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エパデールカプセル(イコサペント酸エチル) に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 小村 稜
更新日:2024年02月28日

更新日:2024年02月28日

エパデールカプセル(イコサペント酸エチル) に含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
病院やクリニックなど医療機関でのみ取り扱われる医療用医薬品エパデールカプセル(イコサペント酸エチル)はご存じですか。エパデールカプセル(イコサペント酸エチル)には血液をサラサラにする作用、血液内の脂肪量を適切に保つ作用があり、様々な疾患に対して使われています。

今回は医療用医薬品であるエパデールカプセル(イコサペント酸エチル)について、効能・効果、用法および用量、使用上の注意について詳しく解説します。

また、医療用医薬品であるエパデールカプセルだけでなく、薬局やドラックストアで購入可能な市販薬「エパデールT」についても解説していますのでぜひ最後までご覧ください。

エパデールカプセル(イコサペント酸エチル) とは

エパデールカプセル(イコサペント酸エチル)とは閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛および冷感の改善や高脂血症などの疾患に対して使用される医療用医薬品です。

 

エパデールカプセル(イコサペント酸エチル)はEPA製剤に分類されるお薬で、病院やクリニックなどの医療機関で医師によって発行された処方箋に基づいて薬局で受け取ることができる医療用医薬品です。

エパデールカプセル(イコサペント酸エチル) の成分について

エパデールカプセルに配合されている有効成分は「イコサペント酸エチル」です。どこかで名前を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

イコサペント酸はイワシやサンマなどの青魚に多く含まれている脂肪酸の一種です。

イコサペント酸エチルとはEPA製剤に分類される成分であり、抗血小板作用と脂質代謝改善作用をあわせもっています。

このことからエパデールカプセル(イコサペント酸エチル)は様々な疾患に対して使用されています。

エパデールカプセル(イコサペント酸エチル) はどんな症状に効果がある?

エパデールカプセル(イコサペント酸エチル)は閉塞動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛および冷感の改善/高脂血症に対して効果があります。

それぞれの疾患について詳しく解説します。

閉塞動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛および冷感の改善

閉塞動脈硬化症とは主に脚の動脈がふさがったり、狭くなったりする病気です。原因としては主に動脈硬化が考えられます。

動脈硬化とは食生活・喫煙・生活習慣病・肥満・運動不足などが原因となり、血管にコレステロールやその他の脂質が沈着、その後血管壁にカルシウムが蓄積することで血管が硬くなることを指します。

閉塞動脈硬化症を発症すると、閉塞した動脈やその重症度にもよりますが、血流が減少するため、疼痛や冷感が現れることがあります。また、その状態が長引くと脚にできた傷が治りづらくなったり、潰瘍が発生してしまうことがあります。

高脂血症

高脂血症とは中性脂肪やコレステロールなどの脂質代謝に異常をきたした状態を差し、現在では高脂血症ではなく「脂質異常症」という名称が使用されています。

 

中性脂肪や一般的に悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールの血液濃度が高かったり、一般的に善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールが低い状態を指します。

 

動脈硬化の主要な危険因子であり、放置すると、脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患を引き起こす原因となることが知られています。
治療法としては運動や食生活を含めた生活習慣の改善、薬剤の使用などがあげられます。

エパデールカプセル(イコサペント酸エチル)の用法・用量は?

エパデールカプセル(イコサペント酸エチル)の用法・用量は使用する疾患によって異なります。用法・用量は次の通りです。

閉塞動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛および冷感の改善

イコサペント酸エチルとして、通常、成人1回600mgを1日3回、毎食直後に服用します。なお、年齢、症状により適宜増減することが添付文書に明記されています。

高脂血症

イコサペント酸エチルとして、通常、成人1回900mgを1日2回又は1回600mgを1日3回、食直後に服用します。

ただし、トリグリセリドの異常を呈する場合には、その程度により、1回900mg、1日3回まで増量できることが添付文書に明記されています。
*食直後とは通常、食後5分以内を指します。

エパデールカプセル(イコサペント酸エチル)の副作用

エパデールカプセル(イコサペント酸エチル)には次のような副作用が報告されています。副作用が現れた場合には、すみやかに医師や薬剤師に相談してください。

重大な副作用
・肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTP、LDH、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸(肌や白目が黄色くなる)があらわれることがあります。

