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低用量ピルの避妊効果はいつから?避妊失敗の原因や対処法について徹底解説!

監修医師 阿部 一也
更新日:2024年05月24日

更新日:2024年05月24日

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「パートナー任せではない避妊を考えてため低用量ピルの避妊効果が知りたい」
「低用量ピルはどのぐらいで避妊効果を得られるの?」
という声をよく聞きます。

低用量ピルには女性ホルモンが含まれており、避妊効果や生理周期の調整、生理痛の緩和などの効果が期待できる薬です。服用し始める時期により異なりますが、服用後1週間程度で避妊効果を得られるようになります。

この記事では、低用量ピルの避妊効果が得られるタイミングや避妊以外に期待できる効果、避妊に失敗する原因や対処法などについてご紹介します。低用量ピルの服用を考えている方は、参考にしてみてください。

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低用量ピルの避妊効果はいつから?

生理1日目から服用し始めればすぐに避妊効果が得られる

ピルの避妊効果は、服用し始めるタイミングによって異なります。生理初日に服用を開始した場合は、服用当日から避妊効果が得られます。それ以外の日に飲み始めた場合は、1週間以上連続して服用すれば避妊効果が得られるといわれています。避妊効果が得られるまでは、性行為をしないか他の方法で避妊しなければいけません。

低用量ピルの効果のメカニズムとは?

避妊効果におけるメカニズム

低用量ピルを服用すると体内の卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が増加します。脳が卵巣からこれ以上女性ホルモンを分泌する必要がないと判断し、卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)が放出されなくなり、排卵が起こらなくなります。排卵しなければ、子宮内に精子が入ってきたとしても、受精できないので妊娠することはありません。また、子宮内膜を厚くする働きがある卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が抑制されることで、子宮内膜が厚くならないため、妊娠しにくくなります。

 

ピルはこのように作用することで、避妊効果が期待できるようになるのです。

PMS・生理痛の緩和におけるメカニズム

PMS(月経前症候群)は、月経が始まる3〜10日前から始まる精神的・身体的な不快症状全般を指します。イライラ・抑うつ・不安・易疲労感・動悸・めまい・下腹部痛・むくみ・頭痛・腰痛・乳房痛などが代表的な症状です。

 

PMSの原因はまだはっきりとはわかっていませんが、女性ホルモンの分泌量の変動が関係していると考えられています。そのため、ピルで体内の卵胞ホルモンと黄体ホルモンを増加させ、卵巣からのホルモン分泌を抑制することで、分泌量の変動を穏やかにすると、PMSの症状が軽減するといわれています。

 

生理痛は、黄体ホルモンが多く分泌されることにより、生理の際に出た血を排出するときに、必要以上に子宮が収縮してしまうために起こるといわれています。そのため、ピルでプロゲステロンの分泌を減少させ、子宮の収縮を抑制すれば、生理痛が緩和できると考えられています。

ニキビの改善におけるメカニズム

黄体ホルモンは、皮脂分泌を促進する働きがある女性ホルモンです。一方、卵胞ホルモンは、皮脂分泌を抑制し、肌のツヤやハリを与えきれいな状態に整える働きがあります。

 

生理前になると黄体ホルモンの分泌が促進されるため、ニキビができやすくなってしまうのです。また、男性ホルモンであるアンドロゲンも皮脂分泌を促進する働きがあり、女性の体内でもアンドロゲンは作られています。

 

ピルは、黄体ホルモンとアンドロゲンが作られにくくする働きがあるため、皮脂分泌量が減少しニキビ改善効果が期待できるのです。

生理日の変更におけるメカニズム

生理周期は、エストロゲンとプロゲステロンによって調整されており、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量がともに減少してくると、生理が始まります。

 

生理を遅らせるためには、生理予定日の5日ほど前にピルの服用を開始して、体内のエストロゲンとプロゲステロンを増やすことで、生理が始まらないようにします。ピルの服用をやめれば2〜3日で生理が来ます。生理を遅らせることができる期間は、1週間から10日程度です。

