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アフターピルでよくある失敗談とは?避妊失敗の原因や注意事項について徹底解説!

監修医師 阿部 一也
更新日:2024年05月17日

更新日:2024年05月17日

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アフターピルとは、避妊が失敗した時や性被害に遭ったときに使う「緊急避妊薬」です。妊娠のリスクがある性行為から72時間以内に服用すれば、約95%の避妊率が得られます。高い避妊効果が得られるとはいえ、100%避妊に成功できるとは限りません。しかし、アフターピルは急な時に役立つ薬です。

この記事では、実際の失敗話を元に、アフターピルの正しい服用方法や妊娠を防げたかチェックする方法をお教えします。ぜひ参考にしてくださいね。

アフターピルとは

アフターピルは、望まない妊娠をする可能性が高い時に使う薬です。すぐに避妊を行わなければならない時に服用するため「緊急避妊薬」とも言われています。

 

性行為後すぐに服用すれば、約95%の避妊率が得られます。近年、アフターピルに関する情報は多くの方に知られるようになりましたが、残念ながら、薬局での市販化には至っていません。

アフターピルを服用しても避妊に失敗することはあるの?

アフターピルは、性行為後すぐに服用すれば、高い妊娠阻止率が得られる薬です。アフターピルには女性ホルモンが含まれており、その作用によって排卵や子宮の着床を防ぎます。

 

薬によって効果の高さは異なりますが、性行為後から72時間以内に服用すると、95%以上の妊娠阻止率が得られます。高い効果が得られるとはいえ、服用したからといって絶対に避妊に成功できるとは言い切れません。普段から避妊は、徹底して行うように気を付けましょう。そして、時間が経つほど薬の効果は低くなります。また、他の影響(他の薬やサプリメントなど)を受けて、アフターピルの効果が下がってしまうこともあります。

 

さらに、妊娠を防げたかどうかにつきましては、次の生理が来るまで分かりません。生理が遅れた際は、妊娠検査薬を使って確認しましょう。

 

なお、アフターピルを服用するには、医師に処方してもらう必要があります。アフターピルを処方してもらう方法は下記の通りです。

 

・婦人科へ行く

・例外的に対面診療が困難な場合には、オンラインで診察を受ける

アフターピルを服用しても避妊に失敗する主な理由5つ

アフターピルを飲んでも妊娠することがあります。その場合は、次のようなことが原因かもしれません。

 

①性行為の後、服用を始めるのが遅かった

②服用した後、吐いてしまった

③偽物や粗悪品のアフターピルを使用した

④他に飲んでいる薬やサプリメントとの相性が悪かった

⑤薬を飲んだ後、避妊しないで性行為をしてしまった

服用のタイミング

アフターピルは性行為後すぐに服用すれば、妊娠を防ぐ効果が高くなります。しかし、時間が経つほど効果は低くなってしまいます。

 

アフターピルを飲むタイミングが遅れてしまう原因でよくあるのは、「クリニックが土日休診だったので、性行為をした日から3日以上も経ってしまった」「オンラインで頼んでみたけど、届くのに時間がかかった」などのトラブルです。

 

妊娠を防ぐためには、薬を早く手に入れて、早く飲むことが大事です。

服用から2時間以内の嘔吐

アフターピルを飲んだ後、副作用として吐き気が起こることもあります。服用してから2~3時間以内で吐いてしまうと、アフターピルの成分が体内に吸収されず、効果が得られなくなる恐れがあります。その場合は処方してもらった医者へ問い合わせて、指示に従ってもう一度服用してください。

 

また、吐き気以外にも、腹痛や下痢、頭痛、倦怠感、めまいなどの副作用が現れることもあります。副作用はおよそ24時間以内で治まる可能性が高いので、ご安心ください。

 

なお、下痢が起こっても薬の吸収に影響は及ぼさないので、心配しなくても大丈夫です。

個人輸入の偽薬・粗悪品だった

近年ではオンラインストアや個人輸入代行サービスの普及によって、海外製の薬やサプリメントなどが気軽に購入できるようになりました。実際に個人輸入されたアフターピルの中には、クリニックで処方される国内正規品より安い製品もあります。また、海外製と聞いて「国内のアフターピルより効果が高そう!」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

