汗で肌がかゆくなる!原因や対処方法について詳しく解説
更新日:2024年07月28日
肌のかゆみを引き起こす要因はさまざまで、人によって体質や周囲の環境が異なります。この記事では、汗によってかゆみが起こる原因、それを防ぐための対処方法について詳しく解説します。快適な日々を送るために、ぜひ参考にしてください。
汗によるかゆみの原因
汗がかゆみを引き起こす原因をみていきましょう。
常在菌
皮膚には常在菌が生息しており、これらの菌は汗を栄養源として増殖します。その中には、増えることでかゆみを引き起こす物質を放出する菌があります。
汗の成分
汗を拭き取らずに放置すると、水分は蒸発しますが汗自体が含む塩分やアンモニアなどの成分は皮膚に残ります。これが分解されると、皮膚の表面がアルカリ性に傾き皮膚のバリア機能が弱まります。その結果、外部からの刺激に対して敏感になり、炎症やかゆみが起こりやすくなるのです。
アレルギー
汗をかくことで、金属製のアクセサリーから微量の金属が溶け出し、体内のたんぱく質と結合してアレルギー反応を引き起こすことがあります。ニッケル、コバルト、クロムなどは特にアレルギーを起こしやすいため注意してください。一方で、金、銀、プラチナ、チタンなどは比較的安全とされています。
赤みやかゆみの範囲が広いときは「バリア機能の低下」
肌のバリア機能が低下している場合、汗の成分が刺激となってかゆみを引き起こすことがあります。バリア機能は肌の最も外側にある角層によって保たれており、この層が健康な状態であれば外部からの刺激を防ぎます。しかし、角層が何らかの理由で弱まった場合、汗やホコリなどが肌に侵入しやすくなるため、かゆみや赤みを引き起こす原因となるのです。
バリア機能の低下は、加齢や肌のターンオーバーの乱れ、乾燥、紫外線によるダメージなどによって引き起こされることがあります。また、熱いお湯での入浴や強い洗顔もバリア機能を低下させる要因です。
赤いぶつぶつができてかゆいときは「あせも」
「あせも」とは、暑い日にたくさん汗をかいたときに起こる肌のトラブルです。汗腺が詰まってしまい、肌の内部に汗が溜まると、小さな水ぶくれや赤い発疹ができてしまいます。
肌の表面近くにできる小さな透明または白い水ぶくれは「水晶様汗疹」と呼ばれ、肌のより深い部分で起こる赤いぶつぶつは「紅色汗疹」と呼ばれます。紅色汗疹は見た目にも赤く、かゆみや刺激感が強いことが特徴です。
汗によるかゆみの予防方法
汗によるかゆみを防ぐには、以下のことに注意しましょう。
汗による刺激を避ける
暑い季節には、汗をかくことが避けられません。しかし、その汗が肌に長時間留まると、かゆみの原因になることがあります。汗をすばやく拭き取るなどして、肌に刺激を与えないようにすることが大切です。
汗をかかないように冷房を強くしたり、運動を避けたりするのは、あまりおすすめできません。汗には身体に良い効果もあります。大切なのは、汗をかいた後のケアをしっかりと行うことです。
さっぱりとしたジェルやローションを使って、肌を清潔に保ちベタつきを防ぎましょう。特に、首周りや腕の裏など、汗が溜まりやすい部分はあせもの原因になりやすいため注意してください。保湿剤をしっかりと塗って、肌のバリア機能を高めることがおすすめです。
通気性の良い衣類を選ぶ
汗を吸収しやすく、肌にまとわりつかない素材の衣類を選ぶことが大切です。綿(コットン)100%やリネンは、汗をよく吸い取り、素早く乾くため肌に優しく、通気性も良いので、肌の不快感を軽減できます。
汗を効果的に外に逃がすドライ機能のある肌着も、汗をかきやすい時にはおすすめです。色は、白やベージュなどの明るい色をえらびましょう。また、体に密着する服よりも、ゆったりとしたデザインの服を選ぶことで、空気の循環を促し快適性を高めます。
寝具も、通気性の良い素材を選ぶことが重要です。寝ている間にかく汗を考慮して、シーツや枕カバーは定期的に洗濯しましょう。
汗をかいたらすぐ拭き取る
汗をかいた際には、早めに拭き取ることが肌のバリア機能を保つ上で効果的です。使ったハンカチやタオルは、清潔さを維持するために、こまめに洗濯しましょう。
帰宅後はシャワーを浴びる
汗ばんだら、まずは湿ったタオルでサッと拭くか、さっぱりとシャワーを浴びるのがおすすめです。石鹸での洗浄は1日に1回に留め、肌に優しいケアを心がけてください。石鹸を使う際は、泡立ちが良いものを選び肌を傷めないようにやさしく洗いましょう。
体を拭く時は、肌をこすらずにタオルで軽くたたくようにして水分を取り除きます。柔らかくて吸水性の高いタオルを使うと、肌への刺激が少なくて済みます。
汗をかいたら着替える
