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ピルの服用で卵子の老化を防げるって本当?いつか妊娠したい方のためのピル服用について解説

監修医師 阿部 一也
更新日:2024年05月26日

更新日:2024年05月26日

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通常、避妊のために使われるピルは、実は不妊治療にも役立ちます。適切な時期にピルを使用することで、卵子の数が過剰に減少するのを防げるからです。また、ホルモンのバランスを整えることで、卵子の質を向上させられるかもしれません。

ピルは、不妊の原因となる病気の予防にも期待できます。そのため、将来妊娠を考えている方だけではなく、不妊治療を受けている方や、これから治療を受けようと考えている方もピルの効果を知っておいて損はありません。

この記事では、妊娠したい方向けにピルの服用についてわかりやすく解説します。今でなくても、いつか妊娠したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

ピルを正しく服用することで卵子の減少や老化を防ぐことができる

卵の数には限りがある

女性は限られた数の卵子を持って生まれてきます。そして排卵によって、卵子を放出します。排卵は通常、妊娠の可能性を持つために起こりますが、すべての生理周期で妊娠が起こるわけではありません。

 

そのため、放出された卵子は自然に体外へ排出されます。つまり卵子は、女性が生理周期を迎えるたびに少しずつ減っていくのです。

 

その結果、卵子の数は年齢とともに減少していきます。たとえば、20歳の女性が100個の卵子を持っていると仮定しましょう。年齢が1歳増えるごとに5個ずつ卵子が減っていくとします。30歳で卵子の数は半分の50個になり、40歳で卵子がなくなります。

 

実際の卵子の数や減少速度は個人差がありますが、卵子の数に限りがあるということをイメージしてください。ピルを服用することで、意図的に排卵を抑制できます。これにより、卵子の減少を遅らせることが可能です。

 

ただし、ピルを内服しても卵子の数が全く減らないわけではありません。卵子の数だけが妊

娠に影響するわけではなく、他にも多くの要因が関係しています。したがって、ピルは、生理不順や卵巣の過剰な活動を抑える手段の一つとして考えてください。

子宮内膜症などの予防にも

女性の身体は、エストロゲンというホルモンを作り卵胞を成長させ、排卵を促し、同時に子宮内膜を厚くさせます。排卵後は卵巣内に黄体が形成され、そこからプロゲステロンというホルモンが内膜をさらに厚くして、受精卵が着床しやすくします。

 

ピルは、女性ホルモンを一定量、体内に取り入れるお薬です。ピルを飲むと「妊娠しているよ」と脳が勘違いして、エストロゲンを作るのをやめてしまいます。その結果、排卵が起こらないため子宮内膜も厚くなりません。

 

妊娠に似た状態を作り出すことで、子宮内膜症の症状を和らげたり、予防したりできます。子宮内膜症は不妊の原因になり得るため、妊娠したい方にとって予防できることはメリットです。

 

子宮内膜症ってどんな症状があるの?不妊の原因になる方法や治療方法を解説

卵巣を休ませることが必要な理由

卵巣を休ませるとは、どういう意味でしょうか?卵巣を休ませる意味と方法、メリットについて説明します。

昔と今の事情の違い

時代の変化に伴い、女性の生理周期にも変化が見られました。現代の女性は昔の女性と比較して、初潮が始まる年齢が早くなっています。そのうえ、閉経する年齢は遅くなっているのです。これは、生活環境や栄養状態の改善、医療技術の進歩などによるものと考えられます。

 

また、妊娠や出産の回数が減少していることも、生理周期に影響を与えています。少子化の進行により、かつてのような多子大家族は減少し、一人っ子の家庭も増えてきました。妊娠中は生理が停止するため、出産回数が減るということは、生理がない期間も短くなるのです。

 

出産後の授乳期間は個人差がありますが、多くの女性が生理を休止します。この時期は生理が来ないため、女性の身体としての活動を休めます。しかし、少子化が進む現代では、子宮や卵巣が長期間休むことは少なくなってしまいました。

 

このような変化が、子宮内膜症の増加に関連していると考えられています。子宮内膜症は、子宮内膜が子宮の外(多くは卵巣)に存在し、月経周期に伴って増殖・剥離を繰り返す病気です。生理がある期間が長くなると、子宮内膜症が発症するリスクも高まるとされています。現代の女性は、生理が始まる年齢が若く、閉経が遅いため生涯にわたる生理の回数が増え、子宮内膜症のリスクが高まるかもしれません。

卵巣を休ませる必要性とメリット

不妊に悩む女性の中には、毎月の排卵によって卵巣が疲れているかもしれません。ピルを服用することで排卵を意図的に抑制し、余分な排卵を抑え卵巣を休ませることが出来ます。卵子の質を保つため、体力を温存するという考え方です。

 

内服を止めた後、卵巣は休息を取った分、元気な状態で排卵を再開できることが期待できます。ただし、卵子が全く減らないとか閉経を遅らせるといった、過度な効果を期待しないでください。

卵巣を休ませる具体的な方法

ピルは避妊のために使われる薬で、その主な成分には卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれています。これらのホルモンは通常、排卵後に体内で増加します。ピルを服用することで、排卵を意図的に抑制し、卵巣を休息させることが可能です。

 

