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ピルの服用でバストアップするって本当?副作用や病気の可能性について解説

監修医師 阿部 一也
更新日:2024年05月23日

更新日:2024年05月23日

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「低用量ピルを服用するとバストアップするらしい」「低用量ピルを飲むとどうして胸が張るのか知りたい」と思っている女性もいるでしょう。

低用量ピルとバストアップの関係性や注意が必要な副作用などをご紹介します。低用量ピルを服用している方や服用を検討している方は、参考にしてみてください。

ピルの服用でバストアップするって本当?

ピルのある作用により、服用するとバストアップする可能性はあります。

ピルの作用がバストアップする可能性を説明する前に、バストアップの仕組みについて紹介します。

 

乳腺は母乳を作り出す働きがある組織で、乳房内部にあり周りを脂肪に包まれています。乳腺細胞の数を増やして、乳腺を包む脂肪を増やすことがバストアップにつながります。低用量ピルに含まれている卵胞ホルモンは。乳腺を発達させる作用があります。しかし、乳腺細胞の数を増やすためには、成長因子が必要になりますが、成人になると成長因子が減少していくため、乳腺細胞の数は増えにくい状態です。そのため、低用量ピルを飲み体内の卵胞ホルモン量を増やしたとしても、バストアップにつながることは難しいでしょう。

また、卵胞ホルモンは水分を体内に溜める作用もあるため、胸が大きくなったと感じる方がいるかもしれません。

 

しかし、低用量ピルによる副作用を発症する確率は低く、さらに服用後2〜3ヶ月で治まってきます。そのため、たとえ低用量ピルの副作用でバストアップしたとしても、元にもどってしまうと考えられます。

ピルの主な副作用

低用量ピルの主な副作用として、胸の張りや吐き気、むくみ、不正出血、吐き気などの症状が報告されています。また、命にかかわるような重篤な副作用として血栓症があらわれる可能性の報告もあります。

 

低用量ピルによる副作用は、飲み始めてすぐの時期にあらわれやすく、服用から2〜3ヶ月経つと治まってくるのが一般的です。

 

副作用の主な原因は、低用量ピルを服用したことによる体内のホルモンバランスの乱れと考えられています。

胸の張り

低用量ピルの副作用として、胸の張りや痛みの報告があります。胸の張りや痛みがあらわれる可能性は5%未満で、大部分は低用量ピル服用後2〜3ヶ月で治まります。

 

服用後3ヶ月以上経っても胸の張りや痛みが治まらないときは、相性が合わないピルを服用している可能性があるので、医師に相談して種類を変えてもらいましょう。

血栓症

低用量ピルに配合されている卵胞ホルモン(エストロゲン)は、肝臓に作用して血液凝固因子の合成を促進させる働きを持っています。そのため、血管の中に小さな血の塊ができ、血管を詰まらせてしまうと血流が止まってしまい、重大な病気を引き起こす可能性があります。

 

低用量ピルの副作用として血栓症が発生する確率は極めて低く0.1%未満と考えられています。しかし、血栓症を発症するリスクが高い、喫煙や糖尿病、高血圧、肥満などに当てはまる方は注意が必要です。

吐き気

低用量ピルを服用したことによる吐き気は、5%程度発症する方がいる比較的起こりやすい副作用です。低用量ピルに含まれている卵胞ホルモンが原因となっていると考えられています。低用量ピルを飲み始めた時期に起こりやすく、服用後2〜3ヶ月で治まることが多いです。

 

低用量ピルの吸収には2〜3時間かかるため、低用量ピル服用後2時間以内に嘔吐してしまった場合は、もう1錠服用することがおすすめされています。低用量ピルを飲むときの嘔吐が怖い人は、市販の吐き気止めを使用してもよいでしょう。

 

3ヶ月以上治らない場合や、頻繁に吐き気がする場合は、医師に相談して吐き気止めを処方してもらうことをおすすめします。

むくみ

低用量ピルを服用したことによるむくみは、5%未満で起こるといわれています。むくみの原因は、低用量ピルに含まれている黄体ホルモンが、体内に水分を溜め込む働きがあるためです。

 

服用を始めてから2〜3ヶ月経ってもむくみが改善しない場合は、医師に相談して低用量ピルの種類を変えてもらいましょう。相性の良い低用量ピルに変えれば症状が治まることがあります。

 

