AGA(男性型脱毛症)とは?見分け方や発症原因、治療方法について解説
更新日:2024年05月29日
AGAは多くの男性に見られる脱毛症です。ただし、適切な治療を受けることで、髪が薄くなる速度を遅らせられます。
この記事では、AGAの見分け方と原因、そして治療方法について、わかりやすく説明します。髪のことが気になっている方は、この情報が役立つかもしれません。ぜひ参考にしてください。
AGAとは
AGA、または「男性型脱毛症」とは、成人男性に見られる一般的な脱毛の形態です。多くの男性が経験する薄毛や抜け毛の主な原因とされています。
この脱毛症は、男性ホルモンが大きく関与しているとされていますが、それだけではありません。遺伝的要素や生活習慣も影響していると考えられています。額の生え際や頭のてっぺんの髪が薄くなり始めることが多く、時間とともに徐々に進行していく特徴を持っています。
AGAの進行パターン
AGAの進行パターンは、頭のてっぺんから始まる薄毛、前頭部の生え際が後退するパターン、そしてこれらが組み合わさった様々な形態を示しています。AGA、つまり男性型脱毛症は、薄毛のパターンを分析すると、よく見られる9つの典型的な進行形態に分類されます。
この分類は、薄毛の研究において重要な基準となっており、「ハミルトン・ノーウッド分類」と呼ばれています。また、進行状態からその形に基づいて「M字」「O字」「U字」という3つの型に大きく分けられます。
ハミルトン・ノーウッド分類
ハミルトン・ノーウッド分類は、AGAの薄毛の進行パターンを分類した方法です。この分類法は、アメリカの皮膚科医である「ハミルトン」氏が初めて提案し、その後「ノーウッド」氏が改良を加えて現在の形になりました。この分類により、医師は薄毛の進行度を評価し、適切な治療法を選択する手助けをしています。
ただし、この分類は欧米人のAGAの進行パターンをまとめたものです。そのため、日本を含むアジア人のAGAの進行パターンは異なります。日本では、高島巌氏が日本人や女性向けに修正した「高島分類」が使用されています。
額の左右の毛が抜け始めるM字型
M字型はⅠ型からⅤ型に分類され、額の生え際が後退することでおでこが広く見えるのが特徴です。AGA発症初期にあたるⅠ型からⅡ型の段階で違和感を感じます。前髪をすべて上げた時に、アルファベットのMの字の形になり、こめかみの上部の頭皮が露出します。
頭頂部全体の毛が抜け始めるU字型
U字型はⅣa型からⅦ型に分類され、M字型のように額の両端が後退するのではなく、額全体が後退していくのが特徴です。多くの場合、O字型の脱毛も同時に進行し、前頭部から頭頂部にかけての広範囲にわたって脱毛が見られます。そのため、早期の治療が非常に重要です。
頭頂部の毛が抜けるO字型(つむじ型)
O字型はⅡ型vertexからⅣ型にかけて見られ、上から見るとアルファベットのOの字のように頭頂部が脱毛していくのが特徴です。ハミルトン・ノーウッド分類においては、Ⅱ型vertexからⅢ型vertex、そしてⅣ型以降にこのパターンが見られます。自分では鏡で見えにくいため、家族や友人に指摘されて初めて気づくことも少なくありません。
AGAと抜け毛の見分け方
髪の毛が薄くなってきたような気がする場合、抜け毛が目につくたびに不安になります。AGAの場合、初期段階で特定の兆候が見られます。
抜け毛の本数
髪の毛の抜ける量は、人によって異なりますが、通常は1日に約100本が平均です。しかし、季節によってこの数は変わることがあり、特に夏から秋にかけては抜け毛が増える傾向にあります。この時期は1日に200本程度抜けることもありますが、これは一般的な範囲内です。
抜け毛の量を自分でチェックするには、シャンプー時に排水口のゴミ受けを確認しましょう。シャンプーをするときには、まず排水口をきれいにしてから髪を洗い、洗髪後に抜けた髪の本数を数えます。この方法で、抜け毛が多いかどうかの目安をつかめます。
ただし、毎日行う必要はなく、定期的にチェックするだけで十分です。もし抜け毛が気になるようであれば、月に一度のチェックでも良いでしょう。
抜け毛の状態
抜け毛の太さに注目しましょう。AGAの原因になるホルモンは側頭部や後頭部には影響しないため、これらの部分からの抜け毛は通常の太さになります。
