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フェロミア錠/顆粒(クエン酸第一鉄ナトリウム)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 伊波 綾乃
更新日:2024年02月28日

更新日:2024年02月28日

フェロミア錠/顆粒(クエン酸第一鉄ナトリウム)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
毎日体がだるいなど、貧血でお困りの方はいらっしゃるのではないでしょうか。
そもそも「貧血」とは、血液中の赤血球の中にある、酸素を運ぶ役割のヘモグロビンの濃度が低くなった状態のことを指します。

立ちくらみ、息切れ、めまい、ふらつき、頭痛、胸の痛みなどの症状が起こります。特に女性は生理で出血する量が男性に比べて多いので、貧血になりやすいと言われています。

今回は貧血の中でも『鉄欠乏性貧血』の治療で使用される、フェロミア錠/顆粒(クエン酸第一鉄ナトリウム)について解説していこうと思います。

フェロミア錠/顆粒(クエン酸第一鉄ナトリウム)とは

フェロミア錠/顆粒(クエン酸第一鉄ナトリウム)は、鉄の腸管からの吸収に関する研究の中から発見されたものです。

 

酸性から塩基性(アルカリ性)に至る広い pH 域で溶解し、中性から塩基性(アルカリ性)溶液中でも腸管からの吸収が可能な溶けやすい低分子鉄として溶存する特性を持っています。

 

そのため、pHが低い状態でも吸収できるので、胃粘膜に対する刺激や食事の影響による吸収の低下が少ないことがわかっています。

 

また、これまで服用しにくかった顆粒剤については、溶け易さと鉄味のマスキングの改良に成功し、コーティング剤を使用していないので水に溶けやすく服用がしやすい製剤となりました。

フェロミア錠/顆粒(クエン酸第一鉄ナトリウム)について

では、一般的にフェロミア錠/顆粒(クエン酸第一鉄ナトリウム)はどのようにして使用されているのでしょうか?

フェロミア錠/顆粒(クエン酸第一鉄ナトリウム)の適応症

添付文書上の適応は以下の通りになります。

・鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血の診断基準

・ヘモグロビン値
12g/dl未満で貧血と判定します。治療が必要と考えられるHbは10g/dl程度ですが、後述するフェリチンの数値などや過去に鉄欠乏性貧血として治療を受けたことがあるかなどを含めて総合的に判断します。

・MCV(赤血球の大きさ: 正常80-100fl)
多くは60-70flまで低下し、小球性低色素性貧血と言われます。
・血清フェリチン値(貯蔵鉄)の低下。
10未満では鉄欠乏状態と判定します。フェリチンが低下する病態は鉄欠乏性貧血以外にないので確定診断となります。

 

鉄欠乏性貧血の症状
・無症状(多くは健康診断や職場健診の採血結果で指摘されます)
・動悸(少しでも酸素を運ぼうと心拍数が増えるため)
・息切れ(少しでも体内に酸素を取り込もうとするため)
・疲労感、倦怠感(体を動かす筋肉の酸素が不足するため)
・顔色不良(赤みがない、黒っぽくなったと言われる)
・匙状爪(爪が反り返る、割れやすい、もろい)
・味覚障害、舌のひりひり感

症状が強くなってくると集中力ややる気の低下がみられるなど日常生活に大きな影響が出てきます。

フェロミア錠/顆粒(クエン酸第一鉄ナトリウム)の用法・用量

添付文書上の用法・用量は以下の通りになります。
・錠50mg
通常成人は、鉄として1日100〜200mg(2〜4錠)を1〜2回に分けて食後経口投与してください。なお、年齢、症状により適宜増減してください。
・顆粒8.3%
通常成人は、鉄として1日100〜200mg(1.2〜2.4g)を1〜2回に分けて食後経口投与してください。なお、年齢、症状により適宜増減してください。

用量以上服用してしまうと、鉄分過多になってしまうので指示された量を毎日しっかり服用するようにしましょう。

フェロミア錠/顆粒(クエン酸第一鉄ナトリウム)の副作用

現在報告されている副作用は下記の通りになります。
・消化器:5%以上 悪心・嘔吐
・消化器:0.1〜5%未満 上腹部不快感、胃・腹痛、下痢、食欲不振、便秘、胸やけ
0.1%未満 腹部膨満感
・過敏症:0.1〜5%未満 発疹
0.1%未満 そう痒感
頻度不明 光線過敏症
・肝臓:0.1〜5%未満 AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等
0.1%未満 Al‐Pの上昇等
・精神神経系:0.1%未満 頭痛、めまい
・その他:0.1%未満 けん怠感、浮腫

