肝斑やシミに効果的?トラネキサム酸は市販されている?トラネキサム酸に含まれる成分や効果について解説
更新日:2024年06月26日
トランサミンは、喉の痛みや腫れなどのつらい症状に使われる医療用のお薬です。(医療用医薬品とは、医師や歯科医師の診断・処方に基づいた使用が義務付けられているお薬の事です。)
このトランサミンの主成分は「トラネキサム酸」です。トラネキサム酸は人工合成されたアミノ酸成分で、血液を溶かす物質である「プラスミン」という酵素の働きを抑える効果があるので、出血の予防・治療に用いられる医薬成分です。
トラネキサム酸とは?どんな成分?
風邪を引いて熱がある、喉が痛いなどの症状が出て、病院を受診した際、医師が処方した「トランサミン錠〇〇mg」というお薬を服用した経験はないでしょうか。
トランサミンは、喉の痛みや腫れなどのつらい症状に使われる医療用のお薬です。(医療用医薬品とは、医師や歯科医師の診断・処方に基づいた使用が義務付けられているお薬の事です。)
このトランサミンの主成分は「トラネキサム酸」です。トラネキサム酸は人工合成されたアミノ酸成分で、血液を溶かす物質である「プラスミン」という酵素の働きを抑える効果があるので、出血の予防・治療に用いられる医薬成分です。
また、「プラスミン」は炎症反応やアレルギーにも関わっていて、トラネキサム酸がその働きを弱めることで、蕁麻疹や湿疹などの緩和を目的にして処方されることが多いとされています。
最近は、この「トラネキサム酸」という成分が、女性に多い「肝斑」の治療に有効であるという事がわかりました。2002年に、厚生労働省から美白効果のある成分と認められ、ビタミン類を含むお薬と一緒に処方する医師(美容外科医や皮膚科医など)も多く、市販薬も販売されています。
シミの元となる「メラニン」を生成する細胞「メラノサイト」の働きを抑える効果により、シミをできにくくしてくれます。
また、すでにニキビや皮膚に炎症後の色素沈着などに対しても有効性が期待され、美白効果を目的に美容の観点から服用を検討する女性も多いようです。
トラネキサム酸は副作用が起こる可能性が非常に低いとされており、命にかかわる重度な副作用が起こる可能性も極めて低い医薬品とされています。
トラネキサム酸が含まれる市販薬とその価格は?
風邪のつらい症状を緩和したい方や、お肌のお悩みが気になる方にまで、適用範囲の広い医薬品成分である「トラネキサム酸」ですが具体的にどのような市販のお薬が販売されているのでしょうか。
主に、総合感冒薬(いわゆるかぜ薬)や、口の中の炎症(口内炎や扁桃腺の痛み等)を抑える商品、また、「肝斑」という治りにくいシミの治療薬にも配合されています。
具体的には次のようなものがあります。(価格は2023年6月現在のもの)
のどの痛み・せき・鼻水に効く総合感冒薬(いわゆるかぜ薬)です。市販の総合感冒薬には「かぜ」のさまざまな症状をやわらげるために、鎮痛・解熱薬、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬など複数の成分が配合されています。
ぺラックコールドTD錠は、のどの痛みを抑え、炎症を抑えるためにトラネキサム酸、その他、熱を下げて頭痛等を緩和する目的でアセトアミノフェンやエテンザミドを配合し、鼻水や鼻づまりを緩和するジフェニルピラリン塩酸塩(抗アレルギー成分)や、せきやたんに作用する成分(dl-メチルエフェドリン塩酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩、グアヤコールスルホン酸)などを配合している商品です。
いわゆる「ACE処方」にトラネキサム酸で抗炎症作用を補ったもので、咳止め成分が配合されているので指定第二類医薬品に分類されています。
扁桃炎の痛みや腫れに使うお薬です。水なしで服用することができ、7歳以上のお子様から使用ができます。
口内炎による痛みや治療に使うお薬で。「痛い口内炎、飲んで治す」というキャッチコピーの通り、水などで内服するタイプのお薬です。
上記2つとも、トラネキサム酸(750mg)を主成分とし、消炎、鎮痛効果を期待して、甘草(カンゾウ)エキスという漢方薬に使われる生薬成分と、粘膜を丈夫に保つためにビタミン類が配合されています。
また、肝斑治療薬として発売されている市販薬もご紹介いたします。
60日分トラネキサム酸を開発した製薬メーカーが最初に発売したのは「トランシーノ」です。
当時の商品は、「1回2錠を1日3回」という服用方法でしたが、「1回2錠を1日2回」という服用回数の変更に伴い、1回量の有効成分量を増やすなど、働く女性にも負担のない回数で続けられるようにリニューアルされたそうです。
「トランシーノ」シリーズとしては、トラネキサム酸を配合せず、ビタミン類やアミノ酸成分等が配合されている美白やしみケアを目的とした第3類医薬品も発売されていますが、肝斑治療として効果があるのは、この「トランシーノⅱ」となっています。
どんな症状に効果的?
