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「発疹」ってなに?湿疹との違いや原因となる疾患を詳しく解説

監修医師 高藤 円香
更新日:2024年09月30日

更新日:2024年09月30日

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発疹と湿疹、どちらも皮膚に起きた状態を表現する言葉です。ただし、その違いを知っている方は少ないかもしれません。発疹とは、皮膚に現れる見た目の変化をまとめて指す言葉になります。また、湿疹は皮膚に起きた炎症のことです。

この記事では発疹と湿疹がどう違うのか、原因や疾患について詳しく解説します。皮膚トラブルを正しく理解するため、参考にしてください。

「発疹」ってなに?

発疹(ほっしん)は、赤いブツブツや水ぶくれなどがあり、見た目でわかる状態です。赤くてカサカサしていたり、盛り上がっていたりすることもあり、かゆみや痛みを伴います。

発疹とは

多くの人は「発疹」と聞くと、赤くてブツブツした湿疹(しっしん)を思い浮かべるかもしれませんが、湿疹は発疹の一種に過ぎません。発疹には湿疹以外にもいろいろな種類があります。

 

発疹とは、一つの病気の名前ではなく、皮膚に現れる目に見える変化のことです。そのため、発疹にはいろいろな形や色、大きさ、質感があります。また、発疹が出る原因も一つではありません。さまざまな病気や状態が関係しています。

発疹の種類

発疹は、色や形、大きさ、質感などが異なり、いくつかの種類があります。

 

斑(はん)

平らな発疹のことで、皮膚の色が変わります。

・血管の色が原因で赤くなる➝「紅斑(こうはん)」

・内出血で紫になる➝「紫斑(しはん)」

・メラニン色素の沈着で茶色になる➝「色素斑(しきそはん)」

・色素が欠けて白くなる➝「白斑(はくはん)」

 

丘疹(きゅうしん)・結節(けっせつ)・腫瘤(しゅりゅう)

皮膚にできる小さな盛り上がりです。

・直径10mm以下のもの➝「丘疹」

・10〜30mmのもの➝「結節」

・30mm以上のもの➝「腫瘤」

 

水疱(すいほう)・膿疱(のうほう)

盛り上がりの中に液体が入っているものです。直径が0.5cm以下の水疱は小水疱と呼ばれ、水疱の中に赤血球が含まれている場合、血疱(けっぽう)と呼ばれます。

透明な体液が入っているもの➝「水疱」

白や黄色の濁った液体が入っているもの➝「膿疱」

 

膨疹(ぼうしん)

皮膚の一部がむくんで、平らに盛り上がるもので、蕁麻疹のときに出ます。かゆみや赤みを伴い、通常24時間以内に消えます。

 

鱗屑(りんせつ

皮膚の表面から剥がれ落ちる小さな皮の破片のことです。例えば、頭のフケや、皮膚をひっかいたときに出る白い粉がこれに当たります。

 

痂皮(かひ)

水ぶくれや膿が破れた後にできる固まったものです。一般的には「かさぶた」と呼ばれます。

 

きれつ・あかぎれ

皮膚にできる細い裂け目のことです。乾燥や炎症が原因で、手の指や足の裏などにできやすいです。

 

潰瘍(かいよう)

皮膚の深い部分まで傷が広がった状態で、治っても跡が残ることがあります。

 

結節(けっせつ)

皮膚が盛り上がってできる塊のことです。これより大きいものは「腫瘤(しゅりゅう)」と呼ばれ、一般的には「こぶ」と言われます。

発疹が出る原因となる疾患

皮膚に発疹が出る原因はさまざまです。たとえば、虫に刺されたり(虫刺症)、薬品や金属、刺激性の物質に触れたり(接触皮膚炎)すると、その部分に発疹が現れることがあります。また、特定の食べ物に対するアレルギー反応として、皮膚に発疹が出ることもあります。

虫刺症

虫刺されは、蚊やハチ、ムカデなどの虫に刺されたり咬まれたりすることで起こる皮膚の炎症です。刺された場所が赤く腫れたり、かゆみや痛みが出たりします。虫の種類によっては、毒成分や唾液成分が皮膚に注入され、それがアレルギー反応を引き起こすこともあります。

 

特にハチに刺された場合には、注意が必要です。2回目以降刺された場合、強いアレルギー反応が起こることがあります。重症の場合は、意識を失ったり呼吸困難になるアナフィラキシーショックが現れることがあり、命に関わることもあります。

接触皮膚炎

接触皮膚炎(かぶれ)は、皮膚が特定の物質に触れることで炎症を起こす状態です。原因物質が触れた部分に症状が現れます。症状は、かゆみやヒリヒリとした痛み、赤みや腫れが一般的です。時には湿疹や水ぶくれ、皮が剥けることもあります。