 

生理日の移動では確実性を求めて、卵胞ホルモンが多く含まれている中用量ピルを使用することがあります。特に生理を遅らせたい場合には、中用量ピルを使用している医療機関が多いです。

 

生理日を早めたい場合は、前の生理の3〜7日目から低用量ピルを飲み始め、体内の女性ホルモンが低容量である状態を保ちます。2週間ほど服用し続けてから、服用をやめるとピルからの女性ホルモンが無くなるため、2〜3日後に生理がきます。2週間以上低用量ピルを服用できない方は、中用量ピルを10日以上服用し続ける方法もあります。

子宮体がんの発症リスク低下におけるメカニズム

子宮体がんの発症には、卵胞ホルモンがかかわっていることが知られています。卵胞ホルモンの値が高いと、子宮内膜増殖症を経て子宮体がんを発症するリスクが高くなることがわかっています。

そのため、ピルを服用し卵胞ホルモンの分泌を抑制させることが、子宮体がんの発症リスク低下につながると考えられています。

 

卵巣がんは、排卵回数が発症に関係していると考えられています。そのため、ピルでホルモンバランスを調整し、生涯に渡る排卵回数が減少すれば、卵巣がんの発症リスクを下げるといわれています。

 

子宮体がんも卵巣がんの場合も、ピルの服用期間が長いほど、発症リスクが低下するという報告があります。

低用量ピルの避妊効果は約99.7%※

低用量ピルを適切な方法で服用すれば、99.7%の避妊効果が期待できるという報告があります。他の避妊法よりも避妊率が高く、パートナーが避妊に対して非協力的だった場合にも有効な避妊法です。

 

※一般的なデータであり効果を保証するものではありません

出典:Hatcher, RA et al.:Contraceptive Technology:Twentieth Revised Edition, NewYork:Ardent Media, 2011

なぜ低用量ピルには避妊効果があるの?

排卵の抑制

低用量ピルを服用し、体内の卵胞ホルモンと黄体ホルモンが増加すると、視床下部からの性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌が抑制されます。その結果、脳下垂体からの卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンの分泌も抑制されて、排卵が起こらなくなります。

精子の子宮内進入の抑止

低用量ピルに含まれている黄体ホルモンは、子宮頸管粘液の量を減少させ粘着性を高めることで、精子が子宮内に進入しにくくします。

受精卵着床の抑止

ピルの働きにより子宮内膜を薄いままに保つことで、もし受精したとしても受精卵が着床しにくい環境になります。

ピルとコンドームの避妊率の違い

多くの男性が避妊法として利用しているコンドームは、理想的な使用をすれば98%の確率で避妊ができるといわれています。しかし、常に理想的な方法で使用することは現実的ではないため、一般的には80%程度の確率でしか避妊できないという報告があります。さらに、性行為中の破損や外れてしまうといったトラブルが発生するため、避妊率はより低いと考えられています。

 

一方、ピルは適切な方法で服用すれば、99.7%の避妊率が期待できるといわれており、コンドーム以外の避妊法と比べても確実性が高い避妊方法です。女性が男性に頼らず避妊できることや、月経周期の安定化や生理痛の軽減、ニキビ改善など女性にとって多くのメリットがある避妊方法といえます。

 

※ 一般的なデータであり、効果を保証するものではありません。

低用量ピルで避妊に失敗する原因と対処法

低用量ピルの飲み忘れ

低用量ピルを飲み忘れてしまった場合、期待していた避妊効果が得られない可能性があります。対処法は、最後に服用してからの時間によって異なります。

 

1回飲み忘れた場合(前回服用から24〜48時間以内)は、飲み忘れにきづいたら出来るだけ早く1錠飲み、次回からはこれまで通りの時間に服用するようにしましょう。気づいたのが、翌日の服用時間だった場合は、まとめて2錠飲んでも問題ありません。避妊効果は、適切に服用していた場合とあまりかわらないといわれています。しかし、飲み忘れたのが、休薬期間の前後1週間であった場合は、他の避妊方法もして性行為をするかアフターピル(緊急避妊薬)を服用した方がよいかもしれません。

