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抜け毛が止まらない原因は?抜け毛のメカニズムや原因、対処方法について解説

監修医師 山下 真理子
更新日:2024年05月31日

更新日:2024年05月31日

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髪がたくさん抜けると、病気かもしれないと心配になるかもしれません。しかし、日常生活の中で紫外線の影響や洗髪の方法が間違っていることが要因になって、抜け毛は増えることがあります。健康な方でも。

髪は自然に抜けるものです。抜け毛があるといっても、それが異常な状態ということではありません。抜け毛が正常なのか、それとも異常なのかを見極め、適切な対応をすることが大切です。

ここでは、抜け毛が止まらない原因と、それが正常なのか異常なのかの見分け方、そして対処方法について、わかりやすく説明していきます。抜け毛が気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

抜け毛が止まらないのはなぜ?

抜け毛は通常、健康な方でも髪の毛は一定量抜ける自然な現象です。ただし、通常以上に多くの髪が抜けると、心配になります。

 

もし抜け毛が急に増えたり、普段とは違うパターンで抜けるようになったりしたら、何か原因があるかもしれません。では、抜け毛が止まらない場合、どのようなことが考えられるでしょうか。

AGA(男性型脱毛症)の可能性

男性の場合、抜け毛が止まらないという状況は、男性型脱毛症かもしれません。これは男性に最も一般的な薄毛のタイプで、思春期以降に始まり、時間とともに進行する特徴があります。男性型脱毛症は、AGA(Androgenetic Alopecia)とも呼ばれ、頭の頂部や前面が薄くなるのが一般的です。体内の特定の酵素が男性ホルモンを別のホルモンに変えることで起こります。この変化が、頭皮の皮脂を増やしたり、抜け毛を引き起こしたりすることがあります。

女性も脱毛症になることがある

薄毛は男性だけの悩みではありません。女性も脱毛症になることがあります。女性の脱毛症にはいくつかの種類があり、それぞれ原因や特徴が異なります。

 

女性型脱毛症は、特に更年期の女性に多く見られる脱毛症です。ホルモンの変化が主な原因で、髪が全体的に薄くなることが特徴になります。出産後に一時的に髪が抜ける分娩後脱毛症もあり、出産によるホルモンバランスの変動が原因です。

 

他にも、頭皮に負担をかけるヘアスタイルが原因の牽引性脱毛症や、頭皮の炎症が原因の粃糠性脱毛症などがあります。女性の薄毛の原因は多岐にわたりますが、ホルモンバランスの変化、栄養不足、ストレス、自律神経の乱れなどが挙げられます。適切なヘアケアやバランスの良い食事、ストレス管理が大切です。

円形脱毛症の可能性

髪の毛が特定の部分から突然大量に抜ける現象は、円形脱毛症の兆候かもしれません。これは、年齢や性別に関係なく、誰にでも起こり得る脱毛症です。

 

円形脱毛症は、頭皮の一部に丸い形の脱毛が見られることが特徴で、その原因はまだ完全には解明されていません。ストレスや免疫系の問題などが関係していると考えられています。

頭皮環境の悪化

抜け毛が多いと感じたら、頭皮の状態に問題があるかもしれません。では、頭皮がどうして悪くなり、それが抜け毛にどう関わってくるのでしょうか。

 

頭皮の健康は髪の毛の成長に直接影響します。頭皮は髪の毛が生え、成長するための土壌です。頭皮が悪化すると、毛穴が詰まったり、炎症が起きたりして、髪の毛が育ちにくくなります。頭皮が悪いと、髪の毛が抜けやすくなるのです。

 

髪の毛は毛母細胞が分裂することによって成長しますが、毛母細胞は頭皮下の血管から栄養を受け取り、髪の毛を成長させます。何らかの原因によって頭皮環境が悪化すると、毛母細胞が十分な栄養を受け取れなくなり、髪の毛が成長しきらないうちに抜け落ちるリスクが増します。

頭皮環境が悪化する原因

髪の毛の健康は、頭皮の状態に大きく依存しています。頭皮が健康であれば、髪もしっかりと成長しますが、日々の生活習慣が原因で頭皮のバランスが崩れることがあります。

 

