カトレップパップ(インドメタシン)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説
更新日:2024年02月27日
有効成分であるインドメタシンを使用した医薬品は、市販薬も存在しているので幅広く活躍している医薬品といえます。今回は、カトレップパップの成分や効果について解説します。
カトレップパップ(インドメタシン)とは
カトレップパップは、帝國製薬株式会社から販売されている経皮吸収型の外用鎮痛消炎剤です。
経皮吸収型局所製剤は、経口剤に比べると全身性の副作用が少ないため、過去に解熱鎮痛剤で胃腸障害を起こしたことがある方にも使いやすいメリットがあります。
2006年に販売名を「カトレップ」から「カトレップパップ70mg」に変更され、剤形も「カトレップテープ35mg」、「カトレップテープ70mg」が追加されました。
剤形が追加されたことによって使用感と利便性が向上しているといえます。
パップ剤とテープ剤の違いは?
カトレップパップなど湿布には大きくふたつの剤形に分けることができます。湿布にはパップ剤とテープ剤が存在し、それぞれメリットとデメリットが存在します。
パップ剤は、不織布などに有効成分と水分を含む軟膏を塗布した製剤です。水分量が多いので保湿効果もあって湿布による皮膚症状が起きにくいメリットがあります。
粘着力が低いため、関節部などの動きの大きい部位に使用するには向いていないというデメリットがあります。パップ剤に含まれている水分が蒸発することで熱を奪うことで冷たさを感じることができます。
テープ剤は、伸縮性のある基材に有効成分と粘着剤、香料などの添加物が塗布されている製剤です。薄くて伸縮性があり、粘着力が高いため剥がれにくい特徴があります。
剥がれにくいため関節部にも使用しやすいメリットがあります。しかし、粘着力が強いため剥がすときに皮膚を気付けやすかったり、かぶれやすかったりするデメリットが存在します。
ジェネリック医薬品が存在する
カトレップパップにはジェネリック医薬品が存在します。ジェネリック医薬品は、製薬会社が開発した新薬の特許が期限切れになったため、他の製薬会社が新薬と同じ有効成分を販売できるようになったものです。
新薬を開発するために数百億円の費用と10年以上という長い歳月がかかりますが、ジェネリック医薬品は開発費というコストが削減できるため医療費を減らせるメリットがあります。
カトレップパップ(インドメタシン)の成分について
カトレップパップはインドメタシンが有効成分です。インドメタシンは、NSAIDsと呼ばれる解熱鎮痛作用を有する有効成分に分類されます。
NSAIDsは、痛みや炎症の原因となるプロスタグランジンを作るために必要な「シクロオキシゲナーゼ」という酵素を阻害することで解熱鎮痛作用を発揮します。
プロスタグランジンは、胃粘液の分泌をさせる作用があるため内服薬のNSAIDsによって胃粘液の分泌が阻害され、胃腸障害を起こすことがあります。
しかし、外用薬であるカトレップパップでは胃腸障害は見られないとされています。
カトレップパップ(インドメタシン)はどんな症状に効果がある?
変形性関節症、肩関節周囲炎、腱・髄鞘炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛における鎮痛、消炎効果があります。
カトレップパップ(インドメタシン)の用法・用量は?
1日2回患部貼ります。
カトレップパップ(インドメタシン)の副作用
カトレップパップを含むNSAIDsの外用薬には特徴的な副作用が存在します。副作用について理解していないと悪化する恐れがあるので注意が必要です。
接触性皮膚炎
接触性皮膚炎は、刺激性の物質が皮膚に接触することで起こる皮膚炎です。原因物質に接触した部位にかゆみや赤み、水ぶくれなどの症状が現れるのが特徴です。
接触性皮膚炎の原因には原因物質の刺激性で起こるものとアレルギー反応によって起こるものに分けられます。カトレップパップを使用した人の0.9%が使用部位に皮膚症状が見られたと報告されています。
アスピリン喘息
NSAIDsの特徴的な副作用の一つにアスピリン喘息があります。アスピリン喘息は、成人喘息患者さんの約5〜10%にみられ、アスピリンだけでなくカロナール(アセトアミノフェン)やセレコックス(セレコキシブ)を除いた解熱鎮痛剤を使用すると起こる可能性があります。
NSAIDsの過敏体質は原則的に生涯継続するとされていますので喘息の症状が落ち着いたとしても使用はできません。そのため、過去に喘息を起こしたことがある人はカトレップパップの使用は避けてください。
カトレップパップ(インドメタシン)に関する注意点
比較的全身作用が少ないカトレップパップですが、医薬品であるためいくつか注意点が存在します。カトレップパップを安全に使用するためには注意点を把握する必要があります。
皮膚の感染症には注意
カトレップパップは皮膚の感染症を不顕性化させることが報告されています。皮膚に感染症がある場合に症状があらわれにくくなるため重症化する恐れがあります。
感染を伴う炎症に対してカトレップパップを用いる場合には抗菌薬や抗真菌剤を使いながら様子を見た方がいいでしょう。
妊婦、産婦、授乳婦への使用
NSAIDsの経口剤、坐剤を妊婦に使用すると胎児の腎機能障害および尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きと報告されています。
また、他のNSAIDsの外用薬を妊娠後期の女性に使用したことで胎児動脈菅収縮が起きたとも報告されています。
そのため、妊婦や妊娠している可能性のある女性にカトレップパップを使用するときには注意が必要です。
傷や粘膜には使用しない
傷や粘膜に使用したり、かぶれや発疹などの皮膚症状があらわれている部位に使用すると状態が悪化する可能性があるので注意が必要です。
カトレップパップ(インドメタシン)と同じ成分の市販薬はある?
