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ミカルディス錠(テルミサルタン) に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 廣瀬安國
更新日:2024年02月19日

更新日:2024年02月19日

ミカルディス錠(テルミサルタン)  に含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
ミカルディス錠(テルミサルタン)という医薬品をご存知でしょうか?テルミサルタンは、降圧剤として医療の現場では使用されることが多いので、病院や調剤薬局でも見かけることが多いのではないでしょうか?

降圧剤としてミカルディス錠(テルミサルタン)などのARB製剤のシェアは今後も増えてくると予想されるのでミカルディスについて理解することは重要だと言えます。

今回は、ミカルディス錠(テルミサルタン)の成分、効果や副作用などについて解説していきます。

ミカルディス錠(テルミサルタン) とは

ミカルディスは、ベーリンガーインゲルハイムファルマ社から販売されている胆汁排泄型持続性AT1受容体ブロッカーです。開発初期にはカプセル剤として開発されていましたが、飲みやすくするために2001年から錠剤の開発に着手してから2005年に販売開始しました。

 

ARB製剤としては、ニューロタン錠、ブロプレス錠、ディオバン錠に続く4番目の製剤です。腎排泄ではなく、胆汁から排泄されるため比較的腎機能が低下している患者さんにも使用がしやすい特徴があります。

ジェネリック医薬品が存在する

ミカルディス錠にはジェネリック医薬品が存在しています。ジェネリック医薬品は、新薬が開発されてから特許期間が切れ、他の製薬会社が製造販売できるようになった医薬品のことです。

 

新薬の開発には、数百億円の費用と十年以上の開発期間がかかるため開発コストを削減できるジェネリック医薬品は新薬よりも薬の料金を減らすことできるメリットがあります。お薬代を減らしたいと思ったら医師や薬剤師にジェネリック医薬品の変更を相談してみるといいでしょう。

ミカルディス錠(テルミサルタン) の成分について

ミカルディス錠の薬効成分はテルミサルタンと呼ばれるAT1受容体拮抗薬です。血管平滑筋のアンジオテンシンⅡタイプ1受容体に拮抗することでアンジオテンシンⅡの働きを阻害します。アンジオテンシンⅡの働きを阻害することで血管収縮が抑制され、高圧作用が発揮されます。

 

血中半減期が20〜24時間と半減期が長いATⅡ受容体拮抗薬であり、24時間にわたり持続的な降圧作用を発揮します。排泄に関しては胆汁から100%排泄されるのが特徴です。

アンジオテンシンとは?

血圧上昇のメカニズムに「レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系」と呼ばれるものが存在します。

腎臓の輸入細動脈に存在する傍糸球体細胞からレニンが分泌され、血液中に流れているアンジオテンシノーゲンからアンジオテンシンⅠが作られます。

アンジオテンシンⅠはアンジオテンシン変換酵素(ACE)という酵素によってアンジオテンシンⅡに変換されます。

 

アンジオテンシンは、全身の血管を収縮させて血圧を上げる作用がありますが、副腎皮質からアルドステロンというホルモンを放出させる作用もあります。

 

アルドステロンは、Naの体内量を増やして循環血液量を増やします。ミカルディスは、アンジオテンシンⅡの作用を阻害することで降圧作用を発揮します。

ミカルディス錠(テルミサルタン) はどんな症状に効果がある?

ミカルディスは高血圧症に使用されますが、血中半減期が20時間以上あるため作用時間が長いのが特徴です。そのため、早朝時の血圧が高い場合にも有効的だといえます。

ミカルディス錠(テルミサルタン) の用法・用量は?

通常、成人にはテルミサルタンとして40mgを1日1回経口投与しますが、1日20mgから投与を開始して徐々に増量するようにしてください。

年齢や症状によっては適宜増減できますが、1日最大投与量は添付文書の適応上80mgまでとなっております。

ミカルディス錠(テルミサルタン) の副作用

ミカルディスの臨床試験や市販後の使用調査などによると調査数全体の6%に副作用が認められました。主な副作用として低血圧があり、全体の0.6%におきました。

 

その他にもは、めまいやふらつき、発疹、血中尿酸値上昇、頭痛などが起こっています。まれに、血管浮腫や腎機能障害、肝機能障害などの重大な副作用を起こすことがあるので注意が必要です。

ミカルディス錠(康テルミサルタン) に関する注意点

ミカルディスは、医薬品であるため副作用だけでなく注意点もいくつか存在します。注意点について理解していないと取り返しのつかないことが起きることもあるので理解しておく必要があります。

