヶ月以上経過しても改善が見られない場合は、産婦人科だけでなく皮膚科の医師とも相談してみてください。

 

その他、生理痛やPMSの改善には漢方薬を用いることもありますので、医師に相談してみてください。症状や体調に合わせた最適な治療法を見つけられるかもしれません。

生理の変化以外にもメリットが

ピルは、生理の周期を整えるだけでなく、いろいろな効果が期待できます。たとえば、ホルモンバランスの調整により、ニキビや皮膚の問題の改善が期待できます。

 

それだけではなく、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科系の疾患の治療にも効果がある薬です。ピルは、病気による痛みや不正出血の症状を軽減できます。

 

さらに、長期的な健康効果として、ピルの使用は卵巣がんや子宮がんのリスクを減少させる可能性があります。これは、ピルが卵巣の活動を抑制することにより、がん発生のリスクを下げると考えられているからです。

 

また、ピルは月経による貧血の改善も期待できます。月経血量を減少させることで、鉄分の損失を抑える効果があるからです。

少しでも不安な方は医師に相談を

ピルを飲むと経血量を減少させる効果があります。ただし、それだけではなく、ピルには生理の周期が整ったり、生理痛が楽になったり、肌の調子が良くなったりするなどの他のメリットも期待できます。

 

ピルの服用を始めたばかりの場合には、身体が慣れるまでに時間がかかるかもしれません。最初の数ヶ月間は症状がすぐには軽減されないこともあります。また、ピルには副作用があるため、不正出血や頭痛、吐き気などの副作用が出た場合は、医師に相談することが重要です。

 

少しでも不安な場合は、ピルを飲み始める前に医師としっかり話をしてメリットとデメリットを理解しておきましょう。

まとめ

今回はピルの服用による経血量への影響について解説しました。ピルを服用すると経血量が減少する仕組みは、ピルに含まれるホルモンが子宮内膜の増殖を抑制し、結果として生理時に排出される血の量が少なくなるためです。

 

ピルの服用は、生理周期を整えたり、生理痛やPMSの症状を改善したりする効果も期待できます。また、生理の日を調整することも可能です。ただし、ピルの効果は個人差があり、全ての女性に同じような変化が起こるわけではありません。

 

効果が感じられない場合や副作用が辛い場合には、医療機関に相談することが重要です。そんな時に便利なのが、オンラインクリニックです。

 

SOKUYAKUオンラインクリニックでは、ピルに関するオンライン診療を提供しています。ピルの効果や正しい服用方法、副作用について不安がある場合、専門の医師に気軽に相談できます。

 

受付時間:平日10:00~19:00

監修医コメント

医師
馬場 敦志

月経量が多い場合、ピルは効果は高いです。
毎回の月経量が多く悩まされている方は、勇気をもって産婦人科を受診して治療を相談するようにしましょう。
貧血になっているか検査することができますし、月経の量を抑えるためにピルなど治療方法の説明を受けることができます。
月経にともなう症状で毎月、しんどい思いをしている方は、ピルによって生活の質が上がることでしょう。

ただし、薬なので、副作用のリスクなどもあります。
医師の診察を受けて、安全にピルを使えるかどうか確認してから処方されるのがいいでしょう。
まずは、気軽に受診して相談されることをオススメします。

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監修医師 馬場 敦志
宮の沢スマイルレディースクリニック 専門領域分類は、産婦人科 経歴として、筑波大学医学専門学類卒業後、現在は宮の沢スマイルレディースクリニック(札幌市)院長として勤務 保有免許・資格は、産婦人科専門医
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