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アフターピル服用中は飲酒してもいいの?飲酒時の対処法や服用時の注意点について解説

監修医師 阿部 一也
更新日:2024年05月20日

更新日:2024年05月20日

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アフターピルは緊急時に服用する薬です。しかし、服用する時に「お酒を飲んでしまったけど大丈夫なの?」と心配になる方は多いかと思います。「気分転換としてお酒をたしなんでいる」という方も多いかもしれませんが、「お酒のせいで効果がなくなるのでは……?」と不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。このページでは、お酒がアフターピルの効果に、どのように影響するのかについて詳しく説明していきます。

アフターピル服用前後に飲酒した場合の効果について

アフターピルは不慮の妊娠を防ぐために使われる薬で、きちんと正しく服用すれば、80~90%程度の妊娠阻止率が得られます。しかし、服用の前(または後)にお酒を飲んでいると、効果が低下する可能性があります。

 

性行為には、どうしても妊娠するリスクが伴います。アフターピルの効果を確実にするためには、お酒との相性をよく理解し、備えておくことが大切です。

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アフターピル服用前に飲酒した場合

アルコールはお薬の効果に悪影響を与えることがあります。作用が強くなりすぎたり、逆に弱くなったりすることで、お薬が持つ本来の効果が発揮されないことがあります。

 

アフターピルも同じように、お酒を飲むと「吐き気」や「嘔吐」などの副作用が起こりやすくなり、吐いてしまうこともあります。もしアフターピルを飲んでから2時間以内に吐いてしまうと、次のような問題が生じる可能性があります。

 

・避妊効果が下がってしまう

・十分な効果が得られず妊娠してしまう

 

このようなトラブルが起こった場合は、医師に相談して再度服用する必要があるかもしれません。お酒を飲むと気分がリラックスしてしまうので、性行為をする予定がある際は、できるだけ飲まないでいる方が望ましいです。

アフターピル服用後に飲酒した場合

アフターピルを飲んだ後でも、お酒を飲むのは避けるべきです。アルコールは血液の流れを良くしますが、アルコールを分解・代謝する肝機能にも影響を与えます。それによりアフターピルの分解・吸収にも影響を及ぼし、肝臓への負担が大きくなる恐れもあります。

 

また、「アフターピルを飲んで2時間以上経過していれば大丈夫」というわけではありません。アフターピルにはホルモンのバランスを一気に変える効果があるので、他の副作用も起こりやすくなります。副作用を防ぐためには、アフターピルの服用から最低でも24時間以上、お酒を飲まずに過ごしてください。

すでにお酒を飲んでしまっている場合の対処法

性行為は、パートナーと一緒にデート・食事をした後にすることが多いかと思います。お酒を飲んで気分を盛り上げたい気持ちもあるかもしれませんが、その前に、正しい対処法を知っておくことが大切です。

 

お酒を飲んだままアフターピルを服用しても、効果はある程度期待できますが、「嘔吐」には絶対に注意しなければなりません。アフターピルを飲んだ後に吐かないようにするには、

 

・空気の入れ替えができる場所にいる

・体を休める

・水分を十分に取る

 

という対策を行うのが有効です。

安全日や腟洗浄、腟外射精で緊急避妊はできない

「避妊できていないかも……」という不安が引き金となって、うっかり不適切な選択をしてしまうこともあります。お酒を飲んでいると、更にそういった事態に陥りがちになります。

 

以下に挙げる方法は、全て不適切とされている避妊方法です。「間違った避妊方法」も覚えながら、コンドームなどを使った正しい避妊方法を必ず行うように心がけましょう。

安全日

「排卵日以外は妊娠しない」や「生理直後は妊娠しない」と思っている方もいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。精子は腟の中で平均2〜3日、最長で7日も生き続けることができます。そのため、排卵日でなくても、精子が残っていれば妊娠する可能性はあります。

 

生理周期が変わることもあるので、「安全日は存在しない」ということを肝に銘じ忘れないでください。

腟洗浄

内に精液が入ってしまった場合、シャワーやビデで腟を洗おうとする方もいますが、これは避妊にはなりません。精子は腟の中まで到達すると奥まで移動してしまうので、完全に洗い流すのは不可能です。

 

また、「精子は酸性に弱い」という情報を得て、コーラやレモンを使って腟を洗う方もいますが、腟内が痛くなったり、細菌性腟炎などのリスクにもなるので止めましょう。

腟外射精

「腟外射精すれば避妊できる」という間違った情報が発信されることもありますが、全く避妊にはなりません。避妊法にも入りません。腟の中で射精しなくとも、性行為をすると男性器からは「カウパー腺液(通称:我慢汁、先走り汁)」という精子が混ざった液体が分泌されます。「腟の中で射精しなかった」=「妊娠しない」とは言えないのです。因みに、カウパー腺液内には必ずしも精液が混じってるわけではありません。特に注意は1度射精した後に、シャワーやトイレなどをせずに、コンドームなどの避妊法無しで性交渉した場合が非常に危険です。