その他の副作用
・過敏症:肌が赤くなったりぶつぶつができることがあります。また、かゆいと感じることがあります。
・出血傾向:普段ならすぐに止まるような怪我でも血が止まらなくなることがあります。また、少しぶつけただけで皮下出血を起こし、あざになることがあります。
・血液:貧血を起こすことがあります。
・消化器:気持ち悪くなったり、下痢や腹痛を起こすことがあります。

*どの副作用も頻度がとても高いというものではありませんが、お薬を使用する上でリスクを知っておくことは大切です。

エパデールカプセル(イコサペント酸エチル) に関する注意点

エパデールカプセル(イコサペント酸エチル)は次の方に対しては投与しないことが添付文書に明記されています。

出血している患者

これはエパデールカプセル(イコサペント酸エチル)が動脈硬化を防ぐ効果(血液をサラサラにする)を有しているため、血が止まらなくなることに起因しています。

 

また、それと類似の状況として、次のような患者は慎重投与となっています。

1,月経期間中の患者

2,出血傾向のある患者

3,手術を予定している患者

4,抗凝血剤あるいは血小板凝集を抑制する薬剤を投与中の患者
具体的なお薬として「ワーファリン(ワルファリン)」や「バイアスピリン(アスピリン)」などがあげられます。
*ご自身が飲んでいるお薬がどういった役割なのかご存じでない方は一度医師や薬剤師に相談してください。

これらに該当する患者はエパデールカプセル(イコサペント酸エチル)の服用によって止血が困難になることがあるため注意が必要です。

エパデールカプセル(イコサペント酸エチル) と同じ成分の市販薬はある?

エパデールカプセル(イコサペント酸エチル)と同様の成分を含んだ市販薬は存在しています。大正製薬株式会社から発売され、第1類医薬品に分類される「エパデールT」です。

このお薬はエパデールカプセル(イコサペント酸エチル)とは使用方法が少し異なっているため注意が必要です。

エパデールT

成分
一包中:イコサペント酸エチル600mg
添加物:トコフェロール、ゼラチン、D‐ソルビトール、グリセリン、パラベン

効能
健康診断等で指摘された、*境界領域の中性脂肪値の改善
*境界領域:健康診断などにおいて中性脂肪(TG:トリグリセリドと表記されることもあります)が正常よりもやや高めの値(150mg/dL以上300mg/dL未満)を指す

用法・用量
20歳未満:服用しないでください
20歳以上:1日3回 食直後
このお薬を飲み始めてから3カ月後には医療機関等で血液検査を行い、中性脂肪の改善を確認してください。また検査を受けるにあたり、中性脂肪の値に影響を及ぼすため、検査前10時間以上は、水以外の飲食物を摂取しないようにする必要があります。

使用上の注意
エパデールTを使用するにあたり注意するべき点がいくつかありますが、特に注意が必要なことは以下の通りです。

1,20歳未満の方は服用しない
2,出血している方は服用しない
3,抗凝血剤、血小板凝集抑制剤を服用している方は服用しない
4,狭心症、心筋梗塞、脳卒中と診断されたことがある方、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、高血圧症で治療中の方や医師の治療を勧められた方は、この薬を服用しない

エパデールTは病名がつく前の異常状態に対してのみ使用できる市販薬です。脂質異常症や動脈硬化症などの診断を受けている場合には、自らの判断で服用せず、必ず医師や薬剤師に相談してください。

まとめ

今回は、閉塞動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛および冷感の改善や高脂血症に使用されるエパデールカプセル(イコサペント酸エチル)について詳しく解説しました。

血液に関連するお薬は、命に直接かかわることもあり、特に注意が必要です。

ご自身が服用するお薬についてよく理解し、正しくお使いください。

 

参考文献
エパデールS300/エパデールS600/エパデールS900|添付文書
末梢閉塞性動脈疾患 – 06. 心臓と血管の病気 – MSDマニュアル家庭版
脂質異常症 – 10. 内分泌疾患と代謝性疾患 – MSDマニュアル プロフェッショナル版
エパデールT 使用上の注意

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医療編集プロダクションMEDW代表
Webディレクター / 薬剤師

今後の医療に変化をもたらすために、デジタルチーム医療を発足。
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