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10代でもAGA治療はできるの?未成年のAGA治療について詳しく解説

監修医師 山下 真理子
更新日:2024年05月30日

更新日:2024年05月30日

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若い方でも薄毛でお困りの方はいらっしゃると思います。
早い方では10代でAGAになる方もいらっしゃいます。
AGAの進行を防止するお薬には、デュタステリドやフィナステリドといった5αリダクターゼの働きを妨げるものがありますが、こうしたAGA治療薬は未成年の方でも使用できるのでしょうか?

また、AGA治療薬を使用できないという理由で未成年の方は診療していないAGA専門クリニックが多数ありますが、他に治療法の選択肢はないのでしょうか?
このページでは、若年性脱毛症の治療方法や未成年の方がAGA治療薬を使用する際の安全面について説明いたします。

10代の薄毛は珍しくない!若年性脱毛症とは

AGAや脱毛症など、薄毛でお困りの方は成人男性が多いと考えがちだと思います。しかし、10代の方でも薄毛でお困りの方はいらっしゃいます。未成年の方でも、前頭部のM字部分や頭頂部からAGAが進んでいくことがあり、これを若年性脱毛症と呼びます。

若年性脱毛症の原因

男性ホルモンの影響

男性ホルモンのテストステロンは性機能と大きく関係しています。テストステロンは大切な役割を担っていますが、頭皮に存在する5αリダクターゼⅡ型と結びつくことで、ジヒドロテストステロンという薄毛を引き起こすホルモンに変わります。

 

ジヒドロテストステロンは、毛乳頭細胞のアンドロゲンレセプターと結合し、脱毛因子である「TGF-β」が産生されることで、AGAの発症に至ります。

 

なお、薄毛になっていない方もいらっしゃることから分かるように、テストステロンが存在すると必ず薄毛になるということではありません。

遺伝が原因で5αリダクターゼが活発に反応し、アンドロゲンレセプターの感受性も高いと、より一層若年性脱毛症が起こりやすいと言われています。

遺伝

若年性脱毛症を引き起こすAGAは、遺伝することが分かっています。両親からAGAの危険性が上昇する遺伝子が遺伝しますが、母親からの遺伝の方がより大きな影響力を持ちます。したがって、母方の家系に薄毛の方がいる場合、ご自身も薄毛になる遺伝子を持っている恐れがあります。

 

なお、遺伝性があると必ず若年性脱毛症を発症するということではありません。AGAに関係する5αリダクターゼが活発に反応し、ジヒドロテストステロンを吸収するアンドロゲンレセプターの感受性が遺伝するのみですので、他の方よりもAGAを発症しやすいという程度です。

 

薄毛は遺伝するって本当?AGAが発症する原因や対策方法を解説

フケや皮脂の過剰分泌による皮膚炎

薄毛、とりわけAGAの場合は、皮脂が分泌され過ぎていることがほとんどです。なぜなら、AGAは悪玉男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)によって起こり、DHTは皮脂を多量に分泌させることで毛穴が詰まらせてしまうためです。頭皮の皮脂分泌量が過剰になっており、薄毛が進んでいると感じる方は、AGAの疑いがあります。

 

また、脂漏性皮膚炎を発症している方も、薄毛が進んでしまうことがあります。皮膚炎が起こっているため、髪の毛の適切な成長サイクルにとって良い環境ではないためです。

食生活の乱れ

ファストフードには多量の塩分が入っており、カロリーも高いです。しかし、若い方には安価で気軽に食べられるファストフードをよく食べる方が多くいらっしゃいます。

 

そのため、栄養バランスが乱れた食生活となり、AGAを引き起こす悪玉男性ホルモンである「ジヒドロテストステロン」が増えやすくなります。また、絶食による激しいダイエットによって若年性脱毛症が起こることも少なくありません。

ストレスや睡眠不足による血行不良

若年性脱毛症が起こりやすい方の傾向として、血行不良になっていることがよく確認されます。血行不良になると毛母細胞に髪の毛を生成する栄養素が届かなくなり、栄養が足りなくなります。しっかりとして太い髪の毛が作られなくなるため、徐々に薄毛が気になるようになると思います。特に、ストレスや睡眠不足、喫煙、運動不足などによって血行不良が起こるため、注意が必要です。