しかし、個人輸入の薬は、ご自宅へ郵送されるまで時間がかかってしまう恐れがあります。また、「使用期限の切れている薬が送られた」「不衛生な環境で管理されていた」「アフターピル自体偽物だった」「有害成分が含まれていた」などのトラブルもあります。悪質な業者ですと、薬を郵送せずに個人情報を入手・悪用するリスクもあるので、安全性・効果のどちらにおいても、信用するのは難しいと言えるでしょう。

 

さらに、日本には「医薬品副作用被害救済制度」という制度があります。医薬品副作用被害救済制度とは、医薬品などを適正な方法で使ったのにもかかわらず、入院が必要なほどの副作用が起こった時に、医療費や障害年金などが支給される公的な制度です。

 

日本に法人のある製薬会社は、この制度に加入しなければなりません。医師の処方箋をもらうことで購入できた国内正規品の薬や、薬局で手に入れた薬でしたら、副作用が起きても救済措置が受けられます。

 

しかし、インターネットなどで個人輸入した薬ですと、この制度は利用できません。

 

また日本国内には、海外製のアフターピル処方に対応できるクリニックもあります。海外製のアフターピルを服用したい場合は個人輸入ではなく、国内のクリニックへ相談されることをお勧めします。

 

アフターピルは必ず、信頼できる医療機関でもらいましょう。

併用を避けるべき薬やサプリメントの服用

アフターピルと併用して飲んではいけない薬(併用禁忌薬)や健康食品があります。一緒に飲むと薬の効果が十分に得られなかったり、副作用が強く出たりする恐れがあります。

 

特に下記のものを服用している場合は、必ず医師に相談してください。

 

・抗結核薬(リファンピシン)

・C型肝炎治療薬(ヴィキラックス)

・抗けいれん薬(フェノバルビタール、フェニトイン、カルバマゼピン)

・抗HIV薬(エファビレンツ、リトナビル)

・抗凝固剤(フェニンジオン、ワルファリン)

・抗生物質(ペニシリン、テトラサイクリン)

・喘息の薬(気管支拡張剤:テオフィリン)

・免疫抑制剤(シクロスポリン)

・副腎皮質ホルモン(ステロイド)

・解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン)

・抗真菌薬(フルコナゾール・ボリコナゾール)

・精神刺激薬(モダフィニル)

・モルヒネ

・血糖降下薬

・三環系うつ剤

・セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)が含まれているお茶・サプリメント

 

また特に、抗凝固剤と一緒にアフターピルを飲んでしまうと、抗凝固剤の作用が変化してしまう可能性があります。

 

そしてセイヨウオトギリソウは、リラックス効果のあるハーブです。お茶やサプリメントに含まれていることがあるので、成分を事前に確認することをお勧めします。

 

アフターピルを飲む前には必ず、服用されている薬や健康食品、サプリメントについても伝えておきましょう。

服用後の性行為

アフターピルは服用してから平均5日間、排卵を遅らせながら受精卵の着床を防ぐ働きをします。

 

「服用後の5日間は、避妊しなくても性行為をしても大丈夫」と勘違いされがちですが、精子は子宮の中で約3日間生存します。そのためアフターピルを飲んだからといって避妊せずに性行為をすると、排卵が遅れた時に受精してしまうリスクが高くなります。

 

アフターピルを飲んだ際は、妊娠を防げたかどうかをチェックするまで、性行為を行わないようにしてください。

 

また、避妊は妊娠を予防するためだけでなく、性感染症の予防においても必要です。アフターピルには性感染症の予防効果がないので、性行為を行う際は、コンドームなどの避妊具を使うようにしましょう。

アフターピルを正しく服用したのに妊娠するケースもある

アフターピルは、BMIが高いと効きにくくなることが判明しています。

 

BMIが18.5~25の方は、アフターピルを飲んでも1.23%の確率で妊娠しますが、BMIが25~30で1.29%、30以上あると、2.57%の確率で妊娠してしまいます。

 

ちなみにBMIは、「体重(kg)÷(身長m)2」で求められます。BMIが高い方は、アフターピルの効果が弱まる傾向があるので注意しなくてはなりません。

 

ただし、種類によっては「エラ」のように、BMIが高めの方でも効果に期待できるアフターピルもあります。ご自身に合ったアフターピルを処方してくれるクリニックへ相談しましょう。

 