栄養バランスの乱れは、頭皮に必要な栄養が不足する大きな要因です。バランスの良い食事を心がけないと、髪の毛を育てる土台となる頭皮に十分な栄養が行き渡らず、抜け毛が増えるかもしれません。

 

また、運動不足や冷え性は血流を悪化させ、頭皮への栄養供給を阻害します。これにより、髪の成長に必要なエネルギーが不足し、抜け毛につながるため注意してください。過労や睡眠不足は体の自然な回復機能を低下させ、頭皮環境を整える力を弱めます。

 

これらの生活習慣が抜け毛の原因となり得るため、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な休息を心がけることが大切です。髪と頭皮の健康を守るためにも、日々の生活を見直してみましょう。

抜け毛が正常か異常かの見分け方

抜け毛が正常範囲内かどうかは、抜ける毛の数や毛根の形状によって判別できます。抜け毛が正常か異常かの区別方法について、具体的に説明していきます。

抜け毛の本数

私たちの髪の毛は、成長と休息を繰り返す周期を持っています。通常、髪は2年から6年かけて伸び続け、その後2週間ほど休憩期間を経て3~4ヶ月の間に自然と抜け落ちます。そして、新しい髪の毛が生えてくるサイクルです。

 

健康な頭皮の場合、1日に50~100本の髪の毛が抜けるのは正常な現象です。この本数の抜け毛は、気にする必要はありません。しかし、1日に100本以上の髪の毛が抜ける場合には、注意しましょう。

 

抜け毛の数を数えるのは難しいですが、お風呂の排水口に髪の毛がたくさん溜まったり、枕に髪の毛が多く見られたり、シャンプー時に手に髪の毛が絡みつくことが多い場合は、抜け毛が多いサインかもしれません。

毛根の形

抜け毛が正常なものかどうかを判断する際には、毛根の形状を観察することが重要です。施錠な抜け毛の場合、毛根は太くて弾力があり、しっかりしています。一方で、問題がある抜け毛は、毛根が細くて弱々しいことが特徴です。毛根が不規則な形や膨らみがない場合は、髪の成長に何らかの問題があるかもしれません。

髪の太さ

日本人男性の髪は年齢によって太さが変わります。若い頃は髪が少し太く、15歳から24歳で平均0.085mmの太さになります。しかし、20代後半になると髪は細くなり始め、30代で0.08mm以下になることが多いです。そして、40代後半には0.07mm、50代後半には0.065mmと、さらに細くなっていきます。

 

髪の毛が細くなる現象は、AGAの兆候の一つです。ただし、それ以外にも様々な原因があります。年齢を重ねることや栄養が不足していることも、髪の毛が細くなる要因として考えられます。

 

通常、年齢が上がるにつれて髪の毛は細くなるものですが、その年齢にしては明らかに細すぎる場合は、異常な抜け毛かもしれません。

抜け毛が止まらない場合の対策方法

抜け毛が止まらない場合には、以下の方法を試してみましょう。

ヘアケア方法を見直す

頭皮の健康を保つためには、清潔さと保湿が重要です。もし頭皮が乾燥してフケが出るようであれば、シャンプーが頭皮に合っているかどうかを見直すことから始めましょう。

 

洗浄力が強すぎるシャンプーは頭皮を刺激することがあるため、アミノ酸系のシャンプーや敏感肌用のスカルプケアシャンプーの使用を検討してみてください。シャンプーを洗い流す際は、38〜40℃のお湯を使い、シャンプー後はすぐにドライヤーで髪を乾かすことが頭皮の乾燥を防ぐのに役立ちます。

 

紫外線は頭皮トラブルの原因となることがあるため、UVケア製品を使って保護することも大切です。スプレータイプやローションタイプなど、使いやすい頭皮用のUVケア製品が多くありますので、特に紫外線を浴びやすい頭頂部や前額部に使用しましょう。

生活習慣を整える

抜け毛がひどいと感じたら、生活習慣を見直すことが大切になります。髪の成長には、質の良い睡眠が必要です。6時間以上の睡眠を取りノンレム睡眠に素早く入ることが重要です。

 

また、食生活も見直しましょう。毎日同じ時間に食事をし、1食に30分以上かけて食べるように意識してください。

 

