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低用量ピルを服用していても妊娠する可能性はある?避妊失敗の原因について解説

監修医師 馬場 敦志
更新日:2024年05月23日

更新日:2024年05月23日

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低用量ピルは避妊目的で処方されることもあり、飲んでいる間は妊娠しないと考えている方もいらっしゃると思います。このページでは、低用量ピル服用中の妊娠確率や避妊失敗の要因について解説し、低用量ピルを飲んでいても妊娠することがあるということを、分かりやすく説明します。

低用量ピルを服用していても妊娠する可能性はある

低用量ピルを適切に服用している間の妊娠確率は0.3%と言われており、高い避妊効果が期待できます。しかし、用法・用量などを守って適切に服用しない場合、飲み忘れを含め、間違った服用方法になっていると、妊娠確率は8%まで上がります。したがって、低用量ピルを飲んだら絶対に妊娠を防げるわけではありません。

 

参考:日本産科婦人科学会編|低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)

低用量ピルと妊娠についてよくある誤解

低用量ピルの服用を検討している方の中には、いくつかの点を誤解している方もいらっしゃるため、典型的な誤解について説明します。

低用量ピルの服用=妊娠しない

低用量ピルを飲むことで脳からのホルモン分泌量が減り、排卵を抑制することで避妊効果が期待できます。コンドームよりも高い避妊率が期待できますが、服用を中止すると排卵が再開されるため、妊娠できるようになります。また、低用量ピルを飲むと妊娠しづらくなるというのは誤解で、長期的に飲んでも妊娠する確率は変わらないとされています。

 

かえって、体内のホルモンバランスが安定するため、ホルモンバランスが崩れることで生じる生理痛や生理不順の改善、生理周期の調整ができます。また、低用量ピルを飲むことで子宮体がんや卵巣がんを発症しづらくなるとも言われています。

低用量ピルの服用で妊娠に気づかない

「低用量ピルを服用していれば妊娠しない」と過信していると、妊娠を自覚できない可能性があります。低用量ピルは高い避妊効果を有しますが、100%避妊できるものではありません。いつも出血する期間なのに出血がないなどの異変があればお気を付けください。

 

また、妊娠初期に少量の性器出血が起こることもあり、低用量ピル服用中の出血と区別がつかないこともあります。普段よりも出血する期間が長かったり吐き気や腹痛を伴う場合など異変があれば妊娠検査薬を試してみたり、産婦人科の受診をおすすめします。なお、低用量ピルの服用によって生理が来なくなる方も稀にいらっしゃるため、こうしたケースは専門医へご相談ください。

低用量ピルを飲んでいても妊娠してしまう原因

低用量ピルの飲み忘れ

低用量ピルを飲んでいても妊娠した場合は、低用量ピルの飲み忘れが原因の1つとして想定されます。

 

ピルは1シートを毎日決まった時間に服用することが重要です。1日飲み忘れたくらいなら著しく避妊効果が低下することはありませんが、2日以上飲み忘れると避妊効果が次第に低下します。この状態で、飲み忘れた日から7日間続けてピルを飲むまでに膣内射精をしたり、避妊できなかった場合は、妊娠する可能性が上がります。

 

また、飲み忘れたタイミングや日数によってはアフターピルを飲まなければならないこともありますので、2日以上飲み忘れた際は、一度ピルを処方してもらった医療機関へご相談ください。

下痢や嘔吐

ピルを服用し始めた頃は、下痢や吐き気などの副作用が生じる可能性があります。こうした症状が治まらない状態でピルを飲んでも、成分がきちんと吸収されないため、避妊効果が低下する恐れがあります。

 

ピルを飲んで2時間以上経ってからそうした副作用が生じる場合は、次の日の同じ時間に1錠服用してください。なお、吐き気・嘔吐がなかなか解消しない場合は、我慢せずにピルを処方してもらった医療機関へご相談ください。

飲み合わせの悪い薬やサプリメントを服用した場合

低用量ピルの他にお薬も飲んでいる場合は、そのお薬の影響でピルの効果が低下する場合があります。特に、抗てんかん薬や抗生物質などの一部のお薬は、一緒に飲まないようにしてください。その他、「セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)」という精神安定作用があるお薬も飲まないようにしてください。「セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)」は、ストレス軽減のサプリメントの他、ダイエット飲料にも入っていることがありますので、お気を付けください。

ピルの効果が出る前の性交渉

通常、排卵が終了した時期によってピルの休薬期間を決めます。したがって、処方された21錠のピルを毎日飲むことで、休薬期間の前後に性行為をしても妊娠する確率は低下するとされています。なお、1週目の始まりや3週目の終わりに飲み忘れてしまい、そのまま性行為をすると、妊娠する確率が上昇します。

