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ピル服用中に予定より早く生理がきたのはなぜ?原因や注意事項について詳しく解説

監修医師 阿部 一也
更新日:2024年05月25日

更新日:2024年05月25日

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「ピルを飲んでいるのに生理がきてしまった」
「そもそもピルを飲んでいて生理はくるの?」

低用量ピルを服用中の方で、出血すると不安ですよね。また、そもそもピル服用中に生理が来るのかどうかわからない方もいます。

この記事では、低用量ピル服用中の生理や原因、出血した際の注意事項などを詳しく解説いたします。ピルの仕組みを理解し、安心して服用を継続するための参考にしてください。

ピル服用中の生理の原因

低用量ピルには、女性ホルモンが含まれており、ピルを服用することでホルモンバランスが調整されます。そのため、毎月安定したタイミングでの生理が期待されるのが特徴です。しかし、低用量ピルを服用し始めた月は体が慣れておらず、ホルモンバランスが崩れて生理予定日よりも早く生理が来る場合があります。 

 

この場合、生理ではなくほかの原因によって引き起こされる出血です。低用量ピル服用中の出血は2つの原因に分けられ、それぞれ消退出血と不正出血があります。

消退出血

消退出血とは、血液中の女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)もしくはプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が何らかの理由で減少することで、子宮から出血する状態です。子宮内膜が剥がれることで起こる出血のため、生理も含まれます。

 

通常の生理の場合は、生理が終了するとエストロゲンの分泌が徐々に上昇していきます。排卵前に多く分泌されることで子宮内膜を分厚くし、プロゲステロンが排卵後に多く分泌されると子宮内膜の厚みを保持します。子宮内膜を厚くし、卵子と精子が出会うことで出来る受精卵を迎え入れるクッションとしての役割を果たしますが、排卵後に妊娠しなければ必要がないため子宮内膜の一部が剥がれます。

 

低用量ピルを服用している方の場合には休薬期間がありますが、その期間に出血が見られます。低用量ピルを服用すると妊娠に近いホルモン状態になるため、排卵が抑制されます。て休薬期間に入ると子宮内膜が剥がれ、出血が起こる仕組みです。

 

消退出血は、ピルを服用中であれば基本的には起こる現象であり、異常ではありません。

消退出血はいつ起こる?

消退出血が起こるのは、低用量ピルの休薬期間です。低用量ピルは21日間内服を継続し、排卵を抑制します。その後7日間は休薬もしくはプラセボ(偽薬)を服用し、ピルの有効成分を取り入れない期間が休薬期間です。

 

個人差はありますが、一般的には休薬期間が開始されてから2日前後で出血が起こります。ピルの休薬によってホルモンが補われなくなり、体が反応し子宮内膜が剥がれおちるためです。

 

出血は月経と同様に5日程度続くのが一般的です。個人差がありますが、低用量ピルにより子宮内膜が厚くなりにくいため、月経よりも出血量が少なく期間が短くなります。

 

休薬期間中に消退出血が起きない場合には、妊娠の可能性がありますので、医師に相談し受診しましょう。

予定より早く生理(消退出血)がきたら?

毎日正しく低用量ピルを服用していても、予定より早く生理が来る場合もあります。

 

休薬期間中の出血であれば、個人差の範囲といえるため正常の反応です。しかし休薬期間よりも早くに出血があれば、不正出血の可能性があります。

 

不安な場合は、低用量ピルを処方したかかりつけの医師に相談しましょう。また、痛みや体調不良もともなう場合は早めに受診してください。

不正出血

低用量ピルの服用中の方で休薬期間よりも早い時期に生理が来た場合には、不正出血の可能性があります。不正出血にはさまざまな原因があるため、出血だけでは原因を特定できません。できるだけ早くかかりつけの医師へご相談ください。

 

低用量ピル服用中の不正出血はなぜ起こるの?原因と対処法を解説

その他の原因

妊娠

妊娠の初期に、不正出血が起こる場合があります。

 

低用量ピルは避妊効果が99.7%と高く、正しく服用していれば妊娠の可能性はほとんどありません。しかし、100%の避妊効果はなくまれに妊娠する場合もあります。また、飲み忘れや他の薬やサプリメントとの飲み合わせによって、ピルの避妊効果が下がるケースもあります。

 

低用量ピル服用中でも妊娠の可能性はゼロではないため、妊娠の初期症状として不正出血も起こりうるのです。

性行為による出血

低用量ピルを服用中に出血があった場合、生理ではなく性行為が原因で出血している恐れもあります。女性の腟内はとても敏感であり、ちょっとした刺激でも出血してしまうからです。

 

たとえば、パートナーの爪が長いまま指を腟へ挿入したり、激しく腟内を刺激したりすると、出血するケースがあります。

薬やサプリメントの飲み合わせ

低用量ピルには、同時に摂取するとピルの効果に影響してしまう薬や成分があるため、飲み合わせの悪いものは避けましょう。

 

たとえば、解熱鎮痛剤として多く市販されている「アセトアミノフェン」は、ピルと併用するとピルの副作用を強める可能性が高いです。

 