カトレップパップと同じ有効成分の市販薬は販売されています。こちらでは、カトレップパップと同じ成分の市販薬と市販薬の注意点を解説します。
カトレップパップと同成分の市販薬は?
・バンテリンEXコーワパットEX
インドメタシンが配合されている湿布で、TIAAS製剤(薄型含水貼付剤)と呼ばれる独自の製法で作られた製剤です。
皮膚との接着面を増やすことで皮膚への付着はソフトになるため従来のテープ剤と変わらない付着力と皮膚への負担が軽減されています。
・バンテリンコーワクリームEX
カトレップパップの有効成分で、鎮痛・消炎成分のインドメタシンと末梢血流改善作用のあるトコフェロール酢酸エステルを配合した塗り薬です。
肩こりは、筋肉のこりによって血流が悪化することが知られているため血流を改善するトコフェロール酢酸エステルを配合することでインドメタシンの作用を補強することにつながります。
アルコールを配合しておらず、塗り薬であるため湿布に比べるとかぶれにくいのと肘や膝にも使用しやすいメリットがあります。
・バンテリンコーワエアロゲルEX
興和株式会社から販売されいているスプレータイプの鎮痛外用薬です。
カトレップパップと同じ有効成分のインドメタシンとLーメントールが配合されています。
スプレータイプなので手では届きにくい部位にも使用しやすいメリットがあります。
・サロンシップインドメタシンEX
久光製薬から販売されている市販薬でカトレップパップと同様にインドメタシンが配合されている湿布です。
保湿チャックがついているので湿布の乾燥を防いで保管にも便利です。
・オムニード0.5%パップ
カトレップパップを販売している帝国製薬と同じグループのテイコクファルマケア株式会社から販売されている市販薬で、インドメタシンが配合されているパップ剤です。
L-メントールが配合されているため冷たい刺激感を感じることができるため急性的な炎症や痛みを緩和します。
市販薬を使用するには注意が必要!
医師の診察を受けてから処方してもらえる医療用医薬品とは異なり、市販薬はお客さんの判断で購入できます。
仕事や育児などで病院に受診できない人にも医薬品が購入できるメリットがありますが、市販薬の注意点を判断することが難しいというデメリットもあります。
カトレップパップと同じ有効成分の市販薬の使用を考えた場合、過去に喘息を起こしたことがある人や湿布によってかぶれを起こしたことがある方は市販薬が使用できないこともあるので注意が必要です。
市販薬を初めて使用する場合には医師や薬剤師に相談した方がいいでしょう。
また、市販されている湿布を使用しても痛みが治らない場合は、重大な疾患である可能性があります。市販薬を1〜2週間以上使用しても症状が改善しない場合には医療機関へ受診してください。
参考文献
カトレップパップ添付文書
帝國製薬医療関係のみなさま
バンテリンコーワクリームEX|コーワ健康情報サイト|KOWA
バンテリンコーワ【公式サイト】|肩こり痛・腰痛・ひざの痛みに効く!|興和株式会社
インドメタシン配合冷湿布 │ くすりコラム | 帝國製薬グループ テイコクファルマケア株式会社
かぶれ(接触皮膚炎) │ 皮膚症状一覧 │ ひふ研 「ひふ症状、ひふ薬の使い方の疑問に答える情報サイト」
さまざまなぜん息 アスピリンぜん息(解熱鎮痛薬ぜん息)|成人ぜん息(ぜんそく、喘息)|ぜん息基礎知識|ぜん息などの情報館|大気環境・ぜん息などの情報館|独立行政法人環境再生保全機構
エアロゲルEX|バンテリンコーワ【公式サイト】|肩こり痛・腰痛・ひざの痛みに効く!|興和株式会社
最近ではオンライン診療を行っている病院も増えており、誰でも気軽に相談できるという状況が生まれています。
オンライン診療は、
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