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ピルの効果が低くなる?ピルと飲み合わせが悪い薬・サプリメント・飲食物について解説

監修医師 馬場 敦志
更新日:2024年05月23日

更新日:2024年05月23日

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・低用量ピルと併用できない食べ物はある?
・低用量ピルと一緒に飲んではいけない薬が知りたい

低用量ピルは妊娠を希望しない期間や月経困難症などの際に、毎日欠かさず服用する薬です。飲み続ける期間は個人差がありますが、症状や飲み始めた年齢、人生設計に応じて何年も飲み続ける場合もあります。何年も飲み続けていれば、ほかの薬やサプリメントを飲む必要が出る場合もあるでしょう。

その際には薬やサプリメントとの飲み合わせが気になり、ほかの薬やサプリメントをためらって、症状を我慢してしまう方もいます。また、せっかく毎日低用量ピルを服用していても、飲み合わせの悪い薬を同時に飲むことで効果が弱まってしまう可能性もあるのです。

今回は、低用量ピルとの飲み合わせが悪い薬やサプリメント、食べ物について解説していきます。併せて、低用量ピルとの飲み合わせが悪い薬を飲んでしまった際の対処法などもご紹介しますので、ピルとの飲み合わせが気になる方は参考にしてみてください。

ピルとの飲み合わせに注意が必要な薬

低用量ピルとの同時服用に注意が必要な薬は、40種類以上と多く存在します。ほかの薬と併用すると、低用量ピルの作用が増減したり、併用した薬の作用にも影響が出たりする恐れがあるのです。

 

ここではその中でも、大きく分けて4種類の薬について解説します。

解熱鎮痛剤

解熱鎮痛剤には、ロキソプロフェンナトリウムやイブプロフェン、アセトアミノフェンなどの種類があります。その中でもとくに注意が必要なのは、アセトアミノフェンと併用する場合です。

 

低用量ピルとの併用は禁忌ではありませんが、同時に服用すると低用量ピルの作用が増強し副作用のリスクが高まりやすくなります。

 

アセトアミノフェンは市販の解熱鎮痛剤に多く含まれ、カロナールという名称で病院から処方される場合もある成分です。ピルとの併用によって、アセトアミノフェン自体の体内での分解が早くなり効果が低下しやすくなるため、注意しましょう。

 

ロキソプロフェンナトリウムやイブプロフェンは低用量ピルとの併用が可能です。実際に病院では、月経困難症の治療では低用量ピルと一緒に、ロキソプロフェンナトリウムやイブプロフェンが処方されるケースがあります。

 

発熱した場合や痛み止めが飲みたい場合には、医師の診察を受けて適切な解熱鎮痛剤を処方してもらいましょう。また、その際には必ず低用量ピルを服用していることを伝えてください。

抗結核薬や抗てんかん薬

抗てんかん薬は、てんかん発作の基本的な治療として使用されます。抗てんかん薬の種類によっては、酵素誘導作用という薬剤を肝臓での分解を促進する働きを持っている場合があります。つまり低用量ピルを合わせて服用すると肝臓での分解を促進され、ピルの避妊効果が低下する恐れがあるのです。酵素誘導作用が強い抗てんかん薬には、フェノバルビタール、フェニトイン、カルバマゼピン、プリミドンなどがあり、飲み合わせに注意が必要です。

 

また、低用量ピルの作用を減弱させたり不正性器出血のリスクが高まったりする可能性があります。

 

抗結核薬や抗てんかん薬でも、低用量ピルの効果に影響を与えにくい種類もあります。必要な場合には、低用量ピルを服用していることを必ず医師や薬剤に伝えましょう。

向精神薬や三環系抗うつ薬

向精神薬は、全身から集まってくる情報を処理し指令を出す役割を持つ中枢神経(脳、脊髄)に作用し、精神機能に影響を及ぼす薬剤の総称です。三環系抗うつ薬は、脳内のセロトニンやノルアドレナリン活性を高め、抗うつ効果を発揮します。

 