また、バストアップを目的にした美容サプリに含まれる「プエラリア」という成分は、ピルの効果に影響を及ぼします。他にもピルの効果を弱めてしまう成分もあり、そのような場合にはピルを服用中でも生理が起こる可能性があります。

 

そのため、薬やサプリメントの成分とピルの相性が良いか、日常的に確認しましょう。また、ピル服用時は事前に飲み合わせについて医師に尋ねておくと安心です。

生理中のピルの服用方法

ピル服用しはじめの場合

低用量ピルの服用を開始するタイミングは、処方された後の次の生理初日です。毎日服用を継続し、避妊効果を得やすくします。ただし、生理不順や産後の場合には生理がなかなか来ない方もいるため、生理を待たずに服用を始めるケースもあります。この場合、服用開始から7日間は避妊効果を得られません。

 

また、初めてピルを飲む方は、副作用が出やすく不正出血を起こしやすい特徴があります。痛みや体調不良など症状がない場合は、そのまま服用を続けるケースもあります。

休薬期間中の服用方法

低用量ピルには、休薬パターンが2種類あります。1シート21錠の場合には、ピルを21日間飲み続けた後、7日間は休薬期間です。一方で1シートが28錠タイプの場合は、21日間ピルを毎日飲み続けた後、プラセボと呼ばれる偽薬を服用します。偽薬があることで飲み忘れの防止にもつながるでしょう。

 

休薬期間が4日間と短い第4世代の超低用量ピルの「ヤーズ配合錠」と「ドロエチ配合錠」もあり、どのタイプの方法でも得られる避妊効果は同様です。

 

また、生理中に偽薬を飲み忘れてしまっても避妊効果に影響は出ません。

不正出血が起こった場合の服用方法

ピルを毎日正しく服用しているのに、心当たりのない不正出血があった場合は、早めに医師へ相談しましょう。ほかの病気が潜んでいる可能性もあるため、早期の受診と発見が大切です。

ピルの服用中に生理がきたとき注意が必要な出血

休薬期間外の出血

休薬期間以外の出血は、消退出血のような正常な反応ではなく、不正出血の可能性が高まります。重篤な疾患が潜んでいる場合もあるため、気づいたら早めに産婦人科を受診してください。

腹痛などの症状が伴う出血

とくに痛みなどの症状をともなう出血の場合には、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気の可能性があります。腹痛のほかに、腰痛や頭痛など体調に異変を感じたら、かかりつけの医師へ相談しましょう。

妊娠初期症状に該当する出血

妊娠の初期症状の1つに、性器からの出血があります。通常の月経と比較して、出血量が少なく期間は長くても3〜4日という短さが特徴です。

予定より早く生理がきて心配な場合は、産婦人科医に相談を

低用量ピルをしっかり服用していても、予定より早い時期に生理が来る場合があります。個人差の範囲の可能性もありますが、不正出血の恐れもあります。自分で判断がつきにくい場合や心配があれば、産婦人科のかかりつけ医に早めに相談しましょう。

まとめ

今回は、低容量ピル服用中に生理が来た場合の原因や注意事項について解説しました。ピル服用中には「消退出血」と「不正出血」がありますが、少しでも心配があれば医師へ相談ください。

 

SOKUYAKUオンラインクリニックでは、ピルのオンライン診療にも対応しております。ピルの効果や服用方法などご不安な点もご相談いただけます。

 

受付時間:平日10:00~19:00

コメント 低用量ピル(以下ピル)を使用し、体調が良く経過されている方もいらっしゃると思います。しかし同時にピルを使用していると意図しない性器出血が出たりすることもあります。ピルはホルモン剤ですので、内服しているとホルモンバランの変動もありますので、当然予定しない出血もあったります。休薬期間に出血することが多いですが、逆にこの出血を意図的に調整する方も中にはいらっしゃいます。休薬期間あるいは偽薬期間を短くし、性器出血を早めに起こさせることもあります。ご自身の予定に合わせ、生理を調整することが出来るのもピルの特徴と思います。どのように調整すれば良いか分からない場合は、一人で悩まずに医師への相談をご検討下さい。

監修医コメント

医師
阿部 一也

低用量ピル(以下ピル)を使用し、体調が良く経過されている方もいらっしゃると思います。しかし同時にピルを使用していると意図しない性器出血が出たりすることもあります。ピルはホルモン剤ですので、内服しているとホルモンバランの変動もありますので、当然予定しない出血もあったります。休薬期間に出血することが多いですが、逆にこの出血を意図的に調整する方も中にはいらっしゃいます。休薬期間あるいは偽薬期間を短くし、性器出血を早めに起こさせることもあります。ご自身の予定に合わせ、生理を調整することが出来るのもピルの特徴と思います。どのように調整すれば良いか分からない場合は、一人で悩まずに医師への相談をご検討下さい。

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監修医師 阿部 一也
板橋中央総合病院 医長 専門領域は、産婦人科 経歴として、東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業、現在は板橋中央総合病院勤務 保有免許・資格は日本産科婦人科学会専門医
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