ピル服用のメリットとは?デメリットや副作用について徹底解説!
更新日:2024年05月22日
ニキビ、肌荒れ、月経不順、過多月経、PMS、PMDD、プレ更年期症状、更年期障害などに付随する症状を緩和する作用もあり、これらの症状を緩和するためにピルを飲む方も珍しくありません。
ここでは、ピルのメリットとデメリットを含めて、ピルとはどのようなお薬なのかを詳しく説明します。
ピルとは?種類や飲み方について
経口避妊薬として普及しているピルは、2種類の女性ホルモン、すなわちプロゲスチン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)とを組み合わせたお薬です。
仕組みとしては、女性ホルモンを服用することで脳に妊娠していると誤解させ、排卵させないようにしています。
ただ、ピルと総称されるお薬にも実際にはいくつか種類があり、服用する目的が違えば、処方されるピルも同じとは限りません。このため、自分に適したピルを正しく飲むことが重要です。
低用量ピル
「低用量ピル」には様々な製品が流通しています。最も広く用いられているピルだと言っても差し支えないでしょう。
用途の幅が広く、避妊はもちろんのこと、PMSやニキビなどの悩みを解消したり、月経困難症や子宮内膜症を治療したりする目的でもよく用いられています。
副作用の出現頻度は中用量ピルより低いものの、低用量ピルである以上、種類を問わず服用する際に特に注意しなければならない副作用があります。それが、血栓症です。血栓症では、血液が凝固して形成された凝固物で血管が閉塞します。
低用量ピルを服用して血栓症に陥る例は稀ではありますが、症状が出ているのに治療せずにいると、ときには生命が脅かされる危険性もあります。
早い段階で適切な治療を受ければ問題になりませんので、息苦しさ、視力や目の見え方の変化、激しい頭痛や腹痛、ふくらはぎの痛みなどがあったときには、早急に医師の診察を受けましょう。
主な服用方法
低用量ピルには、1シートで21錠の製品と28錠の製品があり、いずれも1クール分が1枚のシートで処方されます。28錠のシートは、できるだけ服用習慣を保つために用いられ、内訳は有効成分を含む実薬21錠と有効成分を含まない偽薬(プラセボ)7錠です。
このうち1シートが21錠の製品では、21日間にわたって同じ時刻に服用を継続した後、7日間は服用を休みます。この休薬期間も入れて合計28日で1クールです。
低用量ピルには、1シートで21錠の製品と28錠の製品があり、いずれも1クール分が1枚のシートで処方されます。28錠のシートは、できるだけ服用習慣を保つために用いられ、内訳は有効成分を含む実薬21錠と有効成分を含まない偽薬(プラセボ)7錠です。
このうち1シートが21錠の製品では、21日間にわたって同じ時刻に服用を継続した後、7日間は服用を休みます。この休薬期間も入れて合計28日で1クールです。
超低用量ピル
エストロゲンの含有量が低用量ピルよりも低いピルです。
ホルモンが少ない分、吐き気や不正出血などの副作用も低用量ピルよりは出にくいとされています。超低用量ピルは、主に月経困難症や子宮内膜症の治療に用いられ、避妊の目的では使われません。
主な服用方法
低用量ピルと同じように、超低用量ピルも毎日同じ時刻に服用し、休薬期間が指定されている場合は、その間は服用をお休みします。ただし、低用量ピルとは異なり、超低用量ピルでは服用を休まない期間を延長することが可能です。
21錠で1シートの低用量ピルと同じように、7日間の休薬期間を挟む場合もありますが、最長で120日間までは連続して服用することができます。
低用量ピルと同じように、超低用量ピルも毎日同じ時刻に服用し、休薬期間が指定されている場合は、その間は服用をお休みします。ただし、低用量ピルとは異なり、超低用量ピルでは服用を休まない期間を延長することが可能です。
21錠で1シートの低用量ピルと同じように、7日間の休薬期間を挟む場合もありますが、最長で120日間までは連続して服用することができます。
中用量ピル
他のピルに比べると、エストロゲンの含有量が多いピルです。
エストロゲンが多い分、効果も高くなると考えられます。反面、不正出血、頭痛、吐き気などの副作用が出やすい欠点があるのも事実です。このため、頭痛薬や吐き気止めなど、副作用として現れる症状を緩和するお薬が同時に処方される場合もあります。