また、アフターピルは必ず、水または白湯で服用してください。グレープフルーツジュースやアルコール、炭酸飲料と飲むのは絶対に避けましょう。アフターピルの成分が十分に分解されず、効果が得られなくなったり逆に強くなったりする恐れがあります。

アフターピルの服用後、避妊に成功したか確認する方法

アフターピルの効果を確かめるには、どうすればいいのでしょうか。心配な方のために、この項目では確認する方法について紹介します。

消退出血の有無をチェックする

アフターピルを飲んだら、3日~3週間の間に「消退出血」という出血が起こります。これは、子宮内膜が剥がれて血液などと一緒に出ることで、避妊が成功したサインとされます。生理と同じように起きるものです。消退出血は大体、生理予定日の前後1週間に出る傾向があります。

 

しかし、出血だけで判断するのは難しいです。出血が消退出血かどうかは、見た目や症状からではなかなか判断できません。そのため出血があっても、アフターピルを飲んでから3週間後に、妊娠検査薬で確かめることが大切です。

妊娠検査薬で調べる

消退出血がない(または少ない)場合は、ドラッグストアなどで販売されている妊娠検査薬を使って、妊娠しているかどうかをチェックしましょう。チェックするタイミングは、アフターピルを飲んでから3週間後が適切です。

 

妊娠検査薬を使って「陰性」の結果が出たとしても下記に当てはまる場合は、再検査または産婦人科への受診が必要です。

 

・生理予定日から1週間以上経っても出血がない

・アフターピルを飲んでから4週間以内に出血が見られない

 

妊娠検査薬で「陽性」が出た場合は、迷わずに産婦人科で検査を受けに受診してください。

確実に避妊するなら低用量ピルがおすすめ

低用量ピルは、毎日決まった時間に1錠飲むだけで、約99%の避妊率が得られる薬です。服用を忘れてもすぐに飲めば、約92%の避妊効果は得られます。コンドームなど、他の避妊具を使った方法よりも効果が高いとされています。

 

飲んだばかりの段階では副作用(不正出血や吐き気、胸の張りなど)が出ることもありますが、2~3ヶ月で落ち着く可能性が高いのでご安心ください。もし副作用の改善が無ければ、担当医と相談し他の種類のピルをご検討下さい。

 

アフターピルに失敗したことがある方は、低用量ピルを毎日飲むことをお勧めします。避妊率が高く、身体にも優しいです。

まとめ

アフターピルは、避妊に失敗したと分かった時にすぐ飲むと、より高い効果が得られます。性交後72時間以内に飲めば妊娠の確率は約1.6%になります。それより遅くなると、アフターピルの効果はさらに低くなります。妊娠したくない場合は、婦人科かオンライン診療で、アフターピルを早めにもらいましょう。

 

しばらく妊娠を回避したい方には、低用量ピルの服用で避妊することもぜひ、検討してみましょう。

 

SOKUYAKUオンラインクリニックは、例外的に対面診療が困難な場合には、1人ひとりに合わせたアフターピル処方を徹底したオンライン診療で行っています。気になる方はぜひ、利用してみてください。

コメント 突然緊急避妊の必要に迫られると焦ることがあると思います。性交渉から72時間以内にアフターピルを使用すれば90%前後は避妊が可能となりますので、まずは落ち着くことが重要と思います。そして可能な限り早めに婦人科受診をすることが失敗しないために必要と思います。最近では120時間以内に内服すれば避妊可能なアフターピルもありますが、内服が早ければ早いほど効果は出やすいです。安全な性交渉を行うためにも、普段からピルやコンドームを使用し、日頃から意識して望まない妊娠を避けることも重要です。

監修医コメント

医師
阿部 一也

突然緊急避妊の必要に迫られると焦ることがあると思います。性交渉から72時間以内にアフターピルを使用すれば90%前後は避妊が可能となりますので、まずは落ち着くことが重要と思います。そして可能な限り早めに婦人科受診をすることが失敗しないために必要と思います。最近では120時間以内に内服すれば避妊可能なアフターピルもありますが、内服が早ければ早いほど効果は出やすいです。安全な性交渉を行うためにも、普段からピルやコンドームを使用し、日頃から意識して望まない妊娠を避けることも重要です。

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監修医師 阿部 一也
板橋中央総合病院 医長 専門領域は、産婦人科 経歴として、東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業、現在は板橋中央総合病院勤務 保有免許・資格は日本産科婦人科学会専門医
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