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ユベラ錠(トコフェロール酢酸エステル)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 廣瀬安國
更新日:2024年06月26日

更新日:2024年06月26日

ユベラ錠(トコフェロール酢酸エステル)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
ユベラ錠という医薬品をご存知でしょうか?ユベラ錠は、医療の現場だけでなく美容クリニックの分野でも処方されることがあるため若い人にも使用したことがある方もいるのではないでしょうか。
ユベラ錠に使用されている成分は内服薬以外にも外用薬などにも配合されているのでさまざまな医薬品で見ることができます。

今回は、ユベラ錠(トコフェロール酢酸エステル)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説していきます。

ユベラ錠(トコフェロール酢酸エステル)とは

ユベラ錠は、1951年からエーザイ株式会社から販売元になっているビタミンE製剤です。当初は、合成ビタミンEを市販薬として販売していましたが、医療用医薬品として1961年12月にユベラ錠、ユベラ散、ユベラ注、1965年にユベラ顆粒が製造承認されました。現在では、ユベラ錠のみが販売されています。

ジェネリック医薬品が存在する

ユベラ錠(トコフェロール酢酸エステル)にはジェネリック医薬品が存在します。ジェネリック医薬品は、新薬とは異なり開発費などのコストがかかっていないためお薬代を安くできるメリットがあります。

 

新薬の開発には、数百億円の開発費と十数年の歳月がかかるため、製薬会社は特許期間が設けられ独占的に販売をすることで開発費を回収しています。しかし、特許期間が切れることで他の製薬会社も新薬と同じ有効成分で医薬品を製造、販売できます。

 

ジェネリック医薬品は、医療費削減の目的もあって厚生労働省もジェネリック医薬品の普及を推進しています。ジェネリック医薬品への変更を希望したい場合には医師、薬剤師に相談してください。

ユベラ錠(トコフェロール酢酸エステル)の成分について

ユベラ錠は、1922年に抗不妊作用のある物質として発見された脂溶性ビタミンです。近年の研究では、細胞膜、ミトコンドリア、リソソームなどの生体膜を安定化させ、老化の原因にもなると考えられている過酸化物(活性酸素)を抑制することが報告されています。

 

過酸化物が過剰に存在すると血液中のLDLコレステロールと反応して酸化され、血管にダメージを与えることがあります。ビタミンEは抗酸化作用によってコレステロールの酸化を抑え、動脈硬化の予防や血流の改善効果などに効果が期待ができるとされています。

ユベラNソフトカプセルとの違い

ユベラ錠(トコフェロール酢酸エステル)と似た名称の医薬品としてユベラNカプセル(トコフェロールニコチン散エステル)があります。

 

ユベラ錠とユベラNの違いとしてトコフェロールに酢酸がついているか、ニコチン酸がついているかの違いで効果を発揮する仕組みはほとんど変わりありません。しかし、血流改善など共通している作用もありますが、使用される病気に違いがあります。

 

ビタミンE欠乏症の予防や治療、しもやけに使用できるのはユベラ錠のみとなっています。ユベラNソフトカプセルでは、高血圧症や高脂血症に伴う痺れなどの症状に対してや慢性的な動脈硬化による血流不全などに使用されます。

ユベラ錠(トコフェロール酢酸エステル)はどんな症状に効果がある?

ビタミン欠乏症の予防や治療、しもやけに冷え性などに使用されることがあります。

また、糖尿病性網膜症や静脈血栓症、動脈硬化症、血栓性静脈炎などの血流が悪くなることであらわれる症状や過酸化脂質と呼ばれる酸化して細胞障害性が高まった悪玉コレステロールが増えるのを防止するために使用します。

ユベラ錠(トコフェロール酢酸エステル)の用法・用量は?

成人には、1回ユベラ錠(トコフェロール酢酸エステル)を50mg〜100mgを、1日2〜3回に分けて経口投与します。年齢や症状によって増減できます。

ユベラ錠(トコフェロール酢酸エステル)の副作用

臨床試験では、0.89%人に副作用が報告されています。副作用としては便秘、胃部不快感、下痢、発疹などがあります。
元々、ビタミンEから合成された医薬品であるため副作用は比較的少ない医薬品だといえます。しかし、ユベラを使用してから体調に変化が生じたら使用を中止して医師に相談してください。

ユベラ錠(トコフェロール酢酸エステル)に関する注意点

ユベラ錠は比較的安全性が高い医薬品ですが、注意点もいくつか存在します。注意点について理解することで効果的、安全に使用できます。

食後の方が吸収がいい

ユベラ錠の有効成分であるトコフェロール酢酸エステルは、ビタミンE製剤に分類されています。ビタミンEは脂溶性ビタミンであるため、食事に含まれている油分へと溶け込むことで吸収されやすくなります。