髪の毛にとって大切なのは、栄養が豊富でバランスの取れた食事です。髪の毛は「ケラチン」というタンパク質でできているため、良質なタンパク質をしっかり摂ることが重要になります。

 

鶏のササミや納豆など、カロリーや脂質が低い食品はおすすめです。また、髪の生成には亜鉛やヨウ素などのミネラル、ビタミンB群、そして頭皮の健康を支えるビタミンCも必要になります。これらをバランスよく摂ることで、髪の毛の健康を支えましょう。

 

喫煙や多量の飲酒は血行不良や代謝の低下を招くため、抜け毛が気になる場合は禁煙し、お酒も控えめにしてください。これらの習慣を見直すことで、抜け毛の問題に対処する手助けになります。

専門医に相談してAGA治療を行う

AGA、つまり男性型脱毛症の治療には、体内で作られる特定のホルモンの影響を抑えることが鍵です。そのため、ホルモンの働きを抑える内服薬が治療方法になります。また、血流を良くして毛根に栄養を届ける外用薬も、発毛を促進する効果が期待できます。

 

しかし、治療は一人ひとりの状態に合わせて行う必要があるため専門医に相談することが大切です。抜け毛の具合や頭皮の状態、生活習慣などを総合的に診てもらい、適切なアドバイスを受けましょう。

AGAの治療法

AGAの治療法には、投薬治療や植毛、メソセラピーなどがあります。予算や状態に合わせて医師と相談しながら選択していきます。ただし、効果には個人差があるため、全員に同じような効果はありません。

AGA治療薬の服用

AGAの進行を遅らせるために、内服薬としてフィナステリドや外用薬としてミノキシジルが使用されます。フィナステリドは男性ホルモンの働きを抑制し、ミノキシジルは毛髪の成長を促進します。

フィナステリド

フィナステリドはAGAの治療に用いられる薬です。AGAは、男性ホルモンが、5αリダクターゼという酵素と結びついてジヒドロテストステロン(DHT)という物質を作り出すことで引き起こされます。DHTが多く生成されると、髪の成長サイクルが乱れ、薄毛や抜け毛が進行します。

 

フィナステリドは、この5αリダクターゼの働きを抑えることでDHTの生成を減らし、髪の成長サイクルを正常化して薄毛の進行を防ぐ薬です。しかし、効果を実感するまでには個人差があり、多くの場合で6ヶ月程度は継続して使用しないといけません。

 

また、フィナステリドには副作用がありますが、比較的まれで、長期投与試験での副作用発現率は1.1%と低いとされています。副作用が現れた場合は、すぐに医師に相談することが重要です。フィナステリドは成人男性のみに処方され、女性や未成年者、特に妊娠中の女性は使用できません。

 

プロペシアはフィナステリドを含む最初のAGA治療薬でしたが、2015年以降、ジェネリック医薬品としても多くのメーカーからフィナステリド錠が販売されており、治療費の削減に貢献しています。

 

AGA治療はフィナステリドだけで十分?フィナステリドのみで得られる効果について解説

ミノキシジル(内服)

ミノキシジルはもともと高血圧の治療に使われる薬で、血管を広げて血圧を下げる効果があります。しかし、この薬を使っていた人たちの中で、髪の毛が増える副作用が見られたことから、薄毛治療にも効果があると考えられるようになりました。

 

ミノキシジルには、頭皮に塗るタイプの外用薬と、飲むタイプの内服薬があります。

 

内服薬は、体の内部から効果を発揮するため外用薬よりも強い効果が期待できますが、副作用のリスクもあります。そのため、専門のクリニックで医師の診察を受けないといけません。

 

ミノキシジルの効果を感じるまでには個人差がありますが、一般的には6ヶ月程度が目安です。効果が早く現れる人もいれば、1年程度かかる人もいます。効果が出るまで根気強く続けることが大切です。

ミノキシジル(外用)

外用薬は、一般的には最大5%の濃度のものが市販されており、ドラッグストアや通販で手に入れられます。より高濃度のものは医療機関での処方が必要です。女性の使用については、外用薬の濃度が男性用と女性用で異なります。妊娠中、妊娠の可能性がある方、授乳中の方は使用を避けてください。

植毛

自毛植毛術とは、薄毛治療の一つで自分の髪の毛を使って行う手術のことです。この方法では、薄毛になっていない頭の後ろの部分から健康な毛根を採取し、薄毛の部分に移植します。

