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有効成分ロラタジンを配合する市販薬「クラリチンEX」とは?効果や副作用、服用時の注意点など医薬品の情報を紹介

監修薬剤師 廣瀬安國
更新日:2024年02月26日

更新日:2024年02月26日

有効成分ロラタジンを配合する市販薬「クラリチンEX」とは?効果や副作用、服用時の注意点など医薬品の情報を紹介のイメージ
クラリチンEXという市販薬をご存知でしょうか?クラリチンEXは医療の現場で活躍した抗アレルギー薬のクラリチンと同じ有効成分が使われています。

有効成分は同じ「ロラタジン」という成分ですが、市販薬と医療用医薬品では入手方法や効能、注意点も異なります。今回はロラタジンの効果や副作用、注意点などを解説します。

有効成分のロラタジンって何?

クラリチンの有効成分はロラタジンは抗ヒスタミン薬に分類されます。花粉症などの目のかゆみや鼻水、くしゃみなどのアレルギー症状と呼ばれる反応は、ヒスタミン、インターロイキン、ロイコトリエンなど様々な原因物質が存在しています。

 

これらのアレルギー症状を抑えるためにアレルギーの原因物質を抑える薬剤がいくつも開発されてきました。

 

抗ヒスタミン薬は、神経伝達物質でもあり、食物、花粉、ハウスダストなどのアレルギーを誘発する物質によって放出されるヒスタミンに着目した薬剤です。

 

ヒスタミンは、H1受容体という体内に存在しているスイッチのようなものに反応することでアレルギー症状を引き起こしますが、抗ヒスタミン薬はH1受容体を阻害することでヒスタミンと反応しないようにして蕁麻疹や皮膚炎、アレルギー性鼻炎などの症状を改善します。

 

抗ヒスタミン薬には、特有の副作用が存在して脳の活動が抑えられて眠気や注意力低下などがあらわれる薬剤が多いです。

 

しかし、第2世代抗ヒスタミン薬として開発されたロラタジンは、アレグラなどの同系統の薬剤に比べると眠気の副作用が少ないとされています。服用回数も1日1回と少ないため使いやすい薬剤といえるでしょう。

病院など医療現場で使われている医療用医薬品

クラリチンは、医療用医薬品として開発された抗ヒスタミン薬であるため、以前は医師の処方のもと処方箋が発行されていないと交付できない薬剤でした。

 

クラリチンが医療の現場で使用されるようになったのは2002年から20年近くアレルギー治療薬として使われ続けてきた実績があります。

 

現在では、クラリチンのジェネリック医薬品として「ロラタジン」という商品が販売されるようになったので飲んだことがある方もいるのではないでしょうか。

市販薬「クラリチンEX」として販売可能に

医療用医薬品として病院などで20年近く使用された使用実績と比較的副作用も少ないと判断されたため2017年からスイッチOTCとして市販薬として販売され、医療用医薬品としての「クラリチン錠10mg」から「クラリチンEX」と商品名が変わっています。

 

第一類医薬品に分類されているため薬剤師が不在の薬局薬店では購入できないため、薬剤師が勤務している時間帯を事前に確認する必要があります。

医療用医薬品と市販薬のロラタジンには違いはあるの?

販売している製薬会社に違いはありますが、医療用医薬品と市販薬ではクラリチンに違いはありません。有効成分であるロラタジンは医療用医薬品と同じものが使われ、配合量も同じ10mgです。

 

用法と効能の適応に一部違いがあり、医療用医薬品は医師が診断して服用期間を決めることができるので服用期間は特に決められていませんが、市販薬は一時的に使用することが前提なので2週間以上は使わないようしてください。

医療用医薬品は医師からもらう処方薬

医療用医薬品は、医療機関で医師の診断を受けてから処方箋をもらうことで薬局などで交付してもらうことができます。処方箋を元に薬剤師が患者の副作用歴やアレルギーなどを考慮することで安全性を担保する仕組みになっています。

 

例外として、病院などの医療機関を受診できない患者から薬剤師が対面で事情を聞いてから処方箋なしに最小量を販売する「零売」というものがありますが、ほとんどの薬局で零売できる体制を整えていないので処方箋がないと医療用医薬品をもらうことができません。

