AGAの進行速度とは?進行パターンや治療方法について解説
更新日:2024年05月29日
AGAの特徴は、他の脱毛症とは異なり、放置すると徐々に進行してしまうことです。早期に対策を取らないと、薄毛が目立つようになり、状態が悪化する可能性があります。AGAの進行速度は、どのくらいなのでしょうか?
この記事では、AGAがどのように進行するのか、そしてその進行を遅らせるための治療方法について詳しく説明します。AGAの進行に悩んでいる方や、防ぎたいと悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
AGAの進行速度はどれくらい?
AGA、つまり男性型脱毛症は、髪の毛が薄くなる進行性の状態です。AGAは若い年齢で始まるほど進行が早いとされていますが、それでも通常は急激に進行することはありません。
進行スピードには個人差がある
AGAは、人によって進行する速さが異なります。通常、年齢とともに見られる薄毛よりも、AGAの方が進行が早いとされています。
主な原因は遺伝です。ただし、生活習慣の乱れ、ストレス、間違ったヘアケア、運動不足、血行不良、栄養バランスの取れていない食事などの要因でも抜け毛を増やすことがあります。
遺伝による脱毛は、自分でコントロールするのは難しいでしょう。ただし、生活習慣を整えたり、正しいヘアケアを行うことで、AGAの進行を遅らせられるかもしれません。
治療を受けなければ、AGAは進行し続けます。治療を受けていても、生活習慣が乱れていると、AGAの進行を早める可能性があります。
若年で発症するとスピードが早い
AGAは、若い年齢で始まることが多く、その場合は進行が早い傾向にあります。日本皮膚科学会のガイドラインでは、AGAは思春期後に始まり、少しずつ進行するとされています。
参考元:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
多くの人は、薄毛は30代や40代で表れることが多いと思っていますが、実際には10代後半から発症することもあるのです。若い年齢でAGAが進行する場合、不規則な生活リズムや適切なヘアケアを行わないことが要因になります。
急激に進行することは少ない
AGAは、通常は徐々に進行する性質を持っています。急な脱毛が起こる円形脱毛症とは異なり、AGAで一夜にして大量の髪が抜けることはまれです。
AGAはゆっくりとしたペースで進むため、急激な変化に気づくことはほとんどありません。急速な脱毛が見られる場合は、他の脱毛症が重なっているか、別の要因で髪の毛が抜けている可能性があります。そのため、急な脱毛には注意し、原因を探ることが重要です。
5年ほどで薄毛が目立つようになる
AGAは、発症してもすぐには目立ちません。気づかないうちに徐々に進行するため、注意してください。
18歳から41歳までの1,553人の男性を対象に、男性型脱毛症(AGA)の発症に関する研究では、直径約2.5cm(500円玉ほどの大きさ)の範囲で、最初は約900本あった髪の毛が、5年後には250本程度まで減少した結果が報告されています。
参考元:Kaufman K D et al:Eur J Dermatol, 12(1), 38-49, 2002
AGAの進行パターン
AGAの進行パターンは、一般的に「ハミルトン・ノーウッド分類」と呼ばれる基準で評価されています。この分類はアメリカのハミルトン医師が提唱し、後にノーウッド医師が改定したもので、世界的に広く用いられました。ハミルトン・ノーウッド分類は、薄毛の進行度に応じて12のパターンに分類でき、薄毛の進行を客観的に評価できます。
日本では、日本人特有の頭頂部のみが薄毛となる「Ⅱvertex」というパターンが多く見られるため、「高島分類」という分類が利用されています。高島分類は、ハミルトン・ノーウッド分類に「Ⅱvertex」を追加したもので、日本人の薄毛の特性に合った評価基準となっています。
生え際の両サイドから進行するM字型(I型〜V型)
生え際の両サイドから進行するパターンで、M字のような形に薄毛が進行します。一般的には「M字ハゲ」とも呼ばれています。
頭頂部から薄毛が進行するO字型(II型 vertex~IV型)