抜けた髪の毛をチェックした際に、前頭部や頭頂部の髪の毛が他の部位に比べて著しく細い場合にAGAの可能性が考えられます。抜け毛の太さに大きなバラツキがあると感じたら、注意しましょう。
髪のボリューム
通常、髪の毛は2年から6年の間、成長を続けます。AGAによる髪の変化は、ヘアサイクルの期間が短くなり、髪が十分に太く長く成長する前に抜け落ちてしまいます。そのため、髪のボリュームが減少し、ハリやコシも失われやすいのが特徴です。
髪のボリュームに変化があるかどうかを確認するには、自分の髪を触ってみたり、過去の写真と比較してみましょう。以前はヘアスタイルが作りやすかったのに、最近は髪が立ちにくくなってきたと感じる場合は、予兆かもしれません。
頭皮の状態
額の生え際や頭の上部が薄くなってきたように感じる場合、AGAの初期症状かもしれません。AGAは髪が細く弱くなることで起こります。鏡で見たときに額の生え際が透けて見えたり、頭の上部の地肌が目立ち始めたりした場合には放置しないようにしましょう。
生え際とつむじの形
OM混合型の薄毛では、額の生え際と頭頂部が同時に薄くなります。AGAは、側頭部や後頭部の髪が残ることが一般的です。頭頂部と前頭部の髪が目立って薄くなった場合にはAGAの可能性があります。
抜け毛や薄毛を生じる他の病気とAGAの見分け方
AGA以外で抜け毛や薄毛を生じる病気をみていきましょう。AGAとの違いも説明します。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎が原因で起こると考えられている脱毛症です。この症状では、頭皮が脂でギトギトしていたり、湿ったフケが出ることが特徴です。かゆみが出たり、炎症が起き患部の肌が赤くなるなどの症状が現れます。
脂漏性脱毛症の場合、主に皮膚炎が原因で毛穴や毛根がダメージを受け、脱毛が進行します。一方、AGAは男性ホルモンが原因です。また、抜ける髪の毛にも違いが見られます。脂漏性脱毛症では比較的長い髪の毛が抜けますが、AGAの場合はまだ育ち切らない細く短い毛が抜けることが特徴です。
円形脱毛症
円形脱毛症は、突然小さな円形の範囲で髪が抜ける状態です。10円玉から500円玉ほどの大きさの脱毛が特徴で、境界がはっきりし瘢痕を残しません。場合によっては、頭部だけでなく全身に広がることもあります。
AGAと円形脱毛症の主な違いは、脱毛の進行スピードと脱毛する範囲です。AGAは、時間をかけて徐々に頭頂部や生え際が薄くなる症状で、気づかないうちに進行します。一方、円形脱毛症は急激に発症し、数日で明確な脱毛が見られます。
AGAの主な原因
AGAの原因は、主に男性ホルモンによる影響ですが、その他にも要因があります。
男性ホルモン
AGAは、テストステロンというホルモンが、頭皮の特定の酵素と反応してDHTという別の物質に変わります。このDHTが毛根に影響を与え、髪の成長を妨げます。最終的には髪が細く、弱くなってしまうことが薄毛の原因です。
これはホルモンの量が多いからではなく、個人のホルモンへの反応の違いによります。つまり、AGAはホルモンの感受性が高い人に起こりやすいといえます。
遺伝
AGAは、遺伝的な背景があるとされています。特に、関与しているとされているのは、男性ホルモン受容体(AR)遺伝子です。この遺伝子はX染色体上に位置しているため、母方の祖父からの影響を受けやすいと考えられています。
ただし、AGAの発症は遺伝だけでなく、生活習慣やストレスなどの環境因子も関係しています。そのため、遺伝子を持っていても必ずしもAGAになるわけではありません。
生活習慣の乱れやストレス
日々の生活習慣も髪の健康に影響を与えます。食事、運動、睡眠、喫煙や飲酒の乱れは髪の成長に関わります。
過剰なストレスも薄毛の要因のひとつです。自律神経の調和を乱し、頭皮の血流を悪化させることで、髪の毛の健康にも悪影響を及ぼします。さらに、ストレスは免疫力の低下にもつながります。薄毛の悩みがストレスとなり、それがまた脱毛を加速させるという悪循環に陥るかもしれません。
AGAの治療法
AGAの治療法には、内服薬、外用薬、注入薬、植毛などがあります。
AGA治療薬の服用