足のむくみ以外に、強い頭痛や吐き気、視野狭窄、腹痛などがあらわれた場合は、血栓症を発症している可能性があるので、すぐに医師に診察してもらってください。

不正出血

低用量ピルを服用したことにより最もあらわれやすい副作用が不正出血です。低用量ピル服用者の30%ほどの人が経験するといわれています。低用量ピルを服用し始めた時期にあらわれやすく、服用開始から3ヶ月ほどで治まることが多いです。不正出血は、低用量ピルの飲み忘れや飲み遅れが原因のこともあるため、それぞれのケースに応じて対処する必要があります。3ヶ月正しく服用しても症状が治まらないときは、医師に相談してください。

眠気

低用量ピルの服用による眠気は、5%未満で起こる副作用です。低用量ピルに含まれている黄体ホルモン(プロゲステロン)が体内で分解されると眠気を引き起こす「アロプロゲステロン」という物質に変わります。そのため、低用量ピルを服用すると眠気が引き起こされることがあると考えられています。

 

また、低用量ピルを服用し始めたころは、ホルモンバランスが乱れることで自律神経に影響を与えます。自律神経の乱れは、深い睡眠を妨げ睡眠が浅くなってしまうため、日中に眠気を感じるようになると考えられます。

 

低用量ピルの副作用としての眠気は、十分な睡眠をとることで軽減されることがあります。日中に強い眠気に襲われたときは、15〜20分程度の仮眠をすると、眠気が軽減してすっきりすることがあるのでおすすめです。

 

服用後3ヶ月経っても眠気が治まらないときは、医師に相談しましょう。

こんな副作用には要注意!

胸の痛み

胸の痛みは、低用量ピルを服用したことによる副作用だけでなく、心筋梗塞や乳がんなど他の病気が原因になっている可能性もゼロではありません。そのため、服用後3ヶ月以上経っても治まらない、急に強烈な胸の痛みを感じた場合は、すぐに医療機関で検査をしてもらってください。

副作用が辛い場合は医師に相談しましょう

低用量ピルの大部分の副作用は、服用を始めた時期に起こりやすく、服用後3ヶ月ほどで治まってきます。しかし、現在の体調不良をすべて低用量ピルの副作用と決めつけてはいけません。確かに、低用量ピルを服用を始めてすぐに、体調不良が始まったのなら、低用量ピルの副作用である可能性は高いかもしれません。しかし、重篤な病気の影響である可能性はゼロではないのです。そのため、気になることがあったら早めに医師に相談することをおすすめします。

 

忙しく医療機関に行く時間がない方におすすめなのがオンライン診療です。場所や時間を問わずオンラインで医師の診察を受けられます。通院にかかる時間や交通費、診察を受けるまでの待ち時間がないので、経済的にも時間的にも優しい診察方法です。

まとめ

低用量ピルとバストアップの関係や、副作用について紹介しました。低用量ピルを服用して、バストアップする可能性はありますが、すぐにもとに戻ってしまいますし、バストアップ目的で低用量ピルを服用することはおすすめできません。あくまでもピルは、避妊効果、生理痛やPMSの軽減、月経困難症や子宮内膜症の治療などを目的として服用する薬です。しかも、割合は低いとはいえ、ピルには副作用が出る可能性もあります。安易な気持ちでピルを服用し始めるのはやめましょう。

 

SOKUYAKUオンラインクリニックでは、ピルのオンライン診療に対応しております。服用方法や副作用など、不安な点もご相談いただけます。

※受付時間:平日10:00~19:00

監修医コメント

医師
阿部 一也

ピルの使用目的はいろいろあると思います。月経困難症治療や避妊目的などが主たるものではないでしょうか。1日1回の内服で排卵を抑制し、様々な効果が得られます。しかし薬には必ず副作用やリスクの可能性がついてまわります。ピルも例外ではありません。ホルモン剤になりますので、頭痛・吐き気・乳房の張る感じ・眠気・浮腫・不正出血・血栓症など多数存在しております。多くの副作用の可能性があると、やはり心配になると思います。本当に内服を継続して良いのか不安になることもあると思います。一般的にはピル内服後2-3か月で改善する、消失することが多いです。3か月以上継続して何かしらの副作用が出る場合は、主治医の先生にぜひ相談してみてください。一人で悩むより、相談することで解決の糸口を見つけることも可能になると思います。

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監修医師 阿部 一也
板橋中央総合病院 医長 専門領域は、産婦人科 経歴として、東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業、現在は板橋中央総合病院勤務 保有免許・資格は日本産科婦人科学会専門医
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