頭頂部から薄毛が進行するパターンで、つむじ周辺の頭頂部を中心に薄毛が広がります。目視するのが難しい部位であるため、自覚しづらいことが特徴です。
前頭部から頭頂部まで薄毛が進行するU字型(IVa型~VII型)
前頭部から頭頂部まで薄毛が進行するパターンで、生え際全体が後退します。U字型のAGAは自分自身で目視しやすく、気付きやすいのが特徴です。また、U字型の脱毛パターンではO字型を併発することも多いとされています。
AGAの初期症状
AGAは、初期段階で自覚することが重要です。以下の症状がみられた場合、AGAの可能性が考えられます。
髪が軟毛化する
AGAを発症すると、ハリやコシのない髪の毛が徐々に増え、最終的には細い髪の毛が生えてこなくなり、薄毛の状態に変化していきます。髪が軟毛化すると、細くて柔らかい髪の毛が目立つようになります。
抜け毛が増える
健康な人でも1日50〜100本程度は髪の毛が抜けると言われています。ただし、AGAではヘアサイクルが乱れ抜け毛が増加します。ブラッシングした後のブラシや起床時の枕などに見られる抜け毛の量が普段よりも増えていると感じる場合は、AGAの初期症状かもしれません。
前頭部や頭頂部の地肌が透けて見える
軟毛化した髪の毛や抜け毛が増えることによって、前頭部や頭頂部の頭皮が透けて見えるようになります。ただし、頭頂部は目視で確認するのが難しいため、鏡を使用してチェックしましょう。
かゆみが出る
AGAでは、ジヒドロテストステロン(DHT)というホルモンが、毛包を収縮させ髪の成長を阻害します。DHTは皮脂腺を刺激し皮脂の分泌量を増やす作用があり、頭皮にかゆみが生じることがあります。ただし、かゆみが全てAGAの初期症状とは限りません。
AGAの進行を抑える方法
AGAは、遺伝的要因が主な原因ですが、他の要因も抜け毛のリスクを高めるかもしれません。AGAの進行を抑えるためには、以下の4つの方法があります。自分のライフスタイルに合わせて、適切なケアを行うことが大切です。
髪や頭皮に負担をかけないヘアケアを行う
AGAの進行を抑えるためには、髪や頭皮に負担をかけないヘアケアを意識しましょう。AGAを発症している方には、頭皮環境の悪化が見られます。その理由が髪や頭皮に負担をかけるヘアケアのやり方です。
たとえば、髪の毛を洗う際に爪や指先でゴシゴシと頭皮を擦っていると、摩擦による刺激で頭皮環境が悪化し、髪の毛の成長を阻害するかもしれません。また、普段使っているシャンプーの成分によっても頭皮環境が悪化することがあります。
合成界面活性剤を配合したシャンプーを使っている場合には、注意してください。頭皮を守るべき皮脂まで洗い流し、頭皮環境の悪化を招く可能性があります。抜け毛や薄毛が気になる場合は、育毛用シャンプーや薬用シャンプーなど、髪の毛や頭皮に優しいシャンプーを選んでください。
食生活や睡眠時間などの生活習慣を見直す
AGAの進行を抑えるためには、食生活や睡眠時間などの生活習慣を見直しましょう。髪の毛は私たちが食べたものから作られています。髪の毛の成長にとって必要な栄養素が不足すれば、それだけ髪の毛の成長が滞り、成長しきらない内に抜けてしまうかもしれません。
髪の毛はタンパク質によって作られているため、日頃の食事から良質のタンパク質を摂取するよう意識してください。また、髪の毛の成長を促進したり、血行を良くしたりする目的で、ビタミン類やミネラルも積極的に取り入れましょう。
AGAの進行を抑えるためには、睡眠時間や睡眠の質に気を付けることも重要です。睡眠不足になると細胞分裂が不活発になり、髪の毛の成長に悪影響を及ぼします。また、睡眠の質が低下すると、いくら寝ても寝足りないといった事態に陥りかねません。
ストレスを溜め込まない
AGAの進行を抑えるためには、ストレスを溜め込まないことも重要です。ストレスを溜め込むと、自律神経のバランスが乱れ、様々な身体的・精神的トラブルのリスクを高めます。
自律神経のバランスが乱れは、血管が収縮する原因です。血管が収縮すると、血液の循環が悪くなり栄養状態の低下が起こります。頭皮の栄養状態が低下した場合、強く・太い髪の毛を育てられなくなり、抜け毛のリスクが高くなります。
趣味に打ち込んだりスポーツを楽しんだり、レジャーを満喫したりするなど、適度にストレスを発散するよう心がけましょう。
AGA治療を行う