 

この手術は、移植した毛がしっかりと根付く確率が非常に高いとされています。男性の薄毛治療においては、医療ガイドラインでも推奨されている治療法です。

 

参考:日本皮膚科学会『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

 

ただし、この手術には高額な費用がかかること、手術に伴う痛みや、稀に起こる合併症などのリスクがあることも理解しておきましょう。

メソセラピー

毛髪再生メソセラピーは、薄毛のある部分に特別な治療を施すことで髪の成長を促す治療法です。この治療では、レーザーや超音波を使って、髪の成長に必要な栄養素や薬剤を頭皮に浸透させます。

メソセラピー自体は、手術をせずに特定の薬剤を体の特定の部位に直接注入する治療法で、毛髪再生だけではありません。肌の美容や体の他の治療にも応用されています。たとえば、にきび治療や関節炎、スポーツ障害の回復支援、セルライト除去やダイエット、肌のリフトアップなど、さまざまな目的で利用されています。

AGAによる薄毛が気になる頭頂部や前頭部などの広い範囲に対して、メソセラピーは有効です。この治療は、頭皮の健康を取り戻し、血流を良くして、髪の成長を助ける薬剤を導入することで、薄毛を改善します。

 

「メソセラピー」ってどんなAGA治療方法??特徴や効果、副作用について解説

薄毛が気になったら、早めにAGA専門医に相談しましょう

AGA、つまり男性型脱毛症は、時間が経つにつれて徐々に進行する病状です。初期段階であれば、適切な対応をすれば改善が見込めます。ただし、放置してしまうと状態は悪化します。

 

症状が進行してから治療を始める場合には、治療前と後で髪の量に大きな違いが出ることがあり、その状態が人によっては気になるかもしれません。そのためにも、早めの治療が大切なのです。

 

忙しくてなかなか病院に行けない方でも、AGAのオンライン診療サービスを利用すれば、自宅やオフィスからでも診療予約が可能です。手軽に専門家のアドバイスを受けられるので、ぜひ活用してみてください。

まとめ

抜け毛が気になる場合は、できるだけ早く医師の診断を受けることが大切です。AGAが原因である場合、早期に対応しないと症状が進行してしまうことがあります。通常、1日に50から100本の抜け毛は自然な範囲内ですが、それ以上に抜け毛が多いと感じたら、何かしらの健康問題が隠れているかもしれません。見過ごしてしまうと、後で後悔することになるかもしれないため、早めの対応を心がけましょう。

 

忙しくて受診する時間が無い場合や、周りの目が気になる場合にはオンライン診療を利用してください。

 

SOKUYAKUオンラインクリニックでは、オンラインでの診療サービスを行っています。インターネットを通じてAGAの治療相談が可能です。治療の効果や潜在的な副作用に関する情報提供、または個人の悩みや疑問に対するカウンセリングを受けられます。

 

受付時間:平日10:00~19:00

コメント 抜け毛が気になるという人は、まずは、はやめに専門知識のある医師の診察を受けることが大切です。
はやい段階で治療を開始することで、場合によっては、治療が完了するのに早くおわれる可能性があります。
また、抜け毛の原因などが、単にAGAだけではなく、なんらかの疾患が隠れている可能性などもありますし、治療だけではなく、生活習慣のなかで気をつけたほうがいいことなども教えて貰えます。

監修医コメント

医師
山下 真理子

抜け毛が気になるという人は、まずは、はやめに専門知識のある医師の診察を受けることが大切です。
はやい段階で治療を開始することで、場合によっては、治療が完了するのに早くおわれる可能性があります。
また、抜け毛の原因などが、単にAGAだけではなく、なんらかの疾患が隠れている可能性などもありますし、治療だけではなく、生活習慣のなかで気をつけたほうがいいことなども教えて貰えます。

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監修医師 山下 真理子
くみこクリニック京都駅前院所属 専門領域分類は美容皮膚科。 京都府立医科大学医学部医学科 卒業 / のべ10年以上の美容皮膚科勤務を経て、現在はくみこクリニック北山院に勤務している。コロナ以前は、大阪医専にて、医療従事者の教育にも関わった経験がある。
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