ピルによってホルモンを体外から補給し、体が排卵したと錯覚させます。このため、ピルを飲んでいる間は排卵が起こらず、結果として妊娠を防げるのが卵巣を休ませる仕組みです。

 

休息を取った卵巣は、ピルの服用を止めた後、より活発に排卵を再開することが期待されます。これにより、疲れた卵巣からではなく、休息を取った健康な卵巣から質の良い卵子が排卵される可能性が高まり、受精しやすくなると考えられています。

将来の妊娠のために今から準備できる2つのこと

今は妊娠を望んでいなくても、将来的には妊娠したい場合に今から準備しておくこともできます。後から後悔しないためにも知っておきましょう。

女性ホルモンのバランスを整える

ピルを服用することでホルモンバランスが整いやすくなりますが、それに頼らないことが大切です。生活習慣の改善をすることで、ホルモンのバランスを整えましょう。短期間ではなく継続する事で、効果が期待できます。

 

まずは、食生活を見直してみましょう。身体に負担をかける成分を避け、自然な甘みを選び、バランスの取れた栄養を意識することが重要です。

 

具体的には、消化に負担がかかるグルテンや乳製品、体に良くない精製糖や人工甘味料、加工食品、カフェインなどをたくさん摂るのは好ましくありません。止めることはありませんが、摂取を控えることから始めてください。

 

甘いものを食べたいときは、はちみつやココナッツシュガーなどを使ってみるのもおすすめです。また、食物繊維を含む食品を積極的に取り入れ、タンパク質と野菜をバランス良く摂りましょう。

 

ストレスをためすぎない事も大切です。心身を休めるために、睡眠はしっかりとりましょう。寝る前には、スマートフォンは触らないようにして、ゆったりとした環境で過ごしてください。

卵子を凍結保存する

卵子凍結は、女性が将来的に妊娠する可能性を高めるために、卵子を凍結保存する手段です。これは、特に未婚の女性や、病気の治療で子供が産めなくなるかもしれない女性に妊娠の可能性を残せる方法です。

 

年齢とともに自然な生殖能力が低下することを見越して、健康なうちに卵子を保存する女性もいます。卵子凍結することで、時間を気にせず自分のタイミングで妊娠を選べます。

まずは医師に相談を

日本では、ピルの普及がまだ進んでいないため、医師に相談することが難しいと感じるかもしれません。しかし、将来妊娠したいと考えている場合は、その気持ちを医師に伝えることが大切です。

 

忙しくて病院に行く時間がない場合は、オンライン診療が便利です。アプリを通じて医師の診察を受けられ、自宅や職場など、適切な場所であれば、都合の良い時間に受診できます。これにより、通院にかかる時間や費用を節約できます。

まとめ

ピルは、妊娠を防ぐために使われる薬です。この薬を飲むと、卵巣が一時的に休められて、排卵が起こりません。つまり、ピルを飲むことで、卵子が無駄に使われることを防ぐ効果が期待できます。ただし、薬だけに頼らず、健康的な生活習慣を心がけることも大切です。

 

SOKUYAKUオンラインクリニックは、ピルのオンライン診療も行っています。効果や服用方法についても、専門家が丁寧に説明してくれます。

 

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コメント 現代の女性は、昔の女性と異なり生理の回数がとても多く、回数は5~10倍も違うとされます。昔の女性は妊娠回数が多く、その分生理の回数は少ないとされてます。現代の女性はその逆になっているため、生理が多くなってるとされます。生理の回数が多いということは、排卵の回数も当然多くなります。排卵は卵巣内にあり卵胞から、卵子が卵巣の壁を破って外に出てくる事を指します。排卵が無ければ妊娠もありませんので、非常に重要なものですが、同時に卵巣に負担をかけていることも事実です。この卵巣の負担により子宮内膜症、不妊症などの疾患につながるとされます。ピルの使用では排卵を抑制することで、卵巣を安静にすることが出来、いざ妊活を進める際により有利に働くことになります。不妊治療の一環としてピルを使用することもあり、ピルが将来の妊娠確率を下げる事はありません。心配であれば一度医療機関の受診・相談をお勧め致します。

監修医コメント

医師
馬場 敦志

現代の女性は、昔の女性と異なり生理の回数がとても多く、回数は5~10倍も違うとされます。昔の女性は妊娠回数が多く、その分生理の回数は少ないとされてます。現代の女性はその逆になっているため、生理が多くなってるとされます。生理の回数が多いということは、排卵の回数も当然多くなります。排卵は卵巣内にあり卵胞から、卵子が卵巣の壁を破って外に出てくる事を指します。排卵が無ければ妊娠もありませんので、非常に重要なものですが、同時に卵巣に負担をかけていることも事実です。この卵巣の負担により子宮内膜症、不妊症などの疾患につながるとされます。ピルの使用では排卵を抑制することで、卵巣を安静にすることが出来、いざ妊活を進める際により有利に働くことになります。不妊治療の一環としてピルを使用することもあり、ピルが将来の妊娠確率を下げる事はありません。心配であれば一度医療機関の受診・相談をお勧め致します。

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監修医師 阿部 一也
板橋中央総合病院 医長 専門領域は、産婦人科 経歴として、東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業、現在は板橋中央総合病院勤務 保有免許・資格は日本産科婦人科学会専門医
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