 

植物、野菜、果物、香辛料、日用品、金属、化粧品、医薬品などが原因となる物質です。たとえば、ウルシやブタクサ、ニッケルを含むアクセサリー、特定の化粧品や湿布などが原因となることがあります。

アレルギー反応

食物アレルギーは、特定の食べ物を食べたり触れたりした後に、体が過剰に反応してしまう状態です。この反応を引き起こす物質は、主に食べ物に含まれるタンパク質になります。

 

子どもの場合、成長するにつれてアレルギーの原因となる食べ物を少しずつ食べられるようになることがほとんどです。これを「耐性獲得」と呼びます。しかし、大人になると耐性を獲得するのが難しく、アレルギーの原因となる食べ物を避け続けないといけません。

 

食物アレルギーの症状は、皮膚、呼吸器、消化器など体のさまざまな部分に現れます。皮膚には、かゆみやじんましん、むくみ、赤み、湿疹などが出ることが特徴です。

感染症

発疹は、さまざまな感染症や免疫の乱れによって引き起こされることがあります。たとえば、突発性発疹、手足口病、はしか、風疹、溶連菌感染症、ヘルペスなどが原因です。また、風邪やインフルエンザなどのウイルスや細菌の感染によっても発疹が出ることがあります。

 

幼い子どもでは、突発性発疹、りんご病、水痘などの感染症の一環として発疹が現れることがよくあります。

発疹と湿疹の違い

発疹という言葉は、特定の病気を指すものではなく、皮膚に目に見える変化が現れている状態を表すものです。それに対して、湿疹は、皮膚の表層に発生する炎症の一種で、皮膚炎とも言われます。

 

発疹は皮膚に現れる目に見える変化全般を指し、湿疹はその中で炎症を伴うものを指します。湿疹は発疹の中の一つの症状で、発疹はより広い意味で皮膚の変化を示す言葉です。

発疹の対策方法

湿疹やかぶれを予防するためには、肌のバリア機能を保ち、原因となる物質を避けることが重要です。原因が特定できる場合、たとえば、特定の薬品や金属にアレルギーがある場合は、できるかぎり避けましょう。しかし、すべての原因物質を完全に排除することは難しいかもしれません。

 

例えば、「主婦湿疹」の場合、洗剤やせっけんを完全に使わないのは現実的ではありません。この場合、洗剤を薄めて使ったり、水仕事をする際にはゴム手袋を使用したり、さらに敏感肌の人はゴム手袋の下に木綿の手袋を着用するなどの工夫が必要です。

 

睡眠不足や不規則な生活、偏った食生活やストレスも皮膚に悪影響を与えることがあります。皮膚と内臓は関係しているため、体全体の健康を保つことが重要です。また、皮膚の乾燥もトラブルの原因となります。洗顔後や入浴後に乾燥する場合は、市販の保湿剤を使って保湿を心がけましょう。

 

あせもができやすい場合は、涼しい環境を保ち、汗をかかないように工夫してください。衣服や室温を調整することが効果的です。

症状が改善しない場合は早めに医師に相談しましょう

原因が明確でないとストレスを感じるかもしれません。ただし、原因が不明でも症状を和らげる方法はあります。症状が強い、長引く、または繰り返す場合は、早めに皮膚科を受診して医師に相談することをお勧めします。

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まとめ

この記事では、発疹と湿疹の違いについて説明しました。湿疹は皮膚の炎症のことで、発疹は皮膚に起こる見た目の変化全般のことです。そのため、湿疹は発疹のなかの一つの症状といえるでしょう。

 

発疹の対策としては、原因となる物質が分かる場合は避けるようにし、普段より皮膚のケアを心掛けてください。生活習慣を見直すことも大切です。原因が分からない場合や症状が長引く場合、悪化する場合には自己判断せず、専門医に相談しましょう。

コメント 見た目にはわかりにくい症状でも、ご自身からするとはっきりと違うということはよくあるかと思います。普段の状態を写真に撮っていただき、比較させてもらえることは原因をみつけるのに有効です。また、ご自身では問題とはならないと思ったものであっても使い方やタイミングなどによっては、原因になっていることもありますので、普段使用しているということも含めてまずは教えてくださると助かります。

監修医コメント

医師
高藤 円香

見た目にはわかりにくい症状でも、ご自身からするとはっきりと違うということはよくあるかと思います。普段の状態を写真に撮っていただき、比較させてもらえることは原因をみつけるのに有効です。また、ご自身では問題とはならないと思ったものであっても使い方やタイミングなどによっては、原因になっていることもありますので、普段使用しているということも含めてまずは教えてくださると助かります。

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経歴は防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科 保有免許・資格は皮膚科専門医
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