中用量ピルの主な使用目的は、緊急避妊や月経の開始予定日の制御です。避妊や子宮内膜症など疾患の治療には、多くの場合、低用量ピルが優先的に選択されています。
主な服用方法(生理日のコントロール)
中用量ピルの用途として多い、月経の開始予定日を制御する目的での飲み方を説明します。
生理日の制御以外の目的で服用する場合は、医師の指示に従ってください。
・月経を早める
タイミングをずらしたい月経予定日の1周期前の月経が始まってから5日目までに飲み始めて、最低でも10日間、毎日同じ時刻に継続して服用します。
服用を中止すると、2〜3日で生理が始まります。この方法で月経予定日を7日間以上早めることも可能です。
・月経を遅らせる
タイミングをずらしたい月経の開始予定日の5〜7日前から毎日飲み続けます。服用を中止すると、2〜3日で生理が始まります。
最長で7日間程度は月経の開始を遅らせることが可能だとされていますが、効果は人それぞれです。
中用量ピルの用途として多い、月経の開始予定日を制御する目的での飲み方を説明します。
生理日の制御以外の目的で服用する場合は、医師の指示に従ってください。
・月経を早める
タイミングをずらしたい月経予定日の1周期前の月経が始まってから5日目までに飲み始めて、最低でも10日間、毎日同じ時刻に継続して服用します。
服用を中止すると、2〜3日で生理が始まります。この方法で月経予定日を7日間以上早めることも可能です。
・月経を遅らせる
タイミングをずらしたい月経の開始予定日の5〜7日前から毎日飲み続けます。服用を中止すると、2〜3日で生理が始まります。
最長で7日間程度は月経の開始を遅らせることが可能だとされていますが、効果は人それぞれです。
アフターピル(緊急避妊薬)
何らかの事情で避妊できずに性交渉がなされたときに、望まない妊娠を防ぐために用いられます。仕組みとしては、女性ホルモンを多量に服用することで、排卵を遅らせたり子宮内膜への受精卵の着床を妨げたりして、妊娠を回避します。
緊急避妊薬は、できるだけ性交渉から72時間以内に服用してください。服用までの時間が短ければ短いほど、避妊の効果も高まります。
主な服用方法
ピル服用のメリット
避妊
飲み忘れずに毎日継続できれば、避妊効果は99%以上とされています。
月経困難症、生理痛や過多月経の症状の改善
ピルによって子宮内膜の増殖が抑制され、子宮を収縮させるプロスタグランジンの産生量が減るため、結果的に月経痛が改善されて痛みに耐える必要がなくなります。また、経血の量が減ることから、貧血の予防にも有効です。
月経前症候群(PMS)の症状の改善
ピルによってホルモンのバランスが安定するため、月経前の倦怠感や落ち込み、苛立ちなどの症状がなくなります。
月経不順の緩和
生理の周期が規則的になり、生理不順が減っていきます。
子宮内膜症の緩和
子宮内膜は、黄体ホルモン(プロゲスチン)や卵胞ホルモン(エストロゲン)と密接に関わっている組織です。卵胞ホルモンが多く分泌されると子宮内膜が増殖するのに対し、黄体ホルモンは、子宮内膜の増殖を抑えます。このため、これらのホルモンのバランスが崩れた状態を放置すると、子宮内膜が過剰に増殖してしまう場合があります。ピルを服用することで、子宮内膜の不要な増殖を抑えたり、増殖の進行を遅延させたりすることが可能です。
がんのリスク軽減
子宮体がん、卵巣がん、大腸がんを発症するリスクが低下すると考えられています。
生理日移動
大事な行事や旅行と月経が重ならないように、ピルの服用によって月経の開始予定日を制御できます。
ピル服用のデメリット
副作用がある
種類(超低用量、低用量、中用量、アフターピル)を問わず、どのピルにも副作用のリスクがあります。
吐き気や頭痛、むくみ等のマイナートラブル
低用量ピルの副作用として、不正出血、頭痛、むくみ、乳房の張り、下腹部痛、吐き気や眠気、気分の落ち込みなどが挙げられます。服用を開始したばかりの頃は副作用が出やすいとされていますが、そのまま飲み続けていれば、ほとんどは2〜3ヶ月もあれば解消します。多くの場合、こうした副作用の主な原因は、低用量ピルの服用によって発生するホルモンバランスの一時的な乱れです。
一方、中用量ピルでは、上記の副作用が低用量ピルよりも強く現れる場合があります。
アフターピルについては、副作用が出るとしても服用から24時間以内で、24時間を経過すれば副作用が出る心配はありません。
血栓症リスクがある