AGAの治療には、主に「フィナステリド」と「ミノキシジル」という2種類の薬が使われています。ミノキシジルは頭皮の細胞を活性化させて髪の成長を促し、フィナステリドは髪の成長を妨げる男性ホルモンの作用を抑える作用が期待できます。
フィナステリド
AGAの治療に用いられる「フィナステリド」は、薄毛の進行を抑制する効果が期待できます。これは、毛髪を弱らせる原因となる男性ホルモンの働きを抑える働きによるものです。
日本では、この成分を含む「プロペシア」という治療薬が最初に発売されました。2015年にはジェネリック医薬品としても承認され、多くの製薬会社から販売されています。これにより、AGA治療費の削減が可能となりました。
ミノキシジル(内服)
ミノキシジルは、もともと高血圧治療のために開発された薬です。しかし、その副作用として多毛症状が現れることが分かりました。その結果、ミノキシジルは薄毛治療にも応用されるようになります。
内服薬は、医師の処方箋が必要な医療用医薬品です。外用薬よりも効果が高いとされていますが、副作用のリスクも考慮しないといけません。
ミノキシジル(外用)
外用薬は、頭皮に直接塗布するタイプで、一定の濃度までは市販されており、ドラッグストアや通販で購入できます。これらの外用薬は、ミノキシジル成分が5%までの濃度で配合されています。一方、より高濃度のミノキシジルを含む外用薬は、医療機関での処方が必要です。
植毛
自毛植毛は、自分の髪の毛を使った治療法です。この方法では、頭の後ろや側面の髪の毛を取り、薄くなった部分に移植します。移植する際には、髪の毛を育てる細胞も一緒に移すため、移植した髪の毛はそのまま成長を続け、自然な見た目の髪の毛が再び生えてきます。
メソセラピー
薄毛の問題を解決するためにレーザーや超音波を使って、髪の成長に必要な成分を頭皮に届ける治療法です。これは手術を必要とせず、特別な注射やレーザーを使って、直接治療薬を頭皮に注入します。
頭の上部や前部のような広い範囲に薄毛がある場合に効果的です。メソセラピーは、頭皮を健康に再生させ、血流を良くして、髪の成長を促す薬剤を導入することで、薄毛を改善します。
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AGA治療はどこで受けられる?
AGA治療は、皮膚科や内科、AGA専門のクリニックなど医療機関を受診することで受けられます。
AGA専門のクリニック
AGA専門のクリニックでは、一般的な薬の処方から特別な治療法までさまざまな治療を提供しています。治療法は、薄毛の状態や個人の希望に応じて選べるため、予算に合わせた治療が受けられます。
専門クリニックでは、薄毛治療に関する専門知識が豊富です。毛髪の状態を正確に診断できる専門家がいるため、効果的なアドバイスを受けられます。
オンラインクリニック
忙しくて通院が難しい、またはAGAの治療を他人に知られたくない場合は、オンラインクリニックが便利です。自宅や職場からインターネットを通じて、予約や診察を受けられます。
薄毛が気になったら、早めに医師に相談しましょう
AGAは、時間が経つにつれて徐々に進行し、放っておくと状態が悪化する可能性があります。初期段階で気づき、適切な対策を講じれば、髪の毛の回復が早くなることが期待できます。
進行したAGAを治療する場合、治療前と治療後で髪の量に違いが出るかもしれません。そのため、早めに治療を始めることが、より良い結果につながると言えます。AGAは早期発見、早期治療が大切です。
まとめ
AGA(男性型脱毛症)は、一旦始まると、適切な対処をしなければ自然には良くなりません。特に若い年齢での発症が多く見られ、放っておくと急速に進行することがあります。もし「もしかしてAGA?」と心配な場合は、早めに専門家に相談することが大切です。忙しくて受診出来ない場合や、周りの目が気になる場合はオンライン診療を活用しましょう。
SOKUYAKUオンラインクリニックは、AGAの治療のオンライン診療サービスを提供しています。治療の効果や副作用について、詳しく説明を受けられます。
受付時間:平日10:00~19:00
医師
山下 真理子
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
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