これらは低用量ピルと同時に服用すると、三環系抗うつ薬(イミプラミン、アミトリプチリンなど)の作用を増強させ、副作用が起こりやすくなる可能性があります。

 

低用量ピルを飲んでいる方や検討している方で三環系抗うつ薬を服用中の場合は、必ずかかりつけの精神科や心療内科の医師に相談してください。

 

一方で強迫性障害やパニック障害、うつ病などの治療に使用される選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)と低用量ピルの併用は問題ないとされています。

抗真菌薬

抗真菌薬とは、真菌の増殖を妨げる薬で、フルコナゾールやボリコナゾールなどがあります。抗真菌薬と併用すると、低用量ピルの作用が増強され、副作用が出やすくなります。とはいえ低用量ピルの効果が高まるからといって、避妊効果が高まることはありません。

 

抗真菌薬には、内服薬と塗り薬がありますが、塗り薬はピルへの影響はないため、使用は問題ないとされています。

ピルとの飲み合わせに注意が必要なサプリメント

市販のサプリメントは種類がたくさんあり、その中には低用量ピルとの併用で影響を及ぼす可能性のあるサプリメントも存在します。とくに注意が必要な成分のあるサプリメントには注意が必要です。自分で判断が難しい場合には、かかりつけの医師へ相談しましょう。

セントジョーンズワート(西洋オトギリソウ)

セントジョーンズワートはセイヨウオトギリソウともよばれ、黄色の花を咲かせるハーブの1種です。ドラッグストアで購入でき、ハーブティーに含まれているケースもあり、海外ではうつ病や更年期の症状、注意欠陥多動性障害(ADHD)などに効くとされています。しかし、多くの薬物の代謝に影響を与えるとされ、副作用を引き起こす可能性もあります。ピルと併用すると、避妊効果や子宮内膜症などの作用を弱めやすくなるため、注意が必要です。

イソフラボン

イソフラボンの構造は女性ホルモンに似ているため、女性ホルモンに似た働きをします。納豆や豆腐、豆乳など日常の食事に含まれる量であれば問題ありません。しかし過剰に摂取するとピルの効果に影響を及ぼす恐れがあります。

 

イソフラボンが含まれるサプリメントは、バストアップサプリやソイプロテインなどです。イソフラボンのサプリメントを服用したい場合は、ピルを処方した医師に確認しましょう。

プエラリア/ワイルドヤム/ボロン

バストアップやスタイルアップなどの美容を目的としたサプリには、プエラリアが含まれているものがあります。女性ホルモンに関連するとされ、低用量ピルの効果に影響を及ぼす可能性があり、注意が必要です。また、プエラリアの主成分である「プエラリア・ミリフィカ」には女性ホルモンに似た成分があり、イソフラボンの1000倍ほどの活性力があるとされ、国民生活センターからも注意喚起されています。

 

ワイルドヤムやボロンも同様に、女性ホルモンの分泌を活発にするため、ピルとの併用で影響をしやすくなります。

ピルとの組み合わせに注意が必要な飲食物

低用量ピルに影響を及ぼすのは、薬やサプリメントだけではありません。絶対食べてはいけないというわけではありませんが、過剰に飲食してしまうと低用量ピルの効果に影響を及ぼす可能性があります。

アルコール

低用量ピルを含む多くの薬は肝臓で分解されます。そのため、同じく肝臓で代謝されるアルコールを同時に摂取すると、アルコールの代謝に肝臓が重点的に働くのです。

 

結果的に低用量ピルの分解が遅れ、血液中のピルの成分濃度が上昇しやすくなり、効果が強く出過ぎたり副作用が出たりしやすくなります。

 

約20gまでの適量のアルコールであれば問題ありませんが、過剰な摂取や低用量ピルをアルコールで服用するのはやめましょう。

炭酸水

炭酸水に含まれる気泡は、低用量ピルの成分分解を弱める作用があり、ピルの効果が強く出てしまう可能性があります。低用量ピルを服用する際には、炭酸水ではなく水を選びましょう。