このように、トラネキサム酸は、抗炎症成分として、総合感冒薬や、口腔内治療薬、その他歯磨き粉などの医薬部外品など、たくさんの商品に使われていますが、最近注目されているのが、肝斑の治療薬としての有効性です。
市販の医薬品としても承認され、ドラッグストアなどでも購入できるようになっています。
ただし、肝斑の治療薬としての一般用医薬品の代表的な商品は、第1類医薬品に分類されており、購入には、薬剤師による対面販売が義務付けられています。
市販の薬で、肝斑の治療薬として承認されている商品としては、第一三共ヘルスケア「トランシーノii」です。トラネキサム酸の他、シミやソバカス、色素沈着などに有効なビタミンCやLシステインを配合しており、お肌のターンオーバーの促進や、美白効果が期待できるとされています。
肝斑は、30代から40代の女性に多く出現する茶褐色のシミで、両頬に左右対称に現れるのが特徴です。
妊娠中や閉経前後の年代の女性に多く見られるので女性ホルモンとの関連性が高いとされており、美容の面からも相談が多く寄せられるようです。
このトラネキサム酸が肝斑の治療に有効なメカニズムとしては、シミの原因となるメラニンの生成に関する原因因子を抑制する働きがあり、ビタミンCやLシステイン類のみを配合した商品(例:「トランシーノホワイトクリア」などのビタミン配合剤)よりも、よりピンポイントな治療にフォーカスした効能効果が期待できるとされています。
美容外科クリニックや皮膚科などで肝斑治療を目的とした医療用医薬品を処方してもらう場合、市販薬と大きく違うのは、トラネキサム酸の最大含有量です。
主成分であるトラネキサム酸は、市販品の場合、1日分の最大量が750mgと決められています。対して、医療用医薬品は1日分の最大量は2000mg、下限は750mgとしており、市販品の約2倍の量のトラネキサム酸を服用することが可能です。
よって、市販薬の肝斑治療薬は、メラニンの生成抑制作用や、肌の代謝促進などを補強するためにビタミンC成分等を同時に配合している商品が発売されています。
使い方のポイントは?