汗ばんだ衣類はすぐに取り替えることが大切です。汗をたくさん吸い込んだ服は、清潔なものに早めに着替えることで、細菌の繁殖を防ぎます。特に、赤ちゃんや小さなお子さんは、おむつが湿気を帯びやすいため、通常よりもこまめにおむつ交換を心がけましょう。
汗によるかゆみを抑える方法
肌のかゆみに対処する際は、ただ症状を抑えるだけでなく、肌の自然な防御機能を強化することが重要です。かゆみを放置すると、肌の状態がさらに悪化し繰り返しトラブルを引き起こす可能性があります。
かゆくても患部を掻かない
かゆみを感じたときに掻くのは一時的な解決になりますが、実は肌にとって良くありません。掻く行為は肌を傷つけ、炎症を悪化させる可能性があります。掻くことで肌がヒスタミンという物質を放出し、これがかゆみを強くする原因となります。
掻くことでかゆみが増す「かゆみの悪循環」に陥ることがあるため、かゆみを感じても、幹部を掻くのは避けてください。
かゆみ止めを塗布する
赤みやかゆみがある場合、そのままにしておくと症状が悪化することがあります。そんな時、市販の薬を使って症状を和らげられます。かゆみを感じたら、抗炎症成分を含んだクリームやステロイド入りの軟膏を使って、早めに対策をしましょう。これらはかゆみを抑えるだけでなく、炎症を早く治める効果も期待できます。
どの薬を選べばいいのか迷ったら、薬局やドラッグストアで相談してください。市販薬を使用する際は、使用方法や副作用についても注意が必要です。特にステロイド入りの軟膏は、長期間の使用や大量使用による副作用のリスクがあるため、適切な使用をしましょう。
患部を冷やす
かゆみを感じた時には、肌の温度を下げることで神経を鎮め、不快感を軽減できます。冷たいおしぼりやタオルで包んだ保冷剤をかゆい箇所に当てると、かゆみが和らぐ効果が期待できるため試してみましょう。冷たいシャワーを浴びるのもおすすめです。
かゆいところを冷やすことは、肌の温度を下げて神経の活動を穏やかにし、かゆみを抑える手助けとなります。
辛い食べ物・アルコール・熱い湯船は避ける
かゆみを抑えるためには、体を温めすぎないことが大切です。辛いものやアルコールは体温を上げるので、特に汗をかきやすい時期は控えめにしましょう。
また、熱いお風呂も同様に身体を温めてしまいます。シャワーでさっぱりするか、ぬるま湯でゆっくり浸かるのがおすすめです。
皮膚科に行く
もし強いかゆみがある場合や症状の原因が不明で改善しない場合は、皮膚科に受診することが大切です。とくに症状が手のひら二枚分以上に及ぶ広い範囲にわたる場合には、専門的な診断を受けてください。
顔に症状が現れた場合、範囲が小さくても治りにくいことがあります。症状がなかなか治らない時は、自己判断せず早めに医師の診察を受けましょう。
忙しくて通院する時間がない方にはオンライン診療もおすすめ
皮膚にかゆみがあり医療機関を受診したくても、忙しくて通院する時間がないこともあるでしょう。そんな場合には、オンライン診療もおすすめです。
オンライン診療とは
オンライン診療は、インターネット接続が可能なデバイスを通じて、自宅からでも医師の診察を受けられます。スマートフォンやタブレット、パソコンを使ってビデオ通話で医師と直接対話し、診察の予約、問診、診断、処方箋の発行、支払いまでをオンラインで行うことができる医療サービスです。移動の手間を省き、より手軽に医療のサポートを受けることが可能になります。
SOKUYAKUとは
「SOKUYAKU」とは、オンラインでの診療や処方箋に基づく薬の配送を手助けするサービスです。アプリを使用することで、予約から薬の受け取りまで簡単かつ手早く完了します。
専門のスタッフのサポートもあり、利用者は自分の好きなクリニックや薬局をお気に入り登録もできます。お薬手帳をデジタルで管理することも可能です。日本全国どこにいても(※一部離島を除く)、薬を当日または翌日に受け取れるのも、大きな魅力です。
まとめ
汗による肌のかゆみは、誰もが経験するかもしれない不快な症状です。かゆみは汗による刺激、摩擦、そして細菌の増加などが要因になって引き起こされます。適切な対処を行うことで、快適な生活を取り戻せるかもしれません。
適切な入浴またはシャワー、保湿ケア、衣服選びなどがかゆみを防ぐ鍵となります。もし、かゆみが持続したり、症状がひどくなったりする場合は、早めに皮膚科を受診してください。この記事が、汗によるかゆみに悩んでいる方の参考に参考になれば幸いです。
医師
高藤 円香
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
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