アズノール軟膏に市販薬はある?成分や副作用、使用における注意点を解説
更新日:2024年02月29日
アズノール軟膏とは
皮膚の炎症や保護作用を持つ「アズノール軟膏」。植物に由来する非ステロイド系の軟膏で、副作用もほとんどないという特徴があることからオムツかぶれの赤ちゃんからご高齢者まで幅広く使用されているお薬です。
アズノール軟膏に含まれる成分は?
病院を受診し、処方される医療用医薬品である「アズノール軟膏」の有効成分は 「ジメチルイソプロピルアズレン(グアイアズレン)」といって天然物由来であり、抗炎症作用、ヒスタミン遊離(生体内で炎症、アレルギー反応、神経伝達などに関与している生理活性物質)抑制作用、創傷治癒促進作用があります。
「天然由来」をもう少し詳しくご説明すると、西洋ハーブの「ジャーマンカモミール」、「カミツレ」という名前を聞いたことはありますでしょうか?
よくアトピーなどによるや皮膚の乾燥や炎症に悩む方への入浴剤として市販されているためもしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
この「カミツレ」の成分の1つが炎症を抑える「アズレン」で、そこから医療の方へと研究が進められていった経緯があります。実際の商品であるアズノール軟膏にお話を戻します。
商品名アズノール軟膏0.033%一般名称ジメチルイソプロピルアズレン軟膏製造販売元日本新薬株式会社効能効果湿疹、熱傷・その他の疾患によるびらん及び潰瘍
抗炎症作用を有しているアズレンの一種 「ジメチルイソプロピルアズレン(グアイアズレン)」という主成分の他には精製ラノリン、白色ワセリンといった保湿作用のある基剤から成り立っています。
アズノール軟膏はどんな症状に効果的?
一般的に添付文書を基に効能効果として湿疹、熱傷・その他の疾患によるびらん及び潰瘍と先ほど明記しましたが、具体的には湿疹の他に皮膚炎・アトピー性皮膚炎・虫さされ・薬疹・中毒疹・外傷・熱傷・日焼け・凍傷・凍瘡、褥瘡・皮膚潰瘍などの症状に使用されているお薬です。
そもそも湿疹や皮膚炎とはどうのようにして起こるのでしょうか?
通常健康な皮膚では角質のバリア機能があることで、水分の蒸発や外からの刺激を防いでいます。湿疹や皮膚炎が起こる要素としては日光や乾燥、化粧品、アレルゲン(花粉、金属、植物)などの外からの刺激と乾燥肌や、発汗異常などによる皮膚の異常や、アトピーなどの内面的なものがあります。
そしてこれらの様々な刺激から体を守る防御反応として免疫システムが私たちの体には備えられています。この免疫システムが過剰に働いてしまうことで炎症が起こり、皮膚にあらわれた状態が湿疹・皮膚炎です。
「アズノール軟膏」はこのような湿疹・皮膚炎があらわれている部位に適度な水分を保持させ乾燥や刺激などから皮膚を守ることで湿疹などの発生や悪化を防ぐ薬として使用されています。
比較的軽傷の皮膚の炎症や、広範囲や長期に渡って塗布することが予想される場合などに使用されることが多く、その理由は炎症効果の高いステロイドほどの作用はありませんが、副作用もほとんどないためです。
そのためお薬を吸収しやすい小さなお子さん、そして顔周りや陰部などの皮膚が敏感な部分にも使用されます。
また組み合わせとして、「アズノール軟膏(成分:ジメチルイソプロピルアズレン)」自体に抗ウイルス作用はありませんが、病変部の炎症を鎮める効果や、皮膚の保護を目的として抗ヘルペスウイルス薬と一緒に用いられることはあります。
ちなみに、ニキビは、医療の専門用語では、「尋常性ざ瘡」と言いますが、「アズノール軟膏」の効能効果には記載がありませんのでニキビ治療の適応はありません。
軟膏以外の商品としてはうがい薬があげられ、医療用医薬品としては、アズノールうがい液や同成分含有のアズレン含嗽用顆粒(または散)などのお薬があります。
これらは抗炎症(炎症を鎮める)効果があり、腫れや痛みなどを和らげる作用があり、のどや口内に炎症を起こしている場合などの場合に用いられます。(※イソジンのような殺菌効果はありません)
使い方のポイント
通常医師による用法用量(使い方)としては、症状により適量を1日数回塗布するように指示が出るお薬です。
今回は、アズノール軟膏の正しい効果を解説するとともに、実際にどのようなある使い方に関する相談にお答えする形で、詳しく説明していきます。
アトピー性皮膚炎に使用できる?