 

2回以上飲み忘れた場合(前回服用から48時間以上経過)は、出来るだけ早く1錠飲み、次回からはこれまで通りの時間に服用することは、1回飲み忘れた場合と同じです。しかし、期待される避妊効果が得られない可能性が高いため、飲み忘れから7日以上服用するまでは、他の方法でも避妊をして性行為するようにしてください。

第3週に飲み忘れた場合は、休薬期間を設けず、すぐに次のシートを服用しましょう。

 

ピルを飲み忘れている間に性行為をした場合は、第1週目に飲み忘れた場合のみアフターピルを服用することをおすすめします。

下痢や嘔吐

低用量ピルは服用してから吸収されるまで、2〜3時間かかるといわれています。そのため、その間に下痢や嘔吐でピルの成分が十分吸収できなかった場合は、もう1錠飲むことをおすすめします。これまでにピルを服用して吐いてしまったことがある方は、医師に相談して吐き気止めを処方してもらってもよいでしょう。

不安な場合はアフターピル服用という選択も

アフターピルは、望まない妊娠を避けるために、性行為後に緊急的に服用する避妊薬です。種類により有効時間(72時間もしくは120時間)が決まっており、その間に服用することで高い避妊率が期待できます。

 

適切な方法で低用量ピルを服用できなく、期待される避妊効果が得られるか不安な場合は、アフターピルの服用をおすすめします。

まとめ

ピルの効果や効果があらわれる時期、メカニズム、失敗してしまう原因と対処法などについて紹介しました。

低用量ピルは生理初日から服用し始めればすぐに避妊効果を得られますが、その他の日から服用し始めた場合は、7日間服用後に効果が得られます。

毎日決まった時間に服用しなければ期待される避妊効果を得られない可能性があるので、飲み忘れに注意する必要があります。

また、避妊効果以外の目的で低用量ピルを服用する場合は、効果があらわれるまでに個人差があるので、医師に相談しながら服用してください。

 

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※受付時間:平日10:00~19:00

コメント 低用量ピルを使用される方の理由は様々と思います。月経困難症の治療目的、避妊目的などあると思います。使用することで様々なメリットがある一方で、やはり副作用などのデメリットに不安や心配を感じている方もいると思います。ホルモン剤を使用しはじめると、嘔気・体重増加・頭痛・コレステロール上昇・肝機能障害・血栓症などの可能性が出るとされます。もちろん可能性の問題ですし、出現する頻度は重篤なものほど稀になります。低用量ピルを使用する場合は、定期的に医療機関を実際に受診するようにし、血液検査で異常が無いことの確認をしましょう。また嘔気や頭痛などの症状は継続的に内服すると軽快する場合もあります。しかし改善しない場合や悪化することがあれば、早めに主治医の先生に相談することが重要です。

監修医コメント

医師
阿部 一也

低用量ピルを使用される方の理由は様々と思います。月経困難症の治療目的、避妊目的などあると思います。使用することで様々なメリットがある一方で、やはり副作用などのデメリットに不安や心配を感じている方もいると思います。ホルモン剤を使用しはじめると、嘔気・体重増加・頭痛・コレステロール上昇・肝機能障害・血栓症などの可能性が出るとされます。もちろん可能性の問題ですし、出現する頻度は重篤なものほど稀になります。低用量ピルを使用する場合は、定期的に医療機関を実際に受診するようにし、血液検査で異常が無いことの確認をしましょう。また嘔気や頭痛などの症状は継続的に内服すると軽快する場合もあります。しかし改善しない場合や悪化することがあれば、早めに主治医の先生に相談することが重要です。

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監修医師 阿部 一也
板橋中央総合病院 医長 専門領域は、産婦人科 経歴として、東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業、現在は板橋中央総合病院勤務 保有免許・資格は日本産科婦人科学会専門医
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