フェロミア錠/顆粒(クエン酸第一鉄ナトリウム)に関する注意点

基本的な注意点

フェロミア錠/顆粒(クエン酸第一鉄ナトリウム)服用中は、適宜血液検査を実施し、過量投与にならないよう注意することとされています。
用法・用量の項目でも記載しましたが、飲み過ぎのないよう医師・薬剤師の指示を守って服用するようにしましょう。

併用注意の医薬品

・セフジニル
鉄製剤とセフジニルの吸収が約10分の1まで減ることがあるので、3時間以上間隔を空けて服用してください。

・キノロン系抗菌剤(塩酸シプロフロキサシン、ノルフロキサシンなど)
キノロン系の抗菌剤とキレートを形成し、キノロン系抗菌剤の吸収を阻害してしまうので併用は避けるようにしてください。

・テトラサイクリン系抗生物質
テトラサイクリン系抗生物質とキレートを形成し、相互に吸収を阻害してしまい薬の効き目が弱くなってしまいます。

・甲状腺ホルモン製剤(レボチロキシンナトリウム水和物、リオチロニンナトリウム等)
甲状腺ホルモン製剤とキレートを形成し、チロシン系薬剤の吸収を阻害するおそれがあります。

・制酸剤
in vitroという試験で、生産剤によるpHの上昇により、難溶性の鉄重合体を形成することが報告されており、鉄剤の吸収を阻害してしまいます。
・タンニン酸を含有する食品

in vitroという試験において、タンニン酸と高分子鉄キレートを形成することが報告されており、鉄剤の吸収を阻害してしまうことがわかっています。

使用禁忌・慎重投与の患者さん

・併用禁忌の患者さん
鉄欠乏状態にない患者さん

(過剰症を起こすおそれがあるので、過量投与にならないよう注意する。)

・慎重投与の患者さん
消化性潰瘍、慢性潰瘍性大腸炎、限局性腸炎等の胃腸疾患のある患者
(病態を悪化させることがあるため)

発作性夜間血色素尿症の患者

(溶血を誘発し病態を悪化させることがあるため)
鉄含有製剤(鉄剤やMRI用肝臓造影剤等)投与中の患者

(過剰症を起こすおそれがあるため。)

高齢者

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意して服用してください。
また、高齢者は多数の薬を内服している場合がほとんどですので、相互作用に注意しなければなりません。お薬手帳で確認することができるので、服用中の薬をちゃんと記録して医師・薬剤師に確認してもらうようにしましょう。

小児

添付文書上では、使用経験が少ないため小児に対する安全性は確立していないと記載されていますが、重度の貧血を患っている場合や抗がん剤治療をしている場合など小児にも使用することもあります。

小児科医が年齢・体重をもとにして処方し、薬剤師が投与量が間違っていないか確認してから患者さんの手に渡るようにしています。保護者の方は処方通りに服用させ、体調に変化がないか、副作用が発現していないか経過を見てください。

妊婦・授乳婦

妊婦・授乳婦は特に貧血になりやすいため、フェロミア錠/顆粒(クエン酸第一鉄ナトリウム)を処方されることがよくあります。服用しても胎児や母乳に影響はでませんので、医師の指示通りに服用してください。

人によっては副作用が出ることもあるので、その際は早めに医師・薬剤師へご相談ください。

フェロミア錠/顆粒(クエン酸第一鉄ナトリウム)と同じ成分の市販薬はある?

フェロミア錠/顆粒(クエン酸第一鉄ナトリウム)と同性分の市販薬は発売されていません。成分違いの製品で「エミネトン」、「フェリチ」、「ヘマニック」、「マスチゲン」が販売されています。

市販薬には鉄剤の他にもビタミンや葉酸も含まれているので妊娠されている方や授乳されている方にもお勧めです。

最後に

今回はフェロミア錠/顆粒(クエン酸第一鉄ナトリウム)について解説しました。
特に女性は鉄分が不足しやすく貧血になりやすいと言われているので、定期的に検査を受けて自身が貧血であるのか貧血気味であるのか正常なのか確認したほうがいいと思います。本記事が少しでも参考になると嬉しいです。

参考資料
フェロミア錠50mg/顆粒8.3% 添付文書・インタビューフォーム
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3222013D1059_2_01/?view=frame&style=SGML&lang=ja
鉄欠乏性貧血の話|大分大学医学部腫瘍・血液内科
https://www.med.oita-u.ac.jp/syuyou/ida.html

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監修薬剤師 伊波 綾乃
総合病院で4年、保険薬局で3年勤務。がん治療期~緩和ケア領域、小児科、耳鼻科、透析、心療内科を経験。現在はフリーランス。 症状に適したお薬選びができるよう、読者の皆様の手助けができればと思います。
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