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アトピー性皮膚炎は汗で悪化するの?原因や対処方法について詳しく解説

監修医師 高藤 円香
更新日:2024年07月29日

更新日:2024年07月29日

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アトピー性皮膚炎は、汗の刺激によって症状が悪化することがあります。暑い時期や体を動かした後に汗をかいた場合、皮膚の炎症やかゆみが強まるかもしれません。

この記事では、アトピー性皮膚炎がどうして汗で悪化するのか、原因と効果的な対策について、わかりやすく解説します。アトピーの不快感を軽減するために、ぜひ参考にしてください。

アトピー性皮膚炎は汗で悪化する?

アトピー性皮膚炎は、肌の守り手であるバリア機能が弱まっている状態です。外部からの少しの刺激にも肌が過敏に反応し、炎症を起こしやすくなります。肌が水分を保持できないため、乾燥しやすくなり乾燥肌を抱えてしまいます。

 

アトピー性皮膚炎の方にとって、汗は避けるべきものと考えられがちですが、実はそんな単純な話ではありません。汗をかきにくいことによって、皮膚の乾燥が進み症状を悪化させるとも考えられています。汗をかくこと自体を避けるよりも、汗をかいた後の適切なケアを心がけることが大切です。

アトピー性皮膚炎の症状

アトピー性皮膚炎は、体の左右対称に症状が現れることが多く、症状は強いかゆみと湿疹です。乳児では症状が2ヶ月以上続くことが一般的で、幼児では6ヶ月以上続くことがあります。額、目の周り、口元、耳の周辺、首、関節の内側、体の中央部などに現れることがほとんどです。

 

年齢によって症状が出る場所が変わります。

 

乳児: 顔などから始まり、手足に広がることが多いです。

・幼児: 首や関節部に湿疹が見られます。

・思春期・成人: 顔や上半身、特に首や胸部に症状が多いです。

 

アトピー性皮膚炎の方は、伝染性軟属腫や伝染性膿痂疹などの感染症にかかりやすいことも知られています。強いかゆみのために目をこするなどの行動を繰り返すことで、白内障や網膜のトラブルが生じるリスクが高まります。

夏に症状が悪化しやすいのはなぜ?

夏にアトピー性皮膚炎の症状が悪化しやすい理由は汗と紫外線の影響です。

 

汗の影響

汗は体温調節や老廃物の排出に重要な役割を果たしますが、アトピー性皮膚炎の方には刺激となることがあります。汗が溜まりやすい場所、衣服の摩擦を受けやすい場所で湿疹ができやすいため注意しましょう。ただし汗には保湿や抗菌作用もあり、軽症の方には改善効果が期待できます。

 

重症のアトピー性皮膚炎の方は汗をかきにくく、炎症反応で汗を作る細胞が破壊されることがあります。

 

紫外線の影響

紫外線は皮膚のバリアを破壊して、湿疹を悪化させ感染症にもかかりやすくなります。また、紫外線は皮膚の深いところまで影響を与えるため、ダメージは長期間続くことがあります。

 

子どもにとって問題になるのは学校のプールの授業です。プールに使う塩素も皮膚のバリアを破壊するため、雑菌が侵入しやすくなります。アトピーのバリア機能が弱い皮膚は、紫外線や塩素の影響を受けやすく、雑菌が入りやすくなるため、良い状態を保ちましょう。

自分でできる対策方法

医療機関での治療と並行して、家庭でもかゆみを抑えるセルフケアを行います。悪化の原因が分かっている場合は、それを避けるようにしてください。

 

アレルギーを避ける
ハウスダストがアレルギーの原因の場合、ダニを増やさないために絨毯よりもフローリングの床材が理想的です。窓を開けて換気をしながら、こまめに掃除をしましょう。寝具は日光に当てて、掃除機で吸い取るとダニの発生を防げます。

 

花粉が原因 の場合、帰宅時にコートについた花粉をよく払ってから部屋に入り、風の強い日は窓を開けないようにする工夫を行って下さい。

 

スキンケア

肌を清潔に保つために、刺激の少ない石けんを使い、よく泡立ててから手で洗います。タオルやスポンジを使うと皮膚を傷つける恐れがあるため、泡で優しく洗うようにしてください。洗った後は保湿剤を塗りましょう。

 

身体への刺激を減らす

香辛料やアルコールを控えめにしてください。寝具は柔らかい素材のシーツを使い、毛布にはカバーをかけると良いでしょう。下着は木綿素材を選び、洗濯洗剤が残らないようによくすすぎます。

 

長い髪は結び、化粧品は低刺激のものを用いるとよいでしょう。アクセサリー類は控えることで、肌への刺激が少なくなります。汗をかいたら早めにタオルで吸い取ることも大切です。

事前にできる汗の対策方法

汗をかく前に保湿剤を塗って、肌を保護しましょう。これにより、汗が直接肌に触れるのを防ぎます。

汗をかいた後のケア方法

汗をかいた後は、できるだけ早くシャワーで汗を洗い流しましょう。石鹸は使わずに、表面の汗を流すことが目的です。汗に含まれる油分を適度に残すために、洗いすぎないようにしてください。シャワーが難しい場合は、濡れタオルで汗を拭き取るだけでも効果的です。汗を拭き取った後は、乾燥対策として再度保湿剤を塗りましょう。

症状がつらい場合は皮膚科を受診しましょう。

アトピー性皮膚炎は、早期の対応がとても大切です。悪化することは容易ですが、一度悪化してしまうと改善には時間と努力が必要になります。

 

皮膚が乾燥して痒みを感じる、または治りにくい湿疹が見られる場合は、皮膚科を受診しましょう。早めに診察を受けることで、症状の悪化を防ぎ適切な治療法を見つけられます。

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まとめ

アトピー性皮膚炎は、汗自体が症状を悪化させるわけではなく、汗をかいた後の適切なケアが重要です。この記事では、汗がアトピー性皮膚炎にどのように影響するのか説明しました。

 

汗が持つ保湿や免疫、体温調節などの役割により、アトピー性皮膚炎が悪化しにくい皮膚状態を促進する可能性があります。汗を避けるのではなく、汗をかいた後に肌を清潔に保ち、適切に保湿することで症状の悪化を防げます。

 

この情報をもとに、アトピーの症状を抑え、より良い日常生活を送るための方法を見つけましょう。時間がなくて医師に診てもらうことが難しい時は、オンライン診療を活用するのも一つの手段です。

コメント 本来、汗をかくことは人間が体温を調整するために持っている大切な機能です。汗をかくこと自体が悪いわけではなく、汗をかいたあとに皮膚に長時間放置しておくことにより雑菌が繁殖し、刺激になったり、アレルギーの原因になります。汗はしっかりとかけるほうがよいので、汗をかかないようにするのではなく、汗をかいた後の適切なケアを知っておくことが大切です。皮膚の状態をよくすることが痒みの低減につながりますので、コントロールをしっかり行えるとよいですね。

監修医コメント

医師
高藤 円香

本来、汗をかくことは人間が体温を調整するために持っている大切な機能です。汗をかくこと自体が悪いわけではなく、汗をかいたあとに皮膚に長時間放置しておくことにより雑菌が繁殖し、刺激になったり、アレルギーの原因になります。汗はしっかりとかけるほうがよいので、汗をかかないようにするのではなく、汗をかいた後の適切なケアを知っておくことが大切です。皮膚の状態をよくすることが痒みの低減につながりますので、コントロールをしっかり行えるとよいですね。

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監修医師 高藤 円香
経歴は防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科 保有免許・資格は皮膚科専門医
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