飲酒後アフターピルを服用した場合の対処法

アフターピルを飲んだ後に嘔吐をすると、効果が弱くなることがあります。服用後から2時間以内に吐いたり下痢をしたりした場合は、もう1錠飲んでください。しかし、便が少しゆるい程度でしたら問題はありません。下痢や嘔吐が続く場合は、症状が治まってから最低でも7日間以内は、他の避妊法も一緒に行いましょう。

 

お酒を飲んだ後にアフターピルを服用してしまった後、嘔吐を防ぐには下記の方法が有効です。

・吐き気止めを飲む

・空気の入れ替えができる所で休む

・横になる

・水分を取る

など

 

上記のように、吐きやすい状況から避けるように心がけましょう。

 

また、珍しい副作用として、下痢が起こることもあります。飲酒によってお腹を下してしまい、服用後から2時間以内に下痢が起こると、十分な避妊効果が得られなくなる可能性が高まります。この場合の下痢は、水様便であればあるほど効果は薄くなると言われます。

 

また、お酒の飲み過ぎから嘔吐・下痢が起こることもあるので、飲みすぎには普段から気を付けてください。

アフターピル服用中の飲酒に関する注意点は?

嘔吐や下痢に注意

アフターピルは、服用後2時間以内に吐いたり下痢をしたりすると、薬の成分がきちんと体内に取り込まれない可能性が高くなります。そのようなトラブルが生じた場合は、もう1錠飲んでください。

 

ただし、少しゆるい便が出た程度でしたら問題ありません。下痢や嘔吐が長引いている場合、症状が治まってから少なくとも7日間は、別の避妊方法も同時に行ってください。

アフターピル服用後最低2時間は飲酒を避ける

アフターピルの効果を得るためには、性行為から72時間(種類によっては120時間)までに早めに飲むことが大切です。

 

アフターピルを飲んだ後に吐いたり下痢をしたりすると、効果が弱まることがあります。2時間以内に吐いたり下痢をしたりした際は、もう1錠飲んでください。さらに、アフターピルを服用すると、嘔吐や吐き気の副作用が出ることもあります。その状態でお酒を飲んでしまうと、さらに副作用がひどくなる可能性が高くなります。

 

アフターピルを飲んだ場合、最低でも2時間以内は、お酒を飲まずに過ごしてください。

まとめ

アフターピルが処方された時点で、もうお酒を飲んでしまっていたというケースに陥ることもあるかもしれません。

 

アフターピルは緊急時に飲む薬ですので、「すぐに飲まなきゃ」と思って、服用のタイミングを早めようと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、お酒を飲んでからすぐにアフターピルを飲むと、副作用がひどくなるかもしれません。特に、嘔吐してしまうと、効果が十分に得られなくなる可能性が高くなりますし、もう一回処方してもらうのにも時間がかかってしまいます。そのためアフターピルを飲んだ時は、お酒を飲むのを避けてください。吐き気がする時は、涼しい所へ行ってゆっくり休んでください。

 

性交渉から72時間以内(種類によっては120時間以内)に内服すれば良いので、飲酒前後であれば、少し時間をずらすなど調節しても良いと思います。

 

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コメント パートナーとの食事はとても楽しく、幸せな時間と思います。特に夕飯ともなれば飲酒は付き物と思いますし、気分が高揚してくると、つい避妊を忘れてしまうこともあるかもしれません。「もしかしたら避妊できてないかも・・・」と気になってしまっては、雰囲気も台無しです。性交渉はパートナーとの最も近いコミュニケーションでもあります。普段からどのような避妊法があり、適切な方法は何かを知っておくことは非常に重要です。そして適切に行っていたとしても、飲酒などが不安材料になってしまっては勿体ないです。アフターピルを使用しないようにすることが重要かもしれませんが、実際に使用する際には正しい知識を持って行動できれば大きな心配にはならないと思います。

監修医コメント

医師
阿部 一也

パートナーとの食事はとても楽しく、幸せな時間と思います。特に夕飯ともなれば飲酒は付き物と思いますし、気分が高揚してくると、つい避妊を忘れてしまうこともあるかもしれません。「もしかしたら避妊できてないかも・・・」と気になってしまっては、雰囲気も台無しです。性交渉はパートナーとの最も近いコミュニケーションでもあります。普段からどのような避妊法があり、適切な方法は何かを知っておくことは非常に重要です。そして適切に行っていたとしても、飲酒などが不安材料になってしまっては勿体ないです。アフターピルを使用しないようにすることが重要かもしれませんが、実際に使用する際には正しい知識を持って行動できれば大きな心配にはならないと思います。

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監修医師 阿部 一也
板橋中央総合病院 医長 専門領域は、産婦人科 経歴として、東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業、現在は板橋中央総合病院勤務 保有免許・資格は日本産科婦人科学会専門医
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