販売しているメーカー

クラリチンは、医療用医薬品、市販薬ともにバイエル薬品という会社が製造販売元として記載されていますが、販売元が医療用医薬品では塩野義製薬、市販薬では大正製薬となっています。

 

製造販売元は、製造されたものや海外から輸入した医薬品を国内市場に流通させる会社のことをいいます。バイエル薬品が製造もしくは輸入したクラリチンを医療用医薬品として塩野義製薬、市販薬として大正製薬が販売元して商品を販売しています。

他に市販の鼻炎薬って何があるの?

クラリチンEX以外にも、処方箋が必要だった医療用医薬品からスイッチOTCとして市販薬で販売されるようになった医薬品が存在します。

 

アレグラFXという商品は、2012年に規制緩和された抗ヒスタミン薬で用法が1日2回と服用回数は多ですが、クラリチンと同じように眠気などの副作用が出にくいことが特徴です。

 

アレジオン10・20は2010年にスイッチOTCとして販売されるようになった市販薬で1日1回寝る前に服用する抗ヒスタミン薬です。抗アレルギー作用としてはクラリチンやアレグラより効果は高いですが、眠気や注意力低下もあらわれやすいデメリットがあります。

 

コンタック鼻炎ZとストナリニZは、成分としてはセチリジンが配合され、2010年に市販されるようになったスイッチOTC薬でアレジオンよりも効果が高いですが、眠気も強いお薬です。

用法用量は?

クラリチンは、医療用医薬品と市販薬は共通して用法用量が1日1回食後に服用することになっています。

 

医療用医薬品は医師の診断で処方されるため、お薬を服用する期間も医師が患者の状態を見ながら判断します。

 

しかし、市販薬は自分の判断で服用することになるのでお薬を飲む期間の目安があります。同じロラタジンが配合されている商品ですが、使用する目的が違って短期的に症状を抑えることが目的になっています。

 

1週間くらいクラリチンEXを服用しても症状が改善しない場合や症状の改善があった場合でも2週間以上服用するときには医師または薬剤師に相談する必要があります。

効能効果は?

医療用医薬品のクラリチンは「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎・皮膚そう痒症)に伴うそう痒」とありますが、市販薬では「花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:鼻みず、鼻づまり、くしゃみ」とあります。

 

医療用医薬品では鼻炎だけでなく皮膚症状などのアレルギー症状に広く適応が認められていますが、市販薬のクラリチンEXではアレルギー性鼻炎にしか適応を認められていないのが特徴です。

花粉症やアレルギー性鼻炎等による鼻水、鼻詰まり

花粉症やアレルギー性鼻炎は鼻の粘膜に入ったアレルギー原因物質を排除しようと身体の免疫が過剰に反応することで起きます。

 

主に鼻づまりや鼻みず、くしゃみといった共通の症状が起きますが、花粉症は目に花粉が入ったときにかゆみが起きます。アレルギーの原因物質としては花粉やハウスダストであることが多いです。

 

クラリチンは、アレルギーの原因物質が鼻の粘膜に入っても神経伝達物質であるヒスタミンを反応しないようにして花粉症やアレルギー性鼻炎に伴う鼻みずや鼻づまり、くしゃみなどの症状を抑える鼻炎薬といえます。

アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、湿疹等の皮膚症状

アトピー性皮膚炎や蕁麻疹、湿疹などはアレルギー反応が原因の皮膚症状です。アトピー性皮膚炎は、かゆみが伴う湿疹が慢性的に続く病気で乳幼児期に発症することが多い病気です。

 

蕁麻疹もかゆみと発赤を伴った浮腫、むくみが起きるアレルギー症状で薬剤や食物などアレルギーの原因となる成分が身体の内側が皮膚へ刺激することで起きることがあります。

 

アトピー性皮膚炎と蕁麻疹はハウスダストなどの皮膚からの刺激が原因です。クラリチンは、アレルギー物質が皮膚を刺激してヒスタミンを放出してアレルギー反応を起こさないようにします。