AGAの進行を抑えるためには、育毛剤や発毛剤を使用することも一つの方法です。育毛剤には、髪の成長に必要な成分や頭皮環境を整える成分、血行を促進する成分などを含んでいます。ただし、育毛剤はあくまで髪の成長をサポートする商品になります。使用したからと言って、髪の毛が生えてくるようなことはありません。
一方で、発毛剤は医療用医薬品であるため、原則として医師の処方を受ける必要があります。個人輸入で海外製の治療薬を利用する方法もありますが、粗悪品や偽物が混じっていることや、副作用が起こったときの救済が受けられないため、おすすめできません。
AGAの治療方法
AGA治療とは、内服薬や外用薬などによる薬の作用によって、AGAの進行を予防・抑制し、発毛を促す治療のことです。投薬による治療が最も一般的ですが、進行具合によっては有効成分を直接頭皮に注入するメソセラピーや植毛などが用いられることもあります。
AGA治療薬の服用
AGA治療に有効とされる成分として、フィナステリドとミノキシジルの2つが挙げられます。フィナステリドは、男性ホルモンによる毛髪の弱化や抜け毛を防ぐために、薄毛の進行を抑制する効果が期待できます。
ミノキシジルは頭皮の細胞を活性化し発毛を助ける効果が期待できる薬品です。血管を拡張させて血流を改善し、毛根に栄養を供給する効果があります。ミノキシジルには外用薬と内服薬の2つのタイプがあります。
フィナステリド
AGA(男性型脱毛症)治療には、日本で最初に発売された「プロペシア」と同様の成分を含む「フィナステリド錠」が用いられています。このフィナステリド錠は、後発医薬品として承認されました。
2015年に国内で承認を取得したことをきっかけに、現在ではさまざまな医薬品メーカーから販売されています。これにより、プロペシアなどの治療薬を長期間服用していた方にとっても、治療費を削減できるようになりました。
AGA治療薬は、発毛した髪を維持するためにも薬を服用し続けないといけません。フィナステリドは、飲み続けても耐性ができ依存状態になるということはないため、安心して飲み続けられる薬です。
ミノキシジル(内服)
ミノキシジルはもともと高血圧の治療に使われる薬で、血管を広げて血流を良くすることで血圧を下げる効果があります。しかし、この薬を使っていた方には、髪の毛が増えるという意外な副作用が見られました。この発見から、ミノキシジルは薄毛の治療にも役立つことがわかり、育毛剤としても使用されるようになったのです。
ミノキシジルを含む内服薬は、体の内部から効果を発揮するため、塗るタイプの育毛剤よりも強力な効果が期待できます。ただし、副作用の可能性もあるため、医師の指示のもとで正しく使用しないといけません。そのため、医療機関で医師に相談し、処方してもらう必要があります。
ミノキシジル(外用)
ミノキシジルという成分は、髪の成長を助けるために使われる薬です。市販されている育毛剤には、通常、男性用が最大5%、女性用が1%のミノキシジルが含まれています。これらは、ドラッグストアなどでも購入できます。ただし、ミノキシジルが5%を超える濃度の製品は、医師の処方が必要です。
植毛
自毛植毛は、一般にAGAのための治療法です。この方法では、後頭部や側頭部の健康な髪の毛を採取し、薄毛が進行している頭皮の部分に移植します。
移植される毛は、髪を育てる根元の組織を含んでいます。そのため、新しい場所でもしっかりと成長し、時間が経つと自然な見た目の髪の毛が再び生えてくるのです。この治療は、見た目を改善するだけでなく、患者さんの自信を取り戻す助けにもなります。
メソセラピー
メソセラピーは、レーザーや超音波を使って髪の成長に必要な成分を頭皮に届けます。これは手術はせずに、注射やレーザーを使って直接有効成分を頭皮に送り込む方法です。頭の上部や前部のような広い範囲の薄毛には、メソセラピーが適しています。この治療は、頭皮を健康に再生させ、血流を良くし、髪の成長を促す成分を導入することで、薄毛を改善します。
メソセラピーは、毛髪の再生だけではありません。肌の美容や体の他の治療にも応用されています。たとえば、にきびや関節炎、スポーツの怪我の治療、セルライトの除去やダイエット、肌のリフトアップなどにも使われている治療法です。
AGA治療はどこで受けられる?