グレープフルーツ

グレープフルーツは、低用量ピルを含むさまざまな薬剤の作用に影響が出やすい食べ物です。グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類という成分が低用量ピルの成分を分解する働きを弱めます。薬の代謝が遅くなるためピルの効果が強く出過ぎてしまうのです。そのためジュースも避けましょう。

 

代わりに、同じ柑橘類のレモンや温州みかん、かぼすであれば影響が少ないとされています。

カフェイン(コーヒー等)

コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインも低用量ピルの吸収に影響を及ぼします。そのため低用量ピルを服用中はできるだけカフェイン摂取を控えましょう。ノンカフェインのコーヒーに変更するのもおすすめです。

 

また低用量ピルとカフェインを同時に摂取すると、カフェインの血液中の濃度が上がりやすくなり、カフェインに敏感な方はとくに避けましょう。

飲み合わせの悪い薬やサプリメントを飲んでしまったらどうする?

気づかないうちに、低用量ピルと飲み合わせの悪い薬やサプリメントを摂取してしまった場合にどうすればいいか気になりますよね。

 

そのまま併用を続けてしまうと低用量ピルや併用した薬の効果に影響が出てしまったり、副作用が現れたりする可能性があります。

 

そのため、気付いた時から低用量ピルの効果に影響が出やすそうなものを避けましょう。ピルの効果を減弱させやすいものを併用した場合には、ほかの避妊方法を同時に行うと安心です。

 

低用量ピルとの相性が合わない飲食物を摂取してしまった場合は、過度に心配する必要はありません。次回からは摂取を控えたり、過剰な摂取を控えましょう。

ピルの服用中に他の薬やサプリメントを使用する場合は必ず医師に相談を

飲み合わせのよくない薬やサプリメントを飲んでしまった場合には、その時点で低用量ピルを処方した医師へ相談しましょう。診察、相談をして併用していいのかどうかや対処法を指導してもらえます。

 

そのまま低用量ピルと併用を続けてしまうと、避妊効果に影響を与えるだけでなく、副作用で体調が悪化したり、ほかの病気の治療にも影響を与えかねません。自己判断は避けましょう。

 

しかし、忙しくなかなか診察に行きづらい方も多く見られます。そのような方にはオンライン診療がおすすめです。アプリやインターネットから医師の診察を受けられるため、病院に行く時間が取りづらい方でも場所や時間を問わず好きなタイミングで受診ができます。通院にかかる費用や時間も削減できますよ。

まとめ

低用量ピルもほかの薬と同様に、飲み合わせが悪い薬やサプリメントがいくつかあります。以下のものは低用量ピルの効果に影響を及ぼしやすいので注意し、併用したい場合は医師へ確認しましょう。

 

・解熱鎮痛剤

・抗結核薬

・抗てんかん薬

・三環系抗うつ薬

・抗真菌薬

 

他にも低用量ピルの服用中はアルコールやカフェイン、グレープフルーツなども過剰な摂取は控えましょう。

 

SOKUYAKUオンラインクリニックでは、ピルのオンライン診療にも対応しております。ピルの効果や服用方法、飲み合わせなどご不安な点もご相談いただけます。

 

受付時間:平日10:00~19:00
監修医コメント

医師
馬場 敦志

低用量ピルを常用している方は、新たに薬が処方されたり、サプリメントを飲みたい場合には、飲み合わせが大丈夫なのか医師や薬剤師へ相談しましょう。
そのまま低用量ピルと併用を続けてしまうと、ピルの効果が低下してしまい、避妊効果に影響を与えたり、緩和していた月経症状が悪化する可能性などもあります。
忙しくて受診する時間がとれない方は、オンライン診療の受診もオススメです。
場所や時間を問わず、ご自身の好きなタイミングで受診ができますし、通院にかかる費用や時間も削減できます。

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監修医師 馬場 敦志
宮の沢スマイルレディースクリニック 専門領域分類は、産婦人科 経歴として、筑波大学医学専門学類卒業後、現在は宮の沢スマイルレディースクリニック(札幌市)院長として勤務 保有免許・資格は、産婦人科専門医
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