若年性脱毛症を対策・改善する方法

生活習慣を見直す

家事や子育て、お仕事などで忙しく寝不足がちになっていたり、ストレスが長期にわたって溜まっている状態になったりすると、若年性脱毛症が起こりやすくなります。また、家族関係の悪化やパワハラなどによって、家庭内や職場でもストレスを感じ、髪の健康状態が悪化する恐れがあります。

 

なるべく睡眠時間を確保しつつ、良質な睡眠を取りましょう。また、就寝前は部屋を少し暗くしてリラックスして過ごし、就寝する3時間前までに飲食を終えるようにしましょう。さらに、入浴も就寝の2時間前までに終わらせ、就寝前は神経が活動的にならないように注意しましょう。

 

また、ストレス発散のために、友人との時間や趣味に興じる時間を作ることもお勧めです。ストレス量をなるべく少なくし、適宜発散できるようにしましょう。

頭皮を衛生的に保つ

頭皮を清潔な状態に維持できない方も、若年性脱毛症になりやすいとされています。しっかり頭皮を洗えていなかったり、洗浄力が低いシャンプーを使っていたりすると、皮脂汚れを取り切れず雑菌の増殖を招き、炎症によって脱毛が起こります。

 

また、よく洗おうとして強い洗浄力があるシャンプーを使用する方も、若年性脱毛症になりやすいとされています。過剰に洗浄すると、頭皮の潤いを守り外部刺激から頭皮を保護する皮脂も一緒に洗い流してしまいます。皮脂は薄毛を引き起こすものと考えられがちですが、実は頭皮を保護しているのです。

 

一方で、皮脂が多すぎると雑菌が増殖しやすいため、若年性脱毛症になりやすくなります。そのため、若年性脱毛症を防ぐには、適度な洗浄力を持つシャンプーで適切に頭皮を洗うことが必要です。

 

シャンプーは、石けん系シャンプーや高級アルコールシャンプー、アミノ酸系シャンプーなどが発売されています。高級アルコールシャンプーは高い洗浄力を持ち、アミノ酸系シャンプーや石けん系シャンプーはそこまで洗浄力は高くありません。

 

どんなシャンプーがご自身に適しているか、それぞれ一度使って確かめてみることをお勧めします。また、適切な方法で髪の毛を洗うようにしましょう。髪の毛を洗う際は、熱湯を使用したり強く洗いすぎたりすることは控えてください。熱湯を使うと皮脂が流されてしまい、ご自身に適したシャンプーを使用しても、頭皮が乾燥する恐れがあります。また、シャンプーの成分の洗い残しがないように、きちんと洗い流すようにしてください。

AGA治療

AGA治療薬は何歳から使っていいの?

若年性脱毛症を発症した場合は、どのように治療を進めるのでしょうか?

また、未成年の方がAGA治療薬を使うのは問題ないのでしょうか?

以下では、それぞれの疑問に対する答えを分かりやすく説明いたします。

フィナステリドについて

1960年代後半に、5αリダクターゼがテストステロンをより強いDHT(ジヒドロテストステロン)に変えるということが分かりました。フィナステリドは、この5αリダクターゼの働きを防ぐために有効な成分です。

 

元々フィナステリドは前立腺肥大症の治療に用いられていましたが、1日5mgもの量を使う必要がありました。1992年には、フィナステリドを長期使用しても問題ないことが認められ、FDAより前立腺肥大症の治療薬として承認されました。

 

次に、フィナステリドはAGAの治療薬として臨床試験が行われるようになりました。1997年に安全性が認められ、FDAよりAGA治療薬として承認されました。AGA治療薬としては1日1mgの低用量で承認されています。

 

その後も様々な研究が行われていますが、海外では18歳以上の方に臨床試験を実施しています。また、フィナステリドはAGA治療薬として世界の60を超える国々で使用されています(2011年時点)。

 

1992年にFDAより認可が下りた時に18歳だった方で、その後約30年にわたってフィナステリドを使っている方もいらっしゃると言われています。

 