AGAの治療を受けるためには、医療機関を受診しましょう。皮膚科や専門クリニックなどになります。
AGA専門のクリニック
AGA専門クリニックでは、多様な治療オプションを提供しています。一般的な薬物療法から、特定の成分を頭皮に注入するメソセラピー、毛髪の成長を促進するHARG療法、LEDライトを使用した治療、そして自分の髪を移植する自毛植毛などが受けられます。一人ひとりに合わせた、最適な治療を受けられると言えるでしょう。
また、予算に応じて、さまざまな治療方法から選択が可能です。AGA専門クリニックでは、個々のニーズや予算に合わせた柔軟な治療プランを提案しており、それが大きなメリットとなっています。
オンラインクリニック
通院が難しい、またはAGA治療を知られたくない場合は、オンラインクリニックが便利です。自宅や職場からでも、簡単に予約でき診察を受けられます。この方法なら、誰にも知られずに治療を進めることが可能です。
薄毛が気になったら、早めに医師に相談しましょう
AGA、つまり男性型脱毛症は、時間が経つにつれて徐々に進行します。早期に気づき、対処することで、見た目に変化が出る前に改善することが可能です。早期治療は、将来的に毛量が減るのを防ぐためにも重要になります。
AGAが進行すると、髪の毛が生え変わるサイクルが短くなり、毛根の寿命が縮まってしまいます。一度寿命を迎えた毛根からは新しい髪は生えてきません。だからこそ、毛根がまだ生きているうちに、ヘアサイクルを正常に保つことが大切なのです。
もし薄毛や抜け毛で悩んでいて、忙しくてなかなか治療に取りかかれない方は、AGAのオンライン診療を利用すると良いでしょう。自宅やオフィスからでも、診療の予約や受診ができるため、時間を有効に使えます。
まとめ
AGA、つまり男性型脱毛症は、ゆっくりと進行する病状です。そのため、発症に気付くのが遅れがちで、一度減った髪の毛を元に戻すには時間が必要になることがあります。ただし、脱毛が急激に進んでいるように感じる場合は、AGA以外の原因かもしれません。
何が原因であれ、自己診断せずに、専門医に相談し、適切な治療を受けることが大切です。早期発見、早期治療が鍵となります。早ければ早いほど、髪の回復も期待できます。もし抜け毛が増えたと感じたり、頭皮が目立つようになったら、迷わずAGA専門のクリニックへ相談に行きましょう。
SOKUYAKUオンラインクリニックは、オンライン診療でAGAの治療を提供しています。期待できる効果や可能性のある副作用について、丁寧な説明を提供しています。
受付時間:平日10:00~19:00
医師
山下 真理子
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早い段階でAGAに気づくためには、日頃から鏡を見るような習慣を持つことがまずは大切です。そして、抜け毛などの量を、だいたいでいいのでお風呂上がりにチェックしてみてください