AGA(男性型脱毛症)って何? 原因や治療薬、治療法について徹底解説
更新日:2024年05月27日
AGAは進行性の脱毛症であり、放っておくとどんどん悪化して、最悪のケースでは治療ができなくなる状態になることもあります。
薄毛が目立つようになったら、なるべく早めに専門医に相談してAGA治療を始めることをお勧めします。このページでは、AGAの治療法や原因など、AGAで最低限知っておくべきことを説明いたします。
AGA(男性型脱毛症)とは
AGAの正式名称はAndrogenetic Alopeciaで、日本語では「男性型脱毛症」と言います。医学界ではMale Pattern Hair Lossと呼ばれることが多くなり、特に成人男性が発症しやすい脱毛症の1つです。昨今は、抜け毛や薄毛にお困りの男性の多くがAGAを発症しているとされています。
AGAは男性ホルモンの影響で起こることが多い病気ですが、男性ホルモンの他にも生活習慣や遺伝など複数の原因が影響するとされています。通常、頭頂部のつむじの周りや額の生え際から抜け毛が始まると言われており、進行性の脱毛症なので時間が経つと徐々に薄毛が進行する傾向にあります。そのため、AGAが起こった場合は何かしらの治療を受けないと薄毛が進んでしまうため、なるべく早めに専門医に相談することを推奨します。
AGAの原因とヘアサイクル
AGAが原因となる抜け毛や薄毛のメカニズムを理解するためには、「ヘアサイクル(毛周期)」を把握することが大切です。髪の毛はヘアサイクルという決まった周期で成長し、基本的に1000〜2000日程度でヘアサイクルは一周します。また、ヘアサイクルは次の3つに分けられます。
成長期(2〜6年):
髪の毛が一番成長する
退行期(2〜3週間):
髪の毛の成長がストップし、細胞が自然死(アポトーシス)することで毛包が退縮する
休止期(3〜4カ月):
毛包の活動がストップする
さらに、成長期は「早期」「中期」「後期」の3パターンに分類されます。
ヘアサイクルは髪の毛1本1本で異なりますが、それぞれが一生の間にサイクルが回る回数が定まっているため、ヘアサイクルが終わった髪の毛は死にます。AGAを発症すると、このヘアサイクルが著しく短くなります。
AGAは、男性ホルモンの1つである「テストステロン」が、体内の還元酵素である「5αリダクターゼ(5α還元酵素)Ⅰ型およびⅡ型」と結合して生み出された「DHT(ジヒドロテストステロン)」の影響を強く受けます。
DHTは、男性ホルモン受容体の「アンドロゲンレセプター」と結びつくことで、髭などの体毛の成長因子に働きかけて毛が太く成長するように促します。一方、頭頂部や前頭部の髪の毛の毛母細胞の分裂を抑え、ヘアサイクルの成長期を短くする作用もあります。
DHTの影響を受けることで、ヘアサイクルの成長期が非常に短くなり、最短で約100日となります。この原因は、DHTの産生に関係する5αリダクターゼによって、髭などの体毛では毛の成長を促進する信号が生み出される一方で、頭頂部や前頭部では毛の成長期を抑制する信号が生み出されるからだと言われています。
ヘアサイクルの成長期が著しく短くなると、髪の毛はしっかりと成長できずに退行期に至ります。ヘアサイクルが正常に回らず、太く長い髪の毛に成長せずに短く細い髪の毛が多くなる状態を「軟毛化」と言います。軟毛化はAGAが悪化していることを意味し、薄毛が進行します。
タイプ別のAGA進行パターン
「AGA」や「薄毛」には複数の種類があり、症状には個人差があります。そのため、AGAや薄毛の分類を適切に把握することが重要です。また、種類に応じて最適な対応策を理解し、ご自身に合った治療を受けることも重要です。
ハミルトン・ノーウッド分類
ハミルトン・ノーウッド分類は、AGAの進化形態をまとめた指標です。
最初に、アメリカの皮膚科医「ハミルトン」氏がAGA(男性型脱毛症)の薄毛の進行形態を分類し、「ノーウッド」氏がその分類をさらに改善して現在の分類パターンにしたので、二人の名前から名づけられました。
なお、ハミルトン・ノーウッド分類は欧米人のAGAの進行形態を分類したものであり、日本などのアジア人のAGAの進行形態とは違います。昨今、日本で用いられているハミルトン・ノーウッド分類は、日本の皮膚科医の高島巌氏が女性や日本人向けに改良した「高島分類」に、頭頂部が薄くなるIIvertexを追加したものです。
額の左右の毛が抜け始めるM字型
M字型では、額の生え際が後退して額が広く見えるようになります。発症間もないAGAの、Ⅰ型からⅡ型にかけて生じる違和感の1つです。前髪を全部上げると、アルファベットのMのように見え、こめかみの上部の頭皮を確認できる状態です。
頭頂部全体の毛が抜け始めるU字型
M字型のように額の両端ではなく額全体が後退する傾向にあります。O型も同時に起こることがほとんどで、前頭部から頭頂部にかけての広い範囲で脱毛が起こるため、なるべく早めに治療を受けることが重要です。
頭頂部の毛が抜けるO字型(つむじ型)
上から見るとアルファベットのOのように頭頂部で脱毛が起こります。ハミルトン・ノーウッド分類の中で、Ⅱ型 vertex~Ⅲ型 vertex、Ⅳ型以降に確認される形態です。自分自身では鏡で確認することが難しいため、周囲の方から言われて自覚する方がほとんどです。
AGAの治療方法
AGA治療薬の服用
フィナステリド
フィナステリドは、毛髪を衰退させて抜け毛を引き起こす男性ホルモンを抑えることで、薄毛の進行防止が期待できます。
「フィナステリド錠」には、日本で初めてAGA治療薬として登場した「プロペシア」と同じ成分が含まれており、効果が承認されている後発医薬品です。
