漢方の五苓散のはむくみや二日酔い、頭痛に効果的?医薬品の服用方法のポイントや漢方薬の選び方についても解説
更新日:2024年06月20日
漢方では、水分代謝がうまくいかずに現れる不調を「水毒」という言葉で表します。水は本来、人間の身体に必要不可欠な要素ですが、正しく機能しないと体にとって「毒」になるよ!という事を表しています。
漢方の考え方として、体を構成する3大要素を「気」「血」「水」と定義しています。水分代謝がうまくいかず、この3つのバランスが取れないと体に不調を起こすと考えられており、体内の余分な湿気を「水湿」と表し、水湿が溜まってうまく流れていない状態を「水滞」と表します。
暴飲暴食や、高い湿度(雨や台風)、気圧の変化等で体調不良を起こしやすい人、普段からお腹がゆるく下痢をしやすい、めまい(中には吐き気や嘔吐を伴うようなものも含む)に悩まされている人は、身体の「水」の動きを整える漢方薬を服用する事で症状を改善させる事ができるかもしれません。
また、「五苓散」は「二日酔いの救世主!」とも言われ、常備される方も多いようです。
漢方ってどうやって選べばいいの?五苓散ってどんな漢方?漢方の大事なポイント「気」「血」「水」って?
五苓散は、漢方の古典(傷寒論)に記載されている方剤で、体内の水分代謝を調整し、水分のバランスを取ることを目的とした漢方処方です。
漢方では、水分代謝がうまくいかずに現れる不調を「水毒」という言葉で表します。
水は本来、人間の身体に必要不可欠な要素ですが、正しく機能しないと体にとって「毒」になるよ!という事を表しています。
漢方の考え方として、体を構成する3大要素を「気」「血」「水」と定義しています。
水分代謝がうまくいかず、この3つのバランスが取れないと体に不調を起こすと考えられており、体内の余分な湿気を「水湿」と表し、水湿が溜まってうまく流れていない状態を「水滞」と表します。
暴飲暴食や、高い湿度(雨や台風)、気圧の変化等で体調不良を起こしやすい人、普段からお腹がゆるく下痢をしやすい、めまい(中には吐き気や嘔吐を伴うようなものも含む)に悩まされている人は、身体の「水」の動きを整える漢方薬を服用する事で症状を改善させる事ができるかもしれません。
また、「五苓散」は「二日酔いの救世主!」とも言われ、常備される方も多いようです。
実は、3つの「あ」と言って、アルコール、揚げ物、甘いものは、体内に余分な湿気を産む原因になってしまいます。
お酒やお料理は適量を保って楽しみたい所ですが、ついつい飲みすぎた・・・というような時に、なるべくダメージは最小限に抑えておきたいところ。常備薬として持っておくのもいいかもしれません。
自分の体質に合ったものはどうやって選ぶ?
医療機関で血液検査などをする際に、からだの状態を表す基準となる数値があるように、東洋医学にも独自の理論に基づいた体質の診断方法があります。(四診といいます。)
体質の事を「証」と表し、体力の有無や不調の勢いを「虚証、実証」という言葉で表現するなど、独特な言い回しの多い漢方医学ですが、顔色や症状、体格や体重、普段の生活習慣など、細かい問診に基づき、患者様の情報を集めて適切な薬を選ぶのが基本です。
自分の「証」に合ったお薬を選ぶには、普段から自身の体調や体質を把握していることが大切です。
そこで、自分でできる体質診断の一歩として、まず、舌の状態をチェック!舌の色や苔の様子、形などで様々な情報を得る事ができるのです。
舌にべったりした苔がついている場合は体に余分な水分が溜まっている状態なので要注意。もちろん苔の色だけでなく、他の情報を総合して分析する必要がありますが、舌を観察する事で簡単に大まかな健康状態を把握することができるので、朝起きたら鏡で自分の舌の状態を是非確認してみるのを習慣にしてみてください。
五苓散にはどんな成分が含まれている?
五苓散(ゴレイサン)は、5種類の生薬「蒼朮(ソウジュツ)」「茯苓(ブクリョウ)」「沢瀉(タクシャ)」「猪苓(チョレイ)」「桂皮(ケイヒ)」から構成される漢方薬(医薬品)です。
これらは、「利水剤」という方剤に分類される生薬が多く、利尿作用や、胃腸の消化吸収能力を高めながら水分バランスの調整をするという効果のある生薬です。
「桂皮(ケイヒ)」は香辛料のシナモン(主に用いられるのはセイロンニッケイの仲間)の樹皮を乾燥したもので、料理や食品にも用いられるのでなじみがある方もいるかもしれません。
漢方薬としての効果は、「気」「血」「水」の巡りを良くし、他の生薬との調和を保ちながら効果を発揮する作用があります。(シナモンアレルギーのある人は副作用など注意が必要な場合があります。服用を検討する際、医師や薬剤師、または登録販売者に相談し、情報の提供を受けてください。)
また、五苓散に限らず、他の漢方製剤にもタイプ(剤型)があり、水から煎じて煮出して服用する漢方製剤と、生薬のエキスを抽出して散財や錠剤になっている漢方製剤があります。
煎じるタイプは抽出できる有効成分も濃く、効き目も高い事がありますが、厳密には症状や季節によって剤型を変える事で効果に影響する場合もあるため、手軽に服用できるエキス剤をまず使用してみると良いでしょう。
五苓散はどんな症状に効果的?頭痛や二日酔いに有効?
