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プルゼニド錠(センノシド)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 廣瀬安國
更新日:2024年05月29日

更新日:2024年05月29日

プルゼニド錠(センノシド)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
プルゼニドというお薬をご存知でしょうか。プルゼニドは、古くから緩下剤として利用されてきた生薬を医薬品として開発した経緯があり、日本でも広く使用されています。

薬局でも非常によく使われるプルゼニドは、薬剤師であれば必ず見かける医薬品であるといえるでしょう。今回は、プルゼニドの成分や効果、副作用などについて解説します。

プルゼニド錠(センノシド)とは

プルゼニドは、1961年11月にプルゼニド錠としてサンドファーマ社(現在のノバルティスファーマ社)から発売されました。

 

医療事故防止対策に基づいて2009年9月に現在のプルゼニド錠12mgに販売名が変更されています。プルゼニドは、センノシドA・Bを主成分とした緩下剤で便秘症に用いられる医薬品です。

プルゼニド錠(センノシド)の成分について

プルゼニド錠の主成分であるセンノシドA・Bは、古くから緩下剤として使われていた生薬のセンナから分離抽出されたものです。

 

プルゼニドは、服用してから胃や小腸からはほとんど吸収されることなく大腸に到達してから大腸菌によって分解され、レインアンスロンに代謝されます。

 

レインアンスロンは、大腸粘膜下に存在するアウエルバッハ神経叢を刺激することで大腸の蠕動運動を活発化させて排便を促します。

プルゼニドは刺激性下剤に分類される

下剤は大きく分けて2種類に分類されます。刺激性下剤と塩類下剤があり、プルゼニドは刺激性下剤に分類されています。

 

刺激性下剤は、大腸を刺激することで排便を促すのに対して塩類下剤は、便に含まれる水分量を増やして柔らかくすることで排便しやすくする作用を持っています。

 

重度の便秘症になると刺激性下剤と塩類下剤を併用することもあります。

プルゼニドにはジェネリック医薬品がある

プルゼニド錠には、ジェネリック医薬品が存在します。新薬が開発されてから特許期間が切れると他の製薬会社も医薬品を製造できるようになります。

 

特許が切れてから医薬品を製造できるので開発費がかからずコストを抑えることができます。

 

厚生労働省は、医療費の削減するためにジェネリック医薬品への変更を推進しています。ジェネリック医薬品への変更は医師や薬剤師へ相談してみてください。

プルゼニド錠(センノシド)はどんな症状に効果がある?

プルゼニド錠は、大腸を刺激することで蠕動運動を亢進させるため大腸に便が溜まっている状態ではないと効果が薄いです。そのため、食事量には変化はみられないけど排便の回数が減少しているタイプの便秘症であれば効果を発揮する可能性があります。

 

便を柔らかくする作用はないので便が硬くて排便しづらいタイプの便秘症では便を柔らかくする塩類下剤などを使用した方がいいでしょう。

プルゼニド錠(センノシド)の用法・用量は?

プルゼニド錠は、通常の成人で1日1回にセンノシドA・Bとして12mg〜24mgを就寝前に服用します。しかし、重度な便秘の場合には1日48mgまで増量できます。症状や年齢によって増減します。

 

効果がないと感じても自己判断で増量すると思わぬ副作用が起きてしまうこともあるので医師の指示に従ってください。

 

プルゼニド錠は、服用してから作用が発現するまでに個人差はありますが、約8〜10時間かかるので就寝前に服用することで翌朝に排便しやすくなります。

プルゼニド錠(センノシド)の副作用

プルゼニドを服用した患者さんの15%に副作用が報告され、最も多いのが腹痛です。その他には、下痢や腹鳴、悪心、嘔吐などがあります。

 

頻度はかなり少ないですが、プルゼニドの主成分であるセンノシドおよび、その代謝物のアントラキノン誘導体が尿と反応することで尿の色が黄褐色や赤色に着色することがあります。

 

また、発赤、発疹などの過敏症が生じることがあるため症状があらわれた場合には服用を中止した方がいいでしょう。

プルゼニド錠(センノシド)に関する注意点

プルゼニド錠は刺激性下剤であるため腹痛や耐性の問題があり、場合によっては使用を中止して塩類下剤への変更など対処する必要があります。

便秘のタイプに種類があって、場合によっては症状が悪化することがあるので注意が必要です。

長期使用は避ける

プルゼニド錠は、長期連用によって大腸メラノーシスを発現することがあります。大腸メラノーシスは、プルゼニド以外にも大黄やアロエなどの生薬、漢方の長期連用にも発症することがあり、大腸の粘膜に色素が沈着して黒っぽくなります。

 

色素沈着だけでなく大腸を動かす平滑筋の働きが悪くなって便秘が悪化することがあります。また、プルゼニドを含めた刺激性下剤は連用によって耐性がついて効果が減弱することがあります。

 