アリスキレンと併用は禁忌

ATⅡ受容体拮抗薬やACE阻害薬共通の注意事項です。アリスキレンは、血圧を上昇をさせる機構であるレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の起点に存在するレニンを直接阻害することで降圧作用を発揮する医薬品です。

 

アリスキレンとミカルディスを併用することで腎障害のリスクが上昇し、アルドステロンの分泌や血管収縮を抑制するために血清カリウム値の上昇と血圧低下を引き起こす可能性があります。

 

2型糖尿病患者を対象とした試験では、血清カリウム値の上昇や低血圧によって心停止や高カリウム血症、低血圧などの頻度が上昇したという報告もあります。

ふらつきが出ることがある

降圧剤を使用していると急激に血圧が低下することがあります。そのため、ふらつきによる転倒や自動車の運転、危険な作業には十分に気をつける必要があります。体調があまり良くない時には自動車やバイクの運転を避けた方がいいでしょう。

手術前は医師に相談を

手術中は失血や麻酔薬の影響などによって血圧が低下しやすい状態です。

そのため、ミカルディスを含めたATⅡ受容体拮抗薬やACE阻害薬などを使用すると血圧が維持しにくいこともあるので、手術前24時間は使用を控えることが望ましいとされています。

手術をする前に降圧剤について相談してみるといいでしょう。

肝機能に問題がある場合に注意が必要

肝機能に問題がある場合にもミカルディスの服用には注意が必要です。ミカルディスは、腎臓を通して尿中に排泄されることがほとんどなく、大部分が胆汁を介してグルクロン酸抱合体として糞中に排泄されます。

 

そのため、胆汁の分泌が極めて悪い患者さんに使用するとミカルディスがうまく排泄できない可能性があります。胆汁は肝臓で作られるので肝機能が低下している場合には注意が必要です。

妊婦・授乳婦への投与

妊娠している患者さんや妊娠している可能性のある患者さんには使用ができません。

 

妊娠中期および末期の高血圧症でATⅡ受容体拮抗薬を投与された患者さんの中に羊水過少症、胎児や新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症が見られたと報告されたため妊婦の結血圧症には別の薬剤を使用した方がいいでしょう。

授乳婦にもミカルディスの使用は推奨されていません。動物実験においてラットの乳汁中にミカルディスの成分が移行することが報告されています。治療上どうしても使用する必要がある場合には、授乳を避けた方がいいです。

ミカルディス錠(テルミサルタン) と同じ成分の市販薬はある?

病院やクリニックで医師の診察を受けて処方してもらう必要がある医療用医薬品は効果が高いことがメリットですが、入手するまでに病院や薬局へ赴く手間が必要であるデメリットもあります。

 

血圧が少し高いけど病院へ受診するほどではないという場合には市販薬という選択肢があります。では、ミカルディスと同じ成分の市販薬が存在するのでしょうか?

ミカルディスと同じ成分の市販薬は存在しない

残念ながらミカルディスと同じ成分の市販薬は販売されていません。市販薬の中で直接血圧を下げるような医薬品も存在していないのが現状です。過去には、高血圧の市販薬としてセルペロイシンが販売されていましたが、現在では製造、販売が中止されているため入手できません。

 

市販されている漢方薬の中には高血圧に対して使われるものも存在しますが、漢方薬は直接血圧を下げるというわけでなく、体全体のバランスを整えることで高血圧に伴う症状を和らげることを目的としています。

 

血圧が気になる場合には栄養バランスのとれら食事や運動習慣など生活習慣の改善から取り組んでみたほうがいいでしょう。

何かあれば医療機関へ受診する

血圧を直接下げるような市販薬が販売されていませんので、血圧が気になる場合には生活習慣の改善から始めた方がいいです。

 

しかし、生活習慣を改善しても血圧がなかなか下がらない場合には重大な疾患である可能性もあります。

 

血圧が高い状態を放置していると血管へのダメージが蓄積され、脳卒中や心筋梗塞など血管系の疾患リスクを高める可能性もあるので気になることがあれば医療機関へ相談した方がいいでしょう。

 

参考文献
ミカルディス医薬品インタビューフォーム
ミカルディス添付文書
アダラート – 7. 血圧上昇のメカニズム(レニン-アンジオテンシン・アルドステロン系)
ラジレス®錠150mg | 製品情報
高血圧の随伴症状|症状・悩みから選ぶ|漢方薬を選ぶ|漢方セラピー|クラシエ
セルペロイシン錠製品情報

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監修薬剤師 廣瀬安國
調剤薬局で薬剤師として従事。 薬剤師として学んだ知識と経験を活かして、医療用医薬品だけでなく身近に存在している市販薬についてもわかりやすく伝えることを意識して記事を執筆しています。
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