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膀胱炎は何科で診てもらう?症状や治療方法、予防方法について詳しく解説

監修医師 中路 幸之助
更新日:2024年07月25日

更新日:2024年07月25日

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膀胱炎は、細菌が原因で膀胱に炎症を起こす病気です。この病気は、適切な治療を受けないと症状が悪化し、最終的には腎臓に深刻な影響を及ぼす腎盂腎炎に進行する恐れがあります。そのため、早めに医師の診断を受け、治療を開始することが重要です。

この記事では、膀胱炎は何科で診てもらうのか、症状や治療法、予防方法についてわかりやすく説明していきます。膀胱炎について知りたい方や症状を繰り返しています方は参考にしてください。

膀胱炎とは

膀胱炎は、膀胱という尿を一時保管する袋に起こる病気になります。この病気は、細菌が膀胱に入り込むことにより炎症を引き起こすこと が一般的です。

 

膀胱は普段は尿を溜めておき、一定量に達すると尿を外に出すように動きます。しかし、膀胱炎になると、この機能がうまく働きません。トイレに行く回数が増えたり、排尿時に痛みを感じたり、尿が残っているような感覚になったりします。特に女性は男性よりも膀胱炎になりやすいとされています。

膀胱炎の原因

膀胱炎は、細菌が尿道口から体内に侵入し、免疫力が低下している隙に膀胱に到達した場合、膀胱の内壁を覆う粘膜に感染することで発症する病気です。

 

女性が男性よりも膀胱炎にかかりやすいのは、女性の身体構造が原因であると考えられています。女性の尿道は男性よりも短く、細菌が膀胱に到達しやすい上、細菌が常在する膣と肛門が尿道口に近いため、細菌が侵入しやすくなります。

 

また、日常生活で尿意を我慢することが多い、生理や性行為によって細菌が移動しやすい、妊娠や過度なダイエットで免疫力が低下しやすいなど、女性特有の状況も膀胱炎のリスクを高める要因です。これらの要因に注意し、適切な対策を講じることで膀胱炎の予防につながる可能性があります。

膀胱炎の症状

膀胱炎は、膀胱に問題が生じると発症する病気です。そのため、次のような典型的な症状が見られます。

 

・頻繁にトイレに行きたくなる
・排尿時の痛み
・尿の色が濁っているか、血が混じっていることも
・尿をすべて出し切った感じがしない
・下腹部の痛み

 

この症状を放置した場合、膀胱炎はさらに深刻な状態に進行するかもしれません。たとえば、腎盂腎炎という合併症が起こります。これは腎臓の一部に炎症が生じ、38度以上の高熱を引き起こすことがある病気です。

膀胱炎の前兆

膀胱炎では以下のような症状が前兆ともいえます。この症状が現れたら、膀胱炎かもしれません。

 

1.トイレの回数

膀胱炎の前兆として、多くの方に頻繁にトイレに行きたくなる感覚が現れます。トイレの回数がいつもより多い場合には注意してください。

 

2.排尿の時の違和感や痛み

膀胱が炎症を起こしている場合には、排尿する際に最後のほうで下腹部や尿道口に痛みを感じることがあります。

 

3.色の濁った尿

尿が白っぽくなったり、臭いが強くなったりします。

 

4.血液が混ざる

尿に血が混じり、ピンク色から赤色の変化が見られます。時には血の塊が出ることもあります。

 

5.発熱

膀胱炎自体では発熱はあまり出ません。ただし、腎盂腎炎など他の病気が合併している場合に発熱がみられます。

膀胱炎になりやすい人

膀胱炎になりやすい人として、免疫力の低下している人と女性があげられます。皮膚には常に雑菌が存在し、清潔にしていても周囲には多くの細菌がいます。膀胱炎は、私たちの身の回りにある無数の細菌が原因で起こる病気です。外陰部には特に多くの雑菌が多いため、ストレスや疲労、風邪などで免疫力が低下すると、これらの細菌が膀胱内に侵入し、繁殖して感染症を引き起こすことがあります。女性は特に膀胱炎にかかりやすく、20〜40歳の方に多いため注意してください。

膀胱炎は何科で診てもらう?

膀胱炎の治療は、泌尿器科で診てもらうのが一般的です。ただし、内科でも尿検査を行い、膀胱炎を診断できます。女性の場合は婦人科で受診が出来る場合もあります。

 

膀胱炎は女性にとって話しにくい病気の一つです。そのため、医師の診察を受けるのを避けがちになり、治療が遅れることがあります。しかし、膀胱炎は適切な薬を服用すれば、通常は短期間で治ります。排尿時に痛みや違和感を感じたら、早めに医師の診察を受けることが大切です。

膀胱炎の診断方法

膀胱炎の診断には尿検査を用いることが一般的です。検査では、尿に血液や白血球が含まれていないかを確認し、感染の有無を判定します。検査に必要な時間は、尿を採取してから約10分です。検査で感染が見つかった場合は、直ちに治療を始めます。

 

症状によっては、どの種類の菌が原因であるか、どの抗生物質が効果的かを知るために、尿中の細菌を育ててみる薬剤感受性検査(抗生物質がどれだけ効くかを調べる検査)を行うこともあります。