耐性によって使用量が増え、プルゼニドに対して依存的になる可能性もあるので注意が必要です。

場合によって苦痛が生じる

肛門近くで硬くなった状態で留まっているタイプの便秘にはプルゼニド錠の使用は避けた方がいいでしょう。

 

肛門で詰まっている状態であるため大腸を動かしても排便ができずに苦痛が生じてしまうこともあります。肛門で詰まるタイプの便秘には、便を柔らかくする塩類下剤の使用が望ましいでしょう。

脱水に注意

大腸を刺激して排便を促すため場合によっては下痢をすることがあります。下痢によって水分やナトリウムやカリウムなどの電解質が流れてしまうことであるので脱水には注意が必要です。

 

水分をしっかり補給することで脱水を防ぐだけでなく便を柔らかくして排便しやすくする効果もあります。

けいれん性便秘には使用しない

けいれん性便秘の原因として自律神経の乱れがあります。自律神経が乱れることで腸の動きが不規則になり、ウサギのフンのような便になるのが特徴です。

 

自律神経はストレスによって乱れることが多く働き盛りの比較的若い人がなりやすい便秘です。けいれん性便秘の患者さんにプルゼニド錠を使用すると大腸が刺激され、けいれんが悪化して腹痛を起こすことがあります。

妊娠中の使用には注意

子宮収縮を誘発して早産や流産のリスクを上げることになるので大量に服用しない方がいいでしょう。しかし、便秘傾向にある女性が妊娠すると腸管が圧迫されて便通がさらに不規則になることがあるので妊娠初期のつわりを悪化させることもあります。

 

妊娠末期では、腸の圧迫が強くなるので便秘によって日常生活に問題が生じる場合には無理をせずに医師に相談してください。

プルゼニド錠(センノシド)と同じ成分の市販薬はある?

プルゼニド錠と同じ成分の市販薬はいくつか販売されています。市販薬は、入手がしやすいため長期間使用して依存してしまうリスクがあるので注意が必要です。

 

お薬に頼りすぎると排便機能が低下する可能性もあります。使用する場合や市販薬を使用しても効果を実感できない時には医師、薬剤師に相談することが望ましいです。

 

コーラックハーブ
大正製薬から販売されているコーラックハーブは、プルゼニドと同じセンノシドA・Bと甘草エキス末が配合されています。甘草エキス末は、センノシドの作用をサポートする働きがあります。15歳未満は使用できません。

 

新ウィズワン
プルゼニドと同じ成分であるセンノシドA・B以外にもプランタゴ・オバタ種皮末とカスカラサダラダが配合されています。プランタゴ・オバタ種皮末は、食物繊維を多く含んでいるため便通の改善が期待できます。

生薬由来の成分であるカスカラサダラダは、腸の働きをサポートする作用する働きがあります。量を調節することで3歳から使用できます。

 

ソフネス50錠
ソフネスは、センノシドA・Bだけでなくビサコジル呼ばれる成分も配合されています。ビサコジルは、大腸を直接刺激して腸の動きを改善する効果があります。

 

新ドクソウガンG
新ドクソウガンGは、プルゼニドと同様にセンノシドA・Bが配合されています。その他にも、サンキライ末、センキュウ末、甘草末、コウボク末が配合されています。

 

サンキライ末には皮膚疾患に対する解毒作用があり、吹出物や肌あれに効果を発揮し、センキュウ末は、血液の循環を改善してのぼせや頭痛を和らげます。カンゾウ末には鎮痛作用があり、お腹の痛みや不快感を抑制し、コウボク末は胃腸の働きを改善します。

様々な生薬が配合されているので便秘によって起きる諸症状の改善効果が期待できます。量を調節することで5歳から服用できます。

 

エバシェリーン
プルゼニドはセンナから抽出されたセンノシドA・Bが薬効成分ですが、エバシェリーンはセンナ実とセンナ葉のみを使用しているので添加物が気になるという方にも使用できる医薬品です。量を調節することで7歳から服用できます。

 

参考文献
プルゼニド添付文書
プルゼニド インタビューフォーム
大腸メラノーシス|三光クリニック蒲田駅前院
コーラックハーブ| 製品詳細
新ウィズワンの紹介 | ゼリア新薬
ソフネス 50錠の基本情報(用法・用量・使用上の注意)
新ドクソウガンG | 製品情報 | 便秘薬の毒掃丸でおなじみの山崎帝國堂
エバシェリーン|株式会社エバース・ジャパン

プルゼニド錠(センノシド)を購入するにはどうしたらいい?

プルゼニド錠は「医療用医薬品」に指定されているため、処方箋なしでドラッグストアなどで購入することはできません。

 

プルゼニド錠を購入するには、医師の診察を受けて処方箋を発行してもらう必要があります。しかし、薬をもらうためだけに病院に行くのは面倒と感じる方もいるのではないでしょうか。

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監修薬剤師 廣瀬安國
調剤薬局で薬剤師として従事。 薬剤師として学んだ知識と経験を活かして、医療用医薬品だけでなく身近に存在している市販薬についてもわかりやすく伝えることを意識して記事を執筆しています。
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