現在は45歳くらいになっているでしょうが、大きな異常は報告されていないため、フィナステリドを長期的に使用しても安全面に懸念はないと言っても差し支えないと思います。したがって、フィナステリドは18歳以上の方が使用すれば大きな問題はないと言えます。

 

AGA治療はフィナステリドだけで十分?フィナステリドのみで得られる効果について解説

デュタステリドについて

5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型が存在しますが、フィナステリドが作用するのはⅡ型だけであり、DHTの抑制効果はそこまで高くありません。

Ⅰ型とⅡ型のどちらにも作用できれば、より効果的にDHTを抑制することが可能です。

 

デュタステリドはどちらの5αリダクターゼにも作用するため、フィナステリドよりもAGAに対して優れた治療効果を発揮します。デュタステリドの開発は1994年からスタートし、フィナステリドと同じく、2001年にはFDAより前立腺肥大症の治療薬として認可されています。高い治療効果を持つため、世界の100を超える国々で使用されています。

 

日本においても、前立腺肥大症の治療薬としてはあまり効果が見込めないフィナステリドよりも先に認可を得ています。また、2009年には韓国でも認可を得て、2015年には日本でAGA治療薬としても認可を得ています。

 

フィナステリドと同じく18歳以上の方に様々な臨床試験が実施されていますが、日本ではザガーロとして20歳以上の方に限り認可を得ています。デュタステリドはフィナステリドとは異なり、AGA治療薬としてはまだ承認されて間もないため、若い方が使用してどのような影響があるかを考えるには、もう少し時間が必要だと思います。

 

現時点では18歳以上の方が使用できるとされていますが、将来的にさらにデータが溜まっていくと、条件が変わる可能性もあります。

DHTとは

5αリダクターゼ阻害薬はDHT(ジヒドロテストステロン)の産生を妨げることで、AGAの進行防止が期待できます。以下では、DHTの詳細と、私たちの身体にどのような働きをするのかを説明いたします。

 

男性ホルモンには様々なタイプがあり、その一種であるDHTはテストステロンという男性ホルモンから産生されるものです。DHTは高い効果を持ち、テストステロンを強化したものとイメージして頂ければと思います。

 

DHTは、胎児がまだ十分にテストステロンを分泌できない時期にテストステロンから産生され、胎児の全身に性別に関する情報を伝達する物質だと言われており、DHTの働きによって男性胎児の生殖器系が成長するとされています。

 

また、DHTは、テストステロンの分泌が活発になると影響力が低下するとされており、その理由は、DHTの働きはテストステロンと大きな違いがないためだと言われています。DHTの働きをテストステロンが代替するようなものです。

 

男性生殖器の成長は思春期まで続くとされていますが、基本的には18歳には成長が終わると言われています。したがって、臨床試験は18歳以上を対象に実施されるケースが大半です。

 

副作用のリスクを考慮すると若すぎる方に試験を行うことは倫理的な観点からも難しいと思われます。

なぜ未成年はAGA治療薬を使用してはいけないのか

20歳以下の方はAGAの診察対象外としているクリニックも少なくありません。

 

この理由は、18歳以上であれば5αリダクターゼ阻害薬を使っても大きな問題はないとされていますが、日本ではプロペシアの臨床試験を20歳以上の方のみに実施しているため、診察についても20歳という年齢が基準になっているからだと思われます。

 

海外で行われた18歳以上の方の試験で大きな問題がないと判明してから、日本でも同じ臨床試験を実施しましたが、その際の基準年齢は20歳以上とされていたため、日本国内では20歳以上のみが承認されることとなりました。

 