膀胱炎の治療方法

膀胱炎は、その種類や原因によって治療法が異なります。

 

・急性膀胱炎

細菌感染が原因で起こります。治療には、その細菌に効果的な抗生物質を使用します。治療を始めてから数日で症状が改善し、多くの場合は比較的短期間で治ります。

 

・慢性膀胱炎

細菌が原因ですが、症状が長引くことが特徴です。抗生物質で症状を和らげる一方で、細菌感染の根本的な原因となる病気があれば同時に治療します。

 

・間質性膀胱炎

このタイプは原因が明確でないため、治療は症状を和らげることに焦点を当てます。膀胱内に生理食塩水を注入して伸ばす手術や、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬などの薬物療法があります。また、膀胱の尿を保持する量を増やす訓練や、症状を引き起こしやすい食べ物を避けるなどの生活改善も効果的です。

 

・出血性膀胱炎

ウイルスが原因の場合、特効薬はないため自然に治るのを待ちます。安静にしていれば、通常は1週間ほどで血尿を含む症状が改善することが多いです。

膀胱炎の予防方法

膀胱炎を予防するためには、以下のようなことに注意しましょう。

 

1.水分

アルコールはほどほどにし、水やお茶などをたくさん飲んで体内の水分量を保ちましょう。これにより、尿の流れが良くなり、細菌が膀胱に留まるのを防ぎます。

 

2.ストレス管理

忙しい日々の中でもリラックスする時間を作り、十分な休息を取りましょう。身体の抵抗力を高め、膀胱炎のリスクを減らせます。

 

3.お腹を冷やさない

特にお腹や腰回りを冷やさないように注意してください。冷えは膀胱炎の原因になりやすいので、冷房の効いた部屋では暖かい服装を心がけましょう。

 

4.トイレを我慢しない

長時間トイレを我慢するのは避けてください。定期的に排尿することで、膀胱内の細菌を洗い流しましょう。

 

5.性行為後の排尿

性行為の後はトイレで排尿することで、細菌が膀胱に入るのを防ぎます。

 

6.正しい拭き方

トイレの後は前から後ろへと拭くことで、細菌が膀胱や尿道へと移動するのを防ぎます。

 

7.清潔な生活習慣

定期的にお風呂に入り、下着は清潔なものにこまめに替えることで、細菌の繁殖を防ぎます。

 

まとめ

膀胱炎は、特に女性に多い病気で、頻尿や尿の際の痛みなどの不快な症状が現れます。泌尿器科での早めの診断と治療により、ほとんどの場合症状は良くなります。治療には抗生物質が使われることが一般的です。

 

ただし、水をたくさん飲むことや清潔にすることなど、日常生活での予防も大切になります。健康を守るためにも、自分に合った予防方法を見つけ実践しましょう。

コメント 膀胱炎は適切な治療をせずに放置すると、感染が上方の尿管から腎盂におよび、発熱・悪寒・腰痛などの症状を呈する「腎盂腎炎」を起こす可能性があります。そのため症状が軽くても放置せずに早めに内科や泌尿器科を受診するようにしましょう。仕事が忙しかったり、体のデリケートな部位の病気であり、はずかしくて病院へ早く行けない人はオンライン診療で早めに適切な治療を受けることが可能であり、オンライン診療は有用な手段となります。

監修医コメント

医師
中路 幸之助

膀胱炎は適切な治療をせずに放置すると、感染が上方の尿管から腎盂におよび、発熱・悪寒・腰痛などの症状を呈する「腎盂腎炎」を起こす可能性があります。そのため症状が軽くても放置せずに早めに内科や泌尿器科を受診するようにしましょう。仕事が忙しかったり、体のデリケートな部位の病気であり、はずかしくて病院へ早く行けない人はオンライン診療で早めに適切な治療を受けることが可能であり、オンライン診療は有用な手段となります。

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監修医師 中路 幸之助
医療法人愛晋会中江病院 内視鏡治療センター 専門領域はアレルギー・膠原病内科, 神経内科, 消化器内科, 血液内科, 肝胆膵内科, 呼吸器内科, 総合内科, 感染症科, 循環器内科, 腎臓内科, 内分泌代謝科, 糖尿病内科, 内科 経歴:1991年に兵庫医科大学を卒業後、 兵庫医科大学、獨協医科大学を経て、1998年 医療法人協和会に所属。 2003年から現在まで、医療法人愛晋会中江病院の内視鏡治療センターで臨床に従事している。 専門分野はカプセル内視鏡・消化器内視鏡・消化器病。学会活動や論文執筆も積極的に行っており、日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本消化器病学会専門医・指導医・学会評議員、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員、日本消化管学会代議員・近畿支部幹事、日本カプセル内視鏡学会認定医・指導医・代議員を務めているほか、 米国内科学会(ACP)の上席会員(Fellow)でもある。 主な研究内容・論文として、カプセル内視鏡 消化器内視鏡 消化器病 保有免許・資格は、米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医 日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医 日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医
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