低用量ピルの副作用として、血栓症のリスクが上昇することが稀にあります。血栓症とは、血管内で血液が固まって血栓が形成され、血管が閉塞する疾患です。
低用量ピルの主な成分は、女性ホルモンであるプロゲステロンとエストロゲンです。このうちエストロゲンには、心血管保護作用と凝固亢進作用があります。ピルによって血栓が形成されるリスクが上がるのは、この凝固亢進作用が原因です。一方、プロゲステロンは、エストロゲンと作用が拮抗します。このため、低用量ピルでは、できるだけプロゲステロンを増やしてエストロゲンの含有量を減らす工夫が重ねられてきました。
しかし、(1-1)35歳上以で喫煙本数が1日15本以上、(1-2)50歳以上、(1-3)BMIが35以上の3つのうちいずれか1つ以上に該当する方で、(2-1)前兆のある片頭痛が生じる、(2-2)他に服用しているお薬があるかのいずれか一方または両方に該当する場合は、月経周期、妊娠の有無、既往歴、アレルギーの有無、生活習慣によっては、血栓症の発症リスクがあります。このため、低用量ピルを服用するか否かの判断を慎重に行わなければなりません。必ず医師に相談しましょう。
性感染症の予防はできない
低用量ピルの避妊効果は認められていますが、低用量ピルに性感染症の予防効果はありません。性感染症を防ぐには、コンドームを適切に使用し、性行為の相手と自分自身の双方がきちんと検査を受けることが必要です。
気になる性行為の後であったり、性行為の相手が複数いたりする場合は、早めに検査を受けるようにしましょう。
1年に1回婦人科で検査を受けましょう
低用量ピルを服用する場合、性感染症検査、血液検査、乳房検診を半年から1年に1回、子宮がん検査を1年に1回は受けるようにしましょう。
血液検査では、「血液生化学検査」で中性脂肪やコレステロールの量を確認し、「血液学的検査」で白血球や赤血球などの血液成分を確認します。
また、低用量ピルを服用しているからと気が緩んで安易な性行為をする頻度が増えてしまうと、クラミジアなどの性感染症にかかる危険性が高まるとされています。定期的な性感染症の検査を推奨するのは、このためです。クラミジアの場合は、一般に尿検査で感染の有無を調べます。
他に、乳がん検診も定期的に受けることを推奨します。低用量ピルが原因で、乳がんの発症リスクが上昇する場合があるとされているためです。
特に注意したい血栓症
低用量ピルを服用する場合、副作用として特に注意すべきなのが、血管の詰まりを起こす血栓症です。血栓症は、発生するとすれば低用量ピルの服用開始から3ヶ月以内が多いため、飲み始めてからしばらくは定期的に検査を受けましょう。
まとめ
医師から処方されたピルを、医師の指導のもとで正しく服用すれば、避妊以外にも、低用量ピルによって月経周期を安定させたり、生理痛、PMS、肌荒れなどの悩みを改善したりすることが可能です。一方、中用量ピルは、月経開始日を移動させる目的で使うことができます。
自分に適したピルが見つかれば、これまでの悩みが解消されるかもしれません。まずは、医師の診察を受けてみましょう。
SOKUYAKUオンラインクリニックでは、オンラインでのピルの処方に対応しています。
受付時間:平日10:00~19:00
医師
馬場 敦志
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
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※お薬の処方は医師の診察により薬が処方された場合に限ります。
反対に、中性脂肪・コレステロールなどはルーチンで測定するところは少ないです。(医療機関にもよりますが…)
低用量ピルをオンライン診療でもらう患者側のメリットとして…
①問診を受けられ、担当医師に悩みや疑問を質問することができる。
②時間や場所にしばられずに受診することができる。
通常の診療では、予約をして、医療機関に行って、受付をして、待ってから、診察という流れになりますが、
オンライン診療では、自宅にいながらスマホやPCを使って診療を気軽に受けることができます。
ピルが必要な方は働き世代が多いので便利です。
③感染予防になる。
医療機関に行く必要がないため、待合スペースや、診察中に感染症をうつされる心配がないです。
さらに医療機関に受診するまでの移動中においても他の人から感染症をうつされる心配もありません。