風邪をひいたら何科に行くべき?内科を受診するメリットや治療内容について解説
更新日:2024年07月24日
ここでは、風邪の疑いがある場合に内科を受診するメリットや、治療内容についてご紹介します。
風邪をひいたら何科に行くべき?
風邪は鼻や喉などの上気道に影響を及ぼし、くしゃみや鼻水、のどの痛み、咳などの症状が現れます。また、発熱や頭痛、全身のだるさといった体全体に関わる症状も伴うことがあります。特別な治療を受けなくても、1〜2週間で自然に回復することが一般的です。しかし、症状が重い場合や、1週間以上経っても改善が見られない場合は、医師の診察を受けてください。
風邪の症状にはさまざまなものがあり、どの医療機関を受診するかは、症状の種類や重さによって異なります。たとえば、風邪の典型的な症状があって、高熱などの重い全身症状がない場合は、地域の内科やかかりつけの内科医に相談するのが良いでしょう。ただし、鼻やのどの症状が主で高熱がない場合や耳の痛みや耳垂れがある場合は、耳鼻咽喉科を受診することを検討してください。
また、ウイルスや細菌が気管支や肺に達し、気管支炎や肺炎を引き起こす可能性がある場合、特に高熱がある場合には早めに医師の診察を受けることが重要です。小児や高齢者、体力が落ちている方は症状が急に悪化することがあるため注意しないといけません。大きな病院を受診する際には、紹介状が必要になることがあります。まずは近くのクリニックやかかりつけの医師に相談しましょう。
そもそも風邪とは?
風邪とは多くの人が経験する一般的な病気で、くしゃみや鼻水、鼻詰まり、喉の痛み、咳、痰、そして時には発熱など、さまざまな症状を引き起こすことがあります。正式には風邪症候群と呼ばれ、これは鼻から喉頭(のど)までの気道の炎症の総称です。子供からお年寄りまで誰でも風邪をひく可能性があります。
風邪の主な原因はウイルスの感染です。そのため、治療薬はありません。症状を和らげるための対症療法が一般的です。十分な休息を取り、体力を回復させることが、風邪からの回復には最も重要です。風邪は自然に治ることが多いので、無理をせず体を休めることが大切です。
風邪の原因
風邪を引く主な原因はウイルスによる感染で、その割合は約80%〜90%以上になります。ウイルス以外の原因は細菌やマイコプラズマ、クラミジアなど、ウイルス以外の微生物です。
風邪になるウイルスは200種類以上も存在しているため、原因を特定するのは困難になります。風邪をひいて免疫を獲得しても再び風邪をひいてしまうのは、同じウイルスでも色々なタイプがあり、時間が経つにつれて少しずつ変わっていくためです。一度免疫ができても、また別の新しいウイルスで風邪をひくことになります。
【風邪の原因となる代表的なウイルス】
・ライノウイルス
風邪の原因の約30〜40%を占め、秋や春に多く見られます。主に鼻風邪を引き起こします。
・コロナウイルス
ライノウイルスに次いで多く、主に冬に流行します。鼻や喉の症状が主で、比較的軽い症状です。
・コクサッキーウイルス
ヘルパンギーナや手足口病の原因となり、夏に乳幼児に流行します。ヘルパンギーナは喉の痛みや発熱を伴い、手足口病は口内や手足に発疹が出ることが特徴です。
・アデノウイルス
冬から夏にかけて流行し、プール熱の原因にもなります。咽頭炎、気管支炎、結膜炎などを引き起こすことがあります。
・RSウイルス
年間を通じて流行しますが、特に冬に多く、乳幼児に感染すると気管支炎や肺炎を引き起こすことがあります。
・ヒトメタニューモウイルス
年間を通じて流行しますが、特に3月から6月の春に多くなります。RSウイルスと似た症状を引き起こします。
・パラインフルエンザウイルス
鼻や喉の風邪を引き起こし、子供が感染すると重症化しやすいです。秋に流行する型と春から夏にかけて流行する型があります。
・エンテロウイルス
夏に流行し、風邪の症状の他に下痢を引き起こすことがあります。
・インフルエンザウイルス
強い感染力を持ち、集団感染を引き起こしやすいウイルスです。重篤な合併症を引き起こすことがあり注意が必要です。
風邪の症状
風邪の症状は、ウイルスや細菌と戦っている身体の反応です。鼻やのどの粘膜は、ウイルスや細菌を捕まえて体の外に排出する役割を果たします。
・せき
・のどの痛み
・鼻汁・鼻詰まり
・発熱
・だるさ
・頭痛
・筋肉痛
くしゃみや咳が出るのは、体が異物を外に出そうとしているからです。粘膜が炎症を起こして腫れると、鼻詰まりやのどの痛みが生じます。また、鼻水は初めは透明でサラサラしていますが、時間が経つにつれて粘り気のある膿に変わることがあります。
発熱は、体が異物に対抗している証拠です。しかし、高齢者の場合は、肺炎になっても発熱がそれほど高くないことがあります。これは、年齢とともに身体の反応が変わるためです。
風邪の症状は身体が「何か異常がある」と知らせてくれるサインといえます。
内科で受ける風邪の治療内容
風邪を治すためには、症状に合わせて様々な薬を使います。
【鼻水】
アレルギー反応を抑える抗ヒスタミン薬を使って治します。これは、市販されている薬にも含まれている成分です。
【咳】
体が気道の異物を出そうとしているサインなので、いつも薬を使う必要はありません。しかし、咳がひどくて眠れないときは、鎮咳薬を使って落ち着かせます。咳には色々な種類があるため、その種類に合わせて違う薬を使います。
【喉の痛みや腫れ】
うがい薬で治療することがあります。うがい薬は、外出から帰った後や乾燥した場所にいた場合に使いましょう。使い方は、水に薬を数滴たらして、声を出しながらうがいをします。
【その他】
他にも、発熱があるときは解熱剤を、頭痛や関節痛があるときは鎮痛剤を使います。細菌に感染しているときは、その細菌に合った抗生物質を使って治します。
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まとめ
風邪は、喉の痛みや鼻水、発熱など、さまざまな症状が特徴の一般的な感染症です。症状の部位や種類に応じて、内科や耳鼻咽喉科など、専門の診療科を受診してください。自分の体調に合った医療の提供を受けることで、早期回復へと繋がります。
また、忙しくて病院へ足を運ぶ時間がない場合は、オンラインでの診療サービスが便利です。自宅や職場からでも医師の診察を受けられるため、時間を有効に活用しながら適切な医療支援を受けられます。健康管理は大切です。症状が見られたら適切な対応をとるようにしましょう。
医師
中路 幸之助
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