タケプロンOD錠(ランソプラゾール)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説
更新日:2024年02月27日
アスピリンや非ステロイド性解熱鎮痛薬による胃潰瘍などの予防にも使われることが多く、服用したことがある方も多いのではないでしょうか。
また、現在では多くのジェネリック医薬品も販売されています。ここでは、タケプロンOD錠(ランソプラゾール)について詳しく説明していきます。
タケプロンOD錠(ランソプラゾール)とは
タケプロンOD錠(ランソプラゾール)は、プロトンポンプ阻害薬(Proton Pomp Inhibitoe)、通称PPIと呼ばれる医薬品です。
プロトンポンプとは胃の壁細胞にある胃酸を分泌を促す部分になり、これを阻害することで胃酸の分泌を抑制させる医薬品です。
現在販売されている規格は15mgと30mgの2規格、剤型はOD錠、カプセル、注射薬の3種類があります。また、市販薬としては販売されておらず、医師の処方のもとでしか手に入らない医薬品です。
口腔内崩壊錠(OD錠)とは
口腔内崩壊錠というのは、唾液程度の水分で服用しても問題がないように設計された剤型の医薬品のことをいいます。
手元に飲み物がなくてもサッと服用できるというメリットを持っておりとても便利ですね。
しかし、水で服用した時と比べて効き目が出る時間に大差ないので、なるべく水で飲むようにしましょう。
タケプロンOD錠(ランソプラゾール)の作用機序について
タケプロンOD錠(ランソプラゾール)は腸より吸収された後、胃の壁細胞の酸生成部位へ移行し活性体になります。
この活性体が酸生成部位にあるプロトンポンプとしての役割を担っているH+,K+-ATPaseと呼ばれる酵素と結合し、酵素の活性を抑制することで胃酸の分泌を抑制しています。
タケプロンOD錠(ランソプラゾール)はどんな症状に効果がある?
タケプロンOD錠(ランソプラゾール)は胃酸を抑える作用があるため、胃酸による攻撃を受けて傷ついた上部消化器官に効果があります。
例えば、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群、逆流性食道炎、アスピリンや非ステロイド性による潰瘍の予防、ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助薬としての適応を持っています。
タケプロンOD錠(ランソプラゾール)の用法・用量は?
添付文書上は下記の通りに記載されています。規格によって適応も変わってくるので、注意が必要です。
また、疾患によっては投与日数も制限がかけられています。
<胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger-Ellison症候群>
通常、成人にはランソプラゾールとして1回30mgを1日1回経口投与する。
なお、通常、胃潰瘍、吻合部潰瘍では8週間まで、十二指腸潰瘍では6週間までの投与とする。
<逆流性食道炎>
通常、成人にはランソプラゾールとして1回30mgを1日1回経口投与する。
なお、通常8週間までの投与とする。
さらに、再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法においては、1回15mgを1日1回経口投与するが、効果不十分の場合は、1日1回30mgを経口投与することができる。
<非びらん性胃食道逆流症(OD錠15のみ)〉>
通常、成人にはランソプラゾールとして1回15mgを1日1回経口投与する。
なお、通常4週間までの投与とする。
<低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制(OD錠15のみ>
通常、成人にはランソプラゾールとして1回15mgを1日1回経口投与する。
<非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制(OD錠15のみ)>
通常、成人にはランソプラゾールとして1回15mgを1日1回経口投与する。
<ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助>
通常、成人にはランソプラゾールとして1回30mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びクラリスロマイシンとして1回200mg(力価)の3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。
なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。
プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合は、これに代わる治療として、通常、成人にはランソプラゾールとして1回30mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びメトロニダゾールとして1回250mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。
タケプロンOD錠(ランソプラゾール)の副作用
重篤な副作用として、アナフィラキシー、ショック、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、顆粒減少症、血小板減少症、肝機能障害、視力低下などがありますが、頻度はいずれも0.1%以下と高くはありません。
また、ヘリコバクターピロリ除菌の補助で用いる時は偽膜性腹膜炎などの血便を伴う腸炎が起こるという事例もあります。
こちらの場合はタケプロンOD錠(ランソプラゾール)と一緒に併用している抗菌薬が原因と考えられるので、タケプロンOD錠(ランソプラゾール)単体で服用されている方は心配する必要はありません。
また、頻度が0.1%〜5%未満の副作用として、痒みや発疹などの皮膚症状を始め、肝機能上昇、便秘、下痢、腹部膨満感、口渇、頭痛、眠気の症状があります。
稀に、悪心・嘔吐や食欲不振などの症状が出現する方もいるので、「副作用かな?」と思ったときは、かかりつけ医や薬剤師にご相談ください。
タケプロンOD錠(ランソプラゾール)に関する注意点
胃酸によって活性化する医薬品にとって、タケプロンOD錠(ランソプラゾール)の胃酸分泌抑制作用は効果を弱めてしまう原因になってしまいます。
その他にもタケプロンOD錠(ランソプラゾール)を服用することで、他の医薬品の代謝を阻害したり、亢進してしまうこともあるので、定期的に薬を服用している方はお薬手帳を必ず持参して、医師・薬剤師に確認してもらってください。
注意点について下記に詳しく記載します。
併用禁忌、併用注意の医薬品
レイアタッツ(アタザナビル硫酸塩)、エジュラント(リルピビリン塩酸塩)はエイズウイルスの増殖を抑える医薬品になります。
胃酸により活性化され効果を発揮するる医薬品なので、胃酸分泌を抑えるタケプロンOD錠(ランソプラゾール)とは「併用禁忌」とされています。
「併用注意」の医薬品としてテオドール(テオフィリン)、プログラフ(タクロリムス)
ジゴシン・ハーフジゴキシン(ジゴキシン・メチルジゴキシン)など他にも数種類あるので併用薬の確認は必須となります。
妊婦・授乳婦、小児、高齢者への使用
<妊婦>
妊婦への投与は基本的には行いませんが、服用することで症状が緩和されると判断されたときは使用されるケースもあります。このことを有益性投与といいます。
<授乳婦>
乳汁中に本成分が移行することが認められているため、授乳婦への服用は推奨されていません。基本は他の医薬品で対応しますが、どうしても服用しなければならない場合は授乳をやめ、粉ミルクなどで対応してもらうことになります。
<小児>
添付文書上は小児への投与試験の経験はないとされています。
胃炎、逆流性食道炎、合併症のない十二指腸潰瘍を含む病態では医師の判断のもと使用されるケースがあります。小児用量は下記の通りになります。
・10kg未満 1回7.5mg 1日1回
・10kg〜20kg 1回15mg 1日1回
・20kg以上 1回30mg 1日1回
<高齢者>
高齢者は胃酸の分泌機能、その他の生理的機能が低下しているので、最小用量から開始するなど慎重性が求められます。
タケプロンOD錠(ランソプラゾール)と同じ成分の市販薬はある?
上記でも述べた通りタケプロンOD錠(ランソプラゾール)は、市販では発売されていません。しかし、胃酸を抑える市販薬や胃の防御因子を高める市販薬もあるので緊急でない場合はそちらの使用を検討してみてください。
「タケプロンOD錠」の類似成分となる市販薬
タケプロンOD錠(ランソプラゾール)と類似した作用をもつ市販薬で、ガスター10錠があります。こちらは胃の壁細胞にあるH2受容体を阻害することで胃酸の分泌を抑える医薬品になっています。
こちらは、薬剤師のいるドラッグストアや薬局でしか購入できないので、事前に薬剤師に相談してから購入を検討してください。
参考文献
タケプロンOD錠 添付文書|武田テバDI
プロポンプ阻害薬-MSDマニュアル プロフェッショナル版
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