そのため、ユベラ錠を効果的に使用したいと考えた場合には空腹時に飲むよりも食後に飲んだ方がよいでしょう。

副作用に注意が必要

ビタミンE製剤の一種であるユベラ錠は、比較的安全性の高い医薬品であるといえるでしょう。

ビタミンEは重要な栄養素の一つもであり、生体膜を正常に保ったり、赤血球の溶血の防止、生殖機能を正常に保ったりする役割があると考えられています。

 

欠乏すると細胞膜がうまく保てなくなるため神経や筋肉の働きが障害されることがあり、動脈硬化の原因になることもあります。重要な栄養素でもあるビタミンE製剤ですが、撮りすぎることで問題が生じることもあります。

 

通常の食事では過剰になったビタミンEは便として排泄されますが、過剰に摂取することで出血が止まりにくくなったり、骨量が減少する可能性があったりするのでユベラ錠は、医師の指示された量を守って服用してください。

ユベラ錠(トコフェロール酢酸エステル)と同じ成分の市販薬はある?

ユベラ錠などのビタミンEは抗酸化作用もあるのでアンチエイジングを目的として美容クリニックで処方されることがあります。

しかし、美容目的での使用には医療保険は使用できないので病気の治療以外でユベラを処方してもらうことはできないと考えた方がいいでしょう。

 

また、病院やクリニックなどで医師の診察を受けて処方してもらう場合には待ち時間などのデメリットもあります。お客さんの自己判断で購入できる市販薬は入手のしやすさから忙しい人にはメリットが大きいといえます。

ユベラ錠(トコフェロール酢酸エステル)と同じ成分の市販薬はあるのでしょうか?

ユベラ錠(トコフェロール酢酸エステル)と同じ成分の市販薬は存在する

ユベラ錠(トコフェロール酢酸エステル)と同じ成分の市販薬はいくつか存在します。しかし、トコフェロール酢酸エステル単体のみを配合している市販薬は存在せず、他の薬効成分と合わせて効果を発揮する医薬品が多いです。

 

ビタミンE単体の市販薬の購入を考えた場合にはd-α-トコフェロール(天然ビタミンE)を配合しているものが販売されているのでそれらを選んだ方がいいでしょう。

ユベラCソフト

ユベラCソフトは、ユベラ錠と同じ成分であるトコフェロール酢酸エステルとアスコルビン酸(ビタミンC)が配合された市販薬です。

 

トコフェロール酢酸エステルは血流を改善する効果があるため肩や首すじのこり、手足のしぶれ、冷えなど緩和し、皮膚の色素沈着の原因となる過酸化物質の増加を抑えます。

 

アスコルビン酸は、メラニン色素に働いて日焼けによる色素沈着やしみ、そばかすを緩和し、コラーゲンの生成にも関与するビタミンであるため毛細血管を丈夫して出血を予防にも効果が期待できます。

新ピフォニーU軟膏

荒れた皮膚の角質層を回復、保護するためにビタミンA(レチノールパルミチン酸エステル)、炎症かゆみを抑えるためにウフェナマート、血行を促進するためにトコフェロール酢酸エステルが配合された塗り薬です。

 

かゆみを伴う皮膚炎に使用することができ、しもやけや汗疹、オムツかぶれなど赤ちゃんにも使用しやすい医薬品です。

ユベラ錠は医薬品の働きを助ける効果もある

ユベラの薬効成分であるトコフェロール酢酸エステルは血流を改善する効果があるため、血流改善によって皮膚の再生を助けたり、薬効成分を患部に届きやすくしたりなど他の薬効成分の効果を助ける目的で使用されることがあります。

 

かゆみが伴う皮膚炎に使用する軟膏や痛みを抑えるための湿布、発毛剤や育毛剤、座薬など幅広い市販薬に配合されています。

気になることがあれば医療機関へ

ユベラ錠は比較的安全性の高い医薬品であり、同じ成分の市販薬も存在するので比較的入手がしやすい薬だといえます。

しかし、市販薬を使用しても症状が治らない場合には重大な疾患であることも考えられるので使用を中止して医療機関に受診した方がいいでしょう。

市販されているビタミン剤を1ヶ月使用しても症状が改善しない場合には受診の目安です。

 

参考文献
ユベラ錠|添付文書
ビタミンEの働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット
ユベラ-C ソフトの製品情報|エーザイ株式会社
ユベラックスの製品情報|エーザイ株式会社
皮膚のかゆみ・炎症に|製品紹介|健康をテーマとして楽しい生活を創るノーエチ薬品株式会社

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監修薬剤師 廣瀬安國
調剤薬局で薬剤師として従事。 薬剤師として学んだ知識と経験を活かして、医療用医薬品だけでなく身近に存在している市販薬についてもわかりやすく伝えることを意識して記事を執筆しています。
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