ピルを服用していても妊娠が疑われる症状

予定日から1週間以上経っても生理が来ない場合

予定日から1週間過ぎても消退出血が来ない場合はお気を付けください。単に出血が遅れているというケースもありますが、妊娠している可能性も考えられます。

原因不明の不正出血がある場合

妊娠すると、生理とほとんど同じ時期に出血する場合があります。このような出血を着床出血といい、妊娠の可能性が考えられます。また、不正出血の場合は、妊娠ではない疾患によって起こっている可能性もあります。

 

ピルを飲んでいる時期に妊娠の可能性があれば、妊娠検査薬を使うことも可能です。妊娠検査薬は、性行為から3週間後以降に使うことで妊娠しているかどうかが分かります。

ピル服用中に妊娠した場合の対処法

休薬期間中に出血しない、不正出血が起こっているなどの気になる症状があれば、専門医へ相談する前にご自身で妊娠検査薬を用いて調べてみることもお勧めです。妊娠検査薬は、ピルの服用中でも使えます。心当たりがある性行為から3週間後以降に使うことで、妊娠しているかどうかが分かります。

妊娠検査薬の結果が陽性のとき

妊娠検査薬は極めて正確性が高いものですが、間違いなく妊娠しているのか、もしくは妊娠して何週経っているのかをチェックするために、婦人科に相談することが重要です。出産と中絶いずれの選択をする場合でも、妊娠週数を正しく把握する必要があります。

妊娠検査薬の結果が陰性のとき

ピルを服用している間は出血しない可能性があります。妊娠検査薬を使っても陰性となり、出血が2ヶ月以上起こらない場合は、専門医へご相談ください。

不安な場合は医師に相談を

ピルを飲んでいる間の妊娠確率は0.3%と非常に低いですが、絶対に妊娠を防げるものではありません。特に、嘔吐や下痢といった症状がある、ピルの効果に影響するお薬を一緒に飲んでいるといった場合など、ピルの効果がきちんと発揮できないと妊娠する可能性があります。生理が来ないなど妊娠が疑われる場合は、専門医へご相談ください。

 

医師に相談する時間を確保できないという方は、オンライン診療をご活用ください。アプリで医師の診察を受けることが可能なため、ご多忙で通院が困難な方でも、時間や場所を問わず都合の良い時に受診できます。また、通院費用や時間を減らせるという利点もあります。

まとめ

このページではピルを飲んでいる間の妊娠の可能性について説明しました。

ピルを適切に服用できないと、ピルを飲んでいても妊娠することがあります。ピルは適切に服用することで十分な避妊効果に繋がります。ピルを飲んでいる間に妊娠の疑いがある方は、一度専門医へご相談ください。

SOKUYAKUオンラインクリニックでは、オンラインでのピルの処方に対応しています。ピルの飲み方や効果など、分からないことがあれば遠慮なくご相談ください。

 

受付時間:平日10:00~19:00

コメント メリット、デメリットは以下のようになります。
低用量ピル:女性主体の避妊が可能、避妊効果が高い(正しい使用法でほぼ100%の避妊率)、飲み忘れのリスクあり、性感染症の予防効果はなし、処方には医師の診察が必要
コンドーム:男性主体の避妊法(女性目線だと男性にゆだねてしまう)、避妊効果が比較的低い(約60-95%程度の避妊率)、正しく装着されていない・性交時の破損などのリスクあり、性感染症の予防効果がある、手軽に手に入る(コンビニ・ドラッグストアなど)

監修医コメント

医師
馬場 敦志

メリット、デメリットは以下のようになります。
低用量ピル:女性主体の避妊が可能、避妊効果が高い(正しい使用法でほぼ100%の避妊率)、飲み忘れのリスクあり、性感染症の予防効果はなし、処方には医師の診察が必要
コンドーム:男性主体の避妊法(女性目線だと男性にゆだねてしまう)、避妊効果が比較的低い(約60-95%程度の避妊率)、正しく装着されていない・性交時の破損などのリスクあり、性感染症の予防効果がある、手軽に手に入る(コンビニ・ドラッグストアなど)

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監修医師 馬場 敦志
宮の沢スマイルレディースクリニック 専門領域分類は、産婦人科 経歴として、筑波大学医学専門学類卒業後、現在は宮の沢スマイルレディースクリニック(札幌市)院長として勤務 保有免許・資格は、産婦人科専門医
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