2015年に国内で認可が下りたことで、昨今は複数の医薬品メーカーが取り扱っています。それまでAGA治療のためにプロペシアなどの治療薬を長期的に使っていた方にとっては、ジェネリック医薬品が登場したことで治療費の負担が軽くなりました。
フィナステリドは、毛髪を衰退させて抜け毛を引き起こす男性ホルモンを抑えることで、薄毛の進行防止が期待できます。
「フィナステリド錠」には、日本で初めてAGA治療薬として登場した「プロペシア」と同じ成分が含まれており、効果が承認されている後発医薬品です。
2015年に国内で認可が下りたことで、昨今は複数の医薬品メーカーが取り扱っています。それまでAGA治療のためにプロペシアなどの治療薬を長期的に使っていた方にとっては、ジェネリック医薬品が登場したことで治療費の負担が軽くなりました。
ミノキシジル(内服)
ミノキシジルは、高血圧治療薬(降圧薬:血圧を低くするお薬)に配合されている主成分で、血管を拡げて血圧を低くする効果があります。ミノキシジルを長期的に使っていたほとんどの方に多毛の症状が起こったため、薄毛治療への活用が期待され、育毛剤としても使われるようになりました。
内服薬は、基本的に医師から処方を受けなければならない医療用医薬品です。体内(血中)からお薬の効果が現れるため、外用薬よりも効果が高くなる見込みがあります。
ミノキシジルは、高血圧治療薬(降圧薬:血圧を低くするお薬)に配合されている主成分で、血管を拡げて血圧を低くする効果があります。ミノキシジルを長期的に使っていたほとんどの方に多毛の症状が起こったため、薄毛治療への活用が期待され、育毛剤としても使われるようになりました。
内服薬は、基本的に医師から処方を受けなければならない医療用医薬品です。体内(血中)からお薬の効果が現れるため、外用薬よりも効果が高くなる見込みがあります。
ミノキシジル(外用)
外用薬は、ミノキシジルの成分濃度が最大5%(女性用育毛剤の市販品は1%濃度)のお薬であれば、通販や薬剤師がいるドラッグストアで買うことも可能です。5%濃度の外用薬として、大正製薬の「リアップ」やファイザー社の「ロゲイン」などが有名です。
ミノキシジル成分が5%以上(女性用は1%以上)含まれる濃度が高い外用薬は、医療機関で処方してもらう必要があります。
外用薬は、ミノキシジルの成分濃度が最大5%(女性用育毛剤の市販品は1%濃度)のお薬であれば、通販や薬剤師がいるドラッグストアで買うことも可能です。5%濃度の外用薬として、大正製薬の「リアップ」やファイザー社の「ロゲイン」などが有名です。
ミノキシジル成分が5%以上(女性用は1%以上)含まれる濃度が高い外用薬は、医療機関で処方してもらう必要があります。
植毛
AGAが進行していない後頭部から健康な毛を皮膚組織ごと採取し、AGAの患部に移植する外科手術を「自毛植毛術」と言います。
生着率が高いため、AGAが原因の薄毛の解消にも役立つと考えられており、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(以下、ガイドライン)」によると、男性の推奨度が「Bランク(行うよう勧める)」とされています。なお、治療費が高くなることが多く、痛みや外科手術による複数の合併症などの恐れがあります。
メソセラピー
皮下注射で髪の毛の成長を促進する有効成分を体内に直接入れる医療行為を「メソセラピー」と呼び、美容目的の治療などでも用いられてきました。薄毛治療では、有効成分が含まれるお薬を頭皮に直接注射することが基本です。
医療では、はじめに「負担が少ない治療からスタートする」ことが大原則であり、メソセラピーでAGAの治療をすることは世界的に見ても非推奨となっています。また、投薬治療よりも治療効果が高いという研究結果はなく、内服薬も一緒に使うことが多いため、薄毛改善や発毛の効果があっても、メソセラピーではなく内服薬によって生じた場合も想定されます。
若年性のAGAは早期対策が肝心。気になったら医師に相談を
若年性のAGAは早期に治療を始めれば治療効果が高くなります。「自分はまだ治療しなくても良い」と考えている方と、速やかに治療を始めた方を比較すると、後者の方が数年経つと毛髪量が多くなります。
以前よりも抜け毛が多くなった、毛量が少なくなったと感じる場合は、なるべく早めに専門医に相談し治療を受けることをお勧めします。
まとめ
このページではAGA(男性型脱毛症)治療について詳細に説明いたしました。薄毛の悪化を抑制し、髪の毛の健康を守るためには、AGA治療が大切です。
AGA治療は早めに始めた方が高い効果が期待できますが、一度治療を止めてしまうと再び脱毛が進む恐れがあります。そのため、治療を続けて定期的に医師の診察を受けることが必要です。
AGA治療は一度で終わるものではなく、長期的に取り組む必要があります。「持病が1つ多くなった」くらいの気持ちで、長期的に治療に取り組みましょう。
SOKUYAKUオンラインクリニックでは、AGA治療のオンライン診療サービスに対応しています。副作用や効果に関するご説明、不安やお困りごとのご相談も承っています。
受付時間:平日10:00~19:00
医師
高藤 円香
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
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治療で進行のスピードを遅くすることは可能であり、一度進んでしまうと完全には戻ることが難しいため、気づいた段階もしくは疑った段階で診察を受け、治療を始められるとよいと思います。昔の写真と比較してみたり、普段から髪の毛をセットする際などに毛の太さを意識して過ごされると良いと思います。