商品の特徴

クラリチンEXという商品は、薬の効果が長く続くため用法用量が1日1回1錠で済みます。そのため、学校や職場でお薬を飲む必要がなく忙しい方でもお薬を飲み忘れることも少なくなります。

 

また、アレグラなど他の抗ヒスタミン薬と比べると眠気や注意力低下が起きにくいので仕事や勉強にも影響が少なく、その他の副作用の目や口の渇きについても少ないのが特徴です。

 

副作用が少ないですが、効果も他の抗ヒスタミン薬の商品に比べると効果が低い場合もあります。しかし、効果と副作用のバランスが取れた医薬品であるため日常生活を送る上ではメリットも大きいです。

服用できる人は?

15歳以上であれば服用ができます。
しかし、過去にクラリチンで過敏症を起こしたことがある方は服用できません。妊娠中や授乳中の方も自己判断で服用せず、主治医に相談してください。

 

その他にも、別のアレルギー薬を飲んでいる場合やかぜ薬、咳止め、酔い止め、市販の催眠鎮静薬を服用している場合には服用しないでください。

 

これらの薬にはクラリチンと同系統の抗ヒスタミン薬が配合されていることが多いため副作用が強く出ることがあります。

 

また、一部の抗生剤や胃薬にも飲み合わせが悪いものがあるので医療機関でお薬をもらっている場合には医師、薬剤師に相談してください。

薬局・薬店、通販で購入できるのは?

通常、薬局薬店や通販で購入できるのは市販薬であるクラリチンEXです。第一類医薬品に分類されているため薬剤師が不在時には購入できません。

 

購入時に副作用歴やアレルギー歴、服用している医薬品や健康食品、サプリメントなど確認をしてクラリチンEXを服用しても問題ないか確認してもらうことができるので初めてクラリチンEXを飲む場合には対面で相談した方がいいでしょう。

価格の違いについて

クラリチンEXは、薬局薬店などの店舗だけでなく大正製薬ダイレクトで購入できます。大手通販サイトなどネット通販でも購入することができます。

 

価格としては送料がかかる場合もあるので大手通販サイトで購入する方が高いことが多いです。大正製薬ダイレクトで購入する場合には5000円以上購入の場合に送料が無料になりますが、通常300円かかります。

 

大手通販サイトではセールを行うこともあり、独自のポイント制度を採用していることもあるので価格を抑えることも可能です。

副作用などの注意点は?

クラリチンによく起こる副作用としては眠気、口や目の渇き、便秘や下痢などがあります。

 

他の抗ヒスタミン薬に比べて副作用は少なめですが、眠気や注意力低下などの抗ヒスタミン薬特有の副作用が起こる可能性はゼロではありません。

 

クラリチンを服用して普段とは違った身体の変化が起きた場合には病院など医療機関へ受診してください。

購入や使用する際は医師か薬剤師に相談しましょう

クラリチンEXで重大な健康被害が起きる可能性は低いですが、医薬品の効果には個人差があります。人によっては重大なアレルギーを起こす可能性もあります。

 

また、他にお薬を服用している場合には飲み合わせの悪かったり、抗ヒスタミン薬が配合されている医薬品である可能性があります。そのため、クラリチンEXを購入や使用する際には医師または薬剤師に相談しましょう。

参考文献
クラリチンEX
https://www.catalog-taisho.com/04839.php
クラリチン錠10mgの基本情報
https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/drugdic/prd/44/4490027F1022.html
【花粉症の方必見】市販で購入できるクラリチンとアレグラの効果・飲み方と副作用の違い
https://www.kusurinomadoguchi.com/column/claritin-allegra-4399/

最近ではオンライン診療を行っている病院も増えており、誰でも気軽に相談できるという状況が生まれています。

 

オンライン診療は、
・受付や会計の待ち時間が短縮される。
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当コラムの掲載記事に関するご注意点

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監修薬剤師 廣瀬安國
調剤薬局で薬剤師として従事。 薬剤師として学んだ知識と経験を活かして、医療用医薬品だけでなく身近に存在している市販薬についてもわかりやすく伝えることを意識して記事を執筆しています。
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