アトピー性皮膚炎などの慢性病の場合、ステロイド軟膏による局所皮膚の炎症をただ一時的に抑えるだけで、根本治療にはなっていません。
そのため皮膚の症状の程度に応じた適切な強さのステロイドの軟膏やプロトピック軟膏やコレクチム軟膏と言ってステロイド系の軟膏と同じように炎症を抑える作用がある外用薬が病院から処方されることが多いでしょう。
まだアトピー症状が強く出ていないお子様などに皮膚がただれているときは「アズノール軟膏」などの炎症を抑える薬を使用することがあります。
ヘルペスには?
アズノール軟膏自体に抗ウイルス作用はありませんので直接的なヘルペスの第一選択薬にはなりません。
しかし病変部の炎症を鎮める効果や、皮膚の保護を目的として抗ヘルペスウイルス薬と一緒に用いることかはあります。ヘルペスが疑われるときは早めに医療機関に受診しましょう。
また再発された方であれば市販の抗ウイルス薬を薬剤師がいる薬局薬店でご購入は可能です。
参考までに市販されている代表的な再発ヘルペス治療薬は以下の通りです。
アラセナS軟膏もしくはクリーム(SATO製薬)
アクチビア軟膏(グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン(GSK CHJ)
長期間の使用は良いの?
基本的には副作用が少ないお薬ですので、主治医からの指示に従って安心して塗っていただいて問題ありません。
ただし症状が治った後にも保湿や保護目的での使用したい場合は保湿・保護目的のみのワセリンなどのお薬が良いでしょう。
ここまで使い方のポイントをお伝えしてきましたが、「アズノール軟膏」はあくまでも医療用医薬品ですのでご自身で勝手に判断し使用する前に、医療機関への受診、医師や薬剤師へのご相談をお勧めいたします。
使用方法の注意点や副作用はある?
植物に由来する非ステロイド系の軟膏で、副作用もほとんどないことからお薬を吸収しやすい小さなお子さん、そして顔周りや陰部などの皮膚が敏感な部分にも使用されます。
とはいえ注意点もないわけではありません。
<使用する際のポイント>
眼科用として使用しないようにしましょう。
炎症している皮膚に塗る際は刺激しないように優しく塗布するようにしましょう。
他に薬を使っている場合はお互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、大衆薬も含めて他に使用中の医薬品に注意してください。
ほとんど副作用がないと言われているアズノール軟膏ですが、以下の症状が出た場合は注意が必要です。
ほてり
かゆみ
皮膚がヒリヒリ
チカチカする感じ(刺激感)などの過敏症状
発疹
かぶれ
水ぶくれなど(接触性皮膚炎)
このような症状に気づいたら、担当の医師または薬剤師に相談してください。
現在かかりつけの医師より治療中の疾患の薬を処方してもらい飲んでいる患者様は、効果効能、起こりうる可能性のある副作用などを注意するために必ず医師や薬剤師、登録販売者に相談の上購入するようにしましょう。
どうすれば購入できる?
「アズノール軟膏」は「医療用医薬品」に指定されているため、通常市販では購入することができません。
しかしながら「アズノール軟膏」は「処方箋以外の医療用医薬品」(非処方箋医薬品)に指定されているため、「零売」(れいばい)の取り組みを行なっているという薬局であれば、医師の処方箋がなくても薬剤師との対面によるカウンセリングの元可能です。
アズノール軟膏を購入するにはどうしたらいい?
アズノール軟膏は「医療用医薬品」に指定されているため、処方箋なしでドラッグストアなどで購入することはできません。
アズノール軟膏を購入するには、医師の診察を受けて処方箋を発行してもらう必要があります。しかし、薬をもらうためだけに病院に行くのは面倒と感じる方もいるのではないでしょうか。
最近ではオンライン診療を行っている病院も増えており、誰でも気軽に相談できるという状況が生まれています。
オンライン診療は、
・受付や会計の待ち時間が短縮される。
・自宅や外出先で診療が受けられる。
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