8週間の継続使用
市販薬で、トラネキサム酸を配合した「トランシーノii」などの肝斑改善治療薬を試すときは、まずは8週間、継続使用が望ましいとされています。
市販薬で、トラネキサム酸を配合した「トランシーノii」などの肝斑改善治療薬を試すときは、まずは8週間、継続使用が望ましいとされています。
シミの種類を見分けて市販薬を選択
また、シミにも種類があり、シミの種類を見分けて市販薬を選択することも大切なポイントです。同じ製薬会社から「トランシーノホワイトクリア」というビタミン剤が販売されていますが、これはシミの原因となるメラニンの生成を抑制する目的で第3類医薬品として分類されています。
また、シミにも種類があり、シミの種類を見分けて市販薬を選択することも大切なポイントです。同じ製薬会社から「トランシーノホワイトクリア」というビタミン剤が販売されていますが、これはシミの原因となるメラニンの生成を抑制する目的で第3類医薬品として分類されています。
シミにはいくつか種類があり、大まかに次のように分けることができます。
1.老人性色素斑 円形の茶色いしみで、発生個所が左右非対称
2.肝斑 もやもやと広がる茶色いしみで、発生個所が左右対称(好発年齢は30代~40代の女性に多い)
3.雀卵斑(ソバカス)左右対称性に茶色いしみが横一線に生じている(鼻の上にもまたがっているのが特徴)
4.炎症後色素沈着 日焼け、ケガ、やけど、吹き出物などのあとに生じる色素沈着(いわゆるニキビ跡など)
この中でトラネキサム酸による改善が可能なのは、2.の肝斑のみです。見分けるのが難しいシミもありますので、用法用量を守った上で市販の薬を使用しても改善が見られない場合や、判断がつかない場合は、専門家(医師や薬剤師等)に相談するようにしましょう。
服用方法と注意点、副作用はある?
服用方法と注意点
出血を抑える作用を持つ成分のため、トロンピンなど止血作用のあるお薬を服用している人は同時に服用ができません。
血栓症の人や、病院などの医療機関で医師の診断や治療を受けている人、心筋梗塞、脳血栓、血栓性静脈炎などの症状がある人、腎不全の人も注意が必要です。
出血を抑える作用を持つ成分のため、トロンピンなど止血作用のあるお薬を服用している人は同時に服用ができません。
血栓症の人や、病院などの医療機関で医師の診断や治療を受けている人、心筋梗塞、脳血栓、血栓性静脈炎などの症状がある人、腎不全の人も注意が必要です。
副作用
トラネキサム酸は、比較的副作用の少ない安全性の高い医薬品とされていますが、稀に食欲不振や吐き気や下痢、眠気などを起こす方がいるようです。
トラネキサム酸は、比較的副作用の少ない安全性の高い医薬品とされていますが、稀に食欲不振や吐き気や下痢、眠気などを起こす方がいるようです。
トラネキサム酸は どうすれば購入できる?
処方箋を取り扱う保険薬局(医療機関で医師の診断に基づいた処方箋をお持ちの場合)や街のドラッグストア店で購入することができます。
ただし、トラネキサム酸による肝斑の改善治療薬(トランシーノiiなど)は第1類医薬品に分類されるため、薬剤師による情報提供が義務付けられていますのでご注意下さい。
また、第1類、第2類、第3類のすべての一般用医薬品は、一定の条件の下、インターネットや電話などで販売できるようになりました。
ただし、使用に特に注意が必要な「要指導医薬品」は対面販売に限ります。
※購入時に専門家からの情報提供を受ける必要がある場合があります。店頭および各ショップまでお問い合わせください。
トラネキサム酸を購入するにはオンライン診療がおすすめ!
トラネキサム酸は「医療用医薬品」に指定されているため、処方箋なしでドラッグストアなどで購入することはできません。
<トラネキサム酸を購入するには、医師の診察を受けて処方箋を発行してもらう必要があります。しかし、薬をもらうためだけに病院に行くのは面倒と感じる方もいるのではないでしょうか。
薬をもらうためだけに時間をかけて行きたくない
待ち時間が長いのに診察はすぐに終わる
このように考えている方は、オンライン診療の利用を検討してみましょう。
オンライン診療とは「病院に行かなくても、スマートフォンやタブレットのカメラを繋いで診察を受けられるサービス」です。
SOKUYAKUオンラインクリニックでは、シミやニキビに対する美肌内服薬の処方をはじめとし、美容皮膚科についての診察を行っております。
スマホやPC・タブレットより予約・診察・お薬の配送まで全て対応しておりますので、気になる方はぜひご利用ください。
当コラムの掲載記事に関するご注意点
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※お薬の処方は医師の診察により薬が処方された場合に限ります。