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低用量ピルの服用でうつ病になる可能性が高くなる?理由や対処方法を解説

監修医師 阿部 一也
更新日:2024年05月25日

更新日:2024年05月25日

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「低用量ピルの副作用を知りたい」
「低用量ピルを飲むとうつになるって本当?」
「低用量ピルを飲んでうつが発症したらどうすればいいの?」
と思っている方は少なくないはずです。

この記事では、低用量ピルの服用でうつ症状があらわれる理由や対処法、うつ症状以外の副作用などを紹介します。

低用量ピルの副作用として服用中にうつ症状が現れる可能性がある

避妊のためによく使用されている低用量ピルですが、服用を開始すると、気分の落ち込みやイライラ、情緒不安定、不眠、食欲不振といったうつ症状があらわれる可能性があります。低用量ピルを服用してうつ症状があらわれる可能性はごくわずかですが、低用量ピルを飲み始めて数日後にうつ症状があらわれたら、薬剤惹起性うつが疑われます。薬物惹起性うつとは、治療を目的として服用した薬剤により引き起こされたうつのことです。

 

副作用としてのうつ症状は、低用量ピルを服用し始めたころに起こることが多いですが、服用を初めてから3ヶ月程度で体内のホルモンバランスが整ってくるために、自然と治まるのが一般的です。性格が変わってしまったわけではなく、低用量ピルの副作用で一時的に変化しただけなので、それほど心配する必要はありません。

低用量ピルの副作用として現れるうつ症状の原因

低用量ピルを服用することと、うつ症状があらわれることの因果関係を示すデータはなく、まだはっきりとわかっていません。しかし、低用量ピルを服用すると体内の女性ホルモンが増加することで起こるホルモンバランスの変化が、うつ症状を引き起こした原因になっているのではないかと考えることができます。

低用量ピルには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が含まれています。卵胞ホルモンは神経伝達物質であるセロトニンを介して感情のコントロールに関係している女性ホルモンです。セロトニンは気分を明るくしたり、不快感を鎮める役割がありますが、低用量ピルを服用したことによるホルモンバランスの変化が、セロトニンの分泌に影響を与え、うつ症状を引き起こすと考えられます。

低用量ピルの副作用としてうつ症状が現れたときの対処法

低用量ピルを飲んだ後に、うつ症状があらわれたら、何ヶ月も辛い思いを我慢する必要はないので、医師に相談するとよいでしょう。低用量ピルの種類を変えたらうつ症状が治まることもありますし、抗うつ薬を処方してうつ症状の改善を図ることもできます。

 

以下でうつ症状があらわれた場合の対処法を詳しく説明します。

様子を見る

低用量ピルの副作用によるうつ症状は、3ヶ月ほどして体内のホルモンバランスが安定してきたら、自然と治るのが一般的です。そのため、服用を始めてから3ヶ月ほど様子をみましょう。3ヶ月ほど経ってもうつ症状が改善しない場合は、医師の診察を受けるようにしてください。

 

うつ症状が辛いからといって、自分だけの判断で低用量ピルの服用をやめないでください。突然、低用量ピルの服用をやめてしまうと、ホルモンバランスが乱れPMS症状がひどくなってしまう可能性があります。服用をやめる前に必ず医師に相談してください。

服用する低用量ピルの種類を変えてみる

さまざまな種類の低用量ピルが開発されており、低用量ピルの種類を変えるとうつ症状が軽減することがあります。医師に相談して、同じ効果が期待できる低用量ピルに変更してもらうのも、ひとつの選択肢です。

 

また、低用量ピルの服用によりうつ症状の他にも、さまざまな副作用が報告されています。命にかかわる血栓症を発症することもあります。そのため、定期的に検査を受けるようにしてください。

心療内科を受診する

低用量ピル服用から3ヶ月以上が経ち、低用量ピルの種類を変更したにもかかわらず、うつ症状が治まらない場合は、低用量ピルの副作用ではない可能性があります。この場合は、心療内科の受診をおすすめします。うつ症状を和らげる適切な抗うつ剤などを処方してもらってください。

低用量ピルと抗うつ薬の併用には要注意

うつ病患者が低用量ピルを服用していても、症状が悪化したということはないので、問題ありません。しかし、双極性障害を患っている方が低用量ピルを服用したケースの報告がないため、必ず医師に相談してから低用量ピルを服用するようにしてください。

抗うつ剤の中には低用量ピルとの飲み合わせに注意が必要な種類があります。それは三環系抗うつ薬です。三環系抗うつ薬と低用量ピルを併用すると、抗うつ薬の効果が強くなってしまうとわかっています。そのため、医師に低用量ピルを服用していることを伝えて、処方された抗うつ剤を服用するようにしましょう。

うつ症状以外の低用量ピルの副作用

低用量ピルの副作用は、うつ症状以外にも報告されています。以下で低用量ピルの主な副作用を紹介します。

頭痛や吐き気

低用量ピルを服用して体が慣れるまでのあいだ、頭痛や吐き気もよくみられます。体が慣れたら自然と治まるので心配ありません。辛いようなら、医師に相談し頭痛薬や吐き気止めを処方してもらいましょう。就寝前に低用量ピルを服用すると、日中の頭痛や吐き気の影響が和らぎます。