ザガーロの試験もプロペシアと同じく20歳以上となっています。日本国内の製造販売の基準に合わせると、5αリダクターゼ阻害薬は20歳以上が対象となります。

未成年のAGA治療方法

10代という若い世代の方もAGAになる恐れもあります。

しかし、ザガーロやプロペシアの未成年への使用は厚生労働省より承認されていないため、心配になる方もいらっしゃると思います。

そのため、こうしたお薬を使わない治療法について以下で解説いたします。

ミノキシジル

ミノキシジルはAGA治療においてよく使用されるお薬で、高い発毛効果が期待できます。

しかし、5αリダクターゼ阻害薬よりもAGAの進行を防ぐ効果は非常に低いとされており、時間が経つにつれてAGAは進んでいくと考えられています。

メソセラピー

AGAメソセラピーという特別な治療法も存在します。

これは、頭皮にお薬を直接投与するものですが、必要以上に全身にお薬の影響が及ぶことはなく、副作用が起こらずに最大限の効果が期待できる最新の治療法です。そのため、AGAメソセラピーでは副作用の心配なく5αリダクターゼ阻害薬を使うことも可能です。

 

昨今は、安全面に問題ないことが注目され、若年性AGAや女性のFAGAの治療でも行われることが多くなっています。はじめに専門医に相談し、ご自身に合った治療を検討してもらうことをお勧めします。

 

「メソセラピー」ってどんなAGA治療方法??特徴や効果、副作用について解説

AGAは早期治療が肝心!薄毛が気になったら早めに医師に相談しましょう

AGAの症状は時間が経つにつれて進んでいくため、放っておくと益々重くなります。しかし、発症初期なら早期治療によって早期回復が見込めます。また、AGAが進行してから治療を受けると、治療前後の髪の毛の量が変わることを心配される方もいらっしゃいます。そのため、こうした事態を防ぐためにも、できるだけ早めに治療を受けることをお勧めします。

 

抜け毛や薄毛に困っていても、多忙でなかなか治療を受けられないという方は、AGAのオンライン診療を受けることを推奨します。職場やご自宅から予約・診察ができますので、お気軽にご利用ください。

まとめ

10代で薄毛になった方はAGAが疑われます。AGAは進行性の脱毛症ですので、発症の恐れがあれば、なるべく早めに治療を受けることが重要です。

また、AGAの他にも、睡眠不足や生活習慣の乱れ、大きなストレス、栄養バランスが乱れた食生活、不適切なヘアケアなど、様々な原因により抜け毛が起こりやすくなります。

薄毛や抜け毛の原因は複数あり、勝手な判断で対策しようとすると、なかなか抜け毛が少なくならないだけでなく、薄毛がさらに進んでしまう恐れがあります。

若年性脱毛症の疑いがあれば、はじめに原因を突き止めることが必要だと覚えておいてください。

 

SOKUYAKUオンラインクリニックでは、AGA治療のオンライン診療サービスに対応しており、副作用や効果についてのご説明も行っています。

 

受付時間:平日10:00~19:00

コメント AGA治療は、できるだけ早期に行なうことでより効果的に治療をすることができますが、自分の子供が、将来AGAで悩んだりしなくてもいいように、親ができることもあります。それは、生活習慣をととのえておくことです。自立して親元を離れたら、どうしても生活リズムは乱れてしまいがちですが、幼少期から、できるだけ生活習慣の整った生活を続けていると、「生活を見直そう」と思ったときに、苦労することなくできると言われています。また好き嫌いなくなんでも食べる子供に育てておくほうが、将来も栄養バランスを取りやすいことでしょう。

監修医コメント

医師
山下 真理子

AGA治療は、できるだけ早期に行なうことでより効果的に治療をすることができますが、自分の子供が、将来AGAで悩んだりしなくてもいいように、親ができることもあります。それは、生活習慣をととのえておくことです。自立して親元を離れたら、どうしても生活リズムは乱れてしまいがちですが、幼少期から、できるだけ生活習慣の整った生活を続けていると、「生活を見直そう」と思ったときに、苦労することなくできると言われています。また好き嫌いなくなんでも食べる子供に育てておくほうが、将来も栄養バランスを取りやすいことでしょう。

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監修医師 山下 真理子
くみこクリニック京都駅前院所属 専門領域分類は美容皮膚科。 京都府立医科大学医学部医学科 卒業 / のべ10年以上の美容皮膚科勤務を経て、現在はくみこクリニック北山院に勤務している。コロナ以前は、大阪医専にて、医療従事者の教育にも関わった経験がある。
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