五苓散には次のような効能効果があります。(ここでは医療用医薬品と一般用医薬品の漢方製剤と分けて記載します。)
口渇(口の渇き)、のどの渇き、尿量が少ない方のむくみ(浮腫)、頭痛、悪心などの諸症
頭重感、身体が重い、腹部の動悸、急性胃腸炎・周期性嘔吐症
口渇(口の渇き)やのどの渇きがあり、尿量が少なく、はきけ、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う「水様性下痢」、「暑気あたり」等(クラシエ漢方五苓散料エキス顆粒「クラシエ薬品」 、ツムラ五苓散エキス顆粒「株式会社ツムラ」添付文書より一部抜粋 ※第2類医薬品)
口渇、尿量減少するものの次の諸症:浮腫、ネフローゼ、二日酔、急性胃腸カタル、下痢、悪心、嘔吐、めまい、胃内停水、頭痛、尿毒症、暑気あたり、糖尿病
一般的に、「五苓散」は、「水滞」を改善する代表的な処方と言われており、口の渇きや尿量の減少やめまいなどのある方のむくみ、頭痛、下痢などに使用され、さまざまな浮腫(むくみ)、急性胃腸炎(しぶり腹※繰り返し便意をもよおす には使用しない)、下痢、頭痛、暑気あたり、二日酔いなどの吐き気やむかつきにも用いられ、小児の下痢、妊婦のむくみなどに使われることもあります。
雨の日(雨が降る前なども)になると決まって頭痛に悩まされる方、時に嘔吐を伴うようなめまいを起こす方、また慢性的な下半身のだるさやむくみなどが気になるという人も多いかもしれません。
五苓散は、このような頭痛やめまいの予防としても用いる事ができ、余分な水分を尿や汗などで体外へ排出し、必要な部分には行き渡らせるようにすることで、体内の水分バランスを整える効果がある薬なのです。
長く飲み続けないと効かないと思われている漢方ですが、実は適切に選ぶことができれば急性期には即効性を発揮し、予防的な治療薬としても使用することができます。
いわゆる水滞による不調が多い方は、胃腸の働きが弱いという方も多く、常に胃のあたりに水がたまったようなぽちゃぽちゃした感覚や異の不快感に悩まされているという方も少なくありません。
五苓散の中には、ブクリョウなど、胃腸機能に作用する生薬も含まれていますので、適用範囲も広く、「水分をため込みやすく、水分代謝がうまくいっていない人」に使いやすい薬といえるでしょう。
1日水を2リットル飲む!などの健康法が流行ったこともありましたが、水分を摂取してもあまりトイレに行かない人や、もともと汗をかきづらく、下痢をしやすいなどといった方が過剰な水分を摂取してしまっては逆効果です。
体質はそれぞれ違うもの。個々の体質を見極めて漢方薬などの医薬品を使い分ける事ができるのが理想ですね。
五苓散の使用方法や副作用の注意点は?
服用する際は用法・用量を守って使用するようにして下さい。
以下は1例として、「ツムラ」漢方五苓散料エキス顆粒の添付文書から抜粋したものです。
メーカーによって用法・用量が異なる場合がありますので、確認してください。
以下は1例として、「ツムラ」漢方五苓散料エキス顆粒の添付文書から抜粋したものです。
メーカーによって用法・用量が異なる場合がありますので、確認してください。
一般的な用法・用量は以下の通りです。(1回量2.5g 満量5.0gの場合※メーカーによって異なる)
成人(年齢15歳以上)は1回量(1包2.5g)
7歳以上15歳未満は2/3包
4歳以上7歳未満は1/2包
2歳以上4歳未満は1/3包1日2回
食前又は食間に水またはお湯で服用してください。※2歳未満は服用しないでください。※小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。
また、医師の治療を受けている人、妊娠中の女性または妊娠していると思われる人、今まで薬などにより次の症状(発疹、発赤、かゆみ等の副作用)を起こしたことがある人は、服用する前に医師、薬剤師、または登録販売者に相談しましょう。
また、本剤を服用後に以下に当てはまる場合は、すぐに使用を中止し、添付文書を持って医師、薬剤師、または登録販売者に相談し、必要に応じて医療機関を受診の上医師の指示を受けてください。
皮膚の発疹、発赤、かゆみ、肝機能異常などの症状が現れた場合(副作用の可能性があります)
1か月程度(急性の症状に使用する場合は5~6回、または5~6日間)服用しても症状に改善が見られない場合
※「ツムラ」漢方五苓散料エキス顆粒(第2類医薬品)ツムラ五苓散エキス顆粒(医療用)添付文書より一部引用・抜粋
五苓散や漢方はどこで購入できる?医薬品の価格は?
購入するには、処方箋を取り扱う保険薬局(医療機関で医師の診断により処方を受けた場合)や街のドラッグストア、漢方薬専門の相談薬局、薬店などを利用して購入することができます。(医療用医薬品の販売に関しては国が定めた公定価格(薬価)があります。)
また、第1類、第2類、第3類のすべての一般用医薬品は、一定の条件の下、インターネットや電話などで販売できるようになりました。
※購入時に専門家からの情報提供が必要な場合があります。(使用に特に注意が必要な「要指導医薬品」は対面販売に限ります。)
価格は以下になります。
「ツムラ」五苓散エキス顆粒 48包 ※第2類医薬品 3,500円~4,500円(税抜)(1日2回、24日分)
「クラシエ」漢方五苓散料エキス顆粒 45包 ※第2類医薬品 2,700円~3,700円(税抜)(1日3回、15日分)
伸和製薬 五苓散料エキス錠(大峰) 240錠※第2類医薬品 2,500円~3,500円(税抜)(1日3回、20日分)
オンライン診療SOKUYAKUであればクリニックや服薬指導の待ち時間の短縮や、二次感染リスクの軽減が可能です。ぜひ「SOKUYAKU」をご利用ください。
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