 

また、低用量ピルを服用して2〜3時間以内に嘔吐してしまった場合は、低用量ピルの成分が十分に吸収されていない可能性があるので、もう1錠飲むようにしましょう。

乳房の張り

低用量ピルに含まれている黄体ホルモンの影響で、服用し始めたときに乳房の張りがあらわれる方がいます。服用を続けて体が慣れてくれば自然と治るケースが多いですが、なかなか治まらない場合は医師に相談することをおすすめします。

不正出血

不正出血とは、月経のとき以外に性器からの出血があることをいいます。低用量ピルの副作用の中では、最もよくみられるもののひとつで、不正出血を経験した方は少なくありません。

 

低用量ピルの副作用による不正出血は、放っておいても休薬期間になれば自然と治まるので、それほど心配する必要はありません。しかし、不正出血がなかなか治まらないようでしたら、医師に相談しましょう。また、低用量ピルを飲み忘れると不正出血することがあることも覚えておいてください。

むくみ

低用量ピルに含まれる黄体ホルモンには、体内に水分を溜める作用があるため、低用量ピルの副作用としてむくみの報告もあります。むくみは、放っておいても治まってくるケースが多いですが気になる方は、アルコールや塩分を控えたり、適度な運動やゆっくりと湯船に入り血行を良くしたり、体を冷やさないようにしたりすることをおすすめします。

血栓症

血栓症とは、血管の中に小さな血の塊ができ血管を詰まらせ、血液の流れをとめてしまうことで、肺の血管、脳の血管や心臓の血管が詰まってしまうと命にかかわる可能性がある重大な病気です。

 

低用量ピルを服用すると、含まれている女性ホルモンにより、体内のホルモンバランスが変化します。ホルモンバランスの変化は血液が固まるリスクを高め、血栓症が起こる可能性を高めます。

 

喫煙や肥満、高血圧、糖尿病、年齢が35歳以上などは血栓症のリスクを高めるので、特に注意してください。

低用量ピル服用中のうつ症状が気になる場合は医師に相談を

低用量ピルによる副作用で起きたうつ症状は、3ヶ月程度経てば自然と治まってくるケースが多いですが、なかなか治らない場合は、医師に相談するようにしましょう。

生理前のうつ症状が辛い方は、低用量ピルを服用すると症状が軽減することがあるので、医師に相談し低用量ピルを処方してもらうことをおすすめします。

 

低用量ピルとの併用に注意な薬があるため、低用量ピルを服用している方は薬を飲んでもよいか医師に相談してください。

 

うつ症状があらわれている方は、通院するのが辛いときもあるかと思います。そのような方におすすめするのが、オンライン診療です。オンライン診療は、自宅にいながら診療を受け、薬を処方してもらえるため、外出が辛いときにも利用しやすいでしょう。

まとめ

低用量ピルの副作用としてあらわれるうつ症状の原因や対処法、低用量ピルの副作用などについて紹介しました。

低用量ピルによるうつ症状は、ホルモンバランスの変化が原因で引き起こされていると考えられています。一時的なもので落ち着いたら自然と改善してくると思うので、3ヶ月ほど様子をみて、それでもよくならなかったときは医師に相談してみましょう。

 

体質に合っている低用量ピルに変えたら、うつ症状が軽減するケースもあります。また、3ヶ月以上経ち、違う種類の低用量ピルに変えてもうつ症状が改善しない場合は、ピルの副作用ではない可能性があるので、心療内科を受診することをおすすめします。

 

SOKUYAKUオンラインクリニックでは、ピルのオンライン診療に対応しております。

受付時間:平日10:00~19:00

コメント 低用量ピルの副作用は様々ですが、その中であまり頻度は高くありませんが、うつ症状を来す方はいらっしゃいます。低用量ピルの作用だけではなく、精神面や環境面で出現することもあるので、低用量ピルを開始する場合は自身の周囲の環境を見直してみるのも良いかもしれません。自身の月経を調整し、体調を良くしていくはずが、低用量ピルを使用したことで逆効果になっては非常に勿体ないと思います。もちろん一人でかかえてしまうことも厳禁と思います。誰か相談できる相手がいれば良いですが、いなければ一人で考えすぎずに、医療機関を受診し相談するようにしてください。

監修医コメント

医師
阿部 一也

低用量ピルの副作用は様々ですが、その中であまり頻度は高くありませんが、うつ症状を来す方はいらっしゃいます。低用量ピルの作用だけではなく、精神面や環境面で出現することもあるので、低用量ピルを開始する場合は自身の周囲の環境を見直してみるのも良いかもしれません。自身の月経を調整し、体調を良くしていくはずが、低用量ピルを使用したことで逆効果になっては非常に勿体ないと思います。もちろん一人でかかえてしまうことも厳禁と思います。誰か相談できる相手がいれば良いですが、いなければ一人で考えすぎずに、医療機関を受診し相談するようにしてください。

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監修医師 阿部 一也
板橋中央総合病院 医長 専門領域は、産婦人科 経歴として、東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業、現在は板橋中央総合病院勤務 保有免許